イベント・ホライゾン


監督/ポール・アンダーソン
脚本/フィリップ・アイズナー

主な出演者/ローレンス・フィッシュバーン/サム・ニール等

イベント・ホライゾン(事象の地平線)とは
ブラックホールの効力の外縁であり、これを越えれば光も物質も、崩壊した星の重力に囚われて、2度と脱出できない。帰還不能地点。

世界の果てまでふっ飛んだら、そこは純粋な混沌のみの世界でした。
で、脆弱な人間の精神ではその影響に耐えられないので、負の方向に崩壊するんだよ、というような話。

なんだろうね、心のかさぶたを『なでり』『さすり』されるような不快感と気持ち良さ。そんな印象を持ったです。
分類としては『ホラー』なんだろうか。ん〜違うな、どっちかというと『侵食モノ』か。
混沌が律する世界において、人が定める『正常、常識』は排すべきものでしかなく、それ故に人は混沌に犯され、崩壊するわけだ。
それは死であったり、抜け殻となって混沌のよりしろになったりすることなのだ。
なんか、訳わかんないこと言ってるけど、そうなのだ。
小難しい理屈を捻ってるようだが、そうでもない。
こう解釈していかないと、この映画はわかんないからだ。自分の理解の及ぶ範囲と言語で解釈しようとするから無理が出るのだ。
素直に言おうじゃないか。
この映画は『美術』映画だと。

色々あるでしょうが、この映画のツボっちゅうかキモは『イベント・ホライゾン号』そのものであります。
静寂の宇宙に浮かぶ1隻の宇宙船。だが、それは7年前に消息をたったはずなのだ。何故、いま現れた?そして乗組員達の消息は?
そんなこっちゃどうでもいいらしい

それよりも『画』としての見せ方が凝り凝りです。冒頭の2重螺旋スクロールからの引きとか。
そしてなによりも舞台となるイベント・ホライゾン号。この船がねぇ、カッコヨイのさ。
全体のデザインは十字架。動力源は『いかにも』なんかありそうな3連ジャイロ。これがなぁ、妖しくグルングルン回る。
そのカットが人への悪意の象徴として使われているようなのだ。イカス。
内装も素敵。イメージとしては寺院らしいが、商店は鯨の骨格を思い浮かべたりした。いわゆる巨大生物の体内ってやつ。
そこをな、ローレンス・フィッシュバーンが走るのさ。なんせ、オイシイとこ取りの船長だからな。
カッコエエぞ、その生き様。
サム・ニールの段々オカシクナッテイクさまも良い。
キモチワルイぞ、その変わり様。

この作品、まぁ、大作ではないでしょう。大体、そんな話題になんなかった気もするし。
悪夢がジワジワ効いてくるボディブローのような作品です。
93分間、ジックリ楽しませてくれます。
余分な話に時間を裂く余裕がなかったようで、いいカンジに話が転がります。
最後のオチはある程度、過去の因習にならっちゃってますがね。
ビデオで見る場合、食事中はお勧めできかねます。

しかしなぁ、なんでこれ、初日に観にいったんだろ?謎だ。

1997年作品/上映時間93分

退場


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