フィレンの呪文書
≪ソングオブレイン≫
――彼と会ったのは、小さな街の広場だった。
広場で暴れる巨大なディオーズ。
逃げ惑う人々をかき分けて飛び出した私は、
すぐ傍らから別の男が現れるのを感じて振り向いた。
奇妙な身なりは宮廷道化師のそれ。
その男は服装に合わぬ鋭い視線で広場を見据え、私に告げた。
「雷を」
戸惑いつつも私は即座に呪を唱え始める。
そんな私を置いて彼は怯む事無く歩を進めると。
不意に丁寧なお辞儀をディオーズへ。
そして朗々と歌い始めた。
さらさらと打つ風の音
雨雲が我が元に参ります
からころと鳴りますは天の靴音
は
黒雲一同馳せ参じます
さぁさ鳴りはじめましたこの音は、
大地を 我が身を 貴方を打ちます
うるお たた
風は潤い涙と湛え
くぐ
貴方の足元を潜り抜けます
風の戯曲が始まります
雨の演舞が始まります
さぁさ皆様一同
今しばらく身を水に委ね
そうきょく
天の奏でる筝曲に耳傾けましょう
演目は雨の賛歌
ちまた
巷ではソングオブレインと呼ばれております
さぁさご静粛
歌声が始まりましたよ
男が大げさな仕草で空を見上げる。
ぽつり、ぽつりと顔を打つ雫。
まさか――
見上げた私に突然の雨が打ち付けた。
(そういう事か!)
私は視線を戻し――男が素早く下がりながらこちらを見やる。
十分な距離を離れたのを確認し、そして完成した呪を放つ!
「コールライトニング!」
あとがき↓
ストーリーシーン長め。
なんとなくソングオブレインを書いてみましたw。
今回は呪文でなく、幕間の紹介風にw。
このスキルって、ダンサーでしたっけ?
でも良く覚えていないのでジェスターにしてしまいましたw。
あまり自信のある作品じゃないけど、ストーリーのほうは気に入っていますw。
問題は――この道化師どうしようw。まぁ、再登場は無いでしょう、たぶん。