裏切り者?はやっつけろ

さてしばらく間があきました。
いまはもう完全にMercadianMasquesもスタンダード環境に浸透して、 みなさんもRath-Cycleの呪縛からも抜け出せた頃ではないでしょうか。
さて今回は《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー》です。
召還コスト2Rで1/1という、なんとも情けないクリーチャーですが、 いまやゴブリンの代表的存在です。
そんなスクイー君ですが、今ちまたで大活躍していているようです。
しかも、赤いデッキに限らず様々なデッキで...
混じりっけなしの赤いデッキを好む私としては、この《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》の活躍は裏切りでしかありません。
裏切り者は抹殺する。これが赤を愛する私のルールです。(おーコワ)
そこで《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》をやっつける計画を 考えてみることにしました。...同士よ、立てっ!

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■ スクイーはどんなヤツだ?
《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》は先にも述べましたが、 2Rというコストで召還される1/1クリーチャーです。
場に出たときに何か起こるわけではありませんから、非常にコストパフォーマンスの 悪いクリーチャーということになります。
ただ、コントローラのアップキープ開始時に手札に戻ることを除いてはですが...
とりあえず、カードテキストをみておきましょう。
Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー
Goblin Legend 1/1 Cost:2R
あなたのアップキープ開始時に、〜があなたの墓地にあるなら、 あなたは〜をあなたの手札に戻すことができる。
と、いうことで墓地に落ちても落ちても手札に戻ってくる、弱小レジェンド クリーチャーというわけです。
場から墓地に落ちたときに手札に戻るカードや、墓地からライブラリに戻るカードは 過去にもありましたが、何の制約もなくアップキープに墓地から手札に戻るカードは 初めてです。
こりゃ、嬉しいような、悲しいような、とにかくえらい事なのは間違いなさそうです。


■ 手札に戻るとなぜうれしい?
さて、手札に戻るとなぜうれしいんでしょうか?
簡単な例を使ってお話ししてみたいと思います。
みなさんは通常1ターンに1枚しかドローできないのはご存じですよね。
これはマジックの基本ルールです。これを頭に置いておいてください。
《マスティコア/Masticore(UD)》の維持コストやSpellShaperの能力起動コスト、 はたまた手札破壊Spellなどにより「手札からカードを1枚捨てなければならない」と いう状況は多くあります。
では、以下のような状況を思い浮かべてみてください。

あなたは今、手札を1枚持っており、そのカードは《山/Mountain》です。
また、あなたは《マスティコア/Masticore(UD)》と土地5枚をコントロールしています。
相手の残りライフは5点ですが、あなたは《マスティコア/Masticore(UD)》を維持して ブロッカーとして残しておかなければ、次のターンに負けることは間違いありません。
ただ、もし次のドローで《猛火/Blaze(6E)》を引いてこれれば、手持ちの土地を セットして5点の《猛火/Blaze(6E)》を打ち込む事ができます。
...悩んだあげくアップキープ時に《マスティコア/Masticore(UD)》の維持を選択し、 コストとして手札(山/Mountain)を1枚捨てました。
さて、ドローしたカードは...

割とよくあるシチュエーションだと思います。
えっ、無い?これからありますって、たぶん。(^_^;;

で、この例で何が言いたいかというと、
「手札を1枚捨てることで何らかのパーマネントや能力を維持しつつ負けない状況を 保っている場面では、確かに負けないかもしれないが、勝つ事もできない。」
と、いうことです。

この状況では《マスティコア/Masticore(UD)》を維持している限り、 均衡状態を保っていられるのかもしれません。
しかし、毎ターン手札を捨てている以上、自分からこの均衡状態を打開することが できない(または、できにくい)為、負けまでの時間稼ぎをしているにすぎないのです。
もちろん時間稼ぎが無駄とは言いませんが、せっかくの勝負、もっとアグレッシブに 行きたいものですよね。

では、ここで《山/Mountain》ではなく《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》が手札にあった場合はどうでしょうか。
ほとんどの方がおわかりでしょうが、この状況を一気に打開してくれます。

・・・つづき
《マスティコア/Masticore(UD)》を維持するため、手札の《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》を捨てました。
ドローは《猛火/Blaze(6E)》でしたが、マナが足りないのでとりあえず、このターンは待つことにしました。
さて、次のターンを生き延びた私は、またも《マスティコア/Masticore(UD)》の維持をするためアップキープコストを払わなければなりませんでした。
みなさんご存じの通り、墓地のスクイーを手札に戻し、《マスティコア/Masticore(UD)》のアップキープコストとして墓地に捨てました。
(わからない人は誘発型能力とスタックについて勉強してみてください)
手札には《猛火/Blaze(6E)》、さて次のドローは...
運も味方して、今回は何とか勝てたようです。

場やパーマネント、ライブラリやライフなど、全ての環境に対して変化を与える 可能性をもった手札は、マジックにとってとても重要なリソースなのです。
既に皆さんはそのことをご存じだと思いますが、こういった場面に遭遇すると改めて 実感するはずです。


■ さて、どうしたものか...
前置きが長くなりましたが、本題のスクイーのやっつけ方を考えましょう。
先ほどはスクイーの使われ方の一例を書きましたが、他にはSpellshaperとの組み合わせや、《Mental Discipline/精神鍛練(UD)》でのドロー促進などが、よく使用されるパターンだと思います。
また、もっと単純に毎ターン場に出てくるだけでも充分やっかいだったりします。
ただ、多くは場に出てこない使い方が多いでしょうから、Legendのくせに デッキに4枚投入なんて事もありそうですし、本当はそのあたりも考慮して 対策を練る必要があるのでしょう。
今回はいくつかのパターンに分けて考えてみます。

(1)ライブラリにいる間に...
ライブラリに潜んでいる間に除去してしまえればこんなに理想的な ことはありません。
ただ、候補のカードはなくはないですが、決定的なものはないようです。

《Clear the Land/開墾(MM)》
相手のライブラリのトップを確認できる《Wand of Denial/否定のワンド(6E)》と 組み合わせれば、Removeする事が可能です。
ただし、自分のデッキをどう組むかが難しいところですね。

《Bribery/袖の下(MM)》
相手のライブラリから引っぱり出してこれるため、確実性は高いですが、 この高性能なカードをスクイーごときに使うのはナンセンス。
さすがに、もうちょっと有効なクリーチャーがいるでしょうから、 そっちを引っぱり出す方が先決かも。
焼かれたら最悪です。

《Grinning Totem/にやにや笑いのトーテム像(6E)》
相手のライブラリからサーチできるため便利なのですが、その後プレイしなければ 結局は墓地に落ちてしまいます。
なんとしてでも場に出してしまうか、Removeできる手段がないと意味なし。
《Food Chain/食物連鎖(MM)》と絡める?

《Crumbling Sanctuary/崩れゆく聖域(MM)》
これも《Wand of Denial/否定のワンド(6E)》と組み合わせて使用することも 可能ですが、このカード自体が使うのがすごく難しいです。
スクイー対策としては現実的ではないですね。

《Diminishing Returns/先細りの収益(6E)》
完全に運任せになってしまいますが、墓地も含めて仕切直しできます。
キーカードに頼らないデッキならば使えなくはないですが、これも非現実的ですね。

(2)手札にある間に...
いろいろと考えてみたのですが、相手の手札を強制的に選択してRemoveできる カードって無いみたいです。
相手のターンにInstantスピードで手札を捨てさせるカードもないですから、 《マスティコア/Masticore(UD)》の維持などに使われた場合は対処しようがなさそうです。

(3)キャスト時に...
これも該当するカードが(Standard環境には)なさそうですね。
クリーチャー呪文をカウンターし、かつRemoveできるカードはあってもいいと 思うんですけどね。
コストは2Uってところかな。

(4)場に出ている間に... 滅多に場に出てこないスクイーですが、もし場に出てくれば何とか対処できる 可能性も高まります。
ただ、場に出てくる場合はあまり怖くないはずですので、気にしなくてもいいのかも...
《Eradicate/撲滅(UD)》
スクイーは幸か不幸かLegendである為、場に2体同時に出ることがありません。
ということは、場にスクイーが出ている場合、残りは墓地、手札、ライブラリということになります。
その全てからRemoveしてしまう《Eradicate/撲滅(UD)》はまさに打ってつけの カードとなります。
まぁ、デッキが黒い相手に対して、スクイーを場に出す人がいるとは思えないですけどね。

《False Prophet/まやかしの預言者(UD)》
何かと便利なクリーチャーですが、当然のごとくスクイーも消し去ってくれます。
根本的な問題である、マスティコアやSpellshaperも消し去れるので、 白中心のデッキなら入れておいて損はないはず。
好きなタイミングで墓地に行けるように準備しておくこと。

《Last Breath/今わの際(MM)》
InstantでRemoveできるためとても有効。
とはいえパワーが2以下のクリーチャーに限定されるため《False Prophet/まやかしの預言者(UD)》の方が汎用的かな。

《Exile/流刑(6E)》
場に出てくることもまれなのに、さらに攻撃してくる奇特なスクイーさんに対しては 効果的。
相手を油断させて、攻撃するようにし向けるのがコツ。

(5)墓地にいる間に...
当然というか、やっpりこれが一番現実的な方法です。
やはり確実に対処するためにはInstantスピードで効果を発揮できるものが 有効になります。
スクイーが墓地に落ちたら早速消しちゃいましょう。
欲張ってはタイミングを逸します。

《Rapid Decay/急速な衰微(UD)》
使いやすく且つ強力なため、サイドボードに入れている方は多いんではないで しょうか。
あまり深く考えずにつかえ、《Replenish/補充(UD)》を中心としたコンボデッキにも 効果があるので、汎用性が高くスクイー対策の最有力候補といえるでしょう。
最大3枚までRemoveなので、墓地が3枚に満たなかった場合でも問題なし。

《Carrion Beetles/腐肉クワガタ(US)》
能力起動にTapが含まれるため、実際にはこいつが場に出ている状態では スクイーが墓地に落ちることはないでしょうが、それはそれで充分効果があると思います。
1マナ1/1クリーチャーで基本的能力はクリアしているため選択肢としては良いと思います。

《Honor the Fallen/死者への敬意(MM)》
全ての墓地内のクリーチャーカードを一掃してくれるだけでなく、 取り除かれたカードごとに1点のライフを得られる超お得カード。
キャスティングコストも安く、それでいてInstantであることも良い。
白ウイニーデッキならば使わない手はない。

《Planar Void/次元の狭間(US)》
とにかく墓地におかれたらRemoveしてしまうので、スクイーに限らず墓地を再利用するカードが多い昨今では非常に有効なカード。
自分のデッキは墓地を再利用できないことを考慮して作成するのは基本です。
黒が入るとどうしても墓地再利用もしたくなるので、その誘惑に負けないように。
サイドボード向きのカードでしょう。

(6)その他
そのほかに無理矢理考えたものがいくつかあります。

  • 《Thran Foundry/スランの鋳造所(UD)》や《Repopulate/再入植(UL)》でライブラリに 戻してしまう。
    次のターンに手札に戻ることを計算に入れているはずなので、案外効果的かも。

  • 場に出ている《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》を《Soul Sculptor/魂の彫刻家(US)》でエンチャント化して《Erase/消去(UL)》や《Scour/一掃(UD)》で処理。

  • 場に出ている《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》を 《Gilded Drake/金粉のドレイク(US)》などで奪い、《Food Chain/食物連鎖(MM)》で マナに変換。

  • 《Cursed Totem/呪われたトーテム像(6E)》でSpellshaperの能力を使えなくする する事で間接的に対処。

    他にもなんかありますか?


■ 結果的にどうするのか...
各場面での対策案を考えてみましたが、やはり有効なのは墓地にいる間に 処理するしかなさそうです。
白と黒ならば何とか対処はできそうですし、青の場合はスクイーが使われる元となるカード(マスティコアや精神鍛錬)をカウンターする方が確実そうです。
緑の場合はRepopulateが結構つかえそうですね。自分のクリーチャーが大量破壊された 場合にも有効ですし、Recycleが付属しているのも評価できます。
赤いデッキの場合は白か黒の援助を受けるのが最も有効だと思います。
どうしても単色にこだわるならば《Thran Foundry/スランの鋳造所(UD)》という 選択肢も無いではないですね。

とにかく、スクイー自体はちっとも強くないはずなのに、放っておくとロクな事に なりませんから、今後も何らかの対策は必要ですね。

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さて今回は話題(?)の《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》を 相手に使われた場合の対処法という角度から見てみました。
読み返してみると、ほとんど役に立ちそうになかったですが...(^_^;;

しかし、考えれば考えるほど、赤っぽくないクリーチャーです。
私のイメージからするとこの手の能力は黒いクリーチャーっぽいんですけどね。
場に出ないから赤でも黒でも関係ないんでしょうけど。
とにかく今は、今後のエキスパンションで極悪なSpellshaperが追加されたりすることが 無い事を祈ってます。
青いデッキにスクイーが入ってるなんて許せませんしね。

最後に、突然ですが1つコンボを考えてみました。
 《Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太守スクイー(MM)》
+《Worry Beads/悩みの数珠(MM)》
+《Scroll Rack/巻物棚(TE)》
で相手のライブラリのみを破壊していきます。

...かなり効率悪い上にStandard落ちしてますね。すっごい弱そうです。

では、今回はこれでおひらき。

Thanks. 18.Dec.1999 Takahiro.O


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