Tekken Tag Taunament?
| 「ハッピー ニューイヤー!!」 ・・なんかどんどんTTTな話ではなくなっていく気が。 正月:三島邸。 準:「よ〜し、お雑煮の下地はこんなもんかな。」 例年、新春のあいさつでごった返す三島邸だが、客は正月二日以降に来ることに なっていたので、準はカズヤと2人っきりの比較的穏やかな正月を迎えたのだった。 もっとも・・ 準:「カズヤ〜! そろそろチビッこ達が来るからお年玉の用意してね!」 カズヤ:「チェ、めんどくせえ。あ〜あ、今年も正月からうるさくなるのか・・。」 今日はカズヤじいさんと準ばあさんの4人のマゴに親戚一同が遊びに来るのだ。 カズヤがおせちを肴におとそで一杯、束の間の休息を楽しんでいると、 三島邸の長い廊下を、どどどどどッ! と闘牛が走ったような爆音が鳴り響いた。 カズヤ:「一番手は・・ゲッ! ミッチか!」 ミッチ:「Hi 、ジジイ! ハゲマシテ、オメデトーウ!!」 英語なまりの威勢のいい女の子が、客間に飛びこんできた。 カズヤと準の初孫、仁の娘のミッチである。本当は母方の祖母の名前をもらったのだが、 現在同居しているので、同じ家に同じ名前の人間がいたんじゃ紛らわしいということで 「Michella=ミシェーラ」、ミッチと呼ばれることになった。 元気の象徴・褐色の肌と顔立ち自体は母親似で、そうそう悪くもないが、 子供とは思えないようなぶっとい眉毛に三白眼、まるで五月人形の額飾りのようにピン、ピンと 後ろで二股に分かれた髪型は、どっからどうみても誰が見ても、「あ! 三島の血筋!」と ピンとくるほど健著に父親似で、ミッチの母親と祖母2人を嘆かせたのだった。 カズヤ:「コラなんだ、ジジイって! それに『ハゲマシ』テとわ!! 誰からそんな言葉教わった!?」 ミッチ:「グランマ。ちがう?」 ちなみに、ミッチのグランマはカズヤが死ぬほど嫌いである。 孫にウソの言葉を教えてカズヤにねちねちと嫌がらせしているのだ ということは容易に想像がついた。 カズヤ:「あのババア・・。」 ミッチ:「おう、オセチ! オセチ! ジーチャン、アタシ食べる! いい?」 カズヤ:「ちゃんと皿にとってから食えよ。」 ミッチ:「OK! アタシおそわった! オセチのこと、グランマから! まず、コレ、ボコボコ!」 カズヤ:「ボコボコ? ん、なんだ、カマボコじゃないか。」 ミッチ:「それにコレ、タックル!」 カズヤ:「バカ、これは『たつくり』だ!」 ミッチ:「オシメ、オシメ!」 カズヤ:「煮しめ!」 ミッチ:「アレ、キンドン!」 カズヤ:「きんとんだ! くそーッ、ババアめ、孫にウソばかり教えやがって!!」 ミッチ:「で、ジーチャン。『オトシダマ』は?」 カズヤ:「それはッ!! ・・・『お年・・』・・。」 リズムにつられて言った手前、どうしても出さなければ気まずい雰囲気になり、 ミッチはありがたくジイさまから熨斗袋を頂戴したのだった。 ミッチ:「アリガトゴザイマス、じさま。」 カズヤ:「・・・(まさか作戦じゃないよな?)。」 準:「おや、ミッチ! あけましておめでとう。」 着物姿の準が、おとそのお代わりを持ってきた。 ミッチ:「あ、おばあちゃん。『あけまして』おめでとうございマス。」 準:「ん〜、ちゃんと言えたわね。エライエライ。はい、私からもお年玉。」 ミッチ:「ありがとうございマス! おばあちゃん。」 カズヤ:「・・(コイツ! 作戦変更したな!!)」 準:「そうそう、ミッチ、今年はアメリカからよく一人で来れたわね。えらいわ。」 ミッチ:「しかたないよ。ママ、産まれるから、ベイビー。ダディとグランマはつきそい。」 準:「そうねえ、ミッチもおネエちゃんになるのね。ミッチは弟と妹、どっちがいい?」 カズヤ:「男だ男! 女だとうるさくてかなわん。」 ミッチ:「ヤダ、ぜったい妹! オトコの方がウルサイ!」 「ごめんくださ〜い、お義父さんにお義母さん、いらっしゃいますか〜。」 その時、廊下の奥から愛想のいいセールスマンのような男の声がした。 準:「は〜い、あ、ファラン! おひさしぶり〜、元気だった?」 ファラン:「おひさしぶりです。あけましておめでとうございます。」 廊下から長い赤毛を後ろで無造作に縛った、どうみてもサエないオッサンが、 ひとなつこそうなに笑って客間に顔を出した。その後を、男の子ばっかり3人、 ヒヨコのようにヒョコヒョコついてきた。 ファラン:「ほら、おまえ達もごあいさつしろ。」 カッファン:「あけまして!」 ドンファン:「おめでとう!!」 ジェイフン:「ございまっス!!!」 準:「はい、よくできました。あいかわらず、元気いいね〜、三つ子ちゃん。」 ファラン:「元気過ぎて手におえないっスよ、もう。 あ、お義父さん、あけましておめでとうございます。」 ファランはカズヤと準の娘の仁美と(←もちろんカズヤは大反対)結婚し、 今や世界中を飛びまわるテコンドー選手である。ペクの道場の師範代にもなり、 子宝にもめぐまれ、人生順風満帆・・最近オヤジが板についてきたのが玉にキズだが。 カズヤ:「フン、おまえにお義父さんなんて呼ばれる覚えはないぞ!」 準:「カズヤ! アンタ、まだそんなこと言って!」 ファラン:「ああ、いいんですよ、お義母さん。じゃ遠慮なく、 オイコラ、カズ・・・」 ドゴオッ!!! ファランの顔面に、新春初の雷神拳がヒットした。なすすべもなくふっとばされて、 庭の池に頭から突っ込むファラン。 カズヤ:「なれなれしいわッ!!!(怒!)」 準:「カズヤ・・・アンタ、最近ますますヘイハチお義父様に似てきたね・・。」 カッファン:「うわ、やっぱスゲエや。おじいちゃんの雷神拳。」 ドンファン:「うん! カアチャンの鬼殺しだったらあんなにトウチャン吹っ飛ばないモンな〜。」 準:「・・・・・・。」 今日は冬には珍しくポカポカ陽気で、おせちをたらふく食べた後、 お子様達は三島邸の広い庭にいっせいに繰り出し、はねつき、竹馬、コマまわし・・ と、日本ならではの遊びに夢中になっていた。 ファラン:「いや〜。ガキは無邪気でいいねえ。ヘックシ!!」 と、ハデなくしゃみをひとつ。縁側に腰掛け、のんびりミカンの皮をむくファラン。 しかしそのお召し物は、正月だというのに仁の高校時代のジャージだった。 準:「ファラン、本当にごめんなさいね。こんなのしかなくって。まったく、このバカが・・」 カズヤ:「チッ、うるせえ。いつものことじゃねえか。」 カズヤがコタツから首だけ出す。 ファラン:「いいですよ、もうオレ、気にしてませんから。ところで、 今年はジンが来ないってホントですか? ・・チェ、今年もジンの悔しがるトコ たっぷり拝んでいくつもりだったのに・・。」 カズヤ:「おまえだって人のこと言えまいよ。ククク・・。」 ファラン:「お義父こそ、吠え面をおかきあそばされないよう、 せいぜい気をつけてくださいよ!」 ちなみに、正月の家族マージャンの成績のことである。 例年、カズヤかファランが1、2位を争い、準はまあまあの位置につけ、 仁がビリケツになるのが恒例だった。 準:「仁は人をだますのがキライだからね〜、そこがいいとこなんだけど(^^)。」 ファラン:「いっや〜、ただのアホウでしょ。あれじゃあ。」 準:「・・・と、ところでファラン、仁美はいつ来るの?」 ファラン:「もうじきだと思いますよ。なんでも福袋買うんだ! っていきまいてたし。そういやあ・・・今年の正月、なんか物足りないような?」 李:「ウ〜ス、カズヤ。ひさしぶりだな。」 アンナ:「おひさしぶりね、みなさん。」 そこへ、タキシード&真っ赤なドレスの、衣装だけハリウッド映画から 抜け出してきたようなやたらハデな2人組が来た。 カズヤ:「あいっかわらずだな。お前ら・・。ちったあ自分のトシってものを・・・」 ミッチ:「あ、李のオジチャン! わ〜い、ね、カイト、カイト!!」 ファラン:「あ、そうだ、タコだ。」 カッファン:「オジサン、タコタコ!」 李:「あー、わかったわかった。人のことタコタコ呼ぶんじゃない!」 凧上げ名人の李は、正月は子供達に大人気である。 李は、子供達にひきずられるようにして庭へ出ていった。 アンナ:「みんな元気でいいわね。ウチなんか子供いないからこんなにウルサイのは お正月ぐらいよ。あ、準さん、おせちいただきますね。」 カズヤ:「小姑目はどうした?」 準:「それニーナのこと? ニーナってば、一時期仁を狙ってたけど、どうなったのよ?」 アンナ:「う〜ん、仁がさっさと結婚してからはブライアンとも少し付き合ってたけど 殴るわ蹴るわの大喧嘩して別れてさ、それからフリーよ。 ま、なんか私的にはあの貧乏熱血バカとくっついてくれたら最高よ。うふふっふふ・・。」 なんとも暗い優越感である。 アンナ:「ファラン君はどーお、元気でやってる? ペクとか元気?」 ファラン:「お師匠なら元気っすよ。あと、レイさんも!」 カズヤ:「レイってオマエを補導したんだっけ? 一生頭があがんねえなあ。」 ファラン:「へッ、アンタより髪の毛がキューティクルだぜ。」 カズヤ:「な、にゃにおう!!」(怒) 準:「まあまあ・・ところで、カズヤ、アンタ平八お義父様に年賀状出したでしょうね?」 カズヤ:「誰が書くか。」 アンナ:「そういえばヘイハチはどうしてるの?」 準:「ボスコノビッチのおかげで90歳超えた今でも元気。 毎日吉光とか博士相手に将棋なんか指してるし、 シャオちゃんがちょくちょく遊びに行ってるらしいからそれなりに充実した老後なんだろうけど・・ まだまだ油断はできないとこが恐ろしいわね。」 カズヤ:「クソオヤジっていやあ、なんかオレも最近ヒマだしな。そろそろ鉄拳大会でも開いてみるかな。」 一同:「・・・・・・本気?!」 空を悠然と泳ぐ5つの凧が、大人達があわてふためいているところを見下ろしている。 ミッチ:「わオ! オジサンのタコ、すごい! もうあんなとこまでいっちゃった!」 李:「フン、おまえさん達とは年季が違うんだ、年季が!」 ドンファン:「あ、だったらオレ、負けないもんね〜。」 凧の糸を巧みに操って李の凧を追い落とそうとする。 李:「あ、コラ、なにするんだ!! あ、お、落ちる!!」 今年もよろしく。 |