H.T&T

(ハイパー・トンネルズ・アンド・トロールズ)
評価(最高10〜最低1)

完成度 8
実用性 8
自由度 9
個人点 9

 おそらくファンタジーRPGでは、維徳が一番気に入っている
作品。しっかりとしたシステムの中に豪快さがほどよくマッチン
グしている良作。
 独特な世界観も魅力的だ。“ドワーフの女性が美人”なんて設
定も中々イカしてます。誰かプレイヤーキャラクターでドワーフ
女性やってる人いないかなぁ……。ルール的にはちょっと難しそ
うですが。
 それはさておき、このハイパーT&T(以下ハイT)は往年の
名作『トンネルズ&トロールズ』(以下T&T)をベースに改良
されたゲームであります。
 T&Tというゲームはとにかく戦闘時のダイスの量が多いこと
で有名で、作ったばかりのキャラクターでも5個6個とダイスが
振れる豪快さが魅力でした。マスターともなると、一度に20個も
のダイスを振る……なんて事はざらです。もっとも、ダイス運に
左右され過ぎるので、シナリオ予定の立てづらいゲームであった
とも言えるでしょう。さらに付け加えて言うなら、戦闘以外での
ルールの貧弱さが目立つゲームで、戦闘が主体になってしまう傾
向が強かったように思います。
 しかして! 一方、ハイTは戦闘のダイナミックさをほぼその
ままに受け継ぎつつも、戦闘やそれ以外でのルールに大幅な拡張
を行い、幅広く高度なプレイアビリティを実現しております。こ
れにより、戦闘はダイナミック且つ戦術性の高いものとなり、冒
険も一層に緊張感・興奮度の高いものとなっているわけです。
 また、新旧最大の違いとも言っていいのが“ハイパーポイント”
の存在です。これはつまり、ヒーローもしくはヒロイン(の候補)
であるプレイヤーキャラクター達を支援するシステムで、レベル
によって規定されるポイントを消費することにより、劇的な活躍
を可能とするシステムです。
 用途は様々で、「すんでのところで危地を脱する」とか「目も
覚めるような斬撃を繰り出す」などなど……。ハイパーポイント
さえあれば、小説などの主人公が見せるドラマティカルな展開を
自分で演出できるわけです。この点、無作為なドラマメイクがな
されていくTRPGのプレイヤーとしては、嬉しい要素ではない
でしょうか? また、このシステムの存在により、マスターは比
較的に難易度の高いクエストを安心して用意することができるわ
けで、マスター的にもドラマ演出がしやすいかな? と思ったり
します。
 そうそう! マスターにとって有り難いシステムは他にもあり
ます。モンスターに関してです。シナリオ上、どうしたってプレ
イヤーのパーティの前に立ちはだかる敵の存在は欠かせません。
そして、敵の多くはモンスターです。
 しかし、多くのTRPGの場合、モンスターの強さは種によっ
て固定化されており、シナリオ上のモンスターは、プレイヤーの
倒す事が可能なランクにかぎられてきます。固体差があるのはせ
いぜい人間タイプの敵を、プレイヤーキャラクターと同様に作成
した時ぐらいではないでしょうか?
 その点、ハイTは違います。ハイTには『モンスター! モン
スター!』というモンスターを主人公に「人間を相手取ってゲー
ムをしよう」などというサプリメントがあるぐらいでして、同種
の固体にも大きな差が設定できるようになっています。それどこ
ろか、あらゆるモンスターを人間やエルフ、ドワーフなどのメイ
ンとなるキャラクター達と同様に作成できるのです。
 そのおかげで、他のファンタジーTRPGに比べ、ハイTの敵
は非常に魅力的且つ、ミステリアスな存在となっているのです。
プレイヤー的には挑みがいがあり、マスター的には作りがいのあ
る存在といえるでしょう。
 他にも、ハイTには様々な魅力がありますが、余り長い話もな
んなので、ひとまずこれにて。最後に一言付け加えるなら、
「面白いから是非一度プレイしてみてね!」
 ってことです。おそまつさまでした。



[Games] [I-menu]