激闘タッグ育児編F


「とらふぐ」

赤ん坊の病気は怖いものがあるが、仁がおたふくカゼにかかったときはさすがに驚いた。
「どうしよう・・仁ってばリンゴのすりおろししか食べてくれないよ〜!!」
医者は入院しなくても大丈夫といったが、連日高い熱が続き、しかも天使のほっぺが
ぷく〜っと腫れあがり、しかもこのせいでモノが飲めず食べられず、病気の回復を遅らせていた。
「うはははは・・こりゃまるでフグだな。」
こんなときにどーーーしようもないのが男親の常である。コトの深刻さを理解していないのか
しようとしないのか、痛くていやがってる仁のほっぺを指でわざとプニプニしたりしてみたり。
「こら、一八!! なんてことするの!」
「うわ、でもなんかこのプニプニっておもしれー」
「お願いだからあっちにいってて! 絶対、仁美にうつさないようにして〜!!」
準の必死の看病で、仁はその後1週間ほどするとほっぺたの腫れもおさまり、
熱もだいぶひいてきた。
「なんだ、もういいのか? よかったなあ、坊主。」
「うん、離乳食もちゃんと食べられるようになったし、ひとまず安心ね。」
闘病中、よっぽどおなかがすいていたのか、仁はおちゃわんに鼻を突っ込むようにして
むちゃむちゃおかゆを食べていた。
「ん? おーい、準。仁の顔にでっかいホクロなんかあったっけ? それもなんか赤っぽい色したやつ。」
「ないわよー。なんで?」
「だってほら、ここ、仁の額とかほっぺとか・・」
どうやら仁の水疱瘡はおたふくカゼをわずらっている間中、ずっと潜伏していたらしかった・・。
それが、おたふくが治った途端、いきなり発症したのである!!
「うへ〜、こいつあスゲエや!!」
おたふくがまだ治っていないところに水疱瘡になったものだから、腫れたほっぺに
あのブツブツができて、それはまるで、
「まるでトラフグだな!」
「・・なっさけない・・アンタ自分の子供がかわいくないの!?」
「だってよ、うはははは・・しゃ、写真にでもとっておくか!?」
「かわいそうな事するんじゃないッ!!」

後日談。
準:「一八、アンタ自分の子供が病気になって笑ってたけど、
自分が病気になったことはないの?」
一八:「フン、俺はおたふくどころかカゼ一つひいたことがねえんだよ!」
準:「バカはなんたらっていうけど・・。念のために聞いとくけど、おたふくカゼとか水疱瘡の
予防接種は済ませてあるの?」
一八:「予防接種? しらねえなあ・・」
準:「・・・・・・。アンタ、しょっちゅう仁のほっぺプニプニしてたよね・・。」

おたふくカゼと水疱瘡の体内潜伏期間経過後、一八は今度は自分が「実際の大きさ」のトラフグになった。
大人がこういった病気にかかるとハンパではないことは読者の方々もおわかりかと思われる。