遺跡の守護者 (3)



「アクア! 援護を! ヤツを牽制しておいて!」
 剣を両手に持ち、構えながら、アクアに指示を出す。
 それに頷いて答えると、すぐに番えていた矢を守護者に向かって放つ。
 それも一発ではなく、連続で。放っては番え、番えては放つ。この遺跡での戦いで身につけた技だ。
 合計4本の矢が番人に向かって風を切る。
「……」
 無言。そして見ているのか、見ていないのか、ゆっくりと手を広げると魔力のシールドを作り出す。
「させるか!!」
 矢と平行して、セレスが突っ込む。一回目と同様に矢と剣の同時攻撃。
 守護者が4つのシールドを作りだし、矢をすべて弾いた。
「ハッ!!」
 弾いたその瞬間にセレスの剣が真一文字に守護者に襲い掛かる。
 カキーン!!
 甲高い金属音のようなものが遺跡に響き渡る。この攻撃も守護者のシールドによって防がれる。
 しかし、第二撃目は放たず、守護者の脇に回りこもうとする、セレス。当然、守護者はその身体を追い、魔法の準備に入った。
 ヒュッ!!
 守護者の身体がズレたその瞬間!!
 空を切る音と同時に守護者のわき腹に3本の矢が突き刺さる。
 その矢が飛んできたところには、決意の表情で弓を握っているアクアがいた。
「…グ……」
(チャンス!!!)
 一瞬のひるみを見逃さず、剣を振るう。
 ザシュゥウゥゥ!!
 セレスの剣は守護者の胴を切り裂いた。しかし、致命傷には至らず、かすった程度だが。
「まだまだ!!」
 チャンスとばかりに、立て続けに剣を振るう。しかし一発以外は当たらず、交わされるか、シールドでことごとなく防がれる。
「アクア!! 援護を! ここでカタをつけたいわ!!」
 守護者に切りかかりながら、後ろで待機しているアクアに激を飛ばす。
(恐らくチャンスはいましかない。ここでたたみかけないと!)
 縦、横。縦横無尽に剣を振るい、なんとか一撃を加えようと試みるが当たらない。
 無駄のない動きでヒラリヒラリと剣を交わす。その度に魔法の兆候があるが、セレスの連続攻撃ですべてを防いでいた。
 ヒュッ!!
 背後からの風切り音。アクアの放った矢だ。それは寸分たがわず、守護者の胴めがけて突き進む。
 カキーーン!!
 結果は同じ。またも守護者のシールドで弾かれる。
「ああ、もう!! ウザったい魔法ね!!」
 半ばキレかかりのセレスが叫ぶ。
「なら、魔法と剣撃、同時に味あわせてあげる。………フラム」
 セレスの呟きと同時に、剣が炎に包まれる。
 いまでは珍しい魔法の力を帯びた剣だ。恐らく過去の冒険で手に入れた古代のものだろう。
「くらえ!!!」
 ゴォゥ!!
 剣はうなりを上げ、守護者に襲い掛かる。しかし、その剣は再びシールドで防がれてしまった。
「!!!」
 そのまま弾かれると思ったが、セレスは力を込めシールドごと切り裂こうとしている。
「そんな、無茶よ!」
 後ろでアクアが叫ぶ。いままでの攻撃からすると剣や並みの魔法で打ち破れるものではないことは明らかだった。
 セレスもそんなことは百も承知なのだろう。しかし、他に手がない以上やるしかないのだ。
「ハァァァッッ!!」
 気合とともに剣を振りぬく。だが、シールドは破れない。剣にまとっていた炎も四散しその効力を消した。
 あまりにも力を込め、大振りになってしまい、セレスの身体がそのまま一回転。彼女らしかぬミスだ。
 当然、守護者はその隙を見逃さず、素早く魔法を作り出すと、スキだらけのセレスに向かって放つ!!
「セレスーーー!!」
 再びアクアは魔法を作り出す。さきほどとは違い増幅させてだ。
 なんとか助けないとセレスが危ない。さきほどとは違い、無防備な状態で守護者の魔法を食らったらひとたまりもないだろう。
 セレスを助ける。その思いがアクアにいつも以上の力を与えていた。
 完成した魔法は火炎弾ではなく、雷光と化していた。かなりの魔法能力を持っていないと作り出すことのできない代物だ。
 それがいま、アクアの手の中にあった。
「お願い!! 間に合って!!」
 祈りと同時にその雷光をいままさに魔法を放たんとしている、守護者に向けて放つ。
 アクアの手からの束縛から自由になったその雷光は放電を繰り返しながら一直線で守護者へ!!
 ヒットするその瞬間、守護者がセレスへと放った魔法と激突!!
 ズガァァァーーン!!!!
 とんでもない爆発音とともに宝物庫がその激震で揺れた。天井から砂埃がパラパラと落ちてくる。
 そして、魔法は……。
 守護者の氷の矢を相殺どころか貫通し、そのまま守護者へと命中した。
 バリバリバリバリ!!!!!!
 すさまじいほど、光が部屋中を支配する。もはや目を開けていられないほどだ。
 その放電と光は数十秒間もの間、部屋に充満し続けた。
 そして、放電が終わり…その場には……アクアの魔法でやられた守護者が横たわっていた…。


後書き

 どうも、筆者のぱんどらです。  オリジナル小説第2章・第24話『ドラゴン乗りの少女 遺跡の守護者 (3)』掲載完了です。
 いや〜、3週間もの間、空けてしまって申し訳ないです。言い訳だけど忙しかったんだ……。
 とりあえず戦闘はこれで終了かな? ちょっと急展開だけど許して。どっかでケリをつけないとダラダラいってしまうもので…。
 ちなみにセレスはアクアの魔法の衝撃でなんとか難を逃れました。補足ね。念のため。
 う〜ん、久しぶりに書いたものだからどっかでヘンなところあるかもしれないけど、大目にみてください。
 でわでわ、次の後書きで(^_^)/~



2000年 12/31 ぱんどら

遺跡の守護者 (2) 帰還
書庫に戻る トップページに戻る