オレ的時代小説の決定版。やっぱり池波先生は素晴らしい!
 鬼平も読んだ限りでは大変面白いのですが、オレの好みはコレ! つう
か、オレが単に爺キャラ好きなだけか?
 ともかく、主人公である小兵衛がカッコイイのです。爺だけあって、酸
いも甘いもかみ分けた経験豊富なところがたまらない。何ごとにも自然体
をくずさず飄々としてつかみ所がない。かのようで、しっかりした芯を持
ち深い機知を巡らせています。もちろん、剣の腕は超一流。
 とはいっても、小兵衛の剣はあまり派手なものではありません。小兵衛
自体、脇差しの方が好みのようですしね。堅実な技と最小限の力で並み居
る強敵を打ち倒していきます。
 しかし、人間完璧には慣れないようで、人生のしがらみは忘れた頃にま
とわりついて、小兵衛をなやませます。そして、女房に弱い!
 小兵衛は爺です。が、後妻にはいったお春は10代で息子・大次郎より年
下と言うありさま。お春は年相応にわがままと言うか、勝ち気な女性。悪
く言えばじゃじゃ馬かもしれません。孫の年といっても過言ではない娘に
はさすがの小兵衛もかないません。そのかけひきが何とも微笑ましいんで
すよね〜。
 微笑ましいといえば、もう一人の主人公である大次郎とその恋人(後に
は妻)美冬の2人。剣の道まっしぐらな2人は違いの気持ちを持て余し、
面白い恋模様を見せてくれます。
 他にも様々なキャラクターが登場しますが、それぞれに情緒溢れる人間
模様と、人生の明暗を見せ付けてくれます。
 こういった、人間関係が『剣客商売』の面白い所ですね。でもって、時
代も変わらず共感できるところ有り、江戸時代ならではのやりとりが有り、
でとても楽しめます。こいうのが、良い時代小説なんでしょうね〜。



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