鉄拳4、一八エンディング予想…
| 突き上げるような衝撃が走った。 天井から、パラパラと埃が落ちてくる。 火災を知らせるサイレンが、研究所中に響き渡った。 ドンッ!! 再度、頭上で爆発音がした。ここももう、長くはもたないだろう。 「逃げるのかッ!! あんた、逃げるのかッ!!」 「ダメ! 仁、行っちゃダメ!!」 背後から、火の手が迫っていた。 一八は、備え付けのパスコードに、なんのためらいもなくパスワードを打ち込んだ。 防火用のシャッターが、きしんだ音をたてながら、自分と息子の間を隔てていった。 シャッターの向こうに、羽交い締めにされ、必死にふりほどこうとする息子と、それを 止めようとする息子の友人達が見えた。 「ぎゃあぎゃあうるせえんだよ、バカ息子。」 「…父さん!!」 ガシャン。 シャッターが完全に閉まった瞬間、一八は、その場に崩れ落ちた。 腹のあたりをさぐってみると、どろりとした血が、手に付いてきた。 爆発の際に飛んできた破片が、一八の腹にささったのだった。 「…ちくしょう。」 一八は、胸ポケットから錠剤をとりだし、口にはこんだ。これで少しは、 痛みと恐怖がやわらぐはずだ。 火は、すぐそこまできていた。 俺はここで死ぬのか。 一八は、他人事のように思った。 だがそれすら、偽りのような人生の、どうしても演じなくてはならなかった 出来の悪い一幕のようだ。 結局果たせなかった父への復讐も。 息子の、自分への復讐も。 今はもう、どうでもいい…。 「…一八。」 ふいに、誰かに呼ばれたような気がして、一八はゆっくりと体を起こした。 薬の幻覚作用だろうか。 あまりに都合の良い幻に、一八は苦笑した。 「どうしておまえがここにいる? さっさと逃げろ。」 「おかしなことをいうのね。本当に、おかしなことをいう。」 幻の女は、困ったように微笑んだ。 「おかしいだと?」 女の冷たい手が、一八の頬にふれた。 「あなたが望んだから、私はここにいるの。そうでしょ?」 一八の胸の奥に、何かがこみあげてきた。 本当に、今度こそこれで最後なのだと、安堵にも似た何かが。 「…一つ聞きたい。なぜ、仁を産んだんだ?」 「子供の顔が見たかったの。あなたによく似た、あの子の顔を。」 「そうか…。」 一八は、頬にふれる女の手に、自分の手を重ねた。 ひとすじ、ふたすじ、そこに涙がつたっていった。 一八の手に。 準の手に。 辺りは、既に火の海と化していた。 大音響とともに、研究所の天井が崩れ落ちた。 |