途切れた手紙
A
聖櫃の材料を手に入れるのに渡ったフォレスタモール。久遠の大樹を探すためだ。
大地の傷跡に向かう途中リーザさんの牧場へ寄った。パンディットが出迎えてくれた。大人しい様子を見ると、牧場に不穏なことは何も起こってなさそうだ。パンディットの鳴き声に応じて姿を現したこの家の主も僕らを歓迎してくれた。
飛炎のこととエルクさんの話を少しした後で、リーザさんが僕に言った。
「アレク、手紙ありがとう。ギスレムから送ってくれたでしょう?ありがとね。」
「あ…はい…手紙、届いたんですね。」
手紙を書いたのをすっかり忘れてた。そっか、ちゃんと到着してたんだ。
「返事を出したかったけど、どこ宛てにしたらいいのかわからなくて。ごめんなさいね。」
「返事なんて…。」
あんなつまらない手紙に、返事をくれようとしたんだろうか?驚いてると、彼女は困ったように小首を傾げた。
「でもハンターって忙しいものね。手紙なんて迷惑かしら?」
「そっそんなことないです、でも僕なんかに、わざわざ…リーザさんこそ牧場で大変なのに…。」
「えぇ、モンスター達の世話があるからなかなか外へは行けなくて。町から離れてるんであまり訪ねてくれる人もいないでしょ?だから私もよく手紙書くの。よかったら、またもらえると嬉しいわ。」
「は、はい、僕でいいなら…。」
リーザさんが柔らかく笑うと、僕はどこか落ち着かない感じがして視線を逸らした。僕の手紙を欲しいなんて、信じられない。だって手紙って親しい人とやり取りするもので、僕はお礼を伝える為に書いただけだったのに。だけどどうしてだか、ものすごく嬉しい。特別なことを許されたような気分だ。
「ありがとう。私からアレクへはどこに送ればいいのかしら?エルクはパルテのギルドに出せば、渡してもらえるんだけど。」
彼女はエルクさんと連絡をとってるんだ。あの人は普段きっと僕達以上に世界を駆け回ってるんだろうから、よく顔を出すギルドの方が手っ取り早いのかもしれないな。でも僕みたいな成り立てのハンターがそういうことでギルドを使うのは考え物だろう。
「えっと…僕は、エテル島のサシャ村へ送ってもらえれば…。」
「エテル島の、サシャ村ね。わかったわ。」
リーザさんが繰り返すのを聞いたら急に現実味を帯びてきて、少しだけわくわくと気持ちが盛り上がった。僕宛の手紙が届く、それはとてもすてきなことに思える。優しいお姉さんが僕にも出来たような気がし、照れくさいのに笑顔を抑えられなかった。
<言い訳です>
アレクにとってまだエルクは、すごい人だなっていう認識くらいで。
ルッツと同様クレッタもアレクには大切な存在だと思うんです。
ハンターの他に、お姉さん的な人物にもなつきやすいんじゃないでしょうか。
てゆーかアレリーぽくてすみません…。