EXPLORES(3) 雨宮 実久

 アルノーとミヤは苦労して、見覚えのある仕掛け部屋の辺りまで辿り着いた。一度来た道ではあったが、やはりそれなりの時間はかかっている。初代王の墓の上にある五代目の王墓は、初代王の墓が土砂や塵で埋もれてしまった上に造られたため、広くはあるが、さほど深くはない。だが、初代王の墓に入ってからは既に五層ほど下りている。空気も悪い上、深さの利点なのか込み入った罠が多い。だから気持ちは急くものの、下手に急いで道を間違えたりして新たな罠にかかるような危険は、極力避けねばならなかったのである。

「はぁ、やっと戻って来れた……。あのオヤジ、もうずっと先行っちゃったかもね。もう玄室に着いちゃってるかも。……考えたかないけど」

 アルノーは溜息まじりにぼやいた。だがミヤはその辺りを飛び回りながら、元気な声で言ってくる。

「だいじょーぶだよ〜。どーせあのオジちゃんもどっかで罠に引っ掛かってるに決まってるんだから」

「……そうだといいけんだど」

 実際ダートに追いつくにはそれを祈る以外にないのである。そして、とにかく先に進まなければならない。二人は一息入れる暇もなく、未知の領域へと踏み込んでいった。

 それからしばらくは罠を見つけても、発動させずに進むことができた。王墓といえど昔は管理する人間などが行き来していたわけで、罠の類も知っている者なら避けられるように工夫されている。つまりは、その工夫を見破ればいいのだ。

「まだぁ〜? アルノー早く〜」

「ちょっと待ってよ。え……と、ここはこの石を踏んでいけばいいのよね……」

 落とし穴になっているだろう敷石を避けて歩き、アルノーはそこを突破した。こういう罠には、羽のあるミヤには無意味なので羨ましい。そんなことを考えながら、緊張でかいた汗を拭い、アルノーは一呼吸ついて壁にもたれる。

 と、突然その壁がへこんだ。同時に作動音が響き始める。

「連続 うそでしょ!?」

「うわ〜〜い☆」

 悲鳴を上げたが、冗談でも何でもなく、無慈悲にもそれは降ってきた。それ―――錆た鉄製の、槍が。

 常人ならパニックしている間に串刺しにされただろうが、アルノーはすぐさま通路の壁に素早く視線を走らせる。

「あった!!」

 叫ぶや否や、彼女は腰に下がっていた小型のつるはしを力一杯投げた。それは狙い違わず壁にある一点にぶつかり、その勢いでそこにあった何かを押し上げる。すると不意に作動音が止み、同時に槍も降ってくるのをやめた。つるはしがぶつかったのは、カモフラージュされた制御レバーだったのだ。

「はぁ……とまった……」

 脱力感が押し寄せてくる。が、ここでぐずぐずしていて、またさっきのようなことになったら目も当てられないので、アルノーはすぐに落ちたつるはしを拾いに行った。一方ミヤは、咄嗟に隅に避難していたらしい。

 「止まった止まった♪」

 などとやけに楽しげにはしゃぎながらそこから出てくる。

「ミヤ、次の罠が発動したらやだし、さっさと行くわよ」

「ほいほ〜い☆」

 そんな風な返事を返し、相棒はついて来た。そして二人は、早々にその階を後にしたのだった。

□もういちど聞かせて! ☆もう、眠いや…。 △もっと聞かせて!!