テーブルトークRPGを語る上で、この一作を外すわけにはい
かないでしょう。こと、日本においては。
ソードワールドRPG。おそらくに、日本において最も普及し
たTRPGです。そして、この作品こそがTRPGを日本に普及
させたと言って、何の差し障りがありましょうや。
実際、現在ではTRPGも随分とすたれて(別の言い方をすれ
ば、定着したのかもしれません。相応の市場として)きましたが、
ソードワールド全盛の頃は結構な盛り上がりを見せていました。
それにオレ自身、そのころにTRPGを始めたわけですし、最
初にプレイしたのもソードワールドでした。
このゲーム、一言で言うとバランスの取れた完成度の高い和製
ファンタジーRPGです。良くも悪くもですが……。
“和製ファンタジー”と書いたのは、つまりジャパニメーショ
ン的ファンタジーとでもいいましょうか。日本のファンタジーは
往々にしてライトで、派手です。そして、ソードワールドもその
例外ではありませんでした。
良く言えば豪快で派手な、悪く言うと大味なプレイになりがち
なゲームだと思います。なもんですから、リアリティに書くシー
ンも続出してしまうのが少し問題でしょうか? ただ、物語的に
“キレイな”感じになることが多いので、そこはいいと思います。
後は好き嫌いの問題かと思いますし、あえて深くは問いません。
次にルールの話。
ま、本当に完成度は折り紙付きだと思うんですよ。国産TRP
Gの中では最高クラスの作品でしょう。しかし、落とし穴という
のはどこにでもあるもんで、このゲームの場合には自慢の完成度
が反ってアダになったりしています。というか、完成度が高い分
だけ、要所要所にできた落とし穴が深いというか……。
それを補うためでしょう、後年に『完全版』なるものが発売さ
れました。実際、ルールの穴はかなり埋まってます。が!
これはいまいちでしたね。
ソードワールドは比較的シンプルなルールゆえに、軽快なプレ
イ感覚が味わえるゲームでしたし、初心者でも入り易い良作でし
た。しかし、完全版ではルールが煩雑になり、データ量も圧倒的
に増えた結果として、プレイも面倒な部分が増え、初心者を寄せ
付けないゲームになってしまったのではないかと思います。ま、
買っただけでプレイしてないんですけどね。
ただ、確実に言えることとして、文庫本であった旧版に対し、
A4ハードカバーになった完全版は非常に持ち運びが不便になっ
てしまいました。そして何より値段が高い。
初心者は手を出しがたいお値段ですね。
というわけで、完全版は旧版のいいところを“完全”にスポイ
ルしていると感じてます。ちなみに、上の評価点は旧版と完全版
あわせての点数です。旧版のみなら完成度−1個人点+2ですね。
後、蛇足的な話ですが……。このゲーム、キャラクターに職業
がありません。自分で好きに名乗れるし、その職業にあったスキ
ルさえも持っていれば問題ない(名乗るだけなら持ってなくても
いいんですが)わけです。
というわけで、プレイヤーは自分の欲する職業を選択すること
ができます。普通のRPGはないような職業も、です。
しかし、この反面でキャラクターはスキル習得の制限をほとん
ど持っていません。そして最終的には、どのキャラクターも同じ
ようなものになってしまう危険性を持っています。となると、ど
んな職業に就いていようと、みんなやること・できる事が同じ状
態になってしまう、非常に無個性な状態に陥ってしまうわけです。
高レベルだと、本当にその傾向は顕著になります。
なもんで、ソードワールドはキャラクターの分業がハッキリし
ている低レベルの内が華、だと思うわけです。
ちなみに、職業によって能力が変わるゲームだと、レベルが上
がるに連れ分業かが進む=職業ごとの個性が強くなります。個人
的には、この手のゲームの方が好きなんですよね〜。