夜明け前
だが100年以上たって確かなものが一つだけある。お前だ。なあ、俺を見ろ。
俺はおまえになにも求めちゃいない。「愛してる」って言っても、所有は出来ないからさ。
お前自身を愛している。お前のやること、お前のやり方、お前の優しさも強さも、ずっと見てきた。
いいところも、悪いところもだ。お前のことは、そのまんま丸ごと理解している。
素晴らしい女だ。
お前こそ、選ばれし者なんだよ。
皆、十字架はしょっている。少し休むといい。夜が明ける前にまた来る。おまえのしたいようにしろ。
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「代々のスレイヤー達よ・・・
今一度みんなのために… 世界のために
力を貸してください。」
「最後の一匹となった悪魔は、人間と血を混ぜ合わせ、人の形をしながら
悪魔の心を持った存在となったの。それがヴァンパイアの始祖。
友達はいらない。私達は、殺すだけ」
「これは…聖鎌が語りかけているの?」
「大いなる悪霊を倒すために、強い武器が必要だったの。
スレイヤーの血で刃を染めて、スレイヤーの手足を柄にして
聖鎌は作られた。この聖鎌は、スレイヤーそのものなのよ。」
「お願いします。どうか、スレイヤーの力をみんなに、スレイヤーになる可能性を秘めた者
すべてがスレイヤーになるようにしてください。立ちあがる意志を持った者を…」
「男達は人間の少女に悪霊を封じ込めたわ。それが初代スレイヤー。
少女が死ねば、悪霊は新しい宿主を探す。一つの時代に、たった一人。
言葉を持ってないの。名前もない。たった一人で血の涙と胸指す痛みに耐えながら。」
「もう、一人で背負うことなんてない。あなたは、いえ、あなた方はもう一人ぼっち
じゃないのよ。みんなが選ばれし者になるのよ。」
「…世界が変わるわ。それはとても、大きな力よ。痛みを伴う。」
「地獄の口の封印はもう解かれたわ。バフィーには、今こそ
候補生達の力が必要なの! お願い、バフィーを助けて!!」
「始まったのね…。」
「…タラ?」
「君はどうして逃げなかったの?」
「前は逃げたわ。前にも世の終わりをむかえたの。
あの時はそう、逃げたの。でも今回は、さあね。」
「それはどうして?」
「前はほら、人間のことをよく知らなかったから。
いろんなことを見て人間を理解したし
彼らの能力も知ったし、私、気がついたのよ。
人間って、みんなホントだめだな、って。
つまり、内面的に何一つ成長しないんだなって。
互い力をあわせようなんてこと考えずに、なんとなく漂いながら
人生をやりすごす。そのくせ誰もが、自分自身の死が近づくと
驚いて大騒ぎするの。彼らには死を克服するって考えがないのね。
そして互いに殺し合う。でもそんなのってばかげてる。
もっとこまったことに、人間ってね、大切なもののために戦うの。
そのためにみんな愚かになってしまう。
でも戦うのけっしてやめようとしない。
だからあたしも戦いつづけようかな、って。」
「ねえ、人間が好きなの?」
「いえ、大っ嫌い。」
「ごめんね、お姉ちゃん。
でも、どんな言葉もさよならにしか聞こえないから。
ホントは怖いよ。すごく怖い…
でもお姉ちゃんとスパイクがファーストを倒すまで、
ここは守らなきゃならない、そうだよね?
だから、お姉ちゃん、スパイク、私… がんばるよ。
ママ、私に力を貸して!」
ドーンのこと、世界のこと、守りきれたぞ Buffy… 約束だったからな。
ついでにスレイヤーとしてのおまえの最後を、見届けてやることもできた。
Buffy、愛しているぜ。離れていても、別れても。
魂が痛む程に。
ちびは今、どうしてる?
あいつらは?
地獄で待ってるぜ、ハゲ親父。
ああ、ここはあたたかい なんて安らかで
まぶしい…
これは、光?