TRPGプレイングレポート
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ボトムズ |
| 装甲騎兵ボトムズTRPG” |
最低野郎達の狂詩曲” 2001.07.21 |
この話は『最低野郎達の鎮魂歌』の後日談ですが、私はプレイヤーだったので、例によってキャラ視点で書いてます。例によってプレイレポートというよりも、ショートストーリーになってますが。(^^;
●登場人物紹介
ウィン・シャインヒル/バトリングパイロット
前回のラストで傷だらけの少女を拾う。彼女からアランの乱心の理由を聞き出すために努力するのだが・・・。今回の主人公。
ジーン・ナイト/装甲騎兵
茫然自失のままなり行きに身をまかせた結果、事実上、カサンドラの街の有力者の子飼いになることに。今回出番少なし。
アスプ・リュード/ブルーパー
前回入手した「X・ATH−01−SOL ソルティドッグ」を更に改造。カサンドラの街の有力者の忠実なる子飼い。今回の悪役であり犠牲者でもある。
ミスレス・ベルゼー/ブルーパー
今回の”渋い役”。老年にもかかわらずATに乗りつづけるベテラン。愛機である「X・ATH−01−SSH ストーミングドッグ」は入手経路不明である。ある人物に仕えているという話だが・・・。
レイヴン・ロウ/装甲騎兵
今回の”脇役”。自分で見出した”ある目的”のためにウィンと行動を共にする。愛機である「ATM−09−DRTC スコープドッグ」は、山岳戦装備をしたターボカスタムである。
●本編
俺の名はレイヴン・ロウ。あの手この手で入手したターボカスタムを愛機に、各地をバトリングしている。カサンドラという街で新たにバトリングの興行が始まり、第1回が終了したという話を聞きつけて、俺はATキャリア(AT運搬用トラック。ATが1台だけ乗る)でその街に向かった。
どんより曇る空。遠くには戦火なのか、煙が上がっているのが見えた。荒れた街道を進んでいると、徒歩で移動している男にでくわした。ぼろのマントで顔を隠すように歩いている。地図によると街までかなりの距離のはずだが、山賊に襲われでもしたのだろうか。その背中の大きな荷物は、人を背負っているようだった。
俺はその男に「街に行くつもりなら乗せてやるが」と声をかけた。その男はあっさり乗ってきた。かすかな血の匂い。そいつの背中の荷物は15、6歳ぐらいの少女だった。しかも包帯だらけである。血の匂いはその少女から漂ってきているらしかった。怪しい。露骨に怪しい。どうみても一戦交えてATを失った直後のようだった。
街につく前に自己紹介をした。その男はウィンと名乗った。その少女を連れている理由を聞いてもはぐらかして答えようとしない。まあいい。ただの親切で乗せてやったわけじゃないからな。
途中、荷物を満載したトラックとすれ違う。運転席にいたスキンヘッドの男が鋭い視線を投げていた。そのトラックにはATは無いようだったので、様子を見に来たのか?
街に着く。おせっかいついでに、少女は俺が見ておくから、医者を探してくるように言った。ウィンは焦燥をあらわにした表情で走っていった。
やれやれ。邪魔物(?)がいなくなったところで手早く少女を調べた。まずは手。脈をとって衰弱が激しいことを確認しながら、掌や指にできた分厚い皮膚を眺めた。これはATを操縦したことのある手だ。しかも、かなりのベテランだ。分厚い部分が全ての指にあるということは、かなりのカスタムがされたATを自在に操っていることを意味している。よく見ると左手の方は変な癖があるようだ。きっとこいつのATの左腕にはあまり一般的でない武器を装備しているはずだ。
改めて少女の顔を見てみるが、まだ幼さが残っている。その見た目にそぐわない手を見て、俺はニヤリとした。俺は少女にかけられているマントをひっぺがし、ごろりとうつ伏せに寝かせた。臀部と脹脛にかなり鬱血がある。こいつはATで高機動をした時にありがちな鬱血だ。男ならほとんどわからないだろうが、こんな年頃の少女ならすぐにわかる。やはりただのガキじゃないようだな。俺は少女をもとの姿勢に戻すとマントをかけた。
ウィンを待っている間にふと目にとまったものがあった。どうやら第1回リアルバトルのチャンピオンのポスターらしい。なになに”ジーンとゆかいな仲間達”だと。笑わせるぜ。俺はニヤニヤしながら、そのポスターにペンで眼鏡と髭を書き加えた。
ウィンが戻ってきたので、医者のところまで送ってやった。ウィンは礼だといって50ギルダンを俺に握らせた。ふむ。今夜の飲み代には十分か。酒と食料を買い込み、なんとなしに戻ってくると、ウィンが街の住人達に囲まれていた。その住人の声援からすると奴は例の”ゆかいな仲間達”の一人らしい。チャンピオンがぼろを纏って負傷した少女を背負って歩く必要がどこにある?
次の瞬間。ウィンの側にいた住人の胸部が炸裂した。その凶弾はさらに隣にいた奴の脚を粉砕して地面に突き刺さる。狙撃だった。しかもかなり強力な銃での。俺はウィンに診療所の裏からガキを連れて出るように指示した。トラックを裏へ回し、ウィンを拾う。角を何度も曲がって狙撃されないように移動し、街を出た。真っ青なウィンの表情を横目で見ながら、俺はげらげら笑い出したくなる衝動をぐっとこらえた。ウィンはどうも厄介事をいくつも背負ってるらしい。俺が事情を聞くと、ウィンはすらすらと答えてくれた。失敗に終わった護衛、行方不明になった隊長、バトリング、そして襲撃。傷だらけの少女を連れているのは、ウィンの信頼していた隊長が乱心した原因を知っているかもしれないということだけが理由だった。己の心の霧を晴らすためのわりには、支払うものが多すぎるんじゃないのか。バトリングチャンピオンのくせに命を狙われる。ウィンは命を狙われることに心当たりがあるようだった。ここで交渉。俺の報酬1万という要求に対し、ウィンは前金1万、全部で2万という回答をした。やけに太っ腹だな、こいつ。いや、自棄(やけ)なだけか?
街を出た直後にどこかで見たトラックが並走してきた。その運転手はあのスキンヘッドの男だった。そういやこいつ、さっきも居たな。その男はミスレスと名乗った。しかも「手が必要なら貸すぜ」と。単なるお人好しじゃねぇ。計算と打算、そのにやけた表情の奥には確固たる目的がある。簡単に相談し、ミスレスに合流ポイントを指示すると、ウィンのATが隠してある場所まで急いだ。
途中で高出力のグランディングホィール音。アイアンクローを装備したATがバックミラーに映った。その無表情な固定式ターレットレンズには殺気がみなぎっていた。トラックの運転をウィンにまかせ、俺はATに飛び乗った。ウィンを殺すために速効で追いかけてきたってわけか。ウィンのATが隠してあるところはまだまだ先だ。ウィンの生死はこの際、俺にはどうでもよかったが、金をもらう必要があるのと、面白そうなネタ(=少女)を紛失するのは面白くない。俺はATを起動させるとトラックから飛び降りた。相手は1機だ。勝つ自信は十分ある。茂みを遮蔽にとり、俺は間合いを一気につめた。ターンピックで急旋回し、相手の横っ面にアームパンチを叩き込む。左腕に感じる鈍い衝撃から、そのATはこっちより重いことがわかった。当然、反撃が来ると思ったのだが、そのATはトラックに襲いかかった。しかも俺に背を向けて。どういうつもりだ?!
そのATのパイロットの射撃の腕はなかなかのものだった。この荒地でローラーダッシュしながら、しっかりと集弾させている。ウィンはかろうじて急所をはずすようにハンドリングするだけで精一杯のようだった。トラックの荷台はあっという間に穴だらけになった。
そのATの背中に向かってトリガーを引く。そのATはバックパックに被弾しながらも俺の方を向こうとはしない。どうやらウィンを殺すのが最優先らしい。逃げ切れないと悟ったウィンは、少女を掴んでトラックから飛び降りた。茂みに駆け込むウィンにマシンガンの雨が降る。奇跡的にそれを回避したウィンは茂みに飛び込んで伏せた。
センサーに反応2。横目で確認するとATをぶらさげたヘリだった。新手か? どうにも分が悪いぜ。その2機のATが接近するまえにかたをつけるべく、俺はペダルを踏み込んだ。
意外にも降下してきたATの1機はミスレスだったらしい。奴は通信を入れてきて、俺のATの位置を聞いてきた。適当に答えてやると、ロケット弾が1発、山なりに飛んでくる。そのロケット弾は命中し、そのATの肩アーマーを弾き飛ばした。
気が狂ったかのようにウィンに武器を向けるAT。俺は背後から接近し、つかみ掛かった。一瞬避けるようなそぶりを見せたが、逃げられるわけがない。俺はそのATの腰に銃口を付け、トリガーを引いた。俺が狙ったのはATの心肺機能の中枢。コンプレッサーの横のPR液バルブのある部分だ。これで間違いなく奴は火だるまになるはず・・・だった。しかし、奴が直前に動いたせいか、表面の装甲を弾け飛ばしただけだった。ちっ、このAT、見掛けに依らず硬いな。
そのATはスピーカーでウィンに降伏を迫っていたが、その殺気が嘘だと物語っている。ふざけやがって。これじゃあ、戦った気がしねぇ。ヘリから降下したもう1機のATが、ミサイルを発射。俺の目の前でアイアンクローの付いたATは爆散した。
ウィンが茂みから出てきた。ミスレスともう一人が合流し、顔を突き合わせる。最後にミサイルを放ったATのパイロットはジーンという名前らしい。さらに話を聞くと、先ほど爆散したATのパイロットはアスプという名前で、例の”ゆかいな仲間達”の一人らしい。俺はジーンにこう言ってやった。
「昨日まで味方だった奴に向かって躊躇なく引き金が引けるのか。気にいったぜ。」
ジーンはそれに笑って返す。どうやら皮肉が通じないようだ。奴はある種のツワモノらしかった。
あとはつまらん話ばかりだ。ウィンは結局入院。ジーンは飼い主から別の仕事を受けて出撃。俺はミスレスにあの少女の話をしつつ、ミスレス自身がどういう人物なのか見極めようとしていた。
●プレイヤーの感想
GMは「予定と違う〜」と叫んでおりました。といわれても五者五様の導入の上、みんな一見協力的かつ好き勝手に動いていたので、プレイヤーサイドからは全然予定どおりだったりするが。
最後にジーンが受けていた仕事では、アランの亡霊と戦ってたらしい。でも時間切れ。なんだか更に続きがありそうな終わり方でした。
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