Wand of Denial/否定のワンド 〜ひっ、卑怯だぞっ!〜

今回は私の大好きなカードの1つである、 [Wand of Denial/否定のワンド] をPickUpしてみたいと思います。

このカードは始めVisionsに収録されたカードです。
Visionsには優秀なカードが多数収録されたせいか、当時あまり目立つ存在では なかったように思います。
私は赤単色デッキが好みで、当時からこのカードにはお世話になっていました。
その後、MirageブロックがStandard環境から落ちた事で、 このカードもカードファイルに眠っておりましたが、 晴れて6thで再録されることとなり、現役復帰となりました。
これをキーカードとしたコンボデッキもいくつかあり、また単体で使用しても 何かと役に立つカードですので、ご紹介したいと思います。

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■ 基本的な能力
さて、まずはカードテキストからみていきましょう。
#正式なテキストではありません。
[Wand of Denial/否定のワンド]
Cost:2, Artifact, Rare
Tap:対象のPlayerのライブラリのTopのカードを見る。
そのカードが土地以外だった場合、あなたは2Lifeを支払い そのカードをプレイヤーの墓地に置くことができる。
Magic:the Gatheringを初めて間もない方の中には、わざわざ2Lifeを支払って ライブラリのTopのカード1枚を捨てさせることができるというのは、 割が合わないと思われる方も多いと思います。
相手のドローがなくなるわけではありませんしね。
さて、本当のところ、このカードは役に立つのでしょうか?
このカードの能力は、実は2つあります。
(1)ライブラリのTopのカードを見る事ができる。
(2)ライブラリのTopのカードを捨てさせることができる。
まず、(1)の能力から考えてみましょう。
ライブラリのTopのカードを見て、そのカードが何であるかを知るという事は、 相手は手札を公開しているのとほぼ同じ状態となります。
毎ターン、[Wand of Denial/否定のワンド]の 能力を対戦相手のライブラリを見ることだけに使用した場合(墓地におかない)、 数ターン後には元々持っていた手札のカードは消費され、相手の手札の中で 知らない物はなくなっていくはずです。
つまり、対戦相手の手札は [Wand of Denial/否定のワンド] の能力で確認したカードのみになっていくはずです。
相手の手札を知っているということは、どれだけ有利でしょう?

あなたがカウンターデッキならば、相手のブラフに悩まされずにすみますね。

すべてのクリーチャーが攻撃すれば勝てる時に、何の迷いもなく、ブロッカーを残さずすべて攻撃させることができます。

安心して[Final Fortune/最後の賭け]を使うことができるかもしれません。

...などなど、(1)の能力だけでもなかなか役に立ってくれます。
もちろん、相手の手札が分かったところで、何の役にも立たない場合も多々あります。
ただ、少なくともそれまでの過程は最善を尽くすことができるではないでしょうか。

では、(2)の能力はどうでしょうか。
この能力こそが本当にすばらしいところです。
先ほども書きましたが、ライブラリのTopのカードを墓地に捨てさせるためには、 2Lifeし払う必要があります。
しかも、相手のドローがなくなるわけではありません。
しかし、ここでこんな場面を思い浮かべてみてください。

自分が赤単色デッキの時、相手のライブラリのTopは[Circle of Protection:Red/赤の防御円]だった。

ブロッカーもカウンター呪文も手札にないとき、相手のライブラリのTopは[Hatred/憎悪]だった。

残りライフが"3"の時、相手のライブラリのTopは[Arc Lightning/弧状の稲妻]だった。

...さて、あなたならどうしますか?
2Lifeを惜しんで、そのままライブラリのTopに戻してしまいますか?
もちろん、これは極端な例です。
ほとんどの方が迷うことなく、墓地に置くでしょう。
イヤなら戻せばいいのです。無理強いはされません。

「2Lifeは高くない」という気になってきましたか?
要は「2Life払えば、どんな呪文でもカウンターできる」のと大差ないということです。

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■ どう使うか
では、このカードをどう使えば効果的か、もう少し突っ込んでみましょう。
このカードの能力を起動するとき、多くの方が(無意識に)相手のアップキープ・ ステップに起動していると思います。
恐らく、相手がドローしようとしたときに、「その前に起動します」ってな感じでは ないでしょうか。
これは、なぜでしょうか?
通常、自分のターンのアンタップ・ステップ後、相手のドロー(ステップ)までの間は、 能力を使うタイミングはいくつもあります。
わざわざ、相手のドローの直前まで能力を起動しないのは、なぜだか分かりますか?
例えば、以下のようなシチュエーションを思い浮かべてみてください。

あなたが自分のターンに「ターン終了ステップに能力を起動します」といって、 [Wand of Denial/否定のワンド]をタップしました。
私のライブラリのTopは土地だったようです。
カードをライブラリに戻し、そのままターンを終了を宣言しました。
そこですかさず私は、「ターン終了ステップに[Vampiric Tutor/吸血の教示者]を 使います」といって、決めカードをライブラリのTopに持ってきました。

これでは、せっかく能力を使ったのに全く役に立っていませんね。
余ったマナをうまく使って、しかも決めカードを持って こられたのですから、たまったものではありません。
そこで、相手のターンになってから[Wand of Denial/否定のワンド]を起動すれば、どうなるか考えてみましょう。

あなたはターン終了を宣言しました。
私は、ターン終了ステップに[Vampiric Tutor/吸血の教示者]を使いたかったのですが、 あなたの[Wand of Denial/否定のワンド]がアンタップ 状態だったので使用するのをやめ、そのままターンを終了しました。
私のターンになって「ドローします」といったときに、 あなたが「その前に能力を起動します。」といって、 [Wand of Denial/否定のワンド]をタップしました。
ライブラリのTopは土地だったようです。
そのままカードをライブラリのTopにもどしました。
そこですかさず私は、「アップキープ・ステップに[Vampiric Tutor/吸血の教示者]を 使います」といって、決めカードをライブラリのTopに持ってきました。
私は、決めカードをうまく手に入れましたが、1マナ足りないため、次のターンに勝負を かけることにしました。

さて、先ほどと比べてどうでしょうか?
少なくとも、1ターンは命が延びたようです。
その結果、あなたは一気に勝利に向かうことができるかもしれません。

さて、本当にこの使い方でいいのでしょうか?
1ターン命は延びたものの、結局は[Vampiric Tutor/吸血の教示者]で目的のカードを 手に入れられてしまいました。
これでは、使い物にならないと思う方も多いと思います。
そこで、もう1つ例をだします。

あなたがターン終了を宣言しました。
私は、ターン終了ステップに[Vampiric Tutor/吸血の教示者]を使いたかったのですが、 あなたの[Wand of Denial/否定のワンド]がアンタップ 状態だったので使用するのをやめ、そのままターンを終了しました。
私のターンになって「ドローします」といったときに、 あなたはしばらく黙っていました。
私はあなたが無反応なのを見て、すかさず「ドロー(誘発型能力)をスタックに載せ、 [Vampiric Tutor/吸血の教示者]を使います」と、宣言しました。
あなたは、何も呪文を唱えないことを宣言しました。
スタックの一番上の[Vampiric Tutor/吸血の教示者]が解決され、私はライブラリの Topに決めカードが置きました。
すると、あなたは宣言しました。
「ドローのスタックの上に[Wand of Denial/否定のワンド]の能力を起動します。」

晴れてあなたは、私の決めカードを墓地に落とすことができました。

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■ 弱点
さあ、ここまでで[Wand of Denial/否定のワンド]の 威力をだいぶ分かっていただけましたか?
「こんな便利なカードだとは思わなかった!」なんて方もいらっしゃるでしょうか?
さて、こんな強いカードですが本当は弱点もあります。
まず一つは、「キーカードは1枚ではない」ということです。
せっかく能力を使って墓地に落としたのに、その次のカードもキーカードだったなんて 事はよくあることです。
次に、「キーカードが特にない」デッキが相手の場合。
ウィニーデッキやバーンデッキなど、どれがキーカードというわけでもなく、 威力をあまり発揮できない場合があります。
また、ライブラリから直接手札に入れるような呪文には全く歯が立ちません。
全く歯が立たないといえば、[Scroll Rack/巻物棚]が代表です。
手札の土地を毎ターンライブラリのTopに戻されると、全く何もできなくなってしまいます。
各種Tutor類も苦手です。詳しい使い方は、自分で考えてみてください。(^_^;;

そういえば、さっきの[Vampiric Tutor/吸血の教示者]の例の 最後のお話ですが、あれにはトリックがあります。
本当は、私は決めカードを手に入れることができるでしょう。
ただ、トリック(テクニック?)に気づかない人もいると思います。
よく考えてみてください。

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■ コンボ
最後に[Wand of Denial/否定のワンド]を使ったコンボを 簡単に紹介しておきます。
[Booby Trap/ブービー・トラップ]
結構有名なコンボです。
ライブラリのTopを見て、そのまま戻し、[Booby Trap/ブービー・トラップ]を出して 今見たカード名を宣言するだけです。
ちゃんとカード名を覚えておくこと。(^_^)
ライフ回復手段
2Life支払いさえすればいいのだから、Lifeさえあれば全部捨てさせられる。 と、いう考えに基づいているが、そうそううまくいかない。
この手のデッキを作るのなら、本当は[Zur's Weirding/ズアーの運命支配]の方が いいんですけどね。
[Scrying Glass/占いの鏡]
次のドローが分かってるなら、間違うはずはないですよね。
ほかにも色々と考えてみてはどうでしょうか。

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さて、長々と書いてきましたが、どうだったでしょうか。
能力を見ただけでは、すごく防御的なカードに見えますが、実は非常に攻撃的と いうかアクティブなカードです。
極端な話、サイドボードはこれ4枚だけでいいともいえます。
注)大ウソです。そんなハズはありません。
さあ、みなさんも[Wand of Denial/否定のワンド] を使って、相手のいやがる顔を見て楽しみましょう。(^_^;;

Thanks. 3.Sep.1999 Takahiro.O


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