久しぶり


私が住むのは島。
南の、私が生きているのは島。
風が流れ雲を象り、大気が万物を形成し、冷たい鉄が人々を覆い隠す
そんな島。
原色の花々が咲き乱れ流された血と共に、においたつ
そんな島。
青空の一部を切り取ったような美しい瞳と、伏せられて涙も枯れた虚ろな瞳と
土足で傷つけられた笑顔と全てをやさしく包む海と。
混ざって崩れて、それでも目を閉じてしまうことのない、人々、空気、花木、
海、風。
私が住むのは、そんな島。
私が住むのは、美しく残酷な島。
私が住むのは、魂の島。




ウタシャ

その唄は高く高く
神さまに届くように、高く高く
今日も太陽に手を伸ばし祈り唄い
地にしっかりと足をつけ祈り唄い
高く高く、神さまに聞こえるように
高く高く立ちのぼる唄
もっと神さまに聞こえるように
もっと神さまに知ってもらうように
その唄は高く高く


空へのびる。




マブイ

死んだ身体から抜け出たマブイは
大好きなあなたの元に戻ってきます。
さよならのあいさつをしに。
だから泣かないで。
あなたはそろりと顔をあげて、それから抱きしめてあげたら良い。
百万回の「忘れない」より、
たったの一度のハグが好き。




「さようなら、また会えるよ」




横を向いた顔

斜め後ろより更に斜め左。
横顔がふと見える。
遠くを見すえたその眼にドキリとする。
いらないものは勝手な期待。
かなぐり捨てたいのは無様なプライド。
何を見てる?どこを見てる?
ききたい。
耳たぶの裏から笑う声がして、
頭がチリチリと焦る。
声がささやく「キキタイ?」
切り付けてズタズタにしてしまいたい衝動にかられて、
手のひらを握りこんだ。






雨が降る。
理由もなしに雨が降る。
押さえつけた悲しい笑顔が雨粒を誘い
激しく降り落ちて地面に染み込む。
そこに滲んだのは刻まれる記憶。
ぬらせぬらせ
ここにいると叫べ。
ぬらせぬらせ
魂が冷え切って凍え死ぬまで。
ぬらせぬらせ
君の温かみが滴る雫に香るまで。
皮膚を通って肉に染み込み血液を満たすように。
言葉をその慈悲で消し去るように。




雨が降る。




言いたい事

あなたに言いたい事が沢山。
いつも寝てばかりなのに理数の成績が私より良いなんて反則。
いつもぼんやり、一体何処を見ているの。
スポーツするときの顔は授業では見せないのですか。
なぜそんなにも優しいのですか。
なぜ勘違いしてしまうほどに優しいのですか。
どうして皆に優しいのですか。
どうして重いものを手伝って持ってくれたりするんですか。
私がかよわい女子であなたは力のある男子だからですか。
どうして自分のかき氷を分けてくれたのですか。
どうしていちいち言葉が優しいのですか。
ばか騒ぎが好きなのですか。
たまに見せる大人びた顔はあなたの一部ですか。
私はあなたのライバルですか。
そうでなければなんなのですか。
数学のテストのたびに点数をきかないでください。
疑り深い私を知っていますか。
嫉妬深い私を知っていますか。
話し掛けられると困ってしまう私を知っていますか。
気持ちを言えない無様な私を知っていますか。


好きじゃないならいっそ優しくしないでください。




南風

風にのって、ふわりふわり。
静かな潮にのって、ふわりふわり。
白いワンピースをはいて浜辺へ。
風が吹き荒れて髪の毛に突き刺さる。
泣き出しそうな空模様を無視して飛び跳ねる。
ふわり
地面を蹴り上げ
ふわり
空中に浮かび
ふわり
スカートのすそをふんわりとさせて
ふわり
砂浜に足をつく。
風が寛大な拍手を送る。
すその端と端をつまんで海に向かってお辞儀。
髪の毛が海草のように空にたなびいて
泣き出した空に湿る。
母なる水面はしかし、優しく私を抱きしめた。




おにごっこ

逃げてる人の眼は、
刹那的な躍動感にあふれています。
後ろに誰かいやしないかと振り返るその瞬間
その瞳はキュッと細められて
動物的で非常に美しいのです。
プリミティヴな感情と共に眼が動き
本能にそって身体が動く。
その姿はまるで、
出口を失ってそれでも、自分の知る限りある自由を求める
小さな鳥のようです。

捕まらないとゲームは終わりません。
自分から捕まりに行く者、思わぬ見当違いで捕まる者。
最後まで満足して逃げ切り、安らかに捕まる者。
捕まらない限り、永遠にゲームが続くのです。

今日も長い長い、時間との鬼ごっこが始まります。




escape here.

いつも願ってる。
誰かが私を強い力で抱きしめてくれる事を。
誰でも良いの。
私を抱きしめ言って下さい。
「あいしてる」。
そうでなくちゃ、私
「死んじまえ!」
死んじゃいそう。
「あいしてる」
こそばゆい。
「死んじまえ」
頭が痛い。
逃げて逃げて逃げて。
数多の星たちの光に眼を焼いて
ぬれた暗闇にそっと身を置いて。
逃げて逃げて逃げて。





「何処へ行けというの?」




word

you say the word.
you give me a lot of words.
it just like water running slowly,
it just like flower come out winter,
it just like wind when blow in daybreak,
it just like ocean,you saw till now.
and i feel deserted,when heard your words.
why my tears are fall?
why my rain drops are fall on your hair?
why dou you love me?
why do i love you?

please hug me,and say the word
"Everything gonna be allright."
then, i will kiss for you.





永遠に続くのかと思う。
はかなくて、涙が出ます。
優しい光は、優しい気持ちで満ちていて
暗闇の絶望的な厚い影に、道を作り。
冷たい光は、心地よい恍惚に満ちていて
草花の押さえきれない生への欲望を押さえ。
柔和な光は、ぼんやりした朧ろ気な雰囲気に満ち
人々の活動を見守り魔力を与える。

波がひきより、崇めるようにキラキラと波打ち、
それを見ると私は思うのです。
母を生かすものは月であると。
はかない、けれども強い光であると。


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