「バノッサさん」
アルク川の畔で、空を見上げる
「空、高いですね」
見上げればそこは青だけの世界
○●○●天上の青●○●○
バノッサとカノンは、その日アルク川の畔にでていた
ハヤトがこの世界を救ってからはや1週間
ハヤトの救いは魔王の力によるものだったけれど、
けれど
それは確かに「救い」であった
カノンは死なずにすんだし
バノッサも生きる事ができた
ただ、その代わりに
ハヤトを失ったというだけだ
元の世界に
ハヤトが居なかった、本来のリィンバウムに
本来の世界に戻っただけだ
しかし
彼がいたという事実はどうしても消えなかった
世の中は全て「等価交換」で成り立っている
だなんて、どこかの誰かがいっていたけれど
その通りだよな、なんて思ってみたり・・・
バノッサたちは生きながらえる事ができた
今は居ない、
そして決して勇者と讃えられる事のない、
今は居ない、誓約者―新堂 勇人に
この街―サイジェントの人々の多くは、
それを知らずに、笑顔で毎日を過ごしている
その笑顔は
その毎日は
誰の犠牲の上に成り立ってるんだと思うんだ
ハヤトはきっと、人々の、この笑顔を守りたかったというだろう
しかし、バノッサは、どうしても納得がいかない
それが、いまも人々と仲良くやっていけない理由。
今までやってきたことの罪滅ぼしとやらは
彼の性格ではないが、これからやっていくつもりだ。
北スラムに居た手下たちの墓もつくって
墓参りもした。
けれども、いざ住人とあってみれば怒りがこみあげる
へらへら笑ってんじゃねえっ!
アイツの努力なんか微塵もしらねえ癖に!!
あいつが命張って戦ってたとき、手前らはなにしてた!!!!
なんで、こんなことを考えるのだろう。
もう過ぎてしまった事なのに
もう、変える事は出来ないことなのに
俺がアイツを好きだからか・・・・・
1週間、悩み続けて出た結果。
心のモヤモヤ。
けれど、それは答えが出たって解決しない。
俺はこれからどうすればいい?
今日は快晴
雲ひとつない空
彼の紅の鎧と空の蒼がよく映える
銀の髪は今にも空に溶け込みそうだ
けして、天上の青に近づく事はできないけれど
20040911
Hikari*Suzukane