追跡者

 

 

 ハンターの行動は広い地域にまたがるもんだが、俺個人としての行動範囲はわりと狭い。用ったって知り合いのとこに顔出すくらいしかないし、仕事のついでに行けるから休みに外出る必要があんまないんだ。家に一人で閉じこもるっつーならすぐに退屈もすんだろうが、だいたいアレクも一緒に休むんで、むしろ家にいる方がいい。
 でもたまに騒ぎたいこともある。そんな時、俺達はパンディラへ出向く。賑やかなあの町は、二人で連れ立って歩いても別段目立たない。
 それに特に親しいってやつがいないのもいい。他の町にはかって知ったる仲間が散ってて、気のおけない仲だからこそ冷やかされたりちょっかい出されんのは、はっきり言ってうっとうしい。中でもパルトスは、アレクが町に入るとどこからともなくロシュフォール家の人間がやって来て、屋敷への招待をとりつけられちまうからめんどくさくてしょうがない。
 そんなわけで、俺達にはパンディラがちょうどいいんだ。
 ちょうどよかったのにな!

 

 フィニアを助け、グロルガルデを倒す為アレクの協力を得ようとしたが、どうしちまったんだか行方不明のあいつの手掛かりをアンリエッタに聞くはめになっちまった。
 俺が仕事の都合でしばらくギスレムに留まってたから、アレクは時間が空いたらこっちへ会いに来てくれてた。お互いの予定の合間を縫って約束する必要がここんとこなかったから、特にあいつの居場所を確認してなかったんだ。
 アンリエッタはアレクの行き先を、さも当然というように知ってやがった。ギルドですら調べられずにいるのに、ホントにムカつく。まぁ今回は助かったけどさ。
 それにしても、なんだってパンディラに別荘建てやがるんだ。パンディラは観光地だから金持ちが別荘持ってたって全く不思議はないけどよ。これでパンディラもパルトスのようにアレクに監視がつけられたも同然だ。
「クソ…邪魔しやがって…。」
「何か仰いまして?」
 しまった、アンリエッタ本人を目の前にしてつい。たまたまギスレムに近いこの場所にいてくれたおかげで、少しでも早くアレクの情報をつかむことが出来たんだ。それに免じて大目に見てやろうじゃないか。
「いや、ありがとうアンリエッタ。パンディラに来ててくれてよかったよ。」
「アレクさまのことならあたくしに尋ねて下さってけっこうよ。早速この別荘が役に立ちましたわね。」
「それはどういう…。」
「パンディラはアレクさま出現率が高いんですわ。それであたくしも別荘を構えることに決めましたの。」
 チキショー!計画的犯行だったのか!
 これだから金持ちは!あぁいいさ!どこへでもついてきやがれ!次はどこだ、神の塔か。別荘でも城でも作りやがれ。行ってやるよ神の塔!
 パンディラが広々とした町で人も少なかったなら、ご自慢の別荘は原因不明の火事で焼け落ちてたろうな。

 

end

 

<言い訳です>

2の頃の人達は、エルクとアレクの仲を知ってる感じで。
その人達のいる町をよけると、リノとギスレムとパンディラが残りますが、
ギスレムは特に二人で過ごして楽しい町じゃないと思うし、
リノはテオが無邪気についてきて、アレクが邪険には扱えなさそうなので、こうなりました。

 

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