「怪盗おしゃれずきんにおまかせっ!」
日本で育ち、19歳のとき父の仕事を手伝うため渡米。
純粋な日本人のはずだが、なぜか彼女の日本語を聞いた者は少ない。
長女、香絵子(24歳)は早くからアメリカで探偵として活躍していた。
しかし、探偵とはあくまでも表向きだったりなんだったりしちゃったりして…
注意:ちゃんとDDR関連のものが出てきますよ… (滝汗)
それは曇り空のセントラルシティ
数々のオフィスビルが乱立する中心街の、とあるマンションの一室
うさこ:「ううーん、今日は休みですがすがしいはずなのに、とってもやな感じの曇り空。」
SE:じりりりりり…(電話の音)
SE:がしょ(電話をやや乱暴に取る)
おいおい、余裕で居留守かますなよ…。
女の人:「 留守じゃねぇだろこのボケウサギ!さっさと事務所に来いや!」
うさこ:「うっ!その声は香絵子姉さん …あの、今日は特に連絡入ってないんですけど…。」
かえこ(女の人):「昨日あんたの仕事場に電話して、言伝してもらうように言ったんだけど。」
うさこ:「誰に…?」
かえこ:「さぁ、やけに明るい人だったけど、そういえばちょっと 酔っ払い気味だったかも。」
うさこ:「(レディだ… 酔っ払って忘れたな…)で、いまスグっすか?」
かえこ:「当然。もう依頼者待ってんのよ。」
うさこ:「また変な仕事じゃないでしょうね?あの、ベビーシッターいいつつ、実はボディガードでしたなんでもうこりごりよ。」
かえこ:「…仕事にアクシデントはつき物よ。」
うさこ:「う…ごまかしやがった!」
かえこ:「つべこべ言わずに、早く来てね。」
うさこ:「はい(泣)」
セントラルシティ、中心街。数々のビルが立ち並ぶオフィス街。
ガラス張りの大きな賃貸ビル、その最上階の12階に波野香絵子の探偵事務所があった。
表向きは探偵事務所件、法律相談所。
しかし、その実態はセントラルシティの裏の裏を駆け巡るシティーハン…じゃなくて、いわゆる何でも屋だったりするのだ。
どこをどう噂がまわってるのか、うさこの目から見るとたいそう繁盛している。
世の中マジで困っている人もいるんだか、単にお気楽ボケどもが多いのか、それともよっぽど切羽詰まってるのか、ともかく、見た目ただの探偵事務所にきた客とは思えない人々もたまに来たりしてるのだ。
この前は黒塗りの人に囲まれた大富豪っぽい人がきていた。
なんでもベビーシッターだというので気安く依頼を受けたうさこだったが、依頼人がアラブの石油王だったため、白昼堂々誘拐犯がやってきて苦労した。
かえこ:「お任せください。当社の独自のカリキュラムのよって鍛え上げられた実行部隊が、今すぐあなたの憂いを取り除いて差し上げますわ…。」
依頼人:「ほっ!…本当にですか!」
かえこ:「お任せください。街の正義の味方、そのための カテリーナ探偵法律相談所です。」
依頼人:「あ、ありがとうございますっ!カテリーナさん! (感極まってるらしく、おいおいと泣いている。))
うさこ:「(…姉さん、また勝手に名前を洋風にして… )あの、入っていいっスか、かえ…じゃなくて、カテリーナ姉さん…」
かえこ:「あ、やっときたのね。紹介します、ここにいるのが今回の実行役、うさこです。」
うさこ:「(もう決まってるんかい…)あ、 波野うさこです。」
よく見ると依頼人はイタリア製の高級スーツを着た青年で、どう見ても普通のサラリーマンに従事していると思えない容貌であった。
かえこ:「こちらが今回の依頼人、ミラ=シゲーヌ さん。」
依頼人:「シゲーヌです。初めまして。」
かえこ:「うさこ、こちらのシゲーヌさんはとあるゲーム会社のいわゆるお偉いさんにあたる人よ。とてもお困りのようだからぜひ力を貸してあげてほしいの。」
うさこ:「はぁ…それで…」
うさこは思った。かえこの「力をかして」は「依頼を引き受けなさい(強制)」である。
きっとろくでもないことに違いない。やな予感がする…。
依頼人:「ここからは私が説明いたします。実は、ある場所に入って、 あるものを盗んできてもらいたいのです。」
うさこ:「帰る。」
依頼人:「あっ!待って!盗むってのは言葉のあやで…話は最後まで聞いて…(泣)」
うさこ:「だったら白昼堂々と「犯罪行為をしてください」なんていわないでください。」
かえこ:「うさこ、とりあえず話だけでも。バイト料は弾むから…。」
依頼人:「実は、…
依頼人、シゲーヌは「ゲーム新商品合同ショー」に出展する
ゲームのプロジェクトチームの責任者であった。
彼自身も力を尽くし、その結果すばらしいゲームが出来上がった。
問題はその後におきた。
ショーの開催地である、セントラルパークZントラルドームに
機材を搬入し、彼は最終チェックを行っていた。
その日の作業は深夜までかかり、シゲーヌは相当疲れていた。
程なくしてドーム全体を占めるという警備員の声につられて
シゲーヌは作業を終え帰宅した。
ところが、
そのことに気が付いたのは次の日の午前10時。
彼は急いでドームの管理センターに連絡したものの、
企業同士の提携とセキュリティのために、関係者といえども
ドームには1歩たりとも入ることができなかったのである。
うさこ:「シゲーヌさんはどんなゲームを作ってるんですか?」
依頼人:「最近よく見かける足で矢印を踏んで遊ぶゲームがありますよね。あれは実はわが社のプロジェクトチームが開発したものなんですよ。」
うさこ:「あのダンスダンス何たらとか言う…。」
依頼人:「私は主に実際に踏んでもらう矢印のパターンを開発していました。」
うさこ:「街で見かけたときはなんだかすごく一生懸命がたがたと足踏みしてすごかったんですけど、みんなあんなんですか?」
依頼人:「そんなことはありません。初めての方でも楽しんでいただけるように難易度別にモードを設定してありました… あの作業の日までは。」
うさこ:「??…あの日?」
依頼人:「実は矢印の感度チェックをする際に、 私のオリジナルの矢印パターンを使用したのです。 実は最終チェックが終わった後に製品版の矢印パターンを機械に組み込まなければならなかったのですが…」
かえこ:「警備員にせかされたり、自身の疲れのあまりにその作業を行うのを忘れてしまった…というわけなのよ。」
うさこ:「当日の朝早くとかに来てちょっとやればいいんじゃ…。
依頼人:そのつもりだったのですが、何せ私個人のデータですので、かなりきわどい難易度・パターンになっています。 もうほとんど趣味で作ったものですので人前には出すことができません。」
かえこ:「そういう私的なデータだから取る人が取れば会社の新製品を 私的な理由で利用したってことにもなりかねないでしょ。そんなことがばれたらシゲーヌさんの立場 が悪くなってしまうじゃない。」
依頼人:「できれば皆さんの力をお借りして何とか穏便に終わらせたいと…。
うさこ:……」
うさこはしばらく考えた。しかし、困ってる人を放って置く訳にはいかない…。
うさこ:「あたしは何をすればいいんですか?」
依頼人:「うさこさん…」
かえこ:「それでこそ私の妹よ。依頼内容を説明するわ。」
うさこ:「話を総合すると」
製品版の矢印データのディスクを交換する。
依頼人:「ここに会場内の地図と、製品版の矢印データが入ったディスク、それに管理人専用のパスカードがあります。筐体のふたを開けるのに必要ななります。」
うさこ:「さっき説明してもらいましたけど、本当にこれで大丈夫ですか?」
依頼人:「ただし、1つだけ気をつけてもらいたいとすれば最終チェックです。どうしても音が出ますので、手前のコンソールパネルで調整したほうがいいでしょう。何せものすごい音量ですので。」
うさこ:「早速取り掛かります。」
その日の夜
うさこはあるときからかえこの手伝いをするようになった。一昔前まではかえこ自身も依頼をこなすために暗躍していたらしい。しかし、ある日からぱったりとやめてしまった。
うさこ:「余計なこと考えてると、失敗しちゃうのよね。」
人気のないドームの駐車場。裏口に一番近いところで車を止める。 裏口のドアは昼間のうちに開けておいた。最も実行したのはかえこの事務所で働いている人間であったが。
うさこ:「よく考えたら、その人に取り替えてもらえばよかったんじゃないの?」
自問自答した。昼間は別にセキュリティもかかっていないだろうし、ショーの開催日まで人は入らないことになっているのだから。
うさこ:「いまさら遅いか。」
うさこは地図をしっかり見つめ、ポケットの中にしまい込んだ。おそらくもう使わないだろう。必要な経路は全て頭に叩き込んだ。それからいつも愛用している ウサギの耳の頭巾を取り出した。
うさこ:「アメリカに来て、かえこ姉さんにはじめてもらったのがこれだっけ。」
いつものようにやや深めにかぶる。
うさこ:「コードネーム怪盗おしゃれずきん出動よ。」
うさこ:「セキュリティルームね。現在の状況は?何々?重要な通路はほとんどつかえる。ドアロックはこのボタンで解除かな?」
SE:かちゃかちゃ…(操作音)
うさこ:「念のために警備員室周辺の通路を1時間だけ閉鎖。」
機械音:「パスコード確認。セキュリティ解除。」
うさこ:「やったね。あとはシゲーヌさんのディスクを交換交換っと。」
セントラルドーム
うさこ:「たしかシゲーヌさんの会社のブースは右のど真ん中。うん、あった。」
体の前にうさこは立った。一応周りを見回したが誰一人いない。
うさこ:「これがシゲーヌさんの会社のダンスマシーン、 ダンスダンスレボリューションか。新しいのでるのね。」
うさこ:「仕事仕事。」
筐体のふたをカードで開ける。中にはパネルとおそらくディスクを収めているであろう金属の箱が合った。
うさこ:「パネルみたいので操作するのかしら。エーと、メニュー項目の、ディスク交換…これかな?」
ぱちぱちとパネルのボタンを押すとディスクを収めている箱のふたが開いた。中には シゲーヌ専用と 書かれたディスクが1枚。
うさこ:「これをあたしがもってきたやつと交換して… へへっ!簡単簡単。」
ディスクを収め、シゲーヌのディスクを回収する。
うさこ:「我ながらムーズな仕事振り。こんな依頼ばっかりだったら楽なのにねぇ。後は、ゲーム立ち上げて確認確認。そういえば、前見たときは 恥ずかしくってやらないまま終わっちゃってさー。今日は一人だから恥ずかしくないよね。」
おいおい、そんなこといってる場合か?ま、実際そういうことは多々あるけれど。
おしらせ
恥ずかしがっては始まらないぞ!まずはベーシックから第一歩を踏み出そう!
うさこ:「電源これー?」
しかし、そんなうさこの考えは3秒後にくつがえされた。ゲーム画面へ移行したその瞬間、
ふぉろぉーぁ−
(注:DYNMMITE RAVEの出だし)
ドーム中に響く大音響。
うさこ:「シゲーヌさんに言われてたのに!管理システムに気づかれちゃう。」
慌ててコンソールパネルで音を調整する。しかし、時すでに遅し。
SE:ジリリリリリリ(警報ベル)
うさこ:「げ。」
駆けつけた警備員のライトがウサギ耳 を照らし出す。
かえこねぇさーん、うさこはしくじりましたぁー。
ごめんなさいですぅ…
警備員:「く、苦しい。」
よく見るとうさこを見つけた警備員が何者かに羽交い締めされている。 謎の人:「早くしろ!」
うさこは思い切り警備員に向かってダッシュすると、警備員のみぞおちめがけてひじを突き出した。
うさこ:「 ごめーーーん!!」
ぐったりと崩れ落ちる警備員。
謎の人:「ふぅ・・・。」
うさこ:「コンセント頭…」
謎の人:「後始末して。撤収だ!」
うさこ:「はい!」
撤収後、うさこが乗ってきた車を走らせて2人はその場を離れた。
証拠隠滅、後始末に抜かりはない。ここらへんきちっとしているのがうさこらしい。
警備員に見つかったことを除けばパーフェクトであった。
うさこ:「ごめんなさい。」
謎の人:「俺の下調べじゃ、今日の警備は 1人のはずだった。」
うさこ:「もうl人、いたんだね。」
うさこがセキュリティを解除したとき、警備員室には一人の警備員が仮眠を取っていた。
しかし、防犯対策のため緊急に警備員が増員され、交代で巡回していたためにもう一人の存在には気づかなかったのだ。
巡回中の警備員はセキュリティ解除を不審に思いホールを見回ると、 案の定怪しげな侵入者がいた。そのうえうさこが作動させたダンスダンスレボリューションの音が廊下近くまで漏れていたのだ。
運良く警備員増員の情報をつかんだかえこの力によって、最悪の事態は免れたのだが。
うさこ:「コン=セント…さんでしたっけ。警備員さんあのままにして置いて来ちゃったけど、大丈夫かな?」
セント(謎の人):「大丈夫さ。ウサギにどつかれたなんて誰が信じるかよ。 」
うさこ:「あたしウサギじゃないですぅ!」
セント:「こんな耳つけててかい?」
うさこ:「う!」
セント:「
誰にだって失敗はあるさ。大事なのはそれを<
繰り返したり、癖にしないことだろ。
うさこ:「はい。」
もちろん事件は、警備員が疲れていたため幻覚でも見
たのだろうということで処理された。
かえこ:「お帰りなさい、うさこ。セント君もご苦労様。」
うさこ:「ねえさん…私…。」
泣きそうなうさこの頭をかえこがそっとなでた。
かえこ:「良く帰ってきたわね。うさこ。」
翌日
うさこ:「シゲーヌさんが送ってくれた招待状、ほんとにもらっていいのかしら?」
セント:「あちらからすればディスクさえ取り替えてくれれば問題ないって感じだったし。」
うさこ:「あ、あそこがダンスダンスレボリューションのブースだけど。」
セント:「ん?おい、うさこ」
うさこ:「あ…」
壇上には、きわめて難しいステップを踏みつつ、パフォーマンスを披露しているシゲーヌの姿があった。
うさこ:「こんなことするんだったらディスク盗んだりとっかえる必要なかったんじゃないの…(泣)」
怪盗おしゃれずきんは今日も活躍…してるのか?
おわり