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カクテルのアルコールの計算は非常に厄介である。まず、材料の酒類のアルコール度数にばらつきがある。同じドライジンでも、37度のものや47.5度のもの、あるいは50度を越えるドライジンがある。ウォッカにしても、同じメーカーから複数のアルコール度数の製品が出されているのは珍しくない。リキュールに至っては同種のものでもメーカーごとにアルコール度数が違うと考えた方がいい。本来、そのカクテルに使われている酒類一つ一つのアルコール度数を明らかにしなければ計算は成り立たない。
また、ちょっとした計量の間違いや作り手の技術の巧拙といったことも仕上がりのアルコール度数に大きく影響する。時間がかかって氷を余計に溶かしてしまったカクテルは水っぽく、当然、アルコール度数も低くなる。 現実には、こうしたバランスを崩したカクテルほど刺激が強く、逆にアルコールを強く感じてしまう。十分に冷えていないカクテルも雑味が感じられ、飲み手は強くアルコールを意識する。一方、甘酸味のバランスが良く、キリッと冷やされたカクテルは口当たりがやわらかく、アルコール度も低く感じる。 ショートドリンク、ロングドリンクを問わず、カクテルのアルコール度数を計算する基本式は次のようになる。 (アルコール度数X)={(材料の量A*材料のアルコール度数a)+(同B*b)+(同C*c)+・・・}/(使用材料の総量Y=A+B+C+・・・+α) |
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ショートドリンクでは材料の量は分数で表示されているので、使用材料の総量60ml*分数でmlの単位に換算する。それにアルコール度数をかけて、順次Aa、Bb、Cc、・・・を求め、足し算する。ジュースや清涼飲料水、シロップ、卵などアルコールを含まない材料はアルコール度数0なので、掛け算の答も0になり、計算する必要はない。
分母の材料の総量は90mlと決まっている。ただし、より実際に近い数値を求めるためにシェークやステア時の氷の溶けた量α=10mlを加え、総量Yを70mlとする。卵(全卵=50ml、卵白=30ml、卵黄=20ml)やティースプーン(1tsp.=5ml)で総量にプラスする材料を使う場合はαの数値をその分増やす。ダッシュ(dash)やドロップ(drop)は無視して構わない。 |
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ドライベルモット 1/3 スイートベルモット 1/3 アンゴスチュラビターズ 2dashes シェークして、カクテルグラスに注ぐ。 {(ウイスキー20ml*43%)+(ドライベルモット20ml*18%)+(スイートベルモット20ml*18%)}/(60+10)=約23度 |
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グレナデンシロップ 1/5 レモンジュース 1/5 卵白 1個分 シェークして、ソーサー型シャンパングラスに注ぐ。 {(ジン36ml*47%)+(グレナデン12ml*0%)+(レモン12ml*0%)+(卵白30ml*0%)}/(60+10+30)=約17度 |
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| ロングドリンクのレシピでは基本的には使用材料の分量をmlの単位で具体的な数値として表記しているが、中にはフィズやクーラーなどのように「ソーダ水適量」といった量のはっきりしない指定もある。「適量」とは仕上がりでグラスの8分目まで満たすソーダ水などの量を指している。こうした「適量」指定のカクテルのアルコール度数は、まずグラスの容量を知り、それに8分目注いだ場合の使用材料の総量を計算するが、これはグラスの中に氷をどれだけ入れるかによって違いが大きい。正確を期すには仕上げたカクテルを計量してみるのが一番だが、おおよそのめやすとしてはグラスの容量の約半分が使用材料の総量に当たると見ていい。 |
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アマレット 15ml 氷を入れたオールドファッションドグラスに注ぎ、ステアする。 {(ウイスキー45ml*43%)+(アマレット15ml*28%)}/(45+15+10)=約34度 オンザロックススタイルの場合、ステアした時の氷の溶け分10mlを分母にプラスする。また、氷を入れたグラスにビルドの技法で作るロングドリンクも氷の溶け分10mlを分母に加算する。プースカフェ (Pousse-Cofe)などのように氷を使わないミックスでは当然、氷の溶け分を考える必要はない。 |
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レモンジュース 20ml 砂糖 1tsp ソーダ水 適量 ソーダ水以外の材料をシェーク、タンブラーに注ぎ、氷を加えて冷やしたソーダ水を満たし、軽くステアする。 {(ジン45ml*47%)+(レモン20ml*0%)+(砂糖5ml*0%)+(ソーダ水?ml*0%)}/(300/2)=約14度 グラスに氷(クラックドアイス)を3〜4個加え、シェークした材料をグラスに注ぎ、全量がグラスの8分目ほどになるようソーダ水を適量満たすものとする。 |