監督/ポール・バーホーベン
脚本/エド・ニューマイヤー
主な出演者/キャスパー・ヴァン・ディーン/マイケル・アイアンサイド等
その場所にふさわしいものというのがある。同様に「お前ぇ。そりゃ違うだろ」とツッコミを入れたくなるものも、残念だが多々ある。
例えばそれは、ドーナツ屋の飲茶セットであったり。
例えばそれは、回転寿司屋のプリンであったり。
例えばそれは、中華料理屋のお子様ランチであったり。
例えばそれは、居酒屋で「ワタシ〜、お酒飲めないけど居酒屋の雰囲気が好きな人なの〜」とか言う奴だったり。
ものにはあって然るべき場所があるのである。
そしてそれは、映画にも言えることなのである。
ここに、映画館の大スクリーンで観なければならない作品がある。
お茶の間のテレビ画面ではなく、あの視界一杯に広がる銀幕ーーそこに写されてこそ、価値のある作品。
ダイノバイザーもこの際除外しよう。銀幕限定。
「スタシトパ」はまさしく、銀幕で観るにふさわしい、正統大掛かり映画だと言えよう。
バーホーベンには悪いが、ストーリーなんてこの際どうだっていい。
この映画のツボはバグズ。キシキシと外骨格をきしませ、ワキワキと多関節で動きまわる宇宙昆虫だ。宇宙昆虫と言ってもグモンガでもなければサタンビートルでもないぞ、念のため。
このバグズのデザインが秀逸なのだ。さすがはフィル・ティペット、まさに職人のなせる技。
なんと言うのか、一目見ただけで「ああ、こりゃ強そうだ。こりゃ悪そうだ」というイメージを人に抱かせるデザイン。
時間の限られている映画にとって、一目瞭然にして第一印象そのままの姿は必要不可欠なものだと思う。
しかも「実際にいそう」な姿。
こう、神社の裏手の茂みとかにいそうな(もちろん、あの大きさそのままじゃないよ、うん)カンジ。
俺が小学生で観てたら、絶対に夏休みの自由研究で作ってたね。それくらい、リアルな虫っぽさ。
全長3〜4Mのこいつらが大地を覆い尽くさんばかりに大挙して押し寄せるシーン。
「待ってました!」と叫びたい位に素敵です。も、このシーンを大スクリーンで観たいがために行ったようなもんですし。
堪能しました。
ん?人間のドラマ?
えっと、ああ、キャスパー・ヴァン・ディーン演ずる主人公リコの憧れのヒロイン、カルメン(デニース・リチャーズ)がまったくもって魅力的に見えなかったことと、むしろリコに思いを寄せていたディジー(ティナ・メイヤー)の方が「全然」いい娘だった点が印象に残っていますな。
1997年作品/上映時間128分