|||  天羅万象 リプレイ 傀儡の嫁入り 2  |||




 序幕 其の参 玄河の城にて   サムライ/赤目



 ところ変わって、玄河の城。
 良く手入れされた庭の見える部屋に、一人のサムライがいた。
 乙部から姫を迎えることとなったこの玄河の領は、平和で程よく活気づきサムライには少しばかり不似合いに見えた。


赤目 あぐらかいて、懐に手を入れて高楊枝くわえたまま、気にせずく
   つろいでる(笑)
男  「おまたせしました。ここ玄河につとめております水野と申しま
   す。」赤目の様子には動じてはいないようだ。
赤目 値踏みしとこう(笑)
水野 「………名前を、伺ってもよろしいか?どうやら腕はたつようで
   すが。」赤目の視線もものともせず、水野は落ち着いた口調でいっ
   た。その落ち着いた物腰はけして偉ぶるでもなく、だが卑下する
   ことも卑屈でもなく。
赤目 「名前は忘れた。まあ知り合いからは赤目って呼ばれているがな」
水野 「では、赤目殿………ちょっとした任を請けては下さらぬか?」
赤目 「金次第だな」
水野 「城の者はあいにくと手一杯でな。無論、それは十二分に。」
   水野は懐から包みを取り出した。
   「詳しくは引き受けて下さらぬと話せぬが…とある者の動向を探っ
   て欲しいのだ。」
赤目 「あんまし、サムライ向きの仕事とは思えねーな」
水野 「別に隠密な行動をして欲しいわけではないのでご安心召されい。
   赤目殿に見合った任であろうと思う。……いや、むしろ向いてい
   る、といってもよいかもしれんな。」ふっ、と水野は顔を緩めた。
赤目 「俺に向いてるねー。まあお茶会に出ろとか言うことじゃないこ
   とは確かだかな」
水野 「引き請けては下さらぬだろうか?」
赤目 「遊ぶ金もなくなってきたことだし、暇がてらやってやるよ」
水野 「うむ、かたじけない。」ホッと胸をなで下ろすのが見て取れた。
   「このような状況でなかなか旅の手練のものが捕まらず難儀して
   いたところなのだ………状況は知っておられるか?」
赤目 「興味がないから知ろうとも思わんが」
水野 「………まあよい。近々、隣国から姫がこの玄河に嫁いでくるの
   だが、それにちと難癖がついてな。」
赤目 まあ適当に聞いとく(笑)
水野 「こちらは姫の顔を知る者は居らぬ。それを良いことに本物の姫
   ではない者が嫁いでくるかもしれぬ、という情報があってな。
   それを、探って欲しいのだ。まさか乙部もそのようなことはしな
   いとは思うのだが、万が一ということもある。乙部はその姫をた
   いそう可愛がっていたと聞くのでな。乙部の家臣の娘が、輿入れ
   前にこの玄河に入るらしいのだ。所縁の道場の管理のため、とい
   うことになっておるが、そのような情報を聞いた後では気になる
   のでな。」
赤目 「傀儡でも代わりに送ってよこしてきたりしてな」
水野 「うむ、そういったこともあり得るか。確かに傀儡など嫁に迎え
   たらいい笑い者になってしまうな………」
赤目 「人形遊びするような年でもねーからなー」
水野 「輿入れの道中は警護といった名目でなんとでもできる。実際、
   探る者がいないでもないのでな。ただし、輿入れとは無縁を装っ
   ている単身の方まで手が廻らないのでな。そちらを赤目殿に頼み
   たいのだ。」
水野 「ただの杞憂かもしれぬ。杞憂であれば露見してはまずいのだ。」
赤目 「その家臣の娘とかいうのをしらべりゃいいのか」
水野 「うむ、その者がくれぐれも怪しいまねなどせぬよう見張ってほ
   しい。あくまでも、こちらにはけっして気がつかれぬように……
   できますな?方法はおまかせする。」
赤目 「まあやるだけやってやるよ」
水野 「かたじけない。………して、向こうが出立するまでに間がある
   ので乙部に向かって欲しいのだが………」
赤目 「まあ向こうからついてくればただの旅の者と思われるかもしれ
   ねーからなー」
水野 「………よろしく……頼みましたぞ。」水野は深々と頭を下げた。
赤目 「そういえば、この仕事は俺1人か?」
水野 「あまりことを大きくしたくないのでな。御不満か?」
赤目 「いいや。足手まといがいねー方がやりやすい」
水野 「………ふ、さすがですな。安心いたしました。向こうももし何
   かを企んでいたとしても、事が事だけに大事にはせぬはず。そし
   て動向を確かめていただけさえすれば、あとはこちらでどうにで
   もできます故。」そして水野は先ほど出した包みをずずい、と赤
   目に差し出した。
赤目 ほい、懐にしまいっと


 そして収束の地、乙部へ。城下町で赤目は宿場の主人に声をかけた。


主人 「ちょうどよかった!おサムライさん、今何か仕事探してないか
   い?」
赤目 「あー?」
主人 「町中が浮き足立っちまって、旅の人は寄り付かなくなっちまっ
   たからねえ。まあ、戦があるわけでもなし、しかたないんだが。
   来るのは輿入れ見物の町人ばかり……実はお城の方に、護衛がで
   きる人を探して欲しいって頼まれてたんだよ。どうだい?引き受
   けちゃくれねえかねえ。お代はきっちり出ると思うんだが……」
赤目 「誰の護衛だ?」
主人 「なんでも風間様の………ああ、風間様ってのはお城の家臣なん
   だが、その娘さんが使いでどこだかにいくらしいんだ。だが、こ
   んな時期だろ?城の者は手一杯だしってことで、誰か手ごろな人
   がいたら頼んで欲しいといわれてたんだよ。それでもまあ、何人
   かは風間様の方でつけるらしいんだが、城の手練は姫の方につく
   だろうし、心もとないんだろうねえ。今の世の中、平和だ平和だっ
   ていったってやっぱり不安なんだろうよ。風間様もなにもこんな
   時に使いに出すことないのになあ………」
赤目 「護衛ねー。
   襲ってきたやつは容赦なく斬り捨てていいんだよな?」
主人 「………お、おサムライさん、物騒なこというねえ。別に命を狙
   われてるってわけでもないんだろうから、そんなことにはならな
   いだろうが………」(びくびく)ちょっとおよび腰(笑)
赤目 「俺ができることといったら人を斬るくらいだからな」
主人 「まあ、そういうこともありうるだろうってことで護衛を雇うん
   だろうから、まあ、その………」(更にびくびく)
   「そ、それにしても腕がたちそうだ。風間様も喜んで下さるだろ
   うが…引き受けて下さるんで?」(ちょっと卑屈に/笑)
赤目 「金剛機でも出てこない限りは大丈夫だ」
主人 「そんな物騒な。戦場じゃないんですから、それは大丈夫じゃな
   いでしょうか…」(もみ手もみ手)
   「では、風間様に話をつけてきますんで、それまでこちらでゆっ
   くりとなさってて下さい。」


 出立は今宵。赤目はそれまで酒の杯を傾けることに専念した。



序幕 其の四 瀬俣の城にて  銃槍使い/二葉双右衛門



 ここは香利の国の譜代、瀬俣の城。
 乙部の隣に位置し、乙部が滅んだ暁には領が拡大されるはずであったろうと噂される領である。
 二葉はここでつまらぬ護衛の任を終えたばかり。なぜか共に仕事をした行きずりの2人は早々に帰され、一人奥の間に取り残されており、仏頂面も隠さず憮然と構えている。その前には、この城の家臣であろう男。


土屋 「二葉殿………実は二葉殿の腕を見込んで頼みたいことがあるの
   だが。」そんな雰囲気に少し困った感じで、えへんと咳払い。
二葉 「腕を見こまれるのはありがたい、だが厄介事はごめんだ」
土屋 「先の任(護衛のことね)はいささか二葉殿には物足りない任で
   あったことは重々承知しておる。すまなかった。」
   なんだか勘違いをしているみたい(笑)
土屋 「実は試させていただいたのだ。いや、無論先の任も虚栄ではな
   いのだが…」確かに、何の変哲もない護衛の任でした。
   「いや、試させていただいたというと気をわるくさせるかもしれ
   ぬな、すまない…」汗をふきふき。どうやらこういった役にはな
   れていないようです。
二葉 「ほう、試した? 私の何を? 腕か?それとも女殺しの双右衛
   門の悪名か?」
土屋 「いや、その………二葉殿も人が悪い。内密に進めたい事があっ
   てだな………こちらにもいろいろ事情というものもある………気
   を悪くしないで欲しい。下手なものには頼めぬことなのだ。」
   またしても汗をふきふき。
二葉 「まぁ、それはどうでも良い。金を貰って帰れるならそれでな」
土屋 「金の方は二葉殿の望まれる分用意しよう。いや、そんなに難し
   い任ではない。人を、見張って欲しいのだ。どうだ、詳しくは請
   けていただかぬと話せぬが………二葉殿にとってそんなに悪い話
   ではないと思うのだ。………うけてくださるか?」
二葉 「・・・まぁ、よかろう。さして詰まった事情もない、これといっ
   てすることもない身だ」しばし、考え込んだ後に
土屋 「かたじけない、こちらもあまり時間がない故………近々、乙部
   の領から名代に娘を嫁がせるという話は知っておられるか?」
二葉 「噂話程度には聞いている」
土屋 「ならば話が早い。………では、その婚儀がこの瀬俣家に不利な
   ことも知っておろう?………いや、だからといってその姫を殺せ
   とか、そういうことではないので安心して欲しい。正式で公式な
   婚儀であれば、いかな瀬俣家とて手出しは出来ぬ、といいたいと
   ころなのだが……ちと問題もあってな。いや、その件はまた後ほ
   ど話す。実はだな、その婚儀に先駆けて乙部の家臣が娘を玄河領
   に使いに出すらしいのだ。」
二葉 「ほほう? して、それをどうするのだ?」
土屋 「この時期に何の使いだかしらぬが………その使いの動向を見守っ
   て欲しいのだ。いや、説明がたらぬな。その使いが、命を狙われ
   ているかもしれぬのでそれを阻止して欲しいのだ。」
二葉 「乙部の使いならこちらに不利なとこを言い付かっておるやもし
   れん、それを守れと。おかしな事を言い出す」
土屋 「わしは殿とこの城を守るのが精一杯であまり外には頭が廻らぬ
   のだが………恥ずかしい話ではあるが、この城に反乙部な家臣も
   少なくない。そのうちのあるものが、どんな情報を得たのかしら
   んが、その使いを消す算段をしているというわけだ。
   無論、わしも乙部にいい印象を抱いているわけではない。しかし、
   乙部を強制的に排除してまで領地を得ようとまでは思っておらぬ
   のだ…わしも、殿も。」
二葉 「なるほど。身内の不手際が乙部にばれては言い訳のしようもな
   いか」
土屋 「うむ、わかってくださるか。表立って反乙部と対立するわけに
   もいかぬ。ましてや、城のものをこの任につかすわけもいかぬ。
   その点二葉殿なら………」
二葉 「ふむ、女を殺すよりは不遜な家来を殺すほうがいささか気が軽
   い、良いだろう」
土屋 「反乙部のものがなにを握っており、なにを狙っているのかはわ
   からぬ。しかし今回の婚儀で乙部は玄河の身内となってしまうの
   だ。そんな乙部を敵にまわすのは得策ではない。むしろ、瀬俣家
   の存亡にもかかわる………どうか、ことを内密に処理して欲しい
   のだ。………その使いを守りきってしまえば、その後はこちらに
   戻らずともよい。むろん戻って下さっても構わぬが、そなたが瀬
   俣の任を請けていることは口外しないでいただきたい。守るとは
   いっても、そのものたちは味方ではないのだからな」
二葉 「口外はせぬよ。したとたんにきついお仕置きが飛んできそうだ
   しな」ひにくげに笑って
土屋 「いや、さきほどもいったとおりわしはそういった工作事が苦手
   でしてな。まあ二葉殿なら大丈夫と信頼しておりますが。」
   ははは、と笑いつつも目は笑っていない。
二葉 「乙部の使いに気づかれぬよう護衛したほうが、そちらにとって
   都合よろしいのかな。こちらとしては一緒のほうが仕事がしやす
   いが」
土屋 「うむ、それに越したことはないが、こちらの意図を悟られぬの
   であればどちらでも構わぬ。くれぐれもどなたにも、口外されぬ
   よう………。」
二葉 「ならば、乙部にも気づかれず不遜な家来どもにも気づかれぬよ
   う事を進めるとしよう。ははっ、まるで大将首でも刈るかのよう
   だ」
土屋 「乙部の使いが瀬俣のものに狙われているとばれるのはちと、困
   るのでな。では、早速で悪いが乙部へ向かってくれまいか。使い
   の出立に間に合わぬのは困るでな。」
二葉 「うむ、そうしよう」
土屋 「うむ、くれぐれも………よろしく頼みましたぞ。」
   そういうと、すっくと立ち上がる。
二葉 土屋が出ていった後で、銃槍をつかんで部屋を出る。そしてその
   まま城外へだれとも口を利かず、先の仕事を終えたから帰る。そ
   んな風情で


 全員収束せり。こうして物語は進む………。


GM では、乙部です。輿入れが近いとあって、町も活気づいています。
   見物人も集まっているみたいで、結構人通りは多いです。しかし、
   町人ばかりなのでちょっと浮き気味………?(笑)
二葉 まぁ、銃槍にきっちりと布を巻きつけ、あまり目立たないように
   歩いていきます(笑)
GM それでもやっぱしちょっと目立つよね(笑)で、声をかけられま
   す。
男  「あ、ちょっともし、そこのお方………」
二葉 「なにか用でも?」
男  「ここにはなにかお仕事で?それとも見物で?………あ、いやす
   みません、実は腕のたつ人を探してまして……」
   もみ手でへこへこと頭を下げる男。
   「あっしはあそこで宿場を営んでいるもんなんですが………」
   指差す先には、ちょっとした宿場。
   「人は多いものの、腕のたつお方ってのがなかなかみつからなく
   てね、困ってたところなんですよ……」
二葉 「見物だが、すぐに発つ。おまえの望みは恐らくかなわん」
男  「いや、そういわず話だけでも聞いちゃくれませんか?ま、ま、
   どうぞ、もちろんお代は結構ですので。」
二葉 「用心棒とかならお門違いだぞ」
男  「頼みますよ………どうしてもあつめなけりゃ、風間様に顔向け
   できないんで……」
二葉 「こら、袖を引くなっ」
   とか言いながら引っ張られていこう(笑)
GM ぐいぐい(笑)では、宿場内に連れ込まれました。するとすすす
   すっと酒なんかが出てくるわけで。(笑)
男  「いやあ、助かりましたよ、ほんとに………ほら、もっと酒をお
   だししろ!」
二葉 「酒は要らん、茶にしてくれ。飲まんと決めている」
男  「…お、お酒はダメでしたか、すみません、おい、お茶をおだし
   しろ!はやくな!」男は奥に呼び掛けるとまた話を続けます。
   「実はですね、風間様………え〜、城の家臣の方なんですが、そ
   の風間様の娘子が、なんだかの使いで玄河の方までいかなくちゃ
   ならないそうなんですが…なにせ姫さまの輿入れの前でね、そこ
   まで手がまわらないそうなんですよ。」
二葉 「ほう、玄河まで」
男  「で、腕のたつお方を2、3人探して欲しいとたのまれたわけで
   して…………まあ、お城の方ですしお代はちゃんと出ると思いま
   す。別に玄河まではそんなに物騒な道中でもないのですが………
   まあ、可愛い娘さんのことですから親心ってとこでしょうかね?」
二葉 「何ゆえ娘だけ使いに出すなどということになったのだ?」
男  「いや、詳しくは聞いてないのですが、なんでも風間家に遠い所
   縁の道場が玄河にあるらしく、そこまでいくらしいんですよ」
二葉 「物騒でないとは言いきれまい。輿入れのめでたさに水を差した
   がるような俗な連中はどこにでもいる」
男  「なるほど、さすが浅慮なあっしとは違うってわけですね………
   では、請けていただけるんで?」
二葉 「奇遇が重なった事に感謝しておけ。私もちょうど玄河まで行く
   ところだった」
男  「そうですか、いやあ、恩にきますよ………先ほどやっと一人見
   つけて報告したんですが、一人では足りないとおっしゃるんでど
   うしようかと途方にくれてたところですよ。では、風間様に報告
   してきますので、どうかそれまでくつろいでて下さい……」
二葉 「もう一人というのはどんな奴だ?」
男  「え、ああ、おサムライさまですよ。今は奥で休んでおられるよ
   うですが…」
二葉 「そうか、わかった」
男  「先ほどの風間様のお話だと、見つかり次第すぐにでもというこ
   とだったので、それまで休んでいて下さい。では、後ほど…」
   男はいそいそと出ていきました。
二葉 では、茶でもすすって待つとします(笑)


 かくして、一行は玄河へと旅立つ。互いの胸の内は知らず、ただ己のみを信じて。果たして、どんな結末がまっているのか………今はまだ、誰も知らない。


||| << BACK ||| NEXT >> |||