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「欲しいものがあったらすぐ買う!」というのがモットーのソニック。おかげでいつもカツカツの暮らしをしている。それに対してタマックの主張は「本当に欲しいものができた時に、お金がない、なんてのはイヤだ!」ゆえに、日常は倹約に徹す。より安くてイイものを探すために歩く体力は惜しまない。お買得表示にもすぐには飛びつかず、お買い得度と必要性をきびしく吟味して買うかを決定する。それでもソニックと共通しているのは、結局切りつめてるということ。 ケチケチで結ばれた友情で、二人はバイト先の某コンビニでも、1パックのレモンティーを分け合ったり、こぞって賞味期限切れの食品を発掘しては嬉々として分配するというほほえましい生活を送っていた。…しかしいつからだろう、タマックの側に、微妙な金銭感覚の変化が訪れていた。 お金がたまってきちゃったのである。通帳には残高ウン十万のプリントが続く続く。タマックのポジションは、いつの間にやら「大貧民」から「富豪」くらいに上がってきていた。先日も、買い物に出たソニックに無糖コーヒーを頼んだところ、無糖はないと報告をうけ、 「砂糖入り170円と、低糖270円ならあるけどどっちがいい?」 と選択を迫られて、 「んーじゃあ低糖で」 と余裕で答えてしまった。「砂糖入りも低糖も名前の違いで、結局甘いんやろ?高い方選ぶことないやん」とあたりまえのように言うソニックの姿から、タマックははっと己を発見する。選球眼が甘くなっている。より安さを追求すべき商品を、ポンと買う癖がついてきている!そして危機感を感ず。 原点に帰ろう。なぜに倹約ライフを送ってきたのか?いずれ来る「ほんとうに欲しいもの」に備えるためだ。では、低糖コーヒーは「本当に欲しいもの」か?否ッ!断じて否ッッ!そこは節約しどころだ!ちょっとリッチになったからって何をつけあがっているのだっ。 しかし、とここでふと思う。貯金がこんなにたまってきたということは、そろそろ本当に欲しいものにお金を費やしてよいということか…? そうか、時は今、雨が下しる五月かな!モノのいい物を買おう!いまのわたしには、その資格がある! 折しも、愛用していたななめがけバッグ(安物)が、使いこみすぎて擦り切れそうになっているところであった。こいつに代わる物を買おう、と街にくり出すタマック。だが、ここにきてケチ心が再燃してきて、ちょっとよさげなかばんでも値段タグを見ては「ハイ消えた!」としてしまう日々が続く。いいものは、やっぱり高い。高いものは、やっぱり買いづらい。いやんいやん、どうしたらいいのん、とジレンマにおちいっていた頃、京都の兄おいしん宅にて、検索サイトYahoo!が主催する参加費無料オークションの存在を知る。 オークション、これはいいかもしれない!出品されている物はほとんど個人の使用品ゆえに、定価のバカ高いものでも半額以下がばんばん出ている。一点モノ、というところもおトク感をそそる。たいがいが画像付きで、解説文でタテヨコ何センチとか添えてあり、具体的な形もイメージできる。Q&Aコーナーもあるのでいざとなりゃ質問もできる。落札終了時刻も示されているのでそれまでタップリ考え、セリ値が高すぎると思ったら手を出さなければいい。 はまった。もともとタマック、本気で欲しいもののために使う労力はいとわない。早寝だったのに、深夜3時4時まで余裕で起きているようになった。さすがに世界最大の検索ページ・ヤフ−。情報量は莫大である。「あ、このカバンかっこいい。この出品者の他の商品も見てみよう」チキッ(クリック音)「『斜めがけ』以外に『ショルダー』でも検索してみよう」チキッ「画像読み込んでる間に違うカテゴリも見とこ」チキッなどとあちらこちらに手を伸ばす。一晩に見る品物の数は、おそらく500を越える。それだけの情報を処理していくうちに、インターネットオークションにまつわるもろもろのことが見えてきた…。
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