TRPGプレイングレポート
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めざめ |
| ダブルクロス” |
覚醒しモノ” 2001.07.28 |
最近出たばかりの新作です。なんと、自分でGMする前にプレイヤーできました。\(^^)/ なので例によってキャラ視点で書いてます。まだルールを読み込めてないので、解析レポートはそのうち雑記帳に書きます。
そうそう、捕捉事項があったら例によって掲示板とかでお知らせください。>みなさま
後でこちらに転載します。
●登場人物紹介(PC)
七海 優(ななみ ゆう)/17/女
シンドローム:ブラム=ストーカー・ブラム=ストーカー
ワークス:UGチルドレン
カヴァー:高校生
UGNの学生エージェント。血を使って剣と鎧を作って戦うことを得意とする。出番はそれなりにあったのだが、システムに不慣れなせいか思うようにキャラが動かせなかったようだ。序盤の戦闘で侵蝕率が上昇しすぎ、最後の戦闘に入る時点で100%を越えることに・・・。
黒 四十(えい すーしぃ)/28/女
シンドローム:ハヌマーン・ソラリス
ワークス:暗殺者
カヴァー:教師
中華系キャラ(すいません、出身地は忘れました)。UGNには雇われている状態で、所属しているわけではない(UGイリーガル)。序盤はルールミスのため大苦戦。能力の組み合わせが悪いわけではなかったのだが、ミスリードによりかなり酷い目にあう。中盤はキャラに泣きが入ってました。
焔野 玲司(ほむらの れいじ)/17/男
シンドローム:サラマンダー=サラマンダー
ワークス:格闘家
カヴァー:不良学生
今回の主人公。熱血系の不良学生。さぼったり喧嘩を売ったりするのが基本。格闘家の祖父に鍛えられたおかげで運動能力は高い。流音(るね)という名前の妹がいる。
GMが発症前からスタートだというのでいやおうなしに主役に。発症するのはラストの戦闘直前なので、それまで他のPCが侵蝕率の上昇でヒーヒー言っているのを涼しい顔で眺めていた。最後に純血種(で一点集中)の強さが爆裂する。(笑)
●登場人物紹介(NPC)
焔野 流音(ほむらの るね)/14/女
玲司の妹。世話焼きでおせっかいで甘え上手。その上料理も上手いので、一部の連中には非常にウケが良い。年齢の割に背が低いのをちょっと気にしている。しかし、運命の歯車は彼女を引き裂く方向へ回るのだった(本編参照)。
高木 敦也(たかぎ あつや)/17/男
玲司の悪友。微妙に丁寧な態度がしゃくに障るちょっと嫌なやつ。玲司と同じく授業サボリ系の不良である。ある意味、今回の最大の犠牲者はこいつかもしれない(本編参照)。
”ライトニングソード”(本名不明)/?/女
謎の女。UGNのエージェントらしい。ポーカーフェイスを気取るのが得意なようだが、切れると恐いタイプのようだ(玲司談)。
●本編
それは平凡な学校の帰り道のことだった。俺は心の底で密かに苛立っていた。原因は目の前を歩いている。歩いているのは悪友の敦也と、俺の妹の流音だ。二人は最近、妙に親しげに話すようになった。元々、甘え上手な流音にひっぱられていっしょに帰っていたのだが、それに敦也が加わり、そのうち俺がはみ出すようになってきた。俺が通学しているのは決して治安の良いところではなため、ボディーガードということでいっしょに帰っていたのだが、最近はお目付け役になりつつあった。最初は兄妹という手前、なんとも思わなかったのだが、最近は無性に腹が立つ。俺は怒りのやり場を探しつつ、二人の後ろを歩いていた。
突然、道の角から何かが飛び出してきた。それは身長が2mもある人間の出来損ないのようなやつだった。流音が悲鳴を上げてへたりこむ。情けないことに敦也もあまり変わらない状態だった。俺はすぐに化け物と流音の間に割って入った。冷静に判断すればこんな化け物と戦う方がどうかしている。しかし、その時の俺には怒りのやり場が来たという認識しかなかった。その化け物が唸る。
「うるせー、この苛立ちをてめーにぶち込んでやる!!」
俺は間合いを計りながら蹴りを放った。化け物は体格に似合わず俊敏で、俺の蹴りを難なく避わす。体勢が崩れた俺に、化け物の歪んだ鉤爪が振り下ろされた。俺は一歩引いて回避しようとしたのだが、鉤爪が俺に届くまえに、誰かが割って入ってきた。その人物は化け物の鉤爪をまともに食らって地面に叩き付けられる。よく見るとそれは黒(エイ)先生だった。おいおい、何で教師がこんなところに?
黒先生は何を思ったのか、再三、俺をかばって鉤爪を受けた。嘘だろ、あんなのを食らったら立ってられねーぞ。
「おい、先生、下がってろ!!」
黒先生は返事もせず、力尽きたのか大人しく下がった。俺はかたきとばかりに化け物に拳を打込んだ。しかし、かなりいい当りだったにもかかわらず、化け物は倒れなかった。次の瞬間、真紅の切っ先が化け物を両断した。そこにはうちの制服を着た女生徒がいた。よく見ると同じクラスの七海じゃねーか。彼女の手から瞬きする間も無く赤い剣が消えた。
見るからに怪しいクラスメイトだが、とりあえず無視し、先生の様子を見た。疲弊はしているようだが、たいしたことないらしい。・・・おい、胸元が破けてるじゃねーか。俺は大丈夫かと声をかけながら制服の上着をかけてやった。先生はなにやら悔しい表情をしているが、俺には何も答えてくれなかった。
俺は先生を放っておいて、流音の方へ行った。幸い、怪我は無いようだ。俺が守ったんだから当たり前だが。敦也はまだ腰が抜けているようだった。嫌な予感がしたので、俺は流音の手を掴むとさっさと家に帰った。この時点で先生、七海、敦也はほったらかしだった。
次の日、俺はめずらしく1時間目から教室にいた。いつもならその日の気分でサボっているのだが、今日は確かめることがいくつもあった。まず七海だ。ちゃんと学校には来るやつだったと思うので、いるかと思ったのだが、奴は来なかった。仕方ないので黒先生の方をあたる。先生がいつも根城にしている情報処理準備室へ向かった。ドアをガシガシ叩くが無反応。音も聞こえない。まあいい、黒先生の授業は3時間目にあったのでそれまで待つか。
2時間目、七海が来たので、授業中にノートを千切って手紙を投げた。昨日のことを聞き出すつもりだった。しかし七海からの返事は無し。シカトしてんじゃねぇぞ、コラ。授業が終わったら即教室から引っ張り出す。昨日の化け物と七海の持っていた得物について問い詰めるが、おびえたフリして答えない。くそ、ふざけやがって。七海を壁に押し付け、彼女の顔面横の壁を強打する。七海はさらにおびえたようだが、答える気はないらしい。再三、説明をしろと言った。10秒待ってみる。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0。・・・俺は七海から聞き出すのを諦めた。
3時間目。黒先生から昨日の件の説明を得るべく、再びノートを千切って手紙を用意する。ところが、授業開始早々、七海が気分が悪いと手を挙げた。ウゼェな。さっさと出て行きやがれ。保健委員は誰だと思ってると、みんなが俺を見る。先生が指示棒で黒板の隅を指すと、そこには俺が保健委員だということになっていた。どうやら俺のいない間に勝手に決めたらしい。俺は机を蹴飛ばして立ち上がると、折りたたんだ手紙を先生に向かって指弾の要領で飛ばした。後は七海の肩口を掴んでそのまま引きずっていく。教室はざわめいたが、俺の知ったことか。七海を保健室に放り込むと、そのままサボることに決めた。
さてどこへいこうかとしばらくウロウロしていると、七海が校舎から出て行くのを見かけた。なぁんだ、やつもサボリか。後をつけてみると、30歳ぐらいの女と合流したようだった。その足元には誰かが倒れている。倒れているのはうちの女生徒らしかった。俺は昇降口の掃除箱からモップをとりだすと、物影から様子をうかがった。会話は聞き取れないが、普通じゃない会話をしているのは確かだ。七海の態度を見ていると、その女が親玉らしい。その女は倒れている女生徒を車に入れると七海と別れた。
俺はチャンスとばかりに車の前に出た。車は俺の10cmほど手前で停車する。
「おい、てめぇなら昨日のあの化け物がなんなのか説明できるんだろ?」
俺はボンネットに足をかけながら叫んだ。女が窓を開けて顔を出す。
「あなたは関わらないほうがいいわ。」
「うるせぇ。もうかかわってんだよ!!」
俺はその女と押し問答するが、答えをはぐらかされてしまった。結局何もわからなかったことに腹が立ち、発進寸前の車にモップを投げた。ところがモップは車にぶつかる前に砕け散った。電光が空気を焼くオゾンの臭いがした。
「馬鹿なことは考えない方がいいわ。」
「ふん、墓穴を掘ったな!!」
その女も七海と同じようなことができるらしかった。
俺は午前中いっぱい、屋上で昼寝をすることに決めた。しかしそれは救急車のサイレンの音に邪魔された。見るとグランドに救急車が入ってきている。ふと先ほどの倒れていた女生徒のことが頭をよぎった。即座に野次馬に混じって手近なやつから話しを聞いてみる。どうやら通り魔が出たらしい。なんだか物騒になってきたな。
昼休み。俺の通う藤沢学園は、同じ敷地に中等部と高等部が両方ある。大きな食堂が1つあり、そこにはどちらからも来れるのだ。俺はとりあえずうどんを買って空いているテーブルについた。そこへ同じようにどんぶりを持って敦也が現れた。
「よう。」
「おう。」
「あ、見ぃつけた。お兄ちゃん、はいこれ。」
同じようなタイミングで流音が現れ、弁当を差し出した。3人そろって飯を食い始めるものの、話題は当然、昨日のことになった。しかし起こったことが非現実的すぎて、話はちゅうぶらりんになってしまう。
食事が終わったところで、突然、後ろから折った紙が差し出された。後ろの席で食事していたのは黒先生だったらしい。「今朝の返事よ」と、一言だけ言って、先生は食堂を出ていった。手紙には「放課後、情報処理準備室へ」と書かれていた。敦也と流音は手紙を見て遠慮したのか、二人で別の話題に移っていた。
敦也が二人かがりで七海から聞き出してみようと持ち掛けてきた。そりゃいい。俺達は実行に移した。敦也が丁寧な態度で説明を要求しつつ、俺がさりげなく退路を断つ。こういう意地悪な事だけは妙に息が合うのだった。敦也があの癪に障る丁寧なセリフ回しで説明を要求すると、七海は昨日のことをべらべらとしゃべり出した。あの化け物はウィルスで暴走した人間だということ。自分はUGNのエージェントで、血を使って剣を作り出せること。そんな能力を持ったものが他にもいること。
聞くには聞いたが、だからといってどうなるものでもなかった。とりあえず帰り道には気を付けるようにしないとな。
放課後。俺は情報処理準備室に行った。そこで待っていたのは黒先生とあの謎の女だった。説明はその女がした。レネゲイド・ウィルスの事、一般には情報が伏せられている事、昨日の化け物はジャームといって暴走したやつだという事。そして自分も発症する可能性があるという事だった。俺が半分ぐらい知っていることをほのめかすと、誰から聞いたのかと問い詰めてきた。遠回しに七海だということを言うと、その女は「後でお仕置きが必要ね」とつぶやいた。おいおい、あんまりできたやつじゃないみたいだな、この女。
その女は「何かあったら連絡を」と名刺をよこした。俺はろくに見ずにそれをポケットに入れた。
真相はだいたいわかった。化け物のことは奴等みたいな専門家にまかせておけばいい。俺はいつものように中等部へ流音を迎えにいった。いつもなら流音の方が来るのだが、昨日の今日だげに警戒する必要があった。ところが待てども流音は出てこない。先に帰ったのかと思い、いつもの帰り道を思い出しながら道を急いだのだが、どこにも居なかった。家にも敦也の家にも居ない。まさか、何かに巻き込まれてるんじゃないだろうな。
学校の方へ引き返している途中で黒先生に会った。開口一番、「流音は見つかった?」だと。俺が問い詰めようとすると先生はスクーターを急発進させる。俺はすかさずスクーターの後部を持ち上げて引き止めた。・・・おい、先生、シクシク泣いてんじゃねぇぞ。話てみると、今日だけで3人死んでおり、新たに発症したものがいるらしかった。それはやばい。現状から考えると流音が巻き込まれている可能性が大だ。俺は途中で先生と別れて学校の方を探した。流音は敦也といるはずだ。高校生と中学生のカップルなら目立つはずなので、片っ端から聞き込みをする。すると用務員のおっさんが古い校舎の方へ行くのを見たを教えてくれた。
古い校舎へ入ると、俺の心臓はドクンと鳴った。全身の細胞がチリチリしやがる。俺は導かれるようにある教室へ入った。そこには敦也が座っていた。その膝の上にはぐったりしている流音がいた。しかも素っ裸で。
「てめぇ!」
俺は机を蹴飛ばし、椅子の1つを掴んだ。
「やあ、遅かったね。」
「流音に何しやがった!!」
「ああ、頂いたよ、もちろん。」
「・・・流音が自分でお前のことが好きだというのなら俺も何も言わないつもりだった。だがそれはなんだ!! てめぇはやっちゃならねぇことをやったんだ!!」
ドクン。俺の体から炎が噴き出した。それは熱気ではなく本物の炎だった。俺は一気に踏み込んだ。振り下ろす椅子が炎に包まれる。敦也はそれを右腕で受け止めた。普通なら骨が折れるほどの打撃のはずだが、敦也の腕は赤い鎧のようなものに覆われていた。
「お前もようやく覚醒したのか。どうだ素晴らしいだろう。」
「・・・」
「馬鹿な考えはやめろ。この力を使って好き放題やろうじゃないか、はっはっはっは!!」
「・・・許さん!!」
俺は椅子を投げ捨てると炎を纏った拳をくりだした。その時、敦也の口元がニヤリと歪むのに、俺は気がつかなかった。俺の拳がやつに届く前に、その間に何かが割って入った。それは人形のように生気の無い流音だった。そして俺の踏み込みは深すぎた。拳は流音の胸に突き刺さり、纏う炎は瞬時に流音を消し炭に変えた。
俺の中で何かが消えた。活性化するウィルスが心までも焼き尽くしたのか。そして俺の心は憎悪で満たされた。
「殺す!!!」
俺は一声唸ると、手近な椅子を掴んで敦也に投げつけた。俺の手から伝播した炎が、椅子を途中で灼熱の塊に変える。敦也はそれをくらって壁まで吹き飛んだ。服は燃え上がっているが、やつの火傷は瞬時に消えた。
「はっはっはっは!! この程度で殺されはしないよ。」
敦也が腕を一振りすると、真紅の剣が出現した。俺は一気に踏み込んで足刀を敦也の胸元に打込んだ。敦也は壁に吹き飛ぶが、瞬時に傷を再生して立ち上がった。
「なら再生できなくなるまで殴り倒してやる!!」
敦也が剣を振り回す。俺は難なくそれを回避した。幼いころにじじいに仕込まれた格闘技が、俺の動きを俊敏にしていた。俺の動きは早すぎ、敦也の動きは遅すぎた。剣の攻撃を難なく回避し、顔に、胸に、腹に拳を叩き込む。敦也は殴り倒されるたびに傷を再生して立ち上がってきた。誰かの援護射撃なのか、銃弾が敦也を襲った。しかし、その銃弾は敦也の纏う赤い鎧にはばまれた。続いて七海が剣で割り込んできた。俺はこのチャンスを逃さなかった。敦也が七海の攻撃を防ぐために体勢を左へずらした瞬間、俺は敦也の死角になる右側に回り込んだ。そして振り向く敦也の顎の付け根に白熱化させた拳を叩き込む。骨の砕ける手応えとともに、敦也は体をきりもみさせながら倒れた。
思い出したように教室のスプリンクラーが作動した。俺が撒き散らした炎があちこちでくすぶって煙りを上げる。うめきながら崩れ落ちる敦也に背を向け、俺は流音のところへ行った。流音は見るも無残な姿になっていた。黒先生が慰めるように後ろから抱きしめてくれたが、俺の心は焼き尽くされた荒野のように空っぽだった。
敦也と流音は交通事故だということにされた。仕事のために別居していた両親が帰ってきて葬式をした。俺は一言も話さずにいた。葬式には七海や黒先生、そしてあの謎の女(とその部下らしい男達)が来ていたが、一言も会話しなかった。俺はその夜、荷物をまとめて家を出た。行き先もあても無いままに。
その後、「焔野 玲司」の痕跡は途絶える。当時の事件の担当であるUGNのエージェント、コードネーム”ライトニングソード”が密かに彼の追跡調査を行うことになった。彼がUGNの記録に現れるのはそれから3年後のことである。
●プレイヤーの感想
初めてだったわりには異様に上手くキャラが回りました。序盤のジャームとの戦闘なんて、他のPC2人がぼろぼろにされて何度も再生する中、発症していない自分のキャラだけがまともにに戦えていたという驚異の事実があったりする。GMがやたらめったら沢山ダイスを振ってるのに、私のキャラは無傷でした。なぁんだ、ダイスさえ回ったらエフェクト無しでも戦えるのね。
最初は行為判定のしかたに戸惑うものの、慣れてくると振り足しが楽しい。今回は自分のキャラは発症前からスタートだったので、”侵蝕率ってなに?”ってな感じ。でも他のPCを見ていると、あっという間に侵蝕率が上昇していくので、シナリオの展開を上手くやらないと回らないシステムだと見た。
ルールそのものは簡単で、その元となる『ワイルドカード』と『ARMS』を読んでいたこともあり、すんなりプレイできました。エフェクトと呼ばれる特殊能力も、基本的にツボを押さえたものが多く、あまりキャラの枷にならないんですな。あとロイスも思った以上に好感触。このあたりは解析レポートで詳しく書くとしましょう。
シナリオ自体は典型的なダブルクロスのシナリオだといえるでしょう。離別と裏切り、そして覚醒。ネタとしても典型的なもののオンパレードですな。しっかし、いきなり妹を殺してしまうか。まあ覚醒には十分な衝撃なのでいいとしますか(よかないって)。
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