○●○涙○●○
「じゃあ、兄さん明日ねっ!」
その日俺の弟は上機嫌だった
それもそのはず
俺たちはとうとう欲しかった体を
ついに明日手に入れる
やっとのことでたどり着いた この場所に
俺たちはいる
長かった旅の終着点にいる
無くなった俺の腕と足
失ったアルフォンスの体
欲しい
ホシイ
もう戦うこともない
危険なこともない
それは、まあ俺が国家錬金術師やめるからなんだけどさ
皮肉なことにアルやらウインリィやらが嬉しがったその行為は、
例の焔の錬金術師が手を回したことだった
俺を辞めさせるなんて、スッゲー大変だったんだろう?
自慢じゃないけど、上層部が俺を放す気はなかったんだろう??
アルが、俺を危険な目に合わせたくないってアンタにいったから
そして、アンタもそれを望んだから
だから、俺をやめさせるんだろ
なあ、俺は何にも苦しくなんてなかったよ
俺は傷ついてもよかったんだよ
なのになんで守るの??
俺を辞めさせるためにアンタはどれくらい苦労した?
俺なんかのために、アンタが傷つかないで
「俺、軍部辞める気なんてなかったんだぞ、無能大佐」
ああ、もう大佐じゃなかったよなぁ、なんて大きすぎる独り言をつぶやいた
軍部を辞めたら
右腕と左足が戻ったら
この旅が終わったら
アンタと離れていく気がした
それでも、立ち止まりたくなる足を叱咤してここまできたのは
アルがいたから
そしてなにより、
アンタがそういう俺を望んだから
「でも・・・・」
今
今までつなげてきた糸がぷちぷち 千切れていくのが嫌でもわかる
「 」
むしょうに会いたくなってそう呟いた
ほとんど言葉にはならなかったけれど
そういったら、来てくれそうな気がした
いつだってアンタは俺の欲しいことをしてくれたから
いつだってアンタは俺の欲しい言葉を言ってくれたから
「会い・・・たい・・・」
一度いってしまったら、ソレは押さえが利かなくなって
情けないことに、俺はその場に崩れ落ちた
「あいたいよぉっ・・・・・ロイぃっ・・・」
そのまま自分の鋼の腕を握り締めて
俺は思っちゃいけない事を思って瞳を閉じた
ーこのまま、朝がこなきゃいいのにー
俺の頬を涙が一筋ながれた
+++END+++
20030127
Hikari Suzukane
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