夜想曲
「助けていただいて、ありがとうございます」
赤い髪の毛の女の子はそういった。
+夜想曲+3夜
人質を無事に助け出し、犯人たちを縄でぐるぐる巻きにしたあと、
エドたちは車内でのんびりとしていた
「さきほどから思っていたんですが、ケガなさっていますよね?」
「ん??あぁ・・・これくらいどうってこと・・」
エドは自分の頬と腕の擦り傷をみた
バルド人形と戦ったとき、着地に失敗してできてしまったものだった。
「ダメだよ、兄さん!ちゃんと消毒しないと!」
「うるさいなぁ」
「マスタング家にお嫁にいけな・・・・」
「アルゥ??」
「う・・ごめん。でも消毒はしようよ」
アルフォンスが救急箱を持って兄の隣にすわろうとした時だった。
「見せてください。」
そういって女の子はエドの左手、ケガのある場所に両手をそえた。
黄色い、暖かな光があふれだす。
それはまさしく、錬金術の光であった。
「あんた、錬金術師なのか?」
「集中しますから、静かに・・・」
そういって、女の子は引き続き技に集中した。
みるみるうちに、エドのケガがふさがっていく。
一通りのケガを直し終えたところで、女の子は一息ついた。
それを確認してから、エドは彼女に話しかけた。
「あんた、治癒練成できるのか?」
「あまりひどくないものなら。治癒練成にも限界があります」
「そりゃそうだ」
帰ってきた言葉は、錬金術師らしい言葉だった。
「ところで、悪人の人たちは・・」
「ロープでぐるぐるまきにしてあるから、安心していいよ」
いままで口を閉ざしていたアルがそういった。
「ボスは人間じゃなかったけどなー」
ぽつりと呟いた言葉に女の子は首をかしげる。
しかし、なにもなかったかのように、言葉をつづけた。
「私、人質なんて初めてで緊張してしまいました。」
「え?怖くなかった?」
アルの言葉に女の子はきっぱりと答えた
「はい!誰かが助けに来てくれると信じていましたから!」
「あははっ、大物だね!僕はアルフォンス・エルリックです」
女の子の凄い発言に、アルは笑いながら名乗る。
続いてエドも自己紹介をした
「俺はエドワード・エルリック。鋼の錬金術師だ」
女の子はエドの「鋼」にびっくりしながら、自らも自己紹介をした
「私はコーニッシュ・ロイスです」
女の子、コーニッシュことコニィは、先ほど気が付いたことを聞く
「エドワードさんは、国家錬金術師なのですか?」
「あぁ」
臆することなく、エドは言った。
「まぁ!私はこれから、国家錬金術師試験を受けに行くんです」
「なんでまた?国家錬金術師じゃなくてもいいんじゃないの?」
国家錬金術師は軍の狗であり、その軍の狗に進んでなる理由
エドはそれが知りたかった。
しかもこんな、ウインリィと年が同じくらいの女の子なのに・・・
自分たちだって同じようなものだ、といわれてしまえばそれまでなのだが・・・
すこし考えていると、コニィのはっきりとした、強い言葉が聞こえた
「国家錬金術師になれば、もっと多くの人を助けられると思って」
「えらいね」
その言葉に返したのは、エドではなくアルだった。
「でも、エドワードさんの方が小さいのに大衆のために働いていらっしゃるわ」
「だあれが、ウルトラ豆粒錬金術師かぁ!!これでも15だぁ!!」
「だれも、そこまでいってないってば、兄さん」
アルの突っ込みもむなしかった
「あら。でも15だったら、まだ成長期ですもの。もっともっと大きくなれますよ」
「お気遣いありがとっ!じゃ、あんたもセントラルに?」
エドの言葉にコニィは深くうなずいた
「エドワードさんたちもセントラルに?」
「ええ、ちょっと用事がありますし、この列車強盗のことも報告しなければいけませんから」
エドの代わりに社交性のあるアルが答えた。
それを聞いて、コニィは少し考えて、その後にすこし大きな声をだした
「私、決めました!おふた方と行動をともにします!!」
「はぁ?」
いきなりの出来事にエドは豆鉄砲をくらう
「実は私、家からほとんど出た事がないので、この旅も一人で心細かったのです」
そんな時に現れたのがエドとアルだったのだ。
そんなコニィを思いを直ぐに二人は察した
「旅は道ずれっていうし、いいよね兄さん」
「あぁ」
エドはアルの言葉に二つ返事でかえす
「ただし!」
「はい!?」
少し声を荒げたエドにコニィはびくっとする
「その堅っくるしい喋り方はやめてくれ」
エドは久しぶりに聞く敬語で、疲れてしまったようだった
「はい!分かりました!!私の事はコニィと呼んでください!よろしくお願いします!!」
返事はしておきながらも、コニィの喋りはまだ敬語のままだった
しかし、先ほどよりかは幾分かましになった気がした
「僕のことはアルでいいよ」
「俺はエドって呼んでくれ」
旅は道ずれ
楽しい旅が始まる予感
「あ」
「なんだ?コニィ」
「エドじゃなくて、エディじゃダメかしら?そっちの方が可愛いし」
沈黙
「ダメ?」
「死んでもゴメンだなV」
「むぅ・・そこまで言わなくても。呼ばれていないんですか?エディって」
「コニィ、ダメだよ。」
「アル」
「兄さんをエディって呼べるのは、兄さんの恋人だけだから」
「まぁ!それってちょっと素敵ね!」
「きっと、そのうち会えるよ」
「是非お会いしてみたいです!」
「うん。その人は、マスタ・・・」
「アルゥ・・・・・・・???(怒)」
「あ、あははっ・・・」
面白い旅になりそうだ