『えいえんはあるよ』
『ここにあるよ』
『この時の凍り付いた世界と世界の狭間に・・・』
・・・・・。
CPOK 〜Corpse Party Of Kanon
12th:determination
・・・・・。
「それが・・・彼女?」
「その、死んだ彼女の怨念・・・亡霊だよ・・・・でも、これだけだったら、彼女はここまで強い力をつける事もなかったんだよ・・」
「問題は・・・もう少し後に起こったんだよ・・・」
・・・・・。
先生は焦ったよ・・・
どういいのがれしても、責任は追及され、教職を追われるだろうからね・・・
そこで、思い誤って焼却炉で彼女を焼こうとしたんだ・・・
でも・・・
その途中、校長先生に見つかってしまったんだよ。
彼女を運んでいる所を・・・
この後が、最悪だった。
校長先生は・・・自分の責任を逃れるためにその先生と一緒になって死体を隠したんだよ。
誰も知らないような、学校の奥深くに・・・
可哀相、だよね?
・・・・・。
「・・・・それで・・・?」
「・・・彼女は長い間成仏できなかった。それで、時を経るたびにその怨念だけが強力なものになっていったんだ・・・」
「・・・それでこの学校が?」
「もうこの学校は存在しているものじゃないよ・・・彼女の怨念という名の記憶と・・・」
「・・・・・。」
「ボクは・・・彼女に体を乗っ取られたんだよ・・・」
「どういうわけかよくわからないけど・・・束の間の奇跡のおかげでボクは植物人間状態にもかかわらず、幽体だけで活動してたんだ。
その、無防備な剥き出しの精神体のボクを彼女が・・・・・」
「・・・乗っ取った」
「そして・・・もっと強い力を持つ人を。」
「・・・そして、その強い力でこの世界を作り出したってわけ?」
「うん・・・・舞さんはこの学校のどこかに幽閉されているはずだから・・・」
「・・・・川澄先輩?」
・・・名前は聞いた事がある。
・・・魔女、と呼ばれている上級生だ。
「お願い・・・舞さんを・・・ボクを・・・祐一君、名雪さん、それにこの学校にとらわれているたくさんの死者達・・・そして、何より『彼女』を助けてあげて・・・・」
「・・・あたしが?」
「ボクの力じゃどうする事も出来ないんだよ・・・・ただ・・・こんな事くらいしか・・・アドバイスをするくらいしか・・」
「・・・・」
それは、とても恐ろしい事。
死者のすまう学校に舞い戻るという事。
「祐一君たちには常に『彼女』がつきまとってる・・・このままじゃ一人づつ取り殺されちゃうから・・」
「・・・・」
あたしの命はどうせ長くは持たない。
でも、こんな所で捨ててしまってよいものなのだろうか。
「悪夢を終わらせられるのは・・・キミしかいないんだよ・・・」
「北川君は」
「え?」
「北川君も・・・・北川君の魂も、そこにとらえられているの?」
「・・・・そうだよ」
「あそこで死んだ人の魂は例外無く、あそこに縛り付けられて・・・・」
「未来永劫、解放される事はないよ・・・」
「悪夢を断ち切るまで・・・・・」
・・・・手の中が汗ばむ。
・・・・あたしは。
「・・・・栞は?」
「その人は・・・栞さんは・・・死んだ後、魂だけがあそこに取り込まれて・・・・
きっと・・・・他の人たちと同じように・・・・
今は・・・生きている人と同じように行動できるけど・・・いつか・・・・」
「・・・もう、いいわ。」
・・・・・・北川君。
「あたしは。」
・・・・・。
Mai of Sword.
剣の、舞。
あるいは・・・抜き身の剣そのものの川澄舞。
・・・・・。
『これを祐一君に渡して・・・』
『ボクは、できる限りの事をやってみるから・・・・』
右手に、一振りの抜き身の剣がある。
刀身に、銘らしきものが刻まれている。
”Mai of sword”
それ以外は何の装飾もない殺風景な西洋刀。
質実剛健というイメージがあった。
――――――あたしは。
また、こんなところにいる。
自分の行動があらゆる矛盾を含んでいるのが分かるほど。
『今なら会えるから・・・』
忌々しい理科室を通り過ぎる。
唇をぐっと噛み締めて。
もう泣いていられない。
栞や倉田先輩、名雪、相沢君は今も戦っている。
逃げる事を誰も厭いはしないけど。
・・・大穴の向こう岸の保健室から、彼等が出てくるのが見えた。
「相沢君、名雪!!」