激闘タッグ育児編@


「責任はとってもらうからなあーッ!!!」
と脅されるようにして一緒になってはや7ヶ月。
一部の財界人からは「三島の頭首は女房のシリに敷かれている」だの
「実はできちゃった結婚だった」だの「一八のヨメさんは財閥そのものを完全に掌握した」だの
心ない中傷がいまだに飛び交っていたが、そんなことはもうどうでもいい。
時刻は深夜、準が入院して6時間がたつ。出産に立ち会ってやろうか、
という一八の提案は「アンタがいるとうるさくて集中できないから絶対来んな!!」と
準に一喝されて、一八は三島ビルの最上階にある自室で連絡を待っていた。
トゥルルルルルルルルルル・・
電話のベルが鳴ったとたん、受話器を乱暴に持ち上げる。
「おい、李!! どうなった!!」
「一八か? あせるんじゃねーよ。ま、一応おめでとう。産まれたぞ。」
「準はどうだ? 大丈夫か?」
「ああ、ちと難産だったが心配ない。それより一八、おまえやったなあ。
産まれた子供、双子だったぞ。」
「ん? ああ、そういえば検診のとき医者がそういってたな。
しっかし野郎がいきなり二人とはな・・」
「野郎が二人?? おまえ、何言ってんだ?」
「三島家代々、男ばっかりしか産まれなかったしな・・くそッ、俺もとうとうオヤジか・・」
「ちょっとまてよ。確かに一人目は男だったが二人目は女だぞ。」
「・・・なんだって?」
「だからあ! 双子の兄と妹なの!!」
ガチャーン!!
一八の手から受話器がすべりおちた。
目が点になったまま、よろよろと椅子から立ちあがり、一八は何を思ったか
そのまま屋上へ向かうエレベーターに乗った。

・・俺が子供の親か・・しかも双子!・・しかもしかも一人は女の子!!
・・三島家30代、ずーっと男しか産まれなかったから俺もてっきり野郎二人だと思いこんでいたが・・
困った・・だがクソオヤジもお爺様もそのまたジイサン達もなしえなかった偉業を
俺はなしとげたってわけか・・チクショウ・・!!

目を閉じてニヤけた一八にツッコミを入れるようにエレベーターが開く。
夜空に映える摩天楼の明りすら一八を照らすスポットライト。
まるで三島ビル、いや一八を中心に世界の全てがひれ伏しているかのようだ。
煌煌と輝く満月に手を伸ばし、不可視の力が紫の霧となって夜空に立ち昇るほどに、
一八は体の奥底から吠えた。

「いやっほーーーーーーーーうッ!!!でかしたーッ! 準!!