冬の醍醐味
〜それは霜降りのよい肉〜
作.まゆを様
「一八よ。いつかはこの日が来ると思っていた」
平八は眼光鋭く、息子を見据える。力の漲るその肉体は年齢を感じさせない。
「クソ親父、決着をつけるぞ」
一八は侮蔑を込めた冷笑を父親に浴びせかけた。
二人は間合いを図りながら対峙する。
一瞬の緊張の後、先攻したのは一八だった。息吹とともに強烈なボディブロウ、六腑砕きを繰り出す。
「何の」平八は両腕でそれを防いだ。
普通ならば痛みで腕が痺れてでもいそうなものだが、間髪いれずに思い切り前に拳を突き出す、崩拳
で一八の鳩尾を狙う。
霧足という軸移動でそれを難なく避け、嘲笑う一八。
「耄碌したか?ジジイ」しゃがみ状態から一八は右アッパー、風神拳を出す・・
「いいかげんにしなさい!!!」×2・・前にカミナリが落ちた。
平八と一八は仲良く宙に浮いた。鬼殺しから白鷺遊舞2発止め+白鷺遊舞の空中コンボとダウンの後
に流雲墜と破砕蹴をそれぞれ喰らい、二人は崩れ落ちた。
「準さん、酷いのう。老い先短い老体に」
「仁!!親父様に対してその追い討ちは何だ!!」
平八は嫁に、一八は息子に文句を言った。
辺りには鍋の食欲をそそるいい匂いが広がっている。
「肉1きれ如きで真剣に戦わないでください!お義父さま!」準は鍋に豆腐を追加する。
「そうだよ、父さん。肉ならまだいっぱいあるじゃないか」仁はそう言って皿に味ポンを薄める。
「お爺様、鍋皿の用意ができてます」
「うむ」大儀そうに平八はちゃぶ台のTVの良く見える位置を陣取る。
一八も平八の隣に腰を落ち着けた。
4人は仲良く鍋をつつく。和やかな時間が過ぎた。
「おい。鍋に泳がせておいた俺の肉はどうした」一八は準に言った。
「それは・・・」準は仁を見る。
「さっき・・・」仁は平八を見た。
視線がちゃぶ台で時計回りして、一八と平八は顔を見合わせる。
「このくそ親父!!俺の肉返せ!!」結論に思い当たった一八が声を荒げる。
「ふん、さっきの仕返しじゃ!貴様の肉など喰われて当然!!」平八は箸をちゃぶ台に叩きつけた。
「このジジイ!表にでろ!!」
「上等じゃ!!返り討ちにしてくれるわ!」
風間親子は同時に溜息をついた。
最初に戻る。しかもエンドレス(♪)
《終》
まゆをさん、初投稿ありがとうございました!
なんか普段はドロドロな関係が、風間親子を
いれただけでこんなになごやか〜、になるんですね。
一八、この結婚? は間違っていなかったぞ!!
お肉は松坂牛を超希望。米沢牛もウマそうだけど、
死ぬまでに1回は食べてみたいじゃないですか、ねえ。