7

 その事態に彼女が気がついたのは事後処理の最中の事であった。事後処理、と言っても小さな事件の事後処理ではなく、十年以上前におきたと、ある銀河規模の事件の事後処理である。その規模は銀河規模の事件の名に恥じぬほど大きくその事後処理は困難を極めた。それは、その時連邦の敵対組織であった"帝国"と呼ばれた組織の規模がそれだけ大きいと言う事を示していた。
 とりあえず一通りの事後処理を完了したつもりになっても時々、ひょっこりと何の前触れもなしに帝国の残した遺産は時々、銀河に顔を出した。そして、相応の災厄を連邦の内に撒いていった。まるであの日あの時、滅び去った皇帝ルパード三世の怨嗟の呻き声の様に。事後処理が複雑になった原因はそれだけではない、その理由には他ならぬ彼女自身も理由の一つだった。あの日、連邦を護る為彼女が連邦大統領に提案した一つの提案、銀河ネットワークの一時的な強制遮断、それが事後の混乱を大きな物にした事を彼女は知っている。あの日、あの時の彼女自身の決断を後悔はしていない、だが、その事によって連邦は一時的にとはいえ大きなダメージを負い、即座に"帝国"の件に関する事後処理を十分に行うことができなかったのだ。
 そして、極々最近になって連邦は銀河の各地で巧妙に隠された幾つかの施設を発見した。それは"皇帝"が近衛と呼んでいたエンゼルチルドレンの軍団を製造する為の施設だったのだ。そう、"皇帝"の率いていた近衛を名乗る軍団は、全てが優秀なエンゼルチルドレンのクローン体であったのだ。そして、銀河を確実に自分の望む物に変えるべく"皇帝"は各地に自分の軍隊を作り出すためのプラントを設置していたのだ。発見されたのはそんな施設の内に幾つかだった。発見された施設の数は九箇所、その内、四つに関してはクローン体達の脳は調整されておらず、連邦によってクローン体は保護された。だが、残りの五つに関しては違っていた。極々最近、何者かによりクローン体は最終工程である脳の調整を終えられ連れ出されていたのだ。せめてもの救いはその内に、最強クラスのエンゼルチルドレンである"S"と"E"のクローン体が存在しなかった事であろう。そして、彼女はその事により何かがこの銀河に起ころうとしていることを知ったのである。それ故に彼女は自分の古くからの友人夫妻に事の真相を確かめるべく依頼を発したのであった。
 
 
 
 

8

連邦暦450年
連邦標準暦4月24日
惑星ルトナ ポートステーション"天照"

「ふう」
 久方に感じる"本物"の重力をその身に感じながら、リュウは一つため息をついた。なぜならば自分が進んでいく先に酷く厄介な事が待ち受けているであろうことを彼は良く知っていたから。
「はぁ、この性格、親父、譲りなのかな」
 お人よしの義父の事を思い出しながらリュウは再度、大きなため息をついた。
 リュウが"D131"ブラックホール近辺でリーンと名乗るエンゼルチルドレンとの戦いから一週間が過ぎていた。リュウは入ったばかりで悪いと友人に謝罪の言葉を残し詠うカナリア号を後にした。彼女が銀河で何を起こそうとしているかが気になったからである。圧倒的な力を持ち、彼の義理の両親達と同じカテゴリーリリンの力を持つ彼女。何故ブラックホールの内側にいたのか、強大な力を持ちながらも今までその存在を知られる事がなかったのは何故か等、疑問の種は尽きる事は無い。"D131"ブラックホールから引き上げられた建造物の内側から、幾つかの惑星の場所が記されたデータが残されていた。そこに彼女は向かったのかもしれない、そうリュウは推測し船を降り僅かな手がかりを手に彼女の足跡を追ってみる事にしたのだ。
 自分でも何故そうしたいのかは理解できなかった。唯一つだけ言えるのは、彼女との出会いに、リュウ自身なにか感じる事があったからなのかもしれない。
「先日のリュカーンでの事件、おそらく原因は彼女、だな・・・」
 この星にくる途中で知ったニュースの事を思い出しながら彼は一人つぶやく。そうそう、連邦の主要惑星の都市で大事件を起こしながら簡単に逃げ出せるエンゼルチルドレンなどそうは存在しない。
「とりあえず、車を借りないと、座標の場所まで少し距離があるしな」
 手の内にある携帯端末を見つめながら、リュウは小さく呟きながら、目的地に向け歩みを進めるのだった。
 
 

 ルトナは連邦の内でも開発がはじまってまだそう時間が経っていない発展途上の惑星であり、連邦でも辺境と呼ばれる位置に属する惑星である。発見は約百年前、ただし、砂漠の多く全体的な気温が高く住み難いと言う気候上の理由の為、開発に入ったのは、ここ二十年ほどのことであった。そのルトナの広大な砂漠の一角にそれは有った。砂漠のうちに形成された岩場の間に巧妙にその建造物は隠されていた、カムフラージュもほぼ完璧で先頃手に入れた詳細な地図がなければ見落としていたであろう。
「これ、か」
 街で借りた車から降り、目の前にある建造物を見上げながらリュウが言う。第一印象は似ている、と、言う思い。それは先頃リュウが詠うカナリア号と共にD131ブラックホールから引き上げた謎の建造物によく似ていた。風雨に晒され一部が損壊しているような印象も受けたが、だが、その建物全体がもつ雰囲気、形状はリュウが見たあの建造物とそっくりだった。
「なんの問題もなく入れればいいが」
 言いながらリュウはゆっくりと建物の扉らしきものに近づいてゆく。そして、発見した開閉スイッチらしき物に手を触れる。
 意外な事に、シュッと軽く音を立て、扉はあっさりと開き彼をその内に招き入れようとする。
「罠か、でも俺がここに来る事なんて予想できた、か・・・」
 小さく呟き考えるリュウ。だが、それも一瞬、彼はすぐに覚悟を決めるとゆっくりと建物の内側に足を踏み入れた。
 彼が侵入すると同時に暗かった通路に明かりが灯ってゆく。先ほど自動ドアが生きていた事と言い、この建造物はまだ内部構造が生きているらしかった。
「連邦の施設とも違う、一体こいつは何処が作ったものなんだ」
 注意深く周囲を見回しながらリュウが呟く。そして、何気なく見回した彼の瞳に、ある一つの文字が飛び込んでくる。
「"EMPIRE"・・・・帝国、連邦内に帝政の惑星なんてなかったはずだよな、現在も、過去も」
「いえ、存在したのよ"帝国"は」
 彼が呟いた答えを期待しない言葉に答える声。慌てて振り返ってみれば、そこに彼女がいた。あの日、彼が"D131"にて戦った少女、リーン・リシュナイールが。
「君は・・・・、君もその組織の関係者なのか?」
 油断無く身構えながらのリュウの言葉に一瞬、彼女はきょとん、とした顔をした後、答える。
「・・・・そう、ね、多分関係があったんじゃないかしら、私には豊富な帝国に関する知識がある、その事が私と帝国の関係を示唆しているわ、でもね、そんな事、私にとってはどうでもいい事なのよ」
 言って、彼女は笑った。
「どうでもいい、だと?」
「そう、どうでもいいの、今の私はあの方におつかえし、あの方の望みをかなえるための存在だから」
「あの方とは誰だ、君は何を望んでいる」
 リュウの問いかけにリーンは一歩彼へと距離を詰め言う。
「あの時も言ったじゃない、私の使命は"門"を開く事だって、あの方がこちらに帰ってこられるくらい、大きく、そして長い時間維持できるほどの"門"を作る事」
 それはカテゴリーレリエルの強い力を使い、普段は一瞬しか開かない虚数空間への"門"を巨大にし、長時間維持し、虚数空間に潜む何者かをこちら側の宇宙に呼び込もうと言う事。そして、彼女はそのためにここにいる。そう、彼女は言っているのだ。
「そして、あの方は、人に安寧と平穏、永遠の世界を与えてくれるわ、貴方も一緒に来ない、リュウ、貴方の力があればあの方の降臨はもっとずっとずっと速い物になる、そして、貴方ほどの力を有したACならば、あの方はきっと貴方を厚遇してくれるはずよ」
 差し伸べられた、そのか細い手を見つめながらリュウは言う。はっきりとした拒絶の意志を。
「それは無理な相談だよ、リーン、君からのデートのお誘いだったら考えてもいいが、怪しげな理想と陰謀には付き合えない、昔っから親父達に耳にタコができるくらい聴かされていることだからな」
「そう、残念」
 至極、寂しそうな顔をして少女は言うと自らの手に光の刃を生み出す。それは彼女が彼と同じ異能者であることの証。
「君こそ、使命から自由になろうとは思わないのか」
「使命から、自由になる・・・」
 彼女には一瞬、彼が何を言っているのか理解できなかった。自分は使命を果たすためだけに生まれてきたものだ。"あの方"に仕えることが自分の存在意義だし使命だと思っていた。しかし、彼は彼女の存在意義その物に疑問を呈したのだ。一瞬、強い耳鳴りが響き、力を維持する為の必要最低限の集中すら崩れ手の内の光の刃が消えてゆく事がわかる。最初から抱いていた小さな疑問。自分の使命が途中で書き換えられたような違和感。そもそも、彼女はなぜ、"あの方"をそんなに信じているのか。逢った事も無い、声だけしか聞いたことの無い相手をどうして彼女は信じているのだろうか。
 同時に響くのは"あの方"を信じる彼女自身の声、何を疑問に思う事がある、"あの方"を信じ銀河に安寧をもたらす事が自分自身の崇高な使命、そう響く自分自身の内にある声。
「リーン・・・?」
 自分の一言が生み出した思わぬ効果に驚き彼女に声をかけるリュウ。そんな彼の声に彼女は頭を手で押さえながらキッと睨みつける。
「貴方は、やっぱり危険よ」
 どうにかそう声を絞り出すと、彼女は再度、その手の内に光の刃を生み出す。自分の存在意義に疑問を呈し、彼女にノイズを走らせた原因をこの世から消し去る為に。
「私は、私の使命を!!」
 叫びと共に繰り出される斬撃、だけれども心乱された状態で繰り出されるその攻撃は、リュウにとっては簡単に避けられる物でしかない。
「リーン」
「うるさい、うるさい、消えてしまえ」
 絶叫と共にリーンは光の刃を生み出した手と逆の手から"雷"を放つ。対するリュウは左手から生み出した虚数空間への"門"を使い"雷"を虚数空間へと逃がす。
「消えろ、消えろ、消えてしまえ」
 彼女の叫びと共に幾つもの"雷"が生み出され、続けざまにリュウに向け放たれる。だが、それは全てリュウの生み出した虚数空間への"門"によって全てさばかれてしまう。
「リーン、やめろ、君だってもう気がついているはずだ」
「だまれ、だまれ、だまれ」
 叫びと共にこれまでで最大級の"雷"を生み出し攻撃しようとしたリーンだったが、度重なる力の行使が彼女の身体に与えていた負荷は相当のもので結果、彼女は"雷"を生み出すことなく、意識を失い昏倒した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

J-wing Presents
Episode Final
第三話 ノゾムモノ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

9
 
 
 

「やはり、サンプルE=Lは精神的な安定性にかけています、力は確かにサンプルE=Rよりは強大ですが、ですが精神的な強度を考えると、こちらの使用はお止めになったほうがよろしいと思います」
 
 

 闇の中響く声。
 
 

「オリジナルである、紅の魔女も精神的な脆さがあったらしいからな、結果半分自壊する様な形で、明けの明星に敗れた、確かに同じ愚を繰り返すのは避けたい所だな」
 
 

 声と共に誰かが"それ"の入っているポットを覗き込んでいる事が解る。
 
 

「ふむ、やはり陛下を護る剣の長は、サンプルE=Rに決定だな、奴との戦いの最中に妙な風に感化されて使い物にならなくなっては困るからな」
 
 

「では、サンプルE=Lは廃棄と言う事ですか?」
 
 

「いや貴重な細胞サンプルを使用した上で生み出された二体だけのサンプル、このまま廃棄するのはあまりにも惜しいな」
 
 

「よし、サンプルE=Lは例の場所に封印しておく事にする、しかるべき"使命"を与えてな」
 
 
 
 
 
 
 
 

 暗転
 
 
 
 
 
 
 
 

"それ"は歓喜した。長い間待ち望んでいた、"それ"の望みをかなえるための道具。それが、手に入ったのだから。
"それ"がどれ位の間、ここにいるのか、自分が誰なのか、そんな事はもう忘れてしまった。だけれども、成すべき事のみは憶えていた。"逢う事"そして"滅ぼす事"それを成す為に"それ"は自らが世界へと帰還するための道具を探していたのだ。そして、ようやくその道具は見つかった。
 
 
 
 
 

『見つけた』
 
 
 
 

"力"を行使し"それ"はやっと手に入れた唯一つの道具を入念に調査した。ただ一つだけの道具なのだ、望みをかなえるその時までは、大事にしなければならない。道具を調べた結果、問題が一つだけあったことを理解した。道具の持っている"境界壁"があまりにも脆弱なのだ。これでは、多くの"力"の行使に耐えることはできない。それでは困る。
"それ"は"力"を行使し道具の問題点を修復してゆく、それと同時に、道具に施されていたプログラムを自分に都合のいいように改変していった。
 程なくして作業は終わり"それ"は歓喜しながら、道具へと呼びかけた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

『目覚めよ』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

10
連邦暦450年
連邦標準暦4月25日
???
 
 
 

 カチリ、と、小さな音をたて、その回路のスイッチが入れられる。瞬間、施設内の電源系統が回復し、施設をゆっくりと光が満たしてゆく。
「やはり、事後の混乱が原因か、この施設に気がつくことなく見逃してくれていたのだから」
 言いながら彼はゆっくりと施設内の現状をチェックしてゆく。
「まぁ、仕方が無いだろう"皇帝"の計画を止める為とはいえ、銀河ネットワークを一時的にとは言え強制的に切断したのだから」
「そうだな、僅か十年ほどで秩序をここまで回復させたのだから、なかなかやる方だというべきか、それに、それ故に僕たちはここにいるんだからね」
 彼の言葉に、もう一人の人物は、違いない、と呟くと低い声で笑った。
「さて、これで受け皿のほうの準備は完了だね」
 軽口を続けながら行っていた施設の自己点検の結果を見つめながら彼は言う。彼が覗き込んでいたディスプレイには施設の現状は全く問題ない事を示す文字が躍っていた。
「あとはここに術者を集めるだけ、か、手順は"皇帝手法"で行くかい、そのための施設はここにあるし、僕達二人なら銀河のほぼ半分はカバーできるだろうしね」
 言って、彼は相方の顔を見つめ、にやっと笑った。
 そこには、鏡を写したように自分と瓜二つの顔がそこにあった。
「ああ、はじめよう"あの方"をこちらの宇宙に呼び戻す為に」
 言って、同じ顔をした二人の人物は歩き始めた。銀河に、新たなる災厄を呼び込むために。いや、この言い方は正しくないのかもしれない、なぜならば彼等は自分達が成そうとしている事が災厄だとは微塵も思っていなかったのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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連邦暦450年
連邦標準暦4月26日
惑星リュカーン カーンシティ
 

 町を歩いていると、ふと、何処かから呼びかけられる声が聞こえた気がして、彼は足を止めた。気のせいかと思い、再度歩き出そうとしたが、今度ははっきりと、声が響く。
 それは冷たく無機質な声、だけれどもその声は、あがらい難い力を持って彼を呼ぶ。
 
 
 

『来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ、来たれ』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 幾度も響くその声が、徐々に彼の思考能力を奪ってゆく。それが"力"を用いた干渉である事を理解できたときには、既に遅かった。彼はもう、その呼びかけに抵抗する事ができなくなっていたのだから。
 そして、彼は声の呼びかけに従い、自らの力を使い、呼ばれるままに転移をはじめる。彼の足元に虚数空間へ通じる門が開き、彼は声の呼びかけに従い自ら作り上げた門をくぐる。
 そして、彼は惑星リュカーンから姿を消した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 時を同じくして同様の形での行方不明者が銀河の各地で相次いで生まれていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 再び銀河に、悪夢が撒かれる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

To be continued
 
 
 
 
 
 

あとがき

 お久しぶりでございます。待っていた方がいらっしゃったらごめんなさい。
 EpisodeFinal第三話、ようやくのお届けです。
 自分でも思ったほど時間がかかってしまい、時間をかけた割に内容的には今ひとつのような気がしないでもないですが。ホントにごめんなさい。
 同時進行で他の小説なんかを書いたり、仕事が忙しかったり、色々あったんです、ホントに。まぁ、言い訳は置いておくとして、この作品、楽しんでいただけると幸いです。
 それでは、次の作品のあとがきでお会いしませう。