INSPIRATION

− 友達から親友へ 1 −

「はッ!!」
気合いと共にくり出された緋勇の技は凄まじい威力だった。
佐久間の手下を軽々倒す。
緋勇の戦い方には思わず見とれてしまった。
全く無駄のない、スキがないのだ。
自惚れるつもりはないが俺も結構強い方のハズだ。
だが緋勇には勝てないと思った。
佐久間も俺と同じことを思ったのだろうか
俺の方ばかりを攻めてくる。

(まぁ・・・当然か)
そんなことうを考えているときだった。
「蓬莱寺!!!」
緋勇の叫びで俺ははっとした。
痛恨の一撃とばかりに佐久間が俺に殴り掛かってきたのだ。
しかも油断したのかぬかるみに足をとられてしまった!
(−−−チッ!まずった!!!)
ガードすることもできず俺は目をつぶり佐久間の攻撃を食らった・・・・・
ハズだったが痛みがない。
(なんで?!)
そう思ってゆっくりと目を開けると頭から血を流している緋勇の姿があった。
誰が見てもわかる。緋勇が俺をかばったのだ。
「ひ・・緋勇!!」
俺の声を聞いて緋勇が振り返る。
「おしゃべりは後だ、蓬莱寺!くるぞ!!」
確かに今は喋ってる時じゃねぇが・・・。
俺が少し困惑しているのに気付いたのか緋勇が振り返った。
『気にするなよ』
少し離れていたこともあってほとんど声は聞こえなかったが
確かにそう言った。
なぜだかその一言だけでホッとした。
(−−−よっしゃ〜!)
緋勇の一言で立ち直った俺は緋勇の方を見て頷いた。
それに気付いた緋勇はフッっと笑って頷いた。
「やッ!!」
佐久間に龍星脚を食らわせて俺の方へ吹っ飛ばす。
「てやあッ」
飛んできて体勢の整わないうちに俺が諸手上段を食らわし勝負がつ<いた。

その後醍醐と美里が出てきたことによって佐久間は
のこのこ去っていった。
「レスリング部の部員がいいがかりをつけたようであやまるよ。すまん」
と醍醐がわびる。すると緋勇がくすっと軽く笑ってこたえた。
「君が気にすることないさ。謝んなくていい。」
(−−−人が良いな〜、緋勇は。)
と思った。いいがかりをつけられても全然気にしていないという顔だ。
正直、大体の奴はここで多少なりと怒ったりするものだと
思うが緋勇は違った。
「謝るのは、当然さ。」
まぁ醍醐も人が良いけどな・・・。
「それに少し怪我をしているみたいだぞ。」
と醍醐は申し訳なさそうに言った。
そうだ!俺のせいで怪我を・・・!と思った瞬間に緋勇が話し出した。
「これくらい大したことないさ。喧嘩に怪我は付きもんだろ?」
と曇りのない笑顔を見せる緋勇に醍醐もほっとしたみたいだ。
(−−−ホント、イイ奴だな、お前。)
醍醐も俺もそう思ったことは言うまでもないだろう。
この後醍醐が自己紹介すると嬉しそうに”よろしくな!”って
応えるあたりでも人の良さが伺える。

この後俺は緋勇と一緒に帰った。
「どうだ、真神は?」
なんとなく緋勇に尋ねる。
「気に入った!いろんな奴がいて楽しそうだしな!」
転校初日から目立っちゃってるけどな。と笑いながら緋勇が応える。
たしかに転校してすぐに因縁つけられて大変だろな。
「・・・それにな」
「あ?」
まだなんかあんのか?という顔で俺は緋勇を見た。
「友達とかできなかったらどうしようかと思ってたんだ〜。
 お前みたいな奴と友達になれて嬉しいよ!」
「!」
俺は思わず絶句した。なんか恥ずかしい気がした。
(−−−コイツこんな台詞言って恥ずかしくないのか?)
俺は顔が赤くなってしまった。
後で考えてみたらそんな大したこと言ってないのだが・・・。
「これからもよろしくな、蓬莱寺!」
「おう!」
コイツとはもっと仲良くなりたい!心からそう思った。
「明日も一緒に帰ろうぜ。放課後お前の席に誘いに行くからよ。」
と言うと緋勇は一度髪をかきあげた。
「あぁ!でも何にもなければな。」
と応えられた。
まぁ、今日が今日だっただけに何もないって保証はねぇな。
という風に話ながら帰った。



まだまだ続きます!(なんだかな/汗)
まだこれは第2話に入る前のところです。(^^;
気長に読んでいただければと思っています。
誰がなんと言おうとこれは主京です!(^^;