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R/Cグライダー@霧ケ峰
「一泊分の着替えだけ持ってくればいいから!」
そんな一言でR/Cクラブの先輩に誘われ、生まれて初めて動力の無い飛行機を体験しに行きました。
平成12年5月3日朝6:00、岐阜ラジコンフライヤーズ他近隣クラブの有志10名は、3台のワゴン車に分乗し出発、朝靄の中央道を一路霧ケ峰に向けて疾走しました。
諏訪インターを降り、コンビニで弁当等を仕入れ、車山高原の実機グライダー滑空場を横目で見ながら午前10:00、霧ケ峰の富士見台駐車場に到着。早速荷物の整理にかかります。
此処から先は普通の車は入れません。会員各自が持参したグライダーや送信機などの荷物を1台のランクルに乗せ換え、約1.5km先の丘の上まで運んでもらいます。
後のメンバーは徒歩で山道を移動。約20分かけて辿り着いた先は、正面に八ヶ岳、遠くに富士山を望む絶好のロケーションであった。ここでランクルから荷物を降ろし、さらに南向き斜面の中腹まで100mほど荷物を運びます。各自、思い思いの場所に陣取り、グライダーを組み立ててやっと準備完了!
会員各自が持参したのは、小は翼幅1.2m〜大は3mぐらいまで、いずれもスロープ・ソアリング用の軽くて丈夫な機体です。いや、電動モーター・グライダーもあるじゃないですか。これって反則技?
「君の機体はこれ、自分で準備して!」といって渡されたのは、Phinpy12 という翼幅1.2mの何とも可愛らしいグライダー。格好は悪いが初心者向きで扱いやすく飛ばしやすい(らしい)
ベテランの鳥巣会員がまず風の状況を調べます。谷に向かって投げ出された小さなV尾翼の機体は、暫くスロープに平行に8字を描いていましたが、そのうちぐっと持ち上げられ、瞬く間に高く上昇していきます。
「風は正面、サーマルもあるよ!」の声に皆一斉にグライダーを発航しました。大小7機のグライダーが霧ケ峰の空に舞います。
快晴・青空・弱風。時折聞こえる「しゅーん」という風切り音。なんて優雅で爽快なんでしょう!
「なに〜、飛ばさへんの? 条件いいでぇ」と、私を誘ってくれた川崎会員の声。
「いや、初めてで分からんからちょっと見学してから....」
「そんなん、あんたやったら簡単よ、投げたるわぁ!」の声とともに、小さなグライダー、Phinpy12 は大空へ。
僅か2〜3回旋回しただけで、「トリムも取ったで、はい!」と送信機を渡されてしまいました。「どーしたらいいのん!」
ともかく、ラダーを使って緩徐な旋回を練習します。あまり前方に出さないように、かといって後方へも流されないように、常に風上(つまり谷側へ)旋回させながら、サーマル(上昇気流)を待ちます。エンジン機と違って、上げ舵で吊らないこと。むしろ、エレベーター・ダウンで機速をつけること....
幸い、機体は降下してくることも無く、少しずつ上昇していきます。弱いサーマルがあるようです。
「少し風が強くなったな」と思った瞬間、機体はあっという間に見えなくなるほどに叩き上げられていきました。強いサーマルに入ったのでしょう。
こうなったらもうこっちのものです。高度さえ十分あれば少しぐらいミス操舵をしても大丈夫。ダイブして機速をつければ、ループやロールなどのアクロも行なうことが出来ます。↑↑写真をクリックすると、筆者の必死の操縦がご覧になれます。
前述の鳥巣会員のV尾翼機が、ラダーオンリーにもかかわらず軸の通った素晴らしいロールを披露してくれました。 グライダーのロール(MPEGムービー:572KB)
およそ15分も飛ばしたでしょうか? 条件の良いときは長くは続きません。上空高く上がっていた機体が見る見るうちに降下してきました。そういえば、まだどうやって降ろしたらいいか聞いていませんでした。
「少しダウン打ってスピードつけて、目の高さまで来たら旋回させて足元に持ってくる...」
そんなに簡単に行くもんですか! ちょっとタイミングを失ったら機体は目の前の谷へ、もう上昇してくることは出来ません。谷底へ降りてしまったら、すぐそこに見えていても機体を回収しに行くのは一大事です。しかし、春は雑草が茂っていないからまだマシなんだそうで....
幸い私の機体は、10m位前方に軟着陸。ちょっとフレアーをかけすぎて失速気味の接地でしたが。
本当は、「ダウンを打って地面にこすりつけるように接地」させるんだそう。最後までコントロールが効く状態にしておかないと主翼から先に接地したりして破損の原因になるんだそうです。
初めてのグライダーの飛行を成功裏に終わって、お昼に食べたコンビニおにぎりの旨かったこと!
大型の機体は、自分で発航せず助手に投げてもらいます。安定していて飛ばしやすそうですが、小型機に比べてサーマルに乗せるのがちょっと大変そう。しかし、一旦上空に上がると長時間滞空させていられるようです。
大型機ばかり4機が飛んでいるとき、不意に1機がスパイラル状態で谷底へ。「おーい、1機落ちたぞ!」でも誰も悲鳴も上げません。??? 一時して、
「あっ、俺のだ! 違う機体見とった!!」なんと、人のグライダーを自分のものだと勘違いし、必死に操縦していたそうです。どうやら、あまりにも高く上昇していたので、どこかで見間違えたようです。
「どうりでなんか舵効きがおかしいと思った!」
「そりゃそうだ!」笑い話ですけど、笑ってばかりもいられません。早速、2人が谷底へ回収に向かいました。途中で道を見失わないように、上から機体のある位置を指し示してやります。
30分ほどかけて回収した機体は、幸い、接地姿勢が良かったのでしょう。小修理で復帰できそうです。
2時頃になって雲が出てきて、風も西に回りだしました。南向きの斜面に対してほぼ横風になります。サーマルも、スロープの吹き上げの風も期待できず、無理に飛ばしても一旋回して足元へ持ってくるのが精一杯です。
モーター付きのグライダーが2機、交代で飛びながらサーマルを探していましたがなかなか思うように上昇できません。
スロープ・グライダーに最適な気象条件は、1、良く晴れた日で、
2、風は谷から吹き上げてくる弱〜強風だそうですが、ベテラン諸氏に言わせるともっと細かいタイミングがあるそうで、
・いくら風が強くても、雲がかかって冷たい風の時は×
・陽がさしていて風が無く、周囲の空気が暖められた直後の風の吹き始めがベストこのような条件を求めて暫く待機していましたが、だんだん雲も多くなり、ついにこの日はあきらめることにしました。朝と同様にランクルに荷物を詰め込み、人間は歩いて撤退です。
宿泊は、もう20年も利用しているという、白樺湖畔の民宿です。
宿もお客もお互いに勝手知ったるという感じで、早速、壊した機体を修理するために大広間にお店を広げる会員。接着剤以外にもフィルム張り用のアイロンまで持ち込んでいるメンバーがいたのにはさすがにびっくり!
食事のあとは、大広間でRC談義。話題は尽きぬうちに夜も更けていきます。
翌日は、アトラクションとして、3分間タイムラリーを行うこととなりました。
通常は、発航から着地までの時間を3分となるように飛行するわけですが、「そんな競技みたいのはヤダ!」という会員の意向もあって、上空でのコールがあってから着地又はストップのコールまでを計測するという簡易ルールに変更!これなら初心者の私も参加できそうです。この日も気象状態は良好。朝10:00に現地入りして、まず第1回目の発航でサーマルに乗り楽々3分を達成! 「続けてコールしていいよ」の声で、3ラウンドを一気にこなして着陸。いちいち降りなくていいんなら、3分間ラリーなんて楽勝楽勝、時間を数えるのは得意なんだから!
くじ引きのボーナス点まで獲得して、初参加のくせになんと優賞を頂いてしまいました。こういうのをまさにビギナーズ・ラック!と言うのでしょう。
何も準備なしで連れて来てもらって、飛行機まで準備してもらって、唯一のアトラクションまで勝たせてもらって....皆さんに悪くて悪くて。
午後、前日のようにちょっと風が悪くなってきたところで撤収。皆さん十分飛ばし疲れたようでした。
帰りの車の中で聞いた話では、これまで毎年霧ケ峰に遠征していて、これほど存分に飛行できたのは初めてだったとのこと。大抵どちらか1日は条件が悪く、昨年などは2日間とも雨で、宿から1歩も出なかったということである。そういう意味でもとても恵まれた2日間でありました。現地を早く出発したおかげで行楽帰りの渋滞にもつかまらず、約3時間で楽々帰ってきました。
「今度行くときは、きっと新型機を抱えてくるよね?」と言われ、う〜ん、多分そのとおりになるんだろうな、と思った私でした。
本レポート中の画像は、デジタルビデオカメラ
Panasonic NV-DJ100 で撮影し、
ATI RAGE FURY PRO
ビデオ・ボードにて取込加工しました。(動画・静止画とも)
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