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GM/プレイヤー経験点について 2001.08.18

 ちょっと話題が出たので、たぎる思い(?)をここで垂れ流しにしておこう。(笑)


 トーキョーN◎VA2ndをはじめとする一連のFEAR関連作品は、それまでの「経験点はキャラクターにのみ与えられる」という常識を打ち破り、「経験点はGMとプレイヤーに与えられる」というルールを作りだした。今回はこれについて考察してみたい。


●GM/プレイヤー経験点ルールの意図

 まずコンセプトとして「GMをするのは大変労力が必要であり、ルールでそれに酬いるべきだ」というのがあったと思う。そこで一定の基準(その多くはプレイヤーの基準)によってGMに経験点を与えようということになった。そうすると、プレイヤーはキャラにしか入らないのに、GMは人に入ることが不公平だと感じ、じゃあキャラクターではなくプレイヤーに経験点が入ることによって、セッションにおける報酬の公平さとして人に経験点を与えるようになった。

 以上が私の推論である。このような意図がルールとして適用される理由として、利点のみが考慮され、実行に移されたと思われる。


●GM/プレイヤー経験点ルールの利点

 人に経験点を与えるルールが存在する理由としては以下のようなものが上げられるだろう。



 結論として

(1)GMの労力に酬いる。
(2)GMやれば経験点が得られるので、GMをする人が増える。

というのがこのルールの狙いであろう。一見すれば良いことばかりである。公平であり、苦労に酬い、(少ないはずの)GM人口を増やす。確かに良いことばかりだが、それは”良いことしか見ていない”のであって、それに伴う弊害を考慮していないのではないだろうか?


●GM/プレイヤー経験点ルールが導入されることの弊害

 ルールを作った段階では、おそらくこの「GM/プレイヤー経験点ルール」による弊害は予測できなかったと思われる。そう、理論上は上手くいくはずである。だがそれは机上の空論でしかないようだ。なぜなら、それは実施されることで弊害を生んでいるという事実があるからである。


 まず端的に弊害となる部分を列挙してみよう。

A.GMとして経験点を得てもプレイヤーできないので使えない
B.溜まった経験点を一点集中することでマンチキンが横行する
C.他のセッションで得た経験点に信憑性がない(本物だと保証できない)
D.作ったばかりのキャラクターがいきなり化け物じみた強さを持つため、持ち込みを拒否される
E.経験点チェック用のシートをいつも用意/持ち歩く/保管しておく必要があり、セッション終了時にそれを書く手間が増える
F.経験点を得るため”だけ”に下手なセッションをするGMが増える
G.経験点を得るため”だけ”の使い捨てキャラを作るプレイヤーが増える


 以下で各項目について掘り下げて考察してみよう。


★A.GMとして経験点を得てもプレイヤーできないので使えない

 私もそうなのだが、GMばかりしている人がいる。彼らの大半は、仲間内で誰もGMをしてくれないからしかたなくGMをしているという人であろう。こういう人がこのルールを持つシステムをプレイしつづけた場合、確かに経験点は溜まっていくが、それを使う機会(=プレイヤーをする機会)に恵まれないため、その経験点は腐っていく一方である。経験点は溜めるのではなく、使うことに楽しみがあるはずだ。しかし、いくら得られても使うことができないのなら、それは存在しないのと同じである。プレイヤーできるかもしれないと淡い希望を抱いてGMをし、経験点を大量に得たとしても、それを使うことができなければ、何のための経験点だったのか。そうなった場合、虚しさだけが残り、GMをすることやTRPG自体への意欲も減衰させることになりかねない。当然、そんな思いをするルールなんてごめん被るだろうから、そのルールも廃れていくという幻滅コンボへとつながってしまう。
 私はプレイヤーよりもGMをしている時間の方が長いせいか、上記のようなことを実際に体感している。GMをしてかなり経験点を得たにもかかわらず、私がGMをやめるとぴたりと誰もプレイしなくなった。そのルールは今、部屋の片隅で埃をかぶっている。この先、そのルールで得た経験点はどうしようもない。誰も使わせてくれないのだから意味がない。


★B.溜まった経験点を一点集中することでマンチキンが横行する

 最近のルールにありがちなこととして、一定ポイントの経験点を消費するれば能力値や技能を1点(もしくは1レベル)上昇できるというルールを持っているものが多い。溜まった経験点を一点集中することによって、桁違いの能力を持つことが可能である。例えば能力値を1点上昇させるのに5点の経験点が必要だとしよう。GMとプレイヤーを合わせて20回以上セッションをしたため、100点の経験点が溜まっているとする。この経験点を1つの能力に集中すれば20点上昇させることができるというわけだ。この時使用しているルールが、作成時の能力値が平均で5〜8ぐらいだったとすると、例えば25となってしまった能力値に誰が対抗できるものだろうか。その能力値はもやは神の領域であり、その能力値を使用した判定で不可能は無いだろう。プレイヤーはその無敵さに酔いしれることができて面白いだろうが、GMからすればたまったものではない。
 この弊害の問題は、プレイヤーのモラルではないところにある。この例のように怪物的能力値を持つことは、”ルール上、何も問題ない”のである。「そんなのモラルの問題だ」と片づけてしまうのは簡単だが、これがGM/プレイヤー経験点のルールが導入されたことによって簡単に発生してしまうことが、この弊害での問題なのである。

※この問題は後述のDと直接関連を持つため、これについての細かい話はその項で語ることにする。


★C.他のセッションで得た経験点に信憑性がない(本物だと保証できない)

 セッションで得た経験点は、GM/プレイヤー経験点ルールにおいてシートやチケットという形で保管される。完全に身内同士ならどれがどのセッションのものであるかわかるだろうし、そのシートやチケットから消費された経験点は信じられるものではあるだろう。
 しかし、コンベンションや他のサークルで得たそれらは果たして本物だろうか。そのシートやチケットは、紙幣のように偽物と本物を区別することは難しい。偽造や捏造なんて簡単なことである。マンチキンな人ならそれぐらい平気で作るだろう。そのシートやチケットがセッションで本当に得たものかどうかなど、確認のしようがない。言うなれば”その経験点で作られたキャラは嘘臭い”のである。
 「そんなこと気にしなけりゃいいじゃん」と言うかもしれない。しかし、これは他のルールでも、持ち込みキャラに妙な(それでいてそんなに強くない)マジックアイテムがあり、それを許可してもらうようなものだ。本当にそれはちゃんと手に入れたものなのか、誰も保証することはできない。

 実際にはここまで気にする必要はないのだろう。世間は善意に満ちており、疑うことは悪いことであるとばかり受け取られてしまうのだろう。しかし、モラルを盾にして擁護する奴は法律の抜け道を使って悪いことしている奴と同じだと思ってしまうのは気のせいだろうか。


★D.作ったばかりのキャラクターがいきなり化け物じみた強さを持つため、持ち込みを拒否される

 「前のGMは問題ないっていってくれました」というのを何度か聞いたことがある。そう、実際に自分でGMしてるときのことだ。その時は、GM/プレイヤー経験点ルールが無いシステムでの話だったのだが、GM/プレイヤー経験点ルールが導入されているシステムでも同様のことが起こりうる。残念ながらこのような事態が発生するまでセッションを続けたことはないが、トーキョーN◎VA2ndでローテーションマスターキャンペーンをやった時は、これに極めて近い現象が発生したことがある。

 ルールどおりに作っているのだから、”ルール上は問題ない”はずである。「ルールどおりに作っているのに何が問題なんだよー」と駄々をこねる。GM/プレイヤー経験点ルールによって得た経験点は、この問題を簡単に引き起こす。私がトーキョーN◎VA2ndで出くわしたこの現象については、「キャンペーンだから」という理由で無理矢理許容されたが、その”化け物さ”が発覚した瞬間、参加者のテンションは地に落ちた。そしてそれを引き起こす原因となったのが、GM/プレイヤー経験点ルールなのである。

 こういうのはコンベンションでもありがちだろう。がんばってGMして経験点をためたけど、身内では使う機会がない。なのでコンベンションへ持ち込んでも、使っている経験点が多いとかを理由に、そのキャラを拒否されてしまう。好きなように作るための経験点を得るためにわざわざ苦労してまでGMをやったのに、これでは全然報われない。
 持ち込む場所のところを考えろという人もいるだろう。しかし、身内で拒否され、コンベンションでも拒否されたらいったいその経験点をどこで使えばいいのだろうか?


★E.経験点チェック用のシートをいつも用意/持ち歩く/保管しておく必要があり、セッション終了時にそれを書く手間が増える

 セッションで得た経験点は、GM/プレイヤー経験点ルールにおいてシートやチケットという形で保管される。その枚数たるや、煩雑この上ない。キャラシートをファイリングするのとは違い、チケット形式になっているものは紛失しやすく、コピーや切断に手間がかかる。そういう作業は暇なときにやっておけばいいというかもしれない。
 この弊害での問題というのは、セッションをすればするほど、ゴミのように膨れ上がっていくシートやチケットが、いつまでたっても必要だということである。

 前述のCとも連動する話だが、そのシートやチケットが無いと、イカサマで作られたキャラとみなされても仕方ないので、そう思われたくなければなおさら持ち歩く必要があるだろう。

 TRPGをやるには時間は必要だが、常に時間切れという事態は起きうる。これは公共の場を借りている場合などが特にそうである。GM/プレイヤー経験点ルールにおいてシートやチケットを作成するという作業は、たいていセッションを終わってからなので、セッションが会場に閉会時間ぎりぎりで終わったとすると、経験点の配布を行う暇がない。もちろん、そうならないようなGMのセッションハンドリングが必要なのは言うまでもない。しかし、GM/プレイヤー経験点ルールのおかげでいつまでたっても卓が片付かないことがありうるのだ(これについては実際に何度も体験している)。迷惑の及ぶ範囲を考えると、へたしたらサークルが出入り禁止になってもおかしくない。


★F.経験点を得るため”だけ”に下手なセッションをするGMが増える

 このケースは実際に見たわけではないが、極めてこれに近いGMには出くわしたことがある。このタイプのGMは経験点を得ることが目的なので、セッションの内容とか、もう一度GMしようとか、GMとしての向上心とかがない。このパターンに該当するGMは極めてレベルが低いといえるだろう。しかも、TRPGの初心者がこんなGMに当たってしまった場合を考えると、目も当てられない。
 このことは最初に推論した「(2)GMやれば経験点が得られるので、GMをする人が増える」という効果は全く無い。いくらGMをやったとしても、向上心のないままに目先の利益だけで動いている人がこの先もGMできるわけがない。逆にこういう人物はTRPGにとっては有害である。


★G.経験点を得るため”だけ”の使い捨てキャラを作るプレイヤーが増える

 このケースのプレイヤーはまだ見たことはないが、真っ先に思い浮かんだことでもあるので、一応書いておく。

 コンピューター版ウィザードリィのことは知らない人の方が少ないだろう。このゲームはTRPGのようにキャラを作っていく。ところが能力値を決定するポイントはランダムなため、気に入る点数が出るまでやり直すことになる。この時、どうでもいいキャラは作るだけ作っておく。そしてパーティの所持金を一人に集めるコマンドで、どうでもいいキャラから所持金を巻き上げておく。どうでもいいキャラはその後で消してしまうのである。こうすることによって初期時に潤沢な資金でスタートできるというのである。

 このケースのプレイヤーは、そのコンピューター版ウィザードリィのパターンによく似ている。作ったばかりのキャラは死にやすいので、死んでもいい適当なキャラで経験点を稼いでおき、お気に入りのキャラだけは死なないように無敵臭くしておくのだ。

 やだねぇ。こういうの。



 結論として、使えない(使い物にならない)ルールは無意味であり、存在しないのと同じである。TRPGにおいて経験点というのは切っても切れないものであるがために、GMもプレイヤーも無視できないところが歯がゆい。プレイヤーしかしない人にとっては、全然問題無いかもしれないが。

というわけで、最終的にキャラの成長ができなくなってしまうので、

そんな経験点なんて使い物にならへんやんけ!!!!

というのが私の結論である。

いじょ。


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 というネガティブ発言だけでは意味が無いので、こっそりと模索する意見も考えてみる。とりあえず私はこの方法で行くことにしている。

(1)GMの時にもらった経験点は無視する。
(2)プレイヤーの時にもらった経験点は、その時に使っていたキャラにのみ投入する。

 ということです。別にルールどおりでしょ。問題なし。



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