ダンスダンスへぼりゅーしょん 第3わ

「レディ・ブロンドの華麗な1日」

 

それはあるすがすがしい朝。

セントラルシティの普通の住宅地に立つ、ごくごく普通のマンション。

その最上階にあたる、10階に彼女は住んでいる。

その日のセントラルシティの天気は快晴。

休日ならば家族の団欒にぴったりのピクニック日よりであろう。

しかし、レディ・ブロンドはそうもいかなかったわけで…

 

 

SE:時計の音

レディ:「んあー…時計はどこ?」

SE:ごがっ!(ベッドから落ちる音)

レディ:「…痛い…」

 

レディは目覚し時計を止め、しばしまどろんだ。

昨日はアフロとうさこと、アフロのシークレットサービスたちとオールナイトで飲んだ。

久しぶりのせいか、やたら飲んだような気がする…

 

うさこ:「カンパーイ!皆さんお疲れ。」

レディ:「アンタまたオレンジジュースね。」

うさこ:「いや、未成年なんで…」

レディ:「いいから飲めや!」

アフロ:「イエーイ!ミーは酔ってるね!もう1踊りしたい気分ね!」

黒服2:「社長…はんこ…(涙)」

黒服3:「マーシンのやつ、泣き酒か。」

黒服1:「またストレスためてんな…。」

 

1時間経過

黒服2:「うわぁぁぁぁぁん…いつもいつも始末書ばっかり私に書かせて…。(ガン泣き)

レディ:「この子、酔って泣くのね。」

黒服1:「普段泣かない子なんで。」

 

さらに1時間経過

レディ:「そぉーなのー、若いのに苦労してるのねぇー。あ、ビールもう一本」

黒服2:「ううっ、そぉなんですぅぅ。うさこちゃん、お代わり!」

うさこ:「あのぉ、二人とも飲み過ぎなんでないかと…」

レディ&黒服2:「あぁ?」

うさこ:「ひぃっ!この人たち、完全に酔ってるぅ。」

黒服3:「ガトリング、そろそろ社長とマーシンを回収する時間じゃないのか?」

黒服1:「お、そろそろだな…んじゃ、社長は任せた。」

アフロ:「zzz…zzz…」

 

 

レディ:「うーん、この後ははっきり覚えてないわね。むしろ自分の部屋にいることがミステリーだわ。」

 

(ちなみに)

レディ:「ちょっとぉ、まだ飲めるわよぉ」

黒服2:「んにゃー…まだいけますかぁ?」

うさこ&黒服1&3:「だめだコリャ」

アフロ:「zzz…zzz…」

うさこ:「仕方ない、レディは私がそら飛んで…じゃなくて、車で送ります。」

黒服3:「まあ、結構楽しかったぜ。」

黒服1:「うちの社長、よろしくな。」

うさこ:「ハイハイ、どーも。…さて、レディを家まで運ぶか。」

(この後、レディは何らかの手段により自宅に強制送還された。)

 

レディ:「それにしてもすがすがしい朝ね。ずいぶん日が高いわ。」

と、時計に目をやる。

レディ:「ん、そうか、8時半かぁ。…んん??」

時計は8時半のまま動いていなかった。しかもそれは外部の衝撃によって、いびつに変形していた。

テレビのそばの壁時計を見る。なんと時計は9時20分。

いつもならとっくに家を出て、仕事先のブティックへと向かっているはずの時刻。

レディ:「しまった…!完全に遅刻だわ。」

出勤時刻は午前10時。

レディはしばらく考え込む。

レディ:「間にあわす。

おいおい…。

レディ:「あと30分以上あるのよ。急いで支度して、時速100キロで飛ばせば5分でつくから余裕で間に合うわ。」

レディ:「そう、I don‘t wanna give up.あきらめないわ。」

SE:ぱりゃーん(勢い余って、水の入った花瓶を落とす)

レディ:「…まだよ。あきらめないんだからぁぁ!」

 

レディ:「うう、結局10分も手間取ってしまった。えーと、今9時半か。よし、とばすぞぉ」

 

5分後…

警察官:「スピード違反ね。」

レディ:「会社遅刻しそうなんだけど…」

警察官:「でも150キロ出したね。」

レディ:「若ハゲ痛い…じゃなくて、若気の至りってやつで。」

警察官:「30間近だからって、車であせってもしょうがないんだよ、まったく近頃の娘さんは…。」

レディ:「ほほーう…」

警察官:「は!」

レディ:「誰が三十路じゃぁぁぁ!

SE:めきょっ!(レディの鉄建が警官の顔面にクリーンヒットする)

警察官:「(半泣き)じゃ、今度から気をつけてね。」

レディ:「ありがと、おまわりさーん。」

警察官:「時代は変わったな…」

おしらせ

良い子はレディのまねをしないように。制限速度を守って運転しましょう。

 

 

レディ:「つーか、つかまってる間にもう45分じゃない、マッハよマッハ!」

車でマッハは無理かと…。

レディ:「ふっ、このレディ・ブロンドに不可能は…」

SE:プスン…プスン…(明らかにまもなくガス欠ということを伝える音)

レディ:「何?ガス欠?マジ!くぅー、このレディブロンドともあろうものがガス欠ごときで遅刻するもんですか!」

そもそもの原因は寝坊ではないかと…

レディ:「ふっ、ともかくガソリンスタンドへ行くわよ。」

 

 

店員1:「いらっしゃいませー」

レディ:「あ、レギュラー満タンね。」

店員1:「はーい、レギュラー満タンはいります。」

店員2:「窓お拭きいたします。」

店員3:「灰皿交換いたします。」

 

5分後…

店員7:「えー、お客さま、こちらの得するカードに入りますと…」

レディ:「あの、急いでるんですけど。つーか支払い現金だし。」

店員7:「でしたら、こちらの現金支払いお得カードを…」

レディ:「いらんから早くガソリン!!(怒り)

店員7:「は…はひ。」

 

レディ:「ふっ、釣りは要らないわよ。」

颯爽と走り去るレディの車。

店員8:「あの…足りないんですけど。」

 

レディ:「ムキー!なんか無駄に時間がかかって、もう出勤10分前でしょ!」

だからそれはあなたが寝坊するから…むしろ夜中まで飲んでいるから…

レディ:「こうなったら、あとでアフロに八つ当たりだわ。」

 

そのころのアフロ・IN 株式会社「IMANO−K」社長室

アフロ:「ふぇっくしゅん!…何か悪寒がするネ…。」

黒服2:「あら、社長風邪ですか?でも、書類にはんこ押し終わって 

    から風邪引いてくださいね。

黒服1:「またまた無茶な…。」

黒服3:「あいつ、ソートーキレてんな。」

 

レディ:「つーか、マジで間に合わないっていうか、何つーか!」

自分で何言ってるかわかってない御様子。

レディ:「しかし、こんなときのための近道が!」

だったら最初から使えば…

レディ:「ふっ、忘れていただけよ。とにかく突っ込むわよ!」

 

店に到着

レディ:「よし、59分!ギリだけど間に合った…あれ?」

店の入り口は硬く閉ざされており、張り紙がしてある。

張り紙:「真に勝手ながら、本日は休業させていただきます。

レディ:「何!!!!」

SE:ぴろろろろろ…ぴろろろろろ…

レディ:「ケータイ?いったい誰?もしもし…って、オーナーじゃないですか!今日店休みってどういうことですか?」

3分後

レディ:「はぁ、奥さんがインフルエンザで…看病のためにお休み…?

    昨日の夜電話した?留守電に入れた?」

電話を切り、留守録を確認するレディ。

確かにオーナーの声で「明日は休みにする」と、メッセージが残されていた。

 

レディ:「んな…アホな…」

 

風がそっと、レディのまわりを通り過ぎていった。

 

 

おわり

目次に戻る