escape3、傷跡に降り注ぐ雨・・


翌朝。仁とシャオは屋敷内にあまり人がいないのを見計らって、ジュリアをお風呂に入れた。
男の仁から見ても、ジュリアは相当汚れていたからだ。
聞けばもう半月ほど風呂には入っていないのだという。
アリゾナの荒野で暮らすジュリアにとっては、このぐらいの汚れは気にならないらしい。
「牛を追って何ヵ月も外で過ごすんだよ。」
  ジュリアは自慢するように言った。
「これぐらいたいしたことないって・・って、あの〜。」
 シャオは半ば強制的にジュリアを風呂場に連れていった。
 ザッパ〜ン!
 そして嫌がるジュリアをエイヤッと洗う。
ジュリアの服もずいぶんなもので、Gパンなどたたくと辺りに埃が舞うほどだった。
 服を洗濯に出し、代わりにシャオが服を貸した。
黄緑色と茶色の革で形の違うタンクトップを二枚重ね着し、下はデニムのスカ−ト。
背中にペタンと貼ったサロンパスはおいておこう。ジュリアとシャオでは身長差が一〇センチ近くもあるが、
これならサイズを気にせず着れそうだ。ついでに髪を二つ分けにして結うと、かなりイメ−ジが変わった。
「もうちょっと、別なのはないのか? これじゃ、まともに戦えない。」
 女の子らしくてかわいい格好だが、ジュリアは不満そうに足を蹴り上げる真似をした。
ぜい肉のない美しい太ももがチラリチラリと見えて仁は思わず目をそらす。
それを見ていたシャオはいらだだしげに舌打ちした。
「大きいサイズこれしかなかったの! 足あげないでよ、パンツまで見えるじゃない!」
「フン、動きづらいもんだね。」
 二人がお風呂に入っている間、仁が朝食にお粥をつくったので、部屋で食べることにした。
今日は三人ともフリ−だったが、ジュリアは試合を見にいくといった。
もしかしたらミシェ−ルがでているかもしれないからだ。
「大会自体は世界規模だけど、試合はストリ−トファイト形式だからね。
場所は決まってても、誰が出てくるかはわからない。」
「俺も行く。場所なら知ってるよ。」
「私も。ジュリアのお母さんも、ジュリアみたいに乱入してたりしてね。」
 ウインクするシャオに、ジュリアはそう言うなよ、と苦笑いした。
そしてお粥が気に入ったのか、もう一杯二杯とお代わりする。
「この日本食の・・梅干にカツブシか、おいしい。卵を生で食べるのも初めてだが、
醤油をたらしてライスにかけたのがこんなにおいしいとは知らなかった。」
「ジュリア、体が弱ってたからな。外国の人が食べられるかどうか不安だったけど、
こういう時はやっぱりお粥が一番なんだ。」
 意外にも仁は料理が得意である。幼い頃から手伝いをよくしていたせいもあるが、
本来家庭的でおとなしい男なのだ。
 結局ジュリアはお茶わんに五杯ほどお代わりした。
「ありがとう、おいしかった。 ・・さてと、そろそろ行こうか。」

「何なんだ、ここは!」
 ジュリアが怒ったのも無理はない。
 昨日とは場所が変わって、三島工業高等専門学校。仁と、それから現在シャオが通う学校である。
「学校で戦えというのか、ミシマは!」
「俺だって知らないよ!」
 しかしこんなところにも、どこで聞きつけたのか観客はやってくるもので、
校庭には黒山の人だかりが出来ていた。
ところどころに学校の制服の生徒もいて、何だか運動会のようである。
咲き初めの桜が春の暖かな日差しと観客達の熱気の中で風にゆれていた。
  「けどジンが工学とはね。似合わないな。」
「うん。でもね、仁は成績悪くないんだよ。物理とか数学とかさ、
私、数学の先生が陰険ヤロ−で数学もだいっきらいなんだけど、
仁はホント、良く出来ますね−って感じで。」
「ハッ。ますますあってないな。」
 シャオのむくれた顔がかわいくて、ジュリアはつい吹き出しそうになった。仁が口をはさむ。
「人のことを勝手に言って・・。ジュリアこそどうなんだ。やっぱりハイスク−ルとかに通ってんのか?」
「いや。今はアリゾナに帰ってきて仕事してる。一応、考古学の研究してんの」
「考古学?」
「そう。アタシ、ロスの大学で考古学の勉強してたから。
まあ、牛飼いの仕事のほうが忙しくて、ものになんないんだけどね。」
 それじゃ、大学まで卒業してるのか!?
 仁とシャオは顔を見合わせた。
「よう、ジン! それにシャオユウか!」
 二人が驚いていると、後ろからもう一人のビッグなアメリカンが声をかけてきた。
昨日ニ−ナに辛くも勝ったポ−ルである。あれだけ激しい戦いでも、ポ−ルはけろりとしていた。
これはポ−ルが強いのか、ニ−ナが手を抜いていたと考えるべきか、わからない。
「ポ−ルさん、今日も試合ですか?」
「やってもいいんだがな、あいにく今日はフォレストの付き添いだ。
おう、そこにいるのはもしかしてジュリアか!?」
 ポ−ルを見てジュリアはすばやくジンの影に隠れたが、目ざとく見つかってしまった。
「そんな、コワイ顔するなって。昨日の試合すごかったぞ。」
「・・ありがとう。」
「名前はジュリア・チャンだよな。な、もしかしてミシェ−ル・チャンの娘か何かじゃないか?」
 「そうだ。」
 無愛想にうなずくジュリア。ポ−ルは満足気に髭をなでさすった。
「どうりで、よく似てたからなぁ。19年前のミシェ−ルみたいに必死で一途でまっすぐな戦い方だった。
ミシェ−ル元気か?」
「あの・・。」
 仁が事情を話そうとすると、ジュリアが制止した。どうやら言いたくないらしい。
「元気だよ。仕事が忙しいから、大会にはアタシが来た。」
「そうかい。ま、もうちょっとがんばればミシェ−ルに追いつくぞ。気張らずに楽にやんな。
筋はいいんだから。おっと、フォレストの試合が始まっちまう! それじゃあな。ミシェ−ルによろしく。」
 ポ−ルはやけに楽しそうに片手を上げて走り去った。鼻歌まで歌ってたかもしれない。
「・・すごいな。あまり関わりたくない人だけど、あの人アタシのこと見抜いてた。」
 ポ−ルを見送りながら、ジュリアはつぶやいた。
「何で母さんの事、話さなかったんだ?」
「事を荒立てたくない。こっちにもいろいろあってね。ヘタに動いてほしくないんだ。」
  その言葉が、仁には何故か意味ありげに聞こえた。
 お爺さんやオ−ガ以外に、ミシェ−ルが失踪した心当たりがあるのか?
 グラウンドのまわりで、歓声が一層高まった。試合が始まるらしい。
 人ごみをかきわけて何とか試合が見える位置まで近づくと、
フォレスト・ロウと功夫着の男・・雷武龍が対峙していた。
「あ−っ! あの人、雷武龍でしょ! 私、テレビのCMで見たよ。」
 シャオが、まるでスタ−を見たかのようにはしゃいだ。
確かに四十半ばの、男の渋さを漂わせた映画俳優みたいである。
「彼、本職は刑事さんだよね。前の大会にも出ていなかったっけ。
・・あれ、ジュリア、どうしたの?」
 ジュリアは青ざめていた。それもハンパではなく、額に脂汗まで浮かべていたのだ。
「アタシ・・悪いけど帰る!」
「そんなぁ! どうしてよ!? ほら、試合始まるよ。」
 レフェリ−のかけ声で、フォレストは挑戦的に腕を上下させて独特のステップを踏み、
雷は余裕そうな笑みを浮かべながらも油断なく相手のスキをうかがった。
 フォレストが鋭い左のパンチを連続して放つ。最初に仕掛けるあたりが、
若さなのかもしれない。雷は両の掌底で受けとめ、軽くステップバックして間合いを調節した。
 アチョ−!!
 グラウンドにフォレストの怪鳥音が響いた。大きくジャンプして、膝を雷の顔面に叩きつけようとする。
 しかし次の瞬間、フォレストの視界から雷が消えた。なんと雷はその場に寝転がったのだ。
そしてフォレストの足が地面に落ちてきたところで体を起こして滑り込み足元を蹴った。
その体勢のまま再度逆の足で蹴り、体を反転させると同時にまた蹴り上げる。巻暫連脚。
追い打ちに背を向けたままの状態でバク転し倒れているフォレストの腹に蹴り込んだ。背刃落。
 フォレストはゴフッと苦しそうにうめくとそれきり気絶してしまった。
 大きな歓声が学校全体を包み込む。雷は観客に笑顔で手を振った。
「フォレスト〜! だからアイツの地功拳はあれほど気を付けろと〜!!」
 セコンド役のポ−ルがフォレストに肩を貸す。
「しぇ−ましぇん〜。ポ−ルさ〜ん。」
 よほど強烈だったのか、フォレストはろれつが回らないようだ。
「あれ、ジュリアは?」
  シャオが突然、声を上げた。
 シャオも仁もこの試合にすっかりのめり込んでいて、
いつのまにかジュリアがいなくなっていたことに気付かなかったのだ。
 グラウンド中を探し回り、いないとわかると急いで校門まで走っていった。
「やぁ。」
 ジュリアは校門の前にいた。二人はフウ、と息をつく。
「と、突然消えるなんてひどいじゃない!」
「やめてくれよ! 心配したぞ!」
 二人が真面目に怒ってるのを見て、ジュリアは少し困惑する。
「心配してくれてるの? さっき言ったじゃないか、帰るって。」
 ジュリアの悪びれない態度に、シャオはブスっとふくれた。
「ねぇ、何で雷武龍見て逃げたわけ?」
「・・ちょっとね。親の代からの因縁が。」
「因縁って・・。ポ−ルみたいの?」
「そんなもん。」
 それ以上ジュリアは話したからなかったが、雷武龍とは浅からぬものがあるらしい。
よっぽど姿を見せたくないのか、試合はまだ続いていたが本当に帰ることになった。
「そうだ。ジュリア、せっかく日本にきたんだから何かおいしいもの食べにいこうよ。」
「おいしいもの? でもアタシお金は・・。」
「大丈夫! 大金持ちのおぼっちゃんが、おごってくれるってさ! ねぇ〜、仁。」
 こいつめ、人の小遣いが少ないのを知ってて〜!
 仁は何か言ってやろうと思ったが、その時にはもうシャオは
ジュリアの腕をとって歩き出していた。

 再び三島邸。仁とシャオに付き添われて今度はジュリアも堂々と正面から入った。
大会で知り合った友達ということにして、泊める理由をかこつける。
「うまくいったね。」
 シャオも驚くほど、あっさり事が運んだ。もっとも、平八が不在だったからできたことなのだが。
 夜。シャオの部屋。
 大会中のわずかな空き時間に、仁はシャオの勉強をみてやっていた。
「しっかしねぇ〜。そんな金持ち君が、おごったのがラ−メン一杯ってどういうこと?」
「すみませんねぇ。でも、ラ−メン大盛りにしてエビ蒸し餃子にフカヒレ餃子、
チャ−ハンに中華まんまで召し上がった方は、どこのどいつだっけ。」
「少ないよ。まぁ、いっか。ジュリアも喜んでたみたいだし。私としてはやっぱり平八おじいちゃんと
食べにいった懐石料理の方がよかったけどね。」
 人を破産させる気だろうか。
「ほら、無駄口やめて次の問題いくぞ。」
「ごめんね−仁君。私、数学さっぱりで。」
「シャオのはわかんないんじゃなくて、やってないから! 
まずは問題の数をこなすんだ。修業と同じ!」
「ふえ〜ん。」
 三島邸ににぎやかな夜が更けていった。

 三島邸、客間。
 ジュリアはそこの縁側でたたずんでいた。 
昼間はあんなに晴れていたのに、夜になってから雨がポツポツと降りだしていた。
 春雨。暖かな雨だ。
 雨の音をじっと聞きながら、ジュリアはそろそろ三島邸を出ようと考えていた。
 仁達を信じていないわけではない。むしろ感謝しているぐらいだ。
しかしここにミシェ−ルがいないとわかった以上、長居は無用である。
 二人がいい人であればあるほど余計なごたごたにはまきこみたくない。
 革のリュックの中身を確かめ、上着をはおった。シャオの服はありがたくいただき、
かわりに自分の首飾りを部屋においておいた。 
それは彼女なりの感謝と、別れと、服の代償だった。
 雨が降っている今がチャンスである。
二人とも、まさか雨の時に出ていくなんて考えていないだろう。
「ありがとね・・。」
 ジュリアはそっとつぶやくと庭へ下りた。
  しかし・・。
「どこへ行くの、こんな夜更けに・・。」
 庭に、雨に濡れた亡霊が立っていた。
「アンタは・・!!」
 ジュリアは叫びだしそうになった。ぐっとこらえて、すばやく構える。
 雨夜の庭にはニ−ナがいた。いったいどこから侵入したのだろう。
「何しにきたんだよ!?」
「ちょっとした任務の変更よ。」
 そう言うが早いか、ジュリアの方が先にニ−ナに飛びかかった。
しかしジュリアは手首をとられ、あっという間に地面に叩き伏せられる。
合気道でいう返し技。そこへニ−ナがジュリアを押し倒す。背筋に寒いものが走った。
「な、何をする!」
 地面にいきなり押し倒されて、ジュリアは完全に頭に血が昇った。
何とか払い除けようともがくが、冷静さを失ってそれはあまりにも弱々しい。
「心配しないでもいいわよ。あなたを殺しに来たんじゃないから。
」 じゃあ、仁か!? シャオか!?
 ニ−ナは笑いながら、ジュリアの耳元に顔を近付けた。その美しい顔から雫が滴れる。
「ここの鍛練場に行きなさい。」
 ニ−ナはささやいた。
「あなたの探しているものがあるわ。」
 それは呪いだった。体中が金縛りにあい、動けなくなった。
 ニ−ナはそれだけ言うと起き上がり、ジュリアを尻目に、忽然と消えていった。
 ジュリアはしばらく地面に倒れたまま、ただ雨に打たれていたが、
やがてはっと気付くと三島邸の廊下を走り始めていた。
 三島邸の廊下は長く、そして暗い。暗闇の中を走る自分。
 これはいつかどこかで・・。
 ジュリアの脳裏に、嫌な思い出がせり上がってきた。忘れようとしても忘れられない。 
奥へたどりつくと突然明るい場所に出た。鍛練場。
 影がいた。
 あの日と同じように赤い目を光らせて。違うところは実体があることだろう。
「ひさしぶりだな。」
 影は言った。
「オ−ガ・・。貴様・・。」
 それこそ、ジュリアがとり憑かれてきたものの正体だった。
 「影」、邪悪な精霊。人に憑き、病に侵し、人を使役しては害をなすという。
 この邪悪な精霊はジュリアには何ら害をなさなかった。
だが、この影にジュリアは13年もの間見張られてきたのである。
「アタシを喰いにきたのか・・。」
 血が沸き立つような怒り、そして恐怖。喰われる時の痛みの予感。
 オ−ガの実体は緑色の皮膚をした、人間の男のようだった。
体中の装飾品はインディオの神のものと同じである。威厳と畏怖。
ジュリアはその力に圧倒されて、構えることも、まして拳を叩きつけることも出来なかった。 
オ−ガはそれを嘲ら笑った。
「怯えているのか。あの日のように我に牙をむかぬのか?」
 立ち向かえと叫ぶ自分がいる。逃げてと泣いている自分がいる。
ジュリアは知らぬ間に恐怖で体を震わせていた。
「その様子ではおまえはまだ、我に喰われる資格はないわ。・・しかし。」
 ひらり。ひらひら・・。
 天井から赤い羽が落ちてきた。ジュリアはそれを手で受けとめ、
じっとそれに見入った。見覚えのあるものだった。
「まさか・・!?」
 砂の固まりが崩れるように、心が音をたてて砕けた。
体中の血がどこかへいってしまった。
顔から表情が一切失せた。
「小賢しくも我に逆らう者は皆そうなるのだ。」
「・・。」
「その女はここに来て、長年の宿敵と対峙した。それが我を呼び寄せたのだ。
なかなかよかったぞ! あの闘志、おまえとは比べものにならん。
だが、最期は不様なものだった。対峙していた男に自分が我に喰われるところを見られた時の、
あの絶望した表情は、今のおまえと同じだ。」
 やはりミシェ−ルは三島邸に来ていた。そこで平八と対峙し、
その魂のぶつかり合いがオ−ガを呼び寄せてしまったのだ。
 そしてミシェ−ルは・・。
 平八は助けようともしなかったのか?!
「フハハハハハ・・。己が弱さにうちひしがれて、もっと強くなるがいい・・。」
 オ−ガが大気に溶けだしていく。邪悪な思念が煙草の煙のようにまどろんだ。
甲高い笑い声がジュリアの心に虚しく響いた。
「・・喰われる運命からは逃れられぬがな。」
 ジュリアはその場に倒れこんだ。

 夜もとっぷり更けた頃、シャオの勉強もやっと終わり、仁はすでに日課になっている
修業をしに鍛練場にいった。雨がいつのまにか激しさを増し、冷たい雨にかわっていた。
 これじゃ、せっかく咲いた桜も散っちゃうなぁ。
 仁は外の様子を見てため息をついた。
 鍛練場の中に入ってあれっと思った。
 ジュリアがいる・・。
「お−い、どうしたんだこんなとこで?」
   ジュリアは部屋の真ん中で立ち尽くしていた。仁の声にふりかえる。
 その疲れ切った、表情がまったくない顔。何も見えていないかのような死んだ目。
「ジュリア、いったい何があったんだ!?」
 異常な事態に気付き、仁はかけよった。
「何も・・。」
 だが、その死んだ目が心に癒せないほど深い傷を受けたことを語っていた。
「でもね、やっとわかったよ。アンタの気持ち・・。」
「? どういうことだ。」
 ジュリアは外にむかって歩き出した。
「お、おい、どこへ行くんだ! こんな時間に!」
 仁はびっくりして、ジュリアの肩をぐいとつかんだ。ジュリアはその手を、乱暴に振りほどく。
「すまない・・。アタシ行くよ。」
「行くって・・。母さんを探すのは?」
 ジュリアは答えない。
「また一人で探すのか! 何かあったらどうするんだ!?」
「すまない・・!!」
 ジュリアは雨が降る中を駆け出した。
「ジュリア!!」
 か細い、しかし悲痛な叫び。
「大丈夫だ・・。アタシはは弱い・・アタシの魂は、まだ強くないから・・!!」
 仁もあわてて駆け出していく。しかし、暗闇と雨のせいで、すぐにジュリアを見失ってしまった。
 どういうことだ・・? 弱いから大丈夫・・? 
 仁はジュリアが消えていった場所を見つめた。桜の花が雨に打たれてぽろぽろと落ちてきた。

次へ