激闘タッグ育児編H


仁:「李ちゃん李ちゃん! おっは〜ッ!!」
むちゃくちゃカワイイ男の子が階段を駆け降りてきて、台所で朝食を作っていた
李のズボンにしがみついてきた。
李:「・・・おっは、仁。・・な〜、コレやめようよ〜、ハズカシイよ〜。」
仁:「ダメダメ、李ちゃん、「李ママ」なんだから! ちゃんと
「おっは〜」しなきゃだめ!」

 赤ちゃんだった仁と仁美も、美味しいものをいっぱい食べて、どんどんどんどんおっきくなり、
もう幼稚園(私立三島幼稚園)に通っていた。一八は(一八なりに)仕事が忙しかったし、
準も、事務職ながらW・W・W・Cの仕事を再開し、夜遅くに帰ってくることもしばしばだったので、
疲れたお母さんに朝寝坊させてあげるために、李が
「李ママ」
となって、とびきり美味しい朝ゴハンを作り、ダンナと子供達を送り出していたのだった。

仁美:「・・おはよ。」
仁美が、パジャマのままで、ボーっとダイニングルームに入ってきた。
朝に弱いので目がまだとろん、としている。
李:「あ、仁美おは・・じゃなかった、
おっは〜(^^)。」
仁美:「・・・・・・・・・(フッ)。」
最近性格までオヤジに似てきてますますカワイクねー!! 
李:「か、一八はまだ起きてこないないのか?」
仁美:「知らない。」
李:「しゃーねーなー。じゃ、おこしてくるか・・」
仁:「僕も〜、李ちゃんのお手伝いする〜。」
「一八様のお部屋」
李:「(・・準がいたらどうしようかな・・教育上マズイよなー・・)
おーい、一八!開けるぞ!!」

仁:「おとーさーん! 朝だよ〜、おきてよ〜!!」
一八:「(ふごー・・・ふごー・・)・・・・・うるせえなあ・・」
 仁が腕をひっぱると、一八はあっちいけ、というように腕を振り払った。
一八のおっきなベッドにころーん、と転がる仁。
仁:「わーい! おっもしろーい!!」
それが楽しかったのか、2、3度お父さんの腕をひっぱって、またころーんころーんと転がっていった。
仁:「おとーさん、起きなさい!」(ころーん)
仁:「起きろー!」(ころーんころーん)
一八:(・・・・黙殺)。
仁美:「・・・・お父さん。」
むぎゅー
 仁美はいきなり、ベッドに飛び乗って、寝ている一八のお腹にヒッププレスをくらわせた。
仁が悪乗りして、どすこい、とばかりに馬乗りになる。
一八:「ぐえッ!」
仁:「お父さん、起きる起きる!」
仁美:「早く起きてよ。」
双子はさらにエスカレートして、一八のお腹の上でどっすんばったん飛んだり跳ねたりした。
一八:「くおらッ! お前達!!」
一八が飛び起きるのと同時に、双子達もパッと離れる。
一八:「人の腹の上でズンドコするんじゃないッ! 死ぬかと思ったぞ!!」
仁美:「早く起きない方が悪いじゃない。」
仁:「そうだ〜、お父さんが悪いんだ〜。」
涼しい顔の双子たち。
一八:「・・・クソッ。お前達、先にメシ食ってろ。」
仁美:「うん。」
仁:「はーい。」
李:「会社の部下には怒鳴りまくっているくせに、子供には怒鳴れないんだな。」
一八のスーツを用意しながら李がぼそっとつぶやく。
一八:「なんかいったか?」
李:「・・あ、いや・・
「おっは〜」。」
一八:「・・熱でもあんのか?」
今日の朝ゴハンは、「ドラえもんトースター」で焼いたカリカリのトーストに黄金色のハチミツ、
卵白をふわふわに泡立て、それに冷凍ミックス野菜を入れたオムレツスフレ、
準が庭で作っているレタスとピーマンに、さっと湯通しして辛味を消したタマネギを入れたサラダ、
それにキャベツとジャガイモ、それにウインナーをいれた簡単コンソメスープ。
いずれも子供達が大好きなメニューである。
仁:「ねえねえ、今日はあれしないの? あれ?」
李:「あれねえ・・いいのかなあ・・。」
仁:「やんなきゃだーめ。」
仁美:「・・・・(勝手にしたら)。」
李:「じゃ、仕方ないなあ(・・つーか、結構イケるんだよね、これ)。」
マヨチュッチュ♪
李:「ん〜、我ながら自家製マヨネーズの風味サイコー」
一八:「ならそれ、全部オマエが食うんだな・・。」
仁美:「あ、お父さん」
一八:「マヨネーズの口にじかにくちつけやがって! この外道!」
李:「なにおッ! オレの口つけたモン大事にとってる女の子もいるんだぞッ!」
一八:「んな汚ねーモン誰がいるかよバカヤロー!!」
仁:「お父さん、李ちゃん、朝からケンカしちゃダメ!」
仁美:「・・お母さん起してこようかな。」
一八&李:「・・ウッ。」
仁美:「・・ニヤリ・・(やーねー。やっぱり二人ともお母さんに弱いのねー。男ってダメねー。)」
一八:「・・アホなことやってないでメシにするぞ。」
仁:「は〜い、いただきま〜す。」
仁美:「いただきます。」
李:「ホラ仁美、おまえの好きな梅ジャム。」
仁美:「はむはむ・・ありがとう。」
李:「仁はハチミツだけでよかったんだよな。」
仁:「うん、ボク、ハチミツ大好き!」
李:「えと、今日は10:00には重役会議入ってるからな、遅れるなよ一八!」
一八:「わかったわかった。毎日毎日うるせえなあ・・。」
仁:「お父さん、僕はねえ、今日ねえ、花ちゃんとサッカーするの。」
一八:「花ちゃん? オマエ、いつのまにガールフレンドなんか作った?」
李:「ハナちゃんは男だよ。仁の友達で韓国籍の・・」
一八:「ああ、もしかしてペクの弟子か? もっと大きいかと思っていたが。」
仁美:「ハナ、アタシにも何回か遊ばないかって電話かけてきたよ。」
一八:「
ブッ! ・・ふ、ふーん、そうか。それで?」(動揺・・)
仁美:「うっとうしかったから、「ずっと遊べない」っていって切ったけど。」
一八:(ホッ・・)
李:(虫がつくのつかねえの、今から心配してどうするよ、バカ・・)
仁:「ねえねえ、お母さんは〜? まだ起きてないの?」
李:「あ、ホラ。今日はお母さんに朝寝坊させてあげる日だろう? 
お母さん、昨日も帰り遅かったから。さ、食べ終わったら早く支度するんだゾ。」
仁:「うんッ!」
仁美:「わかった。」
一八:「かったりーなー・・お、李ママに行ってきますのキスするんだっけ? 
なんならオレがやってやろうか? 李。」
李:「ゲッ! いらねえ!!」
仁美:「お父さん」
一八:「ん?」
仁美:「
気色っわるーい
ガーン!!(パパショーック!)
仁:「じゃあ、ボクが李ちゃんにしてあげる! チュ!」
仁美:「アタシも〜。お父さんは気色悪いからヤダ〜。 チュ!」
李:「ハハハ・・なんかくすぐったーい♪」
一八:「・・・・覚えてろよ、李!!」(怨念波〜〜)
李:「ハッ!!」(ドキッ!!)準:「うるっさいわねー、一八。おちおち寝てられないじゃない。」
一八が李に嫉妬の怨念波をおくっているところに、準が不機嫌そうな顔をして入ってきた。
どうやらダイニングがうるさくて起きてきてしまったらしい。
李:「あちゃ・・準、起きちゃった?」
仁:「あ、お母さん! おはよ〜。」
仁美:「李ママいるんだから、もうちょっと寝ててもよかったのに・・」
準:「いいのいいの。ウチには、いつも李ママがいるってだけで助かっているんだから。」
李:「あ、いやいや・・それほどでも。」
準:「じゃ、あたしもいってきますのチュ! しちゃおっかな〜」
李:「えッ!!」
一八:「ちょ、ちょっと待て!!」
準:「フフフ・・」
ほっぺにチュ♪
一八:
デビル化
李:「一八、お、落ちつけ!」一八:「お、おのれ人の女房に・・!!」
準:「あーら、いいじゃない。ほっぺにぐらい」
一八:「おまえはだまってろッ!」
仁美:「・・パーパ。」
一八:「なんだ、今忙しいッ!!」
仁美:「・・いまどきキスぐらいで・・
バッカみたい。」
バッカみたい
バッカみたい
バッカみたい
バッカみたい
バッカみたい

哀れパパデビルは、男親の苦労を(ほんのちょっぴりだけ)痛感し、
そのまま放心したように出勤したのだった。たぶん道中「俺の娘に限って・・」
などぬかしているのに違いない。

仁:「それじゃ、李ママ、お母さん、いってきまーす!!」
仁美:「いってきまーす!!」