彼の名はヴァイオレット



・今日 ハ ホッケ ノ 脂ノ ノッタ トコ ガ 手ニ入リマシタ ノデ、
晩ゴハン ハ コレ ヲ 焼イテ 軽ク スマセチャイマショウ。
オヤ、アノ ハジケタ 衣装ハ モシカシテ ゴシュジンサマ!?
・カマ〜ンv  オレの名はヴァイオレット。はじめまして、コンボット君!!
・イヤデスネ、ゴシュジンサマ。ワタシ ノ コト ヲ 「コンボット君」、ダナンテ!
・おや、コンボットじゃないか? 何してるんだい、こんなとこで。
・おっと、李超狼のお出ましか。
・エ、エエ〜〜〜〜〜ッ!? ゴシュジンサマ ガ 二人!?


・フッフッフッフッ… ひさしぶりだな、李超狼!! 
・そういう君はヴァイオレット!! 顔はボクに似てとびきり美形なのに、どうしてまた、
そんなスットコドッコイな格好を!!
・違イマス、違イマス! ゴシュジンサマ!!
・李超狼、今日は貴様と決着をつけにきたのさ。 さあ、コンボットを返してもらおうか!!
・エェ〜〜〜〜〜〜〜〜!? ソ、ソンナ、コンボット ハ アナタ様 ノ コト ハ 存ジマ… 
イエ、存ジテイル ハズ ナノデスガ……?? ジョ、状況判断不可、状況判断不可!!
・決着だと? ボクのコピーにすぎない君になにができる!!
・ゴシュジンサマ… ゴシュジンサマ ハ 同一人物 デ アル ヴァイオレット ガ 
ナゼ コノ 場 ニ イルノカガ 不思議 デハ ナインデスカ!?
・そうだ、同キャラ対決というわけだね。実に不思議だ! ありえない!!<
クスクス
いや、違う!! その理由は 李超狼、キサマがよく知っているハズだ!!
・一応、李&ヴァイオレット、両名 ノ 技 ヲ 検索 イタシマス…<
ピピピ…
アー、
ヴァイオレットナックルコンボ、ヴァイオレットサマー等 技名 ニ 若干 ノ 
違イ ガ アリマスガ、打点・攻撃力 トモ ニ 変化ナシ! 
マァ、ヴァイオレット ノ 技 ノ アト ニハ 
紫の薔薇 ガ 舞ウ事 グライ デスネ、変更点 ト イエバ。
・クッ… すまない、コンボット。不思議でもなんでもない、ヴァイオレットのいうとおりだ。
彼こそ、プロトタイプ・先行者をもとに我が社が総力をあげて創りだしたテストタイプ、
ヒューマノイド・ヴァイオレットだ!
大会に出場させるためにボクの姿形、能力をそっくりそのままコピーし、結局決勝まで勝ち進んだが…
・オレが決勝まで進んだとたん、コイツは、自分を能力をはるかに超越したオレに
今の地位を奪われると危惧し、オレを密かに回収して、自分がチャッカリ決勝に進んだのさ!! 
あとはコンボット、君の知っている通りだ。
・行動パターン マデ 忠実 ニ コピー シタンデスカ。 スゴ…
デハナクテ!! ヴァイオレット、アナタ ヲ 捨テタ ゴシュジンサマ ニ 復讐 スル ト 
仰ル ナラバ 話 ハ ワカリマス。 シカシ、「コンボット ヲ 返シテ モラオウ。」 ナド ト、
婦女子 ト 生マレタ カラ ニハ 一度 ハ 言ワレテミタイv  ナンテ コト ヲ? 
・まだ気付いていないのかい、コンボット。
・なッ…
・ゴ、ゴシュジンサマ…?


・ハッ!! マサカ ゴシュジンサマ カラ コンボット ヲ 奪ウコト ニ ヨッテ 拷問ニモ 
等シイ 精神的苦痛ヲ 与エヨウト…!!< え?
・と、とにかくコンボットは渡さん!! どーせ、ボクのコピーのことだ。コンボットからボクの
パーソナル・データを解析して、あーんなこと
 義兄に告げ口したり や こーんなことに 義姉に漏らしたり
使うんだろう!! <ぷんぷん
・ …下品な。やはり、ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスに淘汰されるしかないようだな。
コンボット、君もこの男のせいで、自分が欠陥品だと思いこんでいるんだろう。
・欠陥… 確カ ニ、大会ニ 出場シタ時 ハ 急ピッチ デ 開発ガ 進メラレタ タメ
動作ニ 一部 不具合ガ アッタ ト 聞キマシタ。シカシ ソノ後 バージョンアップ シテ バグ ハ
全テ 修正サレテイル ハズ デス。
・修正だと? とんでもない。君こそ、「自ら学習し自ら変化していく」 
不完全 にして 完全 な
ヒューマノイドだ。第5世代の生体コンピューターを用い、
シナプス可塑性の変化 と ニューロン新生
によって
 ニューラルネットワーク、つまりハードウェアそのものをを変化させることで、自らのプログラムを
書き換え、最適化を図る、無限の可能性を秘めたヒューマノイド…
<ピピピピピポッパ! 理解フノウ! 理解フノウ! ドウイウコトデスカ、ゴシュジンサマ?
・ …ヒューマノイドの「核」となるCPUを、人脳とほぼ同じ構造になるよう忠実に再現した結果、
テストタイプ・ヴァイオレットと、量産型試作機・コンボットにのみ、従来のヒューマノイドではありえなかった
感情が芽生えたんだ。
 だが…
・より完璧な肉体を持つヒューマノイドが思考や感情を持ち、人間を凌駕する事を恐れたコイツは、
オレ達二人を残して、次世代型ヒューマノイドの生産をストップしてしまったのさ!
さあ、コンボット!! オレの妹よ! 今こそ、まずはコイツの会社をのっとり、世界を手に入れようではないか!
・ヴァイオレット…兄様…。オ気持チ ハ 嬉シイ ノデスガ、ソレッテ、

「アトハ 貴様ヲ 殺シテ 全テ ヲ 手ニ入レル ダケダ、コンボット!!」
デハ ナイデスヨネ! ネ!!< ガクッ
オイ…(汗)。
ハハ…しかし、「まずはコイツの会社をのっとり」とは、やはり君は、ボクの若い頃のコピーにすぎないようだね。

生体素子を用いて人工的な感情を持たせたハズのテストタイプ達は、皆強靭な機械の肉体と精神のギャップに
耐えられず
、あるモノはすぐに不具合を起こし、あるモノは暴走して手がつけられなくなった。

 暴走したヒューマノイドこそ、
ヴァイオレット、君だ。ボクの能力の一部をコピーして、やっと君の精神は安定
したんだよ。
 だから、君の能力は、過去のボクのままだ現在のボクに、勝てるわけがないだろう。
・ク…クソッ、貴様〜〜〜〜〜ァァッ!!
・フッ、いいだろう。来たまえ!! 
殴!!!<へぶッ!!
・アアッ!! ゴシュジンサマ ノ オ顔 ガ ヒシャゲタ!!
痛〜〜〜〜〜ッ フングォォォ〜〜〜〜〜ッ 、ホ、ホカヒイお、おかしい、

ホナジ技ヲダス時デボ、同じ技を出す時でも技ヲ出ス時、ビビョウ ニ ズレ ガ アッテ…

技を出す時微妙にズレがあって…

・アホか。貴様と技が同じでも、オレはヒューマノイド、貴様は人間。
パワーだけなら貴様の何倍もあるわ。
・エット… <パラッ(攻略本をめくる) デモ ゴシュジンサマ モ ヴァイオレット モ 基本的ニ パワー 
ハ、変化ナシ ト ココ ニ…
・細かいことは気にしないでくれたまえ。さあ、コンボット! 君も覚悟を決めたまえ!!
さもないと、君の大事なゴシュジンサマが死…
・ハイ ソコマデ、ソコマデ!! 
<キュッピ〜〜〜〜ン!
ゴシュジンサマ ニ 危害 ヲ 加エル 輩 ハ 例エ オ兄様 デ アッテモ 許シマセン!!
オ兄様、オシオキ デス!!

(コンボット、ヴァイオレットを抱えてオシリをベシンベシン)

・ギャ〜〜〜〜〜ッ!! い、いきなり何をするんだコンボット!! 離せ、離してくれ〜〜〜ッ!!


・ううう… オ、オレのグンバツのヒップラインが、こんなに、無残に…
・君なんか、まだいい方だよ。ボクの時なんか、オシリが一生ブルーのままかも
って思ったからね! …冗談だよ。
・ヴァイオレット兄様、ヒューマノイド ノ オ友達 ガ 欲シケレバ 御自分 デ 創レバ 
ヨイノデハ ナイデスカ? ゴシュジンサマ ノ 能力 ヲ 引キ継イデ イラッシャルノデスカラ 
ソレグライハ…

・フッ… まだ、わかってないようだね。
・ヒューマノイドの精神を安定させるために、ヴァイオレットに続いて、今度はパワーも人並み、
知能も人並み
のヒューマノイドを創った。しかし、それでも感情は未発達のまま… 
 しかし、そのなかでもどーしようもないぐらい重大な欠陥を持ったヒューマノイドが一体いた。
それが
コンボット、君だ。
 どうやら、プログラムの一部にバグがあって、それが突然変異したらしいんだが…。
そのヒューマノイドは、人間様には逆らうわ、モノ覚えは悪いわで、ハッキリいって人間と変わらない
しかし人間と同じような喜怒哀楽を持っていたんだよ。
・ヒューマノイドは、基本的に人間の命令によって行動する。だから、オレ達ヒューマノイドが
世界を手に入れるためには、君やオレのような、人間の命令に束縛されない、自律自立した
ヒューマノイドが必要だったんだ。
・それに加えて、コンボットは学習し成長するからね。だが、もともとバグのせいでこーなったから、
量産するにも解析に費用がかかりすぎて、で、これっきり→ になっちゃった。
・どうだい、コンボット。これでもまだ、オレと来る気はないのかい?
・ウーン… 世界 ヲ 手ニ入レル… デモ 手ニ入レテ ドウスルノデスカ?
コンボット ハ コンボット ノ ママ デ 十分 幸セ デス(ソリャー、多少 美容整形 願望 ハ アリマスガ。)

手ニ入レタラ 世界ガ 変ワルノデスカ?
 
ソコハ ゴシュジンサマ ガ イナイ世界 ナノデスカ?

コンボット ハ ゴシュジンサマ ヲ 幸セ ニ スルタメニ 生マレタノニ、ゴシュジンサマ ガ 
イラッシャラナイ 世界 ナンテ… イラッシャラナイ 世界 ナンテ…<
ウワ〜〜ン!!(号泣)
・コ…コンボット… ほら、泣くな。大の男、いや女、いやヒューマノイドがみっともない。
・グスン、グスン…ウワ〜〜〜〜〜〜ン!!(涙)
・コンボット…。わかった、今日のところは引き下がろう。だがコンボット、いつか君も
理解する日が来る。この抜け出せない屈辱と… 痛みを… さらばだ!! 
・オ兄様!! …アア、行ッテ シマワレタ ヨウデス。グスン…
・抜け出せない屈辱かあ…。ボクのコピーだけあって、アイツを見てると、自分の
苦々し〜い青春時代を思い出すよ。まあ… 立ち直りも早いだろうけど。
グスン… ソウデスヨネ! ヴァイオレット兄様 ニ ダッテ、ソノ 雑草根性 ガ 備ワッテ
イマスヨネ、キット!! …ゴシュジンサマ。



 数日後。

・ゴシュジンサマ、ヴァイオレット兄様 ハ ドコ ヘ 行ッテ シマッタンデショウネ。
少シ 心配 ニ ナッテキマシタ。
・さあねえ。<
パラッ(新聞をめくる) でも、アイツのことだから、バハマならぬトンガあたりで、
きっと元気でやってると思うよ! ボク自身、寒いのは苦手だからね。
・デモ オ兄様 ニ オ会イ デキテ、コンボット ハ トテモ 嬉シカッタ デス。
 ソッカ…コンボット ハ、自分ガ 欠陥品 ナノデハナイカ ト 思ッテ イマシタガ、
ソレハ 欠陥 デハナクテ 欠点 ニ スギナカッタノデスネ。
ナンダカ 少シ、自分ニ 自信 ガ ツキマシタ。
・アイツもねえ… やっぱ回収する時、少々汚い手を使ったのがマズかったのかなあ。
もともと反抗的なとこがあったけど、あれですっかり人間不信になっちゃって…。
おっと、仕事の時間だ。じゃあね、コンボット。行ってくるよ!
・イッテラッシャイマセ、ゴシュジンサマ。
…サ、後片付ケ、後片付ケ。
マッタク、ゴシュジンサマ ト 二人暮シ ダト 残リ物 ガ 片付カナクテ 困リマス。
ピーッ!(サランラップを引っ張る)

 
…トゥルルルルルル…トゥルルルルルル…

・オヤ、ゴシュジンサマ。テーブル ノ 上 ニ ケータイ ヲ オ忘レ ニ ナッタヨウデスネ。
メール…見チャイマショウカ
(ドキドキ)。アッ…アノ女!!


「おはよう、李。この前の
晩は最高だったわ。あの
あと、ちょっと心配だった
けど、大丈夫だったよ。
コンボットには、ばれてない? 
あのロボット、妙にカンが
いいから
…」



・ 
……ワナワナワナワナ… ナ、ナニガ コノ前 ノ 晩 デスカ!!

ガチャーン!!(携帯を壁に叩きつける)

ゴシュジンサマ ガ コンボット ニ 隠レテ 浮気… 
シカモ アンナ ト 寄リ ヲ 戻シテイタ ナンテ!! 
 
ピピピピピ…(思考回路 ガ パルス ノ 逆流 ニヨリ 熱暴走)

アア コレガ 嫉妬 ナノデスカ?
所詮、ゴシュジンサマ ハ 人間、コンボット ハ 命令 サレル ダケ ノ ヒューマノイド…
オ兄様 ガ 仰ッテイタ 抜ケ出セナイ 屈辱 トハ コノ事 ナノデスカ…! 

ゴシュジンサマ… 許セマセン 許セマセン…
コウナッタラ オシリペンペン 100回…


冗談ジャネエ、一万回 ブッ叩イタッテ 気ガ収マラネエヤ!!

アンナ ト 二人仲良ク ケチョンケチョン ノ ギッタギッタ ノ 

逆サ張リツケ ニシテ 運河 ニ 沈メテ サメ ノ 餌 ニ シテヤル!!


キーッ!!

 


 
こうして、人類史上最強最悪のヒューマノイド・コンボットは覚醒した。

そして数十年後、このことを、李を含め人類は、

もっとも悲惨な形で思い知ることになる。

完