オーストラリアからのクリスマス・カード


(イラストはこちら)

・ジュリア、手紙きてるわよ。
・ああ、ありがと。どこか適当なところに置いておい…
(くすっ) オーストラリアから。<スタタタタタタ…パシュッ!!
・まったく、母さんも人が悪い。どれどれ… ふうん。
・どう? あの子、元気でやってる?
・暑いって。
・え、熱いって? HOTだって? なにそれ、そのクリスマスカード、
もしかして
オパールの指輪入り? えー、でもオーストラリアだったらピンクダイヤ
かも!? アンタのイメージにあわせてブラックパールっていうのもいいわね〜。
・ …ちょっとポール・フェニックス→ 入ってたよ、母さん…。
指輪なんて入ってないし、カードと便箋だけ。
<チェッ! つまんないのー。アタシがアンタぐらいの時は、→ とか
 とか (秘密だけど → とか) 、いろいろウワサがあったモンだけどーv
母さん、もしかしてダメな男ばかり渡り歩くという例のアレかい?
でも、いいんだ、アタシは。結婚とかお付き合いとか、当分考えてないから。
・ホホホ、そんなこと言ってると、あっという間に40歳すぎるわよ。
・ものすごい説得力だけど… でもなあッ!<ゴロン!(ソファに乱暴に寝っ転がる)
・でも? 何? 
・同じようなクリスマス・カードが日本にも送られている。多分。つか、絶対。
・え…?(汗)


・へへ〜、花ちん!見て見て、仁からクリスマスカードが来たよ〜ん。
・誰が花ちん、だ。何、クリスマスカード? オレは食えないモンには興味ねェっつーの。
・じゃ、鼻ちょうちん。えへへ… 嬉しいなぁ、っと!!
・不気味な笑いすんなよ! で、アイツ何て?
・んー… 元気にやってるって。そっか、オーストラリアは今、夏だからねー。
こちらでは、サンタさんが夏のバカンスを楽しみ、キャンドルを持った人が
街中をパレードする様子は、日本のお盆にそっくりです、だって。
・お盆? ま、まあそういうことなのかな?? 
・ファランや日本のみんなは元気ですか? うん、元気にバカやってるよ!
…日本では、もうすぐ冬休みですね。一度オーストラリアに遊びに来てください。
へぇ〜、そっかー、そうなんだー。遊びにいっちゃおーかなー♪
・おほー、やるねェ! 何、航空券とかついてきたの? もしかして、片道?
バーカ。日本のみんなと一緒に、って、ちゃんと書いてあるよーだ。<フン!
・まあ、男の方だって自分から積極的にアタックしてくれる(カワイイ)女の方が、
かえってヤリやすいからな。どっかの遠慮してるネイティブ・アメリカンだって…

<ドムッ!!
(みぞおちに肘鉄がきまる) 

痛てェッ!!
・多分、アメリカにも同じようなこと書いて送ったんだろうなー。
仁のことだし。悪気はないんだろうけど。<プゥー
(と、膨れる)
 いいよーだ。ジュリアが遠慮してる、っていうんならアタシがオーストラリアに行って
やろうじゃないの! 一人で!! こーいうのはね! 双六と同じで!!
先にゴールしちゃった方が勝ちなんだからねっ!!
・おお〜、ポジティブだな、アクティブだな。
・そうとなれば早速! …まずは水着だな。次にグルメ… 
オーストラリアの新鮮な魚介類も捨て難いけど、タスマニア島のミルキング・ヴィール
(ミルクだけで育った子牛の肉)も一度食してみたかったし。ガイドブック買ってこよ…
・ …ええね、ええね。そう恋にも食欲にも忠実に生きてる姿勢って、
ワリと好きよ、オレ。でもな、双六っていうのは、ゴール直前で賽の目振りすぎたら、
その分後戻りしなきゃならねェのよ。 ま、適当にがんばりな。
・うん…


・何よ、それ!! もしかしてフタマタかけてんのかい、その男!
・違う。ただ、彼に…いろいろあるのはわかってるんだけど…そのー、お付き合いする、
とか、彼女、って概念が、まだないんじゃないかな。
いや、彼女を危険な目にあわせたくない、って思っているんだと信じたい。
マザコンだね!
・やめてよ母さん。ハァ… シャオみたいに素直でー、保護欲そそられるようなかわいらしさ持っててー、
それを巧みに駆使して上手に世渡り…できるもんならやってみたいー!!<
ソファのクッションをバフンバフン叩く


・ねえー、花ちんー。男の人から見てジュリアってどう思うー? やっぱ、頭良くてさー、
ムネあってさー、メガネっ娘でさー、肩肘はってまーす、って感じでさー、でもあんまりモテてなくてさー、…。
・何が言いたいんだか良くわからねえけど…。つきあうとかつきあわねえとかは別として、
イイ女だと思うよ。なんだよ、あんまりジュリアと自分を比較しない方がいいぞ。ジュリアはジュリア、
シャオはシャオ!
・比較してるんじゃないよう。でもォ!! アタシ、自慢じゃないけど、人からよく「かわいいね」とか
「優しいね」とか言われるのね。でも、それって、アタシ的にはなーんかヤなんだよ。
なんか、こう…カワイイことを売りにしてる動物みたいでさ。
・くっだらねえ事を気にしてるんだな、案外。
・うるさい。けど…くっだらない事なのかなあ。アタシはジュリアみたいに強くて、頭良くて、イイ女に
なりたいよ。だから、仁が…そういうアタシを好きな人であって欲しいなー、って思うの。
 でも、そしたら、もしかしたら…アタシが好きな仁は、ジュリアのことが好きな仁なのかもしれないね。
・んー、わがりまへん。<
ふわあああ… でもな、ホント、あんまり気にしなさんな。
アイツにそんな甲斐性ねェよ。それに、どんな女好きになるかなんて、男にオレだってわからねーもん。

 

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