・Another Story of Ipatugekijyo 2
『すーぱーけーば』
瑞佳「ひどいよ七瀬さん!…こんな人だなんて思わなかったよ!ううう…」
七瀬「あたしだって!見損なったわ、瑞佳!」
住井「二人とも、なにを言い争っているんだ?」
南 「温厚な長森さんがここまで激高するなんて…どうしたの?」
瑞佳「ううう…住井君…南君…聞いてよ、七瀬さんたら…『史上最強の名馬はトウカイテ
イオーだ』なんて言うんだもん。休んでばっかのボンボンのくせに!」
七瀬「少なくともオグリよりは強いわ。JCも勝ってるし」
瑞佳「二着でもタイムはテイオーよりはるかに上だもん!世界レコードだよっ!?」
七瀬「馬鹿ねえ、馬場よ馬場。テイオーが勝った時は重だったもの。同じ良馬場の有馬記
念のタイムを比べたらテイオーの方が上よ。
それに何て言っても一年ぶりの休養明けで勝っちゃう強さ!カッコ良さ!やっぱり
テイオーが最高よ!」
瑞佳「馬鹿はそっちだもん!有馬記念の事を言い出したらオグリン以上にドラマを持って
る馬は居ないもん。三度目の正直でタマモクロスを下した一勝目。奇跡の復活で日
本中を泣かせた90年の二勝目…あのオグリコールは小学生ながらに感動したよ!」
住井「要するに、七瀬さんがトウカイテイオーを、長森さんがオグリキャップをそれぞれ
最強だって推してるわけだ」
瑞佳「そうだよ。オグリンが一番だよ!」
七瀬「テイオーだってば!」
住井「でも…」
南 「…なあ」
七瀬「なによ?!」
住井「普通、“最強馬”って言ったら三冠馬の事だよな…」
南 「そうそう」
瑞佳「オグリンはクラシック登録してなかっただけだもんっ!出てたらヤエノムテキやチ
ヨノオーなんて相手にしてなかったよっ!」
七瀬「テイオーだって骨折さえしてなければ…」
南 「競馬に“たら”“れば”は禁物」
瑞佳「っ!…それじゃあ聞くけど、二人はナニが一番だと思うの?」
住井「そりゃあ、もちろん、ナリタブライアンでしょっ!!」
七瀬「まあ…4歳の時は強かったかもね〜」
南 「それにしても、京都新聞杯じゃスターマンなんかに負けてるなぁ」
住井「な、なんだと!んじゃ、南、テメーは何が最強だと思うんだよっ?」
南 「やっぱ、ミスターシービーだな」
瑞佳「えぇ〜」
七瀬「華はあるけど…」
住井「最強論には…」
南 「なんでえっ?あの追い込み!アレに勝る“強さ”があんのかよ?!」
住井「だから…派手さは認めるけど…菊花賞の後は秋の天皇賞しか勝ってないしな…
…イマイチぃところはおまえにピッタリだと思うけど」
瑞佳「そだね」
七瀬「うん」
南 「なんだよ!お前らの馬だって負けてるのは一緒だろっ!」
茜 「そうです。皆さん、人の事は言えません」
瑞佳「里村さん」
茜 「テイオーは春・秋、両天皇賞と有馬記念で、ナリタブライアンは5歳、オグリキャ
ップは6歳の秋にそれぞれ惨敗しています…」
七瀬「それは…」
住井「う…」
茜 「競馬ですから負ける事もあるでしょうが最強を名乗るのなら惨敗してはいけません」
瑞佳「正論だもん…」
茜 「その点、ルドルフは完璧です。ミスターシービーには3戦3勝ですし」
南 「ぐぅ…悔しい…」
澪 『でも、秋天で完敗してるの』
茜 「…あれは勝った馬が大駆けしただけです。それに二着はちゃんと確保しています」
瑞佳「澪ちゃんも競馬見るの?」
澪 『狙った大一番でちゃんと勝つ馬が最強なの』
『だから、最強はシンザンに決まってるの』
七瀬「あんた、幾つよ?」
澪 『引退まで一度も連を外さなかったの』
『「鉈の切れ味」by武田文吾なの』
七瀬「だから、幾つよ?」
先輩「みんなツマラナイ馬が好きなんだね」
瑞佳「あ、今度は川名先輩と深山先輩」
先輩「レースを作るのはなんと言っても逃げ馬だよ。だから最強馬も逃げ馬から選ぶのが
適当だと思うよ」
住井「と言うと、先輩はミホノブルボンが最強とでも?」
先輩「私はカブラヤオーを推しておくよ」
七瀬「あんたも古過ぎるわっ!!」
先輩「JRAで9連勝はいまだに記録だしね。ね、雪ちゃんもファンだよね」
部長「あ…う、うん」
先輩「え?雪ちゃん、今…」
部長「ううん、何でも無いよ」
先輩「嘘だよ!何年、親友やってると思ってるの?雪ちゃん、言いたい事があったら言っ
てよっ!」
部長「…ごめんね。みさき…去年の…金鯱賞…」
先輩「まさか…雪ちゃん、サイレンススズカ?」
部長「…うん。テンから飛ばしての大差勝ち。しかも、レコード。最後までイッパイにな
らない末脚にサラブレッドの完成形を見たの…」
先輩「うう…酷いよ雪ちゃん…」
七瀬「あらら…みさき先輩泣いちゃった…って!ぎゃあああああ!!!」
繭 「みゅー♪」
七瀬「髪ぃ!!…あたしの髪があ!ま、繭、やめなさい!!」
繭 「みゅー♪」
瑞佳「そうだ!繭はなんて馬が最強だと思う?もちろん、オグリンだよね?」
七瀬「いたたた!!ち、違うわよ!
繭だってテイオーが…って、ぎゃああ!髪引っ張らないで〜!」
ふるふる
繭 「…ナリタ…」
住井「だよなっ!うんうん。ナリタブライアンが史上最強だ」
繭 「…ハヤブサ…」
七瀬「ダート馬かいっ!」
南 「…う〜ん、ナリタハヤブサも確かに強い馬だとは思うけど、ダートの場合は地方と
の兼ね合いがあるしなぁ」
先輩「そうだね。私も別に考えたほうが良いと思うよ」
瑞佳「繭、そう言うわけだから…芝で強いと思う馬は?」
繭 「…シンボリ…」
茜 「当然です。ルドルフ以上の馬は存在しません」
ふるふる
瑞佳「シンボリルドルフじゃないシンボリ?」
こくん
繭 「…スピードシンボリ…」
南 「し、渋すぎる…」
澪 『古いの』
先輩「渋くて、古いよね」
七瀬「あんた達にゃ、人に言う権利はまったくないわっ!」
詩子「やっほー!遊びにきたよ」
茜 「詩子…また来たんですか」
住井「柚木さんは?!柚木さんは好きなサラブレッドっている?」
詩子「え?おかしなコト訊くね?」
茜 「…詩子は強さよりビジュアルのはずで、トウショウファルコのファンです」
詩子「あ、茜、それは昔の話。今はタイキシャトル一筋よっ☆」
瑞佳「えーっ?マイラーなのに?」
詩子「あははーっ!そう言う考えって古いヨぉ〜」
七瀬「でも、最強馬って考えとは違うんじゃ…」
詩子「パウンドフォーパウンドってやつだよ」
茜 「それは格闘技です。競馬ならベストディスタンスです…」
詩子「うんうん。とにかく、海外で国際GTを勝った馬だしね」
浩平「みんな、集まって何話してんだよ?」
瑞佳「浩平!…最高の名馬って言ったら、もちろんオグリンだよね?」
七瀬「何言ってるの!折原はテイオーのファンに決まっているでしょ!」
住井「折原〜!…俺達は友達、ナリブー同志だろ?」
南 「馬鹿を言うな!折原こそCBフリークに決まっている!」
茜 「…浩平…最強はルドルフですよね?」
澪 『違うの!シンザンなの!』
先輩「ううう〜〜…カブラヤオーだよね?」
部長「サイレンススズカよ…きっと」
詩子「テンザンストームじゃないわよね…」
繭 「みゅー…スピードシンボリ…?」
浩平「名馬……」
瑞佳「浩平?」
浩平「……」
七瀬「ど、どうしたの!?」
浩平「最高の…名馬と言えば…テンポイント…だろう…」
全員「え?」
瑞佳「こ、浩平…」
七瀬「は、入っちゃってる…」
浩平「あの雪の日……」
詩子「泣いてるよ…思い出しただけで…」
住井「本物だな…」
浩平「もし朝が来たなら…」
繭 「みゅー?」
茜 「寺山修司の「さらば、テンポイント」ですね…」
南 「暗唱するか?ここで…」
部長「みんな、行こう。そっとしておいてあげようよ」
澪 『仕方ないの…』
先輩「さようなら、浩平くん。残念だよ…」
<おわり?>
○作品解説
え〜・・・作品解説をと言われてこれを書いているのですが、解説も何も、このS
Sは単に雀バル雀さんの『一発劇場2 激空間プロ野球!』の野球のネタを競馬ネ
タに置き換えただけです。困った事に。
ま、別バージョンと思って気軽に読んでくださいね〜(^^;
○用語解説
・JC
11月に開催される日本唯一の国際GT・JAPANCUPの事。
オグリキャップは当時の世界レコードでタイム差なしの2着に入り、トウカイテイ
オーは史上最高のメンバーと言われている回を勝っています。どっちが上とは言え
ない良い勝負でしょう。
・クラシック登録
桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞の5
レースをクラシックと言い、これらのレースに出るためには3歳時に登録料を支払
い登録しておかなければなりません。
オグリキャップは3歳時には地方(笠松)所属であったために、この登録をしてい
ませんでした。出ていれば間違い無く三冠と言われていたのですが……。
後に、この事が契機になって、4歳時に追加登録出来るシステムが出来ました。
・三冠馬
皐月賞、日本ダービー、菊花賞を勝った馬の事。
現在までに、セントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナ
リタブライアンの5頭が居ます。
二冠馬が15頭以上居る事を考えてみても如何に難しいか分かりますね。
・秋天
天皇賞・秋の事。
秋競馬の大一番。
・テンから飛ばして
テン=最初、スタート直後。
・ダート
砂の馬場の事です。逆に芝の事はターフと言います。
ここで南が言っている通り、日本でのダートの本場はJRAではなく地方競馬にな
ります。そのため、交流戦の行われていなかった昔はダートで強いのは地方馬と言
うのが定説だったのですが、最近の交流戦では一部を除いて中央の馬に分があった
りして…ダートの最強馬と言うのは一概に言え無いのが現状です。
・マイラー
主に1600m(約1マイル)戦で真価を発揮する馬。
昔は全世界的に2400m(クラシックディスタンス)が競馬の根幹となっていた
のですが、近年ではマイル戦の方が高く評価される事も多くなっています。ですの
で、マイルで無敵なら最強馬といえない事も無い……かも。
○競争馬解説
・ヤエノムテキ
オグリキャップと同世代の皐月賞馬。
・サクラチヨノオー
オグリキャップと同世代のダービー馬。
・スターマン
94年の京都新聞杯で当時最強を誇っていたナリタブライアンを倒した馬。
・カブラヤオー
75年の皐月賞とダービーを逃げ切った馬。
特にダービーで出した前半の時計は異常としか言えないもので、地味ながらも最強
馬に押す人も多いです。
・ナリタハヤブサ
90〜92年頃、ダート界を席巻していた馬。
この馬の凄い所は普通では考えられないハンデを背負ってレコード勝ちなどしてし
まっていた事です。
最強かはともかく、ダート競馬史上TOPクラスの馬であるのは間違いなし。
・スピードシンボリ
67〜70年頃に活躍していた馬。
特筆すべきは7歳時の夏から秋にかけてヨーロッパ遠征をしていた事です。
最強馬と言う観点では語れないけど、伝説的な馬であることは確か。
・トウショウファルコ
強さとしてはまあまあと言った部類ながら、金のタテ髪、淡い栗毛などのその容姿
の美しさから有名な馬。
現在は東京競馬場で誘導馬をしています。
・テンザンストーム
史上最強のマイラーであるタイキシャトルを唯一マイル戦で破ったことのある馬。
よって、シャトルファンには最大の敵となっている……詩子が最後にこの名前を出
すのはそのためです。
ただし、シャトルに勝って以後はサッパリ勝てずにいるんだから、競馬って不思議。
解説!『ギャグ論』
私の個人的な意見ですが、ギャグSSに重要なモノ!それは…
ネタ!です(笑)
そしてそのネタを生むのが…
1.勢い!
2.気合!
3.センス
4.アイデア!
5.自己犠牲(笑…自分を捨てるということ)
6.努力!
…でしょう(笑)
3のセンスを除き、全て努力次第でどうにかなるものなのです(大笑)
センスなんてのは…そうですねぇ、せいぜい1割。
佐々木のカーブみたいなもの、無視して結構(笑)
そう!ギャグとは『頑張れば誰でも書けるモノ』なのです!
しかし、面白いギャグは案外少ない。
何故か、それは『ネタが足りない』からだぁ!(大笑)
ネタは鮮度が決め手!
誰かに先を越されたら終わり…一度使ったらそれまでです。
ギャグ作家たちは書けば書くほど虎の子であるネタを消費して行く…
…これで分かりましたね?ギャグ作家がシリアスに流れる理由が(笑)
常にネタを提供するには、新たにネタを仕入れなければならない。
あるいは、如何に在庫を用意するか…日々是勉強なワケです。
…このSS、笑えたでしょ?(^^)
はなじろさんの日頃の研鑚が実を結んだわけです(笑)
「ギャグが書けない」とお嘆きのキミ。
ギャグが書けないヤツはいないのだぁ!努力が足りんのじゃあ!(大笑)
ギャグに王道などないんじゃあ!(大仁田調)
気合で呼び覚ませぇ!キミの脳細胞に眠っているネタの卵たちをぉ!(爆笑)
………
ふぅ…つい熱くなっちまった(^^;
とにかく、ギャグ作家のみんな。
がんばろうぜ!
7月最後の木曜日に…ベンチャーズを聴きながら。
へっぽこギャグ作家より(^^)
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