何かを得るには、ソレ相応の代価が必要だ



そんなの分かってる


だから、この四肢がなくなろうと、かまいやしない



それでも足りないというのなら




●●この命と引き換えに●●●




目の前の光景が信じられない


ありえない


目の前が真っ赤だ・・・・・・・










「大佐・・・・・・・」
ホークアイ中尉が俺と、この人に近づいてくるけど
俺はそれには気づかなかった




「エルリック少佐」




俺は、自分の名前も呼ばれたけれど、反応はできなかった




それだけ、目の前のこの人に
とらわれていたんだ




「ダメだよ」





「少佐・・・・・・?」



「ダメだよ。俺と約束したじゃん」


そういって俺は大佐の・・・ロイの肩を揺さぶった




俺と約束したじゃないか

コレが終わったら、

デートしようって




「俺、また旅しなきゃいけないんだよ??戻ってこなきゃいけないんだよ??」
「少佐・・・」

「俺、まだまだアンタに守ってもらわなきゃ、何も出来ない」





「ただの子供だよ」


「少佐、しっかりなさってください」



「大佐は、もう・・・・・・」
何をいっているの?ホークアイ中尉??
「大丈夫だよ?また、つくり直せるから」
「何をおっしゃるんです!人体練成を行う気ですか??」



「軍法にふれますよ!」
「関係ないね。」
「貴方も、どうなるか!!」
「・・・・・・くすり」









あの子は笑った。
あの人のためなら、死ぬのも怖くないといった表情で

本当に
誰よりも
あの人を心酔している





―ダメだよ、エド―







「・・・・・・ロイ?」
声が聞こえた。
今誰よりも聞きたい声
自分で出した返事はどんなものより甘く






―私を生き返らせようなんて、ダメだよ―


「なんで!?俺は、俺は嫌だ!!ロイがいないのは嫌だ!!」








俺の声は酷くせつなく、空気を引き裂きただ虚空に響いていた







―ちゃんと、練成できる自身はあるのかい?―
「そ、それは・・・・・・」
―それに、私は満足だから―




「でも!」

―私のために君が傷つくのを見たくはないよ―







俺はその言葉で目が覚めた
俺は、また同じ過ちを繰り返そうとしていた??





ありがとう



最後まで俺の事考えてくれていてありがとう
ロイには、たくさんの事をしてもらったから
俺もその代わりを差し出さなきゃね


「少佐・・・?なにを・・・」
突然黙って、ロイの身体の前に立った俺に中尉が話しかけた。
でも、相手をしている暇はないんだよね
「ロイは誰にも触らせない。ロイは俺のもんだよ」






そういうと、俺はロイの発火布を自らの手につける
そして手を叩いてそっとロイの身体にふれた



じわじわとその身体が燃えてゆく。
余りにも美しく、綺麗に





ソレをみとどけた後、ロイのいたところから流れていた血溜まりに手をあてる
この血さえも、他の人間には触らせられないくらい高貴で美しいもの




だれにも、あげない









だれにも、渡すもんかよ






ロイの血から練成したソレを俺は爪に塗る


そして、唇にひく





「ねぇロイ、あんたの紅だよ。似合うかい?」




―とてもよく、似合っているよ・・・エド―








「中尉」
「はい」



「もう少しまってくれないかな。」





「もうすこししたら、俺もアルも元の身体に戻れる」





「そしたら、ロイの夢をかなえてやろう」



「あいつのやりたかった事、俺らで成し遂げよう」







腕がどうなろうと

四肢が無くなろうと

かまいやしなかった




でも




貴方を元に戻すことも

貴方と共に逝くことも

許されぬというのなら




だから、せめて




あなたの成し遂げたかった夢に

俺の命を懸けましょう






この命と引き換えに

貴方の夢を





+END+ 200040403
Hikari*Suzukane