第八話  神の使いイーグル

 

      ☆ ふと気がつくと、つめたい床にうしろ手で縛られ、座っていました。
       ☆ どうやら部屋の隅っこらしきところです。まわりは真っ暗で何も見えません。
       ☆
   リール☆ (ここはきっと牢屋だわ・・・寒い・・・)
       ☆
       ☆ リールがこんなことを考えていると、ガーッという音とともに天井が開きました。
       ☆ そして眩しい光が射し込んできたかと思うと、いきなり水が滝のように流れ落
       ☆ ちてきました。
       ☆
   リール☆ 
「あっ・・・つめたい・・・」 
           

       ☆ 水はどんどん流れてきて、容赦なくリールの肌をうちました。
       ☆
   リール☆ 
「つめたいよう・・・さむいよう・・・」
       
  ☆ 
       
  ☆ リールは力のない声で叫びました。
       ☆ それでもなお水は流れてきて、リールは胸まで水につかってしまいました。
       ☆
   リール☆ (このままじゃ沈んじゃうわ・・・縛られてるから動けないし・・・どうしよう・・・)
       ☆
       ☆ リールは縛られ、正座をしたまま動けませんでした。冷たい水のせいで体は
       ☆ 完全に麻痺しています。落ちてくる水はいまにもリールの顔を覆い隠そうとして
       ☆ います。リールは立ち上がろうと全力を振り絞りましたが、手足がいうことをきき
       ☆ ません。
       ☆ そうこうしているうちにとうとう水はリールの頭を覆い隠してしまいました。
       ☆
   リール☆ (苦しいよ、息ができない、気がとおく・・・・・・)
       ☆
       ☆ リールが完全に水につかってしまってもまだ水は流れてきます。
       ☆ 天井から二人の男の声が聞こえてきました。
       ☆
  ドバール☆ 「このままほっとくと死んじまうぜ。」
       ☆
  ドガンテ☆ 「そうだな。よし、水を抜こう。」
       ☆
       ☆ ドガンテは大きなスポイトのようなもので水を抜いていきました。
       ☆ 水をすべて抜くと二人ははしごで下へ降りて行きました。
       ☆
  ドバール☆ 「気絶してるぜ。」
       ☆
  ドガンテ☆ 「ふん。そういう奴はこうだ。」
       ☆
       ☆ ドガンテはリールの背中を鞭で打ちました。
       ☆
   リール☆ 
「あっ・・・」
       
 ☆
  ドガンテ☆ 「水はおいしかったかい?」
       ☆
   リール☆ 「・・・・!ドガンテ様・・・・」
       ☆
  ドバール☆ 「ドガンテ、こんなこと許可なしにやるとヤガパール様に怒られないか?」
       ☆
  ドガンテ☆ 「オレはこいつにむかついているんだ。一人で拷問をうけて良い子ぶっている。
       ☆  それにどの拷問にもあまり反応をしめさない、頭にくる!!」
       ☆
       ☆ 
ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ!
       ☆
   リール☆ 「あーっ!」
       ☆
       ☆ リールは声がでてしまったことに驚きあわてて口をふさぎました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「水で麻痺した体をうつ・・・フフフ、効果覿面だな。」
       ☆
   リール☆ (わたし、叫ばないって悲鳴あげないって決めたのに・・・どうして・・・)
       ☆
  ドガンテ☆ 「もうかっこつけないって約束したらやめてやるぜ。」
       ☆
   リール☆ 「わたしかっこなんてつけてません・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「聞き分けが悪い子だねえ。」
       ☆
       ☆ 
ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ! ピシッ!
       ☆
   リール☆ 「うっ・・・ううっ・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「ふふふ・・・がんばるねえ。」
       ☆
       ☆ とその時です。ドアの向こうから足音が聞こえてきました。
       ☆
  ドバール☆ 「まずい、ヤガパール様だ。」
       ☆
  ドガンテ☆ 「よし、ずらかろう。」
       ☆
       ☆ そういうと二人は早足ではしごをのぼり、天井を閉めました。
       ☆ それと一歩ちがいでヤガパールが部屋に入ってきました。
       ☆ 
ヤガパール☆ 「どうだい、居心地は?」
       ☆
       ☆ そういうとヤガパールは部屋の電気をつけました。
       ☆
ヤガパール☆ 「リール、血だらけじゃないか!ははあ、あいつらのしわざだなあ。
       ☆  よし、今よんでこよう。ちょっと待ってろよ。」
       ☆
       ☆ そういうとヤガパールは出ていってしまいました。
       ☆
   リール☆ 「しくしく・・・しく・・・」 (痛いよ・・・でもわたしなんで悲鳴なんて・・・)
       ☆
  ドガンテ☆ 「なに、泣いてるんだい?」
       ☆
   リール☆ 「・・・ドガンテ様・・・・」
       ☆
       ☆ いつの間にかヤガパール、ドガンテ、ドバールたちが部屋に入ってきていました。
ヤガパール☆ 「これから俺たち三人でおまえの弱点を責めてやろう。」
       ☆
       ☆ そういうとヤガパールはリールの乳首にふれました。
       ☆ それに続くようにドガンテがもう片方の乳首に噛み付いてきました。
       ☆
   リール☆ 「うっ・・・あぁっ・・・」
       ☆
ヤガパール☆ 「やっぱりここが弱点なんだねえ・・・」
       ☆
       ☆ 噛み付かれた乳首に血がにじんでいます。
       ☆
   リール☆ 「やめて・・・やめて下さい。」
       ☆
ヤガパール☆ 「折れるんならやめてやるぜ!?」
       ☆
       ☆ リールはあわてて首を横にふりました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「まだ強がるのか!?もう一方の乳首も血だらけにしてやる!!」
       ☆
   リール☆ 「ううっ・・・・」


       ☆ 2時間後・・・
       ☆
ヤガパール☆ 「もういいだろう、やめてやる。」
       ☆
       ☆ そういうとヤガパールはリールの手首と足首のひもをときました。
       ☆
   リール☆ 「しくしくしくしく・・・」
       ☆
ヤガパール☆ 「どうだ、折れるか?」
       ☆
       ☆ リールは首を横にふりました。
       ☆ ドガンテは後ろからリールに近づくと左手をリールの肩に置き、右手でリール
       ☆ の乳を揉みながら言いました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「折れろ!そうすれば楽になる。」
       ☆
ヤガパール☆ 「もうやめろ、ドガンテ!リール、お前に少し時間をやろう。ここでゆっくり折れる
       ☆  かどうか考えるんだ!いいな。」
       ☆
  ドガンテ☆ 「ふん!」
       ☆
       ☆ ドガンテはリールの乳首を思いっきり押し、そしてリールの背中を力まかせに
       ☆ けとばしました。リールは飛ばされて、思いっきり壁に打ち付けられてしまい
       ☆ ました。
       ☆
   リール☆ 「うっ・・・」
       ☆
ヤガパール☆ 「ドガンテ、いいかげんにしろ!」
       ☆
  ドガンテ☆ 「へいへい。」
       ☆
       ☆ 三人は傷だらけのリールを残し、部屋から出て行きました。


   リール☆ 「しくしくしく・・・」
       ☆
       ☆ その時リールは普通の人がこういう時つぶやくべき人が自分にはいないことを
       ☆ 悟りました。
       ☆
   リール☆ (普通の人ならここでお母さんとつぶやくだろうけど、わたしには誰も・・・
       ☆  友達もいないし・・・)
       ☆
       ☆ リールは悲しくてたまりませんでした。
       ☆
   リール☆ (わたしにはいい事をしても悪い事をしなくても幸せなんてこないんだわ・・・
       ☆  楽しいなんて思うこともなく、笑うこともせず一生を終えるんだわ・・・)
       ☆
       ☆ リールはいっそのこと折れようかと思いました。
       ☆
   リール☆ (でも折れてしまったらエルザさんが・・・)
       ☆
       ☆ リールがそんなことを考えながら泣いていると部屋の隠し扉からドガンテ
       ☆ が出てきました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「ふふふ、泣いているな。本当は苦しいんだろ?折れたいんだろ?
       ☆  人間あきらめが肝心だ。自分の気持ちに素直にならなきゃな。
       ☆  オレがお前が自分の気持ちに素直になる手助けをしてやろう。」
       ☆
       ☆ ドガンテは床に
算盤板を置きました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「この上に正座しろ!」 
       ☆
       ☆ リールはおそるおそるその上に座りました。
       ☆
   リール☆ 「ううっ・・・痛い・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「どうだい?座りごこちは?おまえのために角をヤスリで磨いたのだ!」
       ☆
   リール☆ 「うっ・・・うっ・・・」
       ☆
       ☆ リールは膝の上で手をグーにして震えています。
       ☆
  ドガンテ☆ 「膝から手をどかしな!今からそこに石をのせてやるからな。」
       ☆
       ☆ ドガンテは20kgの石を3枚、リールの膝の上にのせました。
       ☆
   リール☆ 「あうっ・・・うう・・・・うう・・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「この拷問はな主に囚人にかけられるものだ。普通は石は2枚だがおまえは
       ☆  普通のの奴とはちがうから3枚にしてやった。
       ☆  どうだ、折れるか?それとももっと石を乗せてほしいか?」
       ☆
   リール☆ 「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「しゃべれないほど苦しいのか。普通の人なら3枚でも泡をはいたりするという
       ☆  がさすがに強いなぁ。でも折れたほうがいいぞ。これからだってそれ以上の
       ☆  拷問をするんだ。どうせ折れるのなら苦しみが少ないうちに折れな!」
       ☆
   リール☆ 「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「なんとか言え!」
       ☆
       ☆ 
ピシッ!
       ☆
   リール☆ 「うっ・・・はあ・・・はあ」
       ☆
  ドガンテ☆ 「なにか言え!」
       ☆
       ☆ 
ピシッ!
       ☆
   リール☆ 「うっ・・・はあ・・・はあ」
       ☆
       ☆ 
ピシッ!ピシッ!ピシッ!
       

   リール☆ 「はあ・・・お・おれることは・・・できま・・・せん・・・はあ・・・はあ・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「フフフ。しゃべることもままならないようだな。泡をはいてみろ?
       ☆  そしたら2枚にしてやるよ。」
       ☆
   リール☆ 「べ・・・べつに・・・3枚のままでも・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「しゃべるのがやっとのくせに強がってんじゃねえよ!!」
       ☆
       ☆ 
ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!
       

   リール☆ 「うっ・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「意地をはるなら枚数を増やしてやる!」
       ☆
       ☆ ドガンテはリールの足にさらに2枚、石をのせました。
       ☆
   リール☆ 「はあ・・はあはあ・・・はあはあ・はあ」
       ☆
  ドガンテ☆ 「ずいぶんと息があらくなってきたなあ。もう限界なんじゃないのか!?」
       ☆
   リール☆ 「はあ・・・はああ・・・はあはあ・はあはあ・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「どうだ、折れるか?
       ☆  ただし、この忠告で折れない時には石をさらに2枚増やす!」
       ☆
   リール☆ (神さま・・・。エルザさん・・・。苦しい・・・。これ以上増えたらわたし・・・。)
       ☆
  ドガンテ☆ 「どうした?しゃべれないのか?よし、今石を3枚にもどしてやる。
       ☆  そしたらしゃべれるだろう。いいか、素直に折れるんだぞ。」
       ☆
       ☆そういうとドガンテはリールの足の上の石を3枚にもどしました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「さあ、折れろ、リール!!」
       ☆
   リール☆ 「・・・お・・・れ・・・る・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「おお、やっと気持ちに素直になったんだな!」
       ☆
   リール☆ 「でき・・・ま・・・せん・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「なんだ!なにを言ってるんだ!折れないのか!?今すぐとりけせ!
       ☆  石が7枚になるんだぞ!!いいのか!?」
       ☆
   リール☆ 「わたしは・・・わたしは折れません・・・」
       ☆
  ドガンテ☆ 「そうかい、そうかい。わかったよ。おまえの足の上の石はまもなく7枚になる!」
       ☆
       ☆ ドガンテはリールの足の上に石を積み重ねていきました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「フフフ。のせるほうもけっこう大変だなぁ。ホレ、リール、あと1枚だぞ。」
       ☆
       ☆ ドン!!
       ☆
   リール☆ 「はあはあはあはあはあ」
       ☆
       ☆ リールの顔は真っ赤で、息がおそろしいほど荒くなっています。
       ☆
   リール☆ (苦しい・・・もう本当に折れてしまいたい・・・エルザさん・・・)
       ☆
  ドガンテ☆ 「さあ、どうだ!?折れるか?」
       ☆
   リール☆ (折れたい・・・こんなに苦しいのに折れないなんて人間じゃない・・・)
       ☆ 「わたし・・・折れま・・・(エルザさんを、エルザさんを助けなきゃ!!)せん!」
       ☆
  ドガンテ☆ 「ば、ばかな!しゃべれるのか!?普通の人なら死んでいるぞ。
       ☆  いいか、30分そのままだ!」
       ☆
   リール☆ (そんな・・・30分も・・・板がくいこんで・・・エルザさん、もう会えないかも・・・)
       ☆
  ドガンテ☆ 「ほう、泣いているのか。」
       ☆
       ☆ いつの間にかリールの目から暖かいものが流れていました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「フフフ、泣くほど苦しいか。それでいてなぜ折れない?かわった奴だ。
       ☆  本当に変わった奴だ!この変人!!」
       ☆
   リール☆ (変人・・・か・・・。学校でもよく言われてたな。アイツはおかしいって。
       ☆  毎日いじめられてた。男子も女子もみんな暴力ふってきて・・・あざだらけに
       ☆  なって・・・。家へ帰ればあざを見て怒られて、罰をくわえられて、ずっと働か
       ☆  されて・・・)
       ☆
       ☆ リールの目から大粒の涙がこぼれ落ちました。
       ☆
   リール☆ (どうして、どうしてこんなことばっかりなの。一回、心の底から笑ってみたい。
       ☆  友達がほしい・・・やさしいお母さんとお父さんがほしい・・・。)
       ☆
  ドガンテ☆ 「なにを泣いているんだ!その涙をとめないと鞭でたたくぞ!!」
       ☆
   リール☆ (どうして、わたしだけ。どうして・・・)
       ☆
       ☆ 
ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!ピシッ!
       

   リール☆ (痛い・・・。苦しい・・・。寒い・・・。気持ち悪い・・・。神様・・・。)
       ☆
  ドガンテ☆ 「どうした、なぜ泣きやまない!!」
       ☆
       ☆ 
ピシッ!ピシッ!ピシッ!
       

   リール☆ (胸が・・・苦しい・・・。破裂しそう・・・。)
       ☆
  ドガンテ☆ 「泣きやめないほど苦しいのか!?」
       ☆
   リール☆ (体の・・・体のふるえがとまらない・・・。胸が・・・。
       ☆  なんでいままでわたしこんなことに耐えていたの・・・。)
       ☆
  ドガンテ☆ 「おい、リール!・・・しかたない、石をとるか。」
       ☆
   リール☆ (どうして耐えていられたの・・・。こんなにも苦しいのに・・・。
       ☆  普通に話したり、はげましたりしてくれた人がいたわけでもないのに・・・
       ☆  どうしてがまんしていたの・・・。)
       ☆
       ☆ ドガンテはリールの足の上の石をどけていきました。
       ☆
   リール☆ (どうして・・・なぜがまんできたの・・・。)
       ☆
       ☆ ドガンテは石をどけおわると、縄を解きました。
       ☆ リールはそれと同時に倒れ、気を失ってしまいました。
       ☆ ドガンテはリールをあおむけに寝かせました。
       ☆
  ドガンテ☆ 「さて、ヤガパール様にばれないうちにずらかるか。」


   リール☆ 「どうして・・・」
       ☆
       ☆ リールは寝言をつぶやきました。
       ☆
       ☆ 
「リール、リール。」
       ☆
       ☆ と、どこからかリールを呼ぶ声が聞こえます。
       ☆
   リール☆ 「ど、どなたですか?」
       ☆
       ☆ 
「わたしは神の使いイーグル。」
       

   リール☆ 「イーグルさん・・・?」
       ☆
       ☆ 
「あなたはさっき普通に話したり、はげましたりしてくれた人がいないと思いまし
       
  たね。」
       ☆
   リール☆ 「はい・・・」
       ☆
       ☆ 
「それはとんでもない間違いよ。」
       ☆
   リール☆ 「えっ・・・」
       ☆
       ☆ 
「あなたのすぐ近くにそういう人がいるわ。」
       ☆
   リール☆ 「それは、どなたでしょうか?」
       ☆
       ☆ 
「自分で考えてみなさい。あなたを支えてくれている人が見つかりますよ。」
       ☆
   リール☆ 「・ ・ ・」


   リール☆ 「イーグルさん?
       ☆  ・・・もしかしてわたし夢見てたの?わたしを支えてくれている人・・・。」
       ☆
       ☆ コツ コツ コツ・・・  ガチャ
       ☆ ヤガパールが部屋に入ってきました。

 

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