TRPGプレイングレポート


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ダブルクロス”希望の片鱗” 2001.08.04

●登場人物紹介(PC)

美作 桃萌(みまさか ももえ)/11/女
 シンドローム:ノイマン・ソラリス
 ワークス:小学生
 カヴァー:高校生

 芸能人の親を持つ天才少女。外国で育ち、日本に帰国。学力はスキップできるほどあり、超特例により小学生でありながら高校生として通学している。何度も誘拐されたことがあり、それがトラウマになっている。
 プレイヤー曰く”巨乳小学生”らしい。元ネタがよくわからないので、これについてはなんとも言えない。


”ブラッディ・フェスティバル”血祭 幽(ちまつり かすみ)/17/男
 シンドローム:ブラム=ストーカー・エグザイル
 ワークス:占い師
 カヴァー:高校生

 名は体を表すという典型(?)。すなおに「血祭君」と呼ぶと、なにやら殺人鬼っぽいので、姓で呼ぶのは抵抗がある。今回のPCの中で、唯一、エフェクトを縦横無尽に使っていた(後でルールミスがいくつか発覚するが)。


”イフリート”都筑 明(つづき あきら)/17/男
 シンドローム:キュマイラ・サラマンダー
 ワークス:UGNエージェント
 カヴァー:高校生

 ファルスハーツの実験によって発症したオーヴァード。恋人を救うためにUGNに協力している。恋人はレネゲイドウィルスによって暴走したことがあり、現在コールドスリープで保管されている。


”アモン”大髪 武(おおがみ たけし)/18/男
 シンドローム:キュマイラ・キュマイラ
 ワークス:UGNエージェント
 カヴァー:不良学生

 斜に構えた不良学生(の仮面を持つ男)。基本は不動アキラらしい。キュマイラ純血種として強力な戦闘能力を持つが・・・。


●登場人物紹介(NPC)

”ライトニングソード”シェリス・ファーレン/年齢不詳(外見は20代後半)/女
 シンドローム:ブラックドッグ・ノイマン
 ワークス:UGNエージェント
 カヴァー:謎の女

 UGNのエージェント。明の上司である。


●導入、あるいは非現実的日常への一歩

 桃萌はその場違いな容貌から、常に好奇の視線にさらされていた。どうみても小学生の彼女を、高校生である周囲の人達が素直に受け入れるわけがない。様々な噂が流れる中、彼女の高校生活にヒビが入ろうとしていた。
 嫌らしい視線を感じて振り向くと、角から誰かがこっそり見ているのに気付いた。相手を確かめてやろうと次の廊下の角まで急ぎ、相手が現れるのを待ち伏せするが、来たのは先端に眼の付いた触手だった。その視線が嫌な過去を思い出させ、その不安に反応してか体のあちこちがチリチリするのだった。桃萌は不安を跳ね除けるべくその触手を踏みつけた。触手はすぐに引っ込む。桃萌はその相手を探してみるが、逃げられたしまったようだった。


 周囲が紅に染まる夕刻、幽は一人の女生徒から占ってほしいと頼まれた。すでに3年生である彼女は、よくあるように将来どうすべきか迷っていた。しかし、占いを求めるものがそうであるように、必要なのは占いの結果ではなく、相談を聞いてもらい、アドバイスをして欲しいだけなのだ。幽の占いはタロット占いだが、占う相手の血を触媒にするという、オカルトチックなものだ。その女生徒は迷うものの、結局占ってもらうことにする。結果は「前途多難。他人からの助言が迷いを招く。自分で結論を出すべし」となった。


 放課後、明は直属の上司であるシェリスからの呼び出しを受けていた。彼はシェリスの呼び出しに不機嫌そうな顔で対応する。シェリスは明に封筒を渡すと、調査を開始するように指示した。中身は10数枚の火傷を負った部分写真と、その時刻や場所を記したレポートだった。最近、部分的に火傷をする者が多発しており、サラマンダー・シンドロームに発症したものの仕業らしかった。明は同じ能力を持つことが逆に適任だと判断されたらしい。


 朝。武はポストに封筒が入っているのに気が付いた。中身はUGNからの依頼書だった。それによると、研究所内で、ソラリス・シンドロームの発症者に、レネゲイド・ウィルスを沈静化する酵素を生成できる可能性が指摘されたというのだ。これがもし本当なら、ジャーム化した者を元に戻したり、ジャーム化を防ぐことができるかもしれない。武に課せられた使命は、ソラリス・シンドローム発症者の発見と保護だった。


●交差、あるいは理不尽なる闘争と逃走

 明はすでに日課となっている恋人の見舞いに向かった。半ばUGNの研究室となった病院の一角。普通の患者は立ち入ることのできない区画に、明の恋人、水森 恋(みずもり れん)は眠っていた。明が発症した際、恋はそのあおりを受けたのか、暴走してしまう。なんとか暴走を押え込んだものの、恋は意識不明となり、暴走の再発を防ぐためにコールドスリープをすることになった。コールドスリープはUGNからの申し出であり、恋は治療という名の研究材料となっているのだった。明は恋が暴走したり、誤って殺されてしまうかもしれないという不安に苛まれていた。
「恋はどんな状態なんだ?」
「いつもと変わらんよ。今のところは安定している。」
明と恋の担当医(研究者)とのいつもの会話だった。明は「恋にもしものことがあったら!!」と苛立ちをぶつける。いつもならこれで終わりのところだが、その担当医は思うところがあるらしく、明を別室に呼んだ。
「朗報となるかどうかはわからないが、極秘裏にあるミッションが進行中だ。知りたければ、コードネーム”アモン”に接触してみたまえ。」
明は不信感をあらわにしつつ、病院を出た。


 夕暮れ。武は駅のコインロッカーにいた。朝の封筒にはカギが入っており、それに合うロッカーを探しあてた。中には小さな小包。その中身はレネゲイド・チェッカー(レネゲイド・ウィルスの活性状況を感知できるサングラス)だった。
 明はコードネーム”アモン”に心当たりがあった。それは同じクラスの「大髪 武」のことだ。駅で武を見つけた明は、後を尾行しようと身を潜めようとしたのだが、あっさり武に見つかってしまった。
 ライバル意識のある二人は、お互いに牽制しながら相手のミッションを聞き出し、情報があれば知らせるという約束ととりつけた。しかし、お互いに警戒しすぎたのか、明は武のミッションの本当の目的を聞き損ねたのだった。


 明と別れた武は、まずは心当たりから回ってみることにした。確か同じクラスにいるガキ(=桃萌)はそれらしい能力を持っていたはずだ。商店街で桃萌を見つけた武は、彼女の後を付けはじめた。
 昼間のこともあり、警戒していた桃萌は武の尾行にすぐに気が付いた。わざと角を曲がり、物影に隠れる。知っている顔ではあるものの、それゆえに余計に警戒心が働いた。
 武はすぐに角を曲がるが、桃萌の姿はなかった。あきらめて立ち去ろうとする彼の背中に、何か硬いものが押し付けられた。

「いったい何のつもり? なんで私をつけるの?」

 桃萌が手にしているのは、ある時にこっそり手にいれた拳銃だった。普段ならそこまでしなかっただろうが、学校でのこともあって、彼女は過剰警戒していた。説明を迫る桃萌に対し、不意を打たれたことによる苛立つ武は、桃萌の銃を取り上げるべく動いた。しかし、桃萌は反射的に引き金を引いた。銃弾は武の背中に命中し、彼は地面に倒れる。
 武の中のレネゲイド・ウィルスは、瞬時に活性化し、銃弾の傷を防ぐと同時に、銃弾によるショックも払拭する。武は立ち上がり、袋に入ったままの木刀で桃萌を殴り付けた。武の心は手加減するつもりだったかも知れないが、体の方は全くその気がなかったらしい。ぐしゃりと音を立てて桃萌は壁へ吹き飛ぶ。桃萌の中のレネゲイド・ウィルスも、同じように桃萌の体を瞬時に再生して立ち直らせる。そこからしばらくは泥沼のような戦いとなった。両者は一歩も引かず、打撃音と銃声が響いた。
 路地とはいえ銃声が響いていたら誰かが駆けつけそうだが、オーヴァード特有の結界能力”ワーディング”が、普通の人間を近寄らせないようにしていた。

 明は帰る途中でレネゲイド・ウィルスの活性反応を感知したため、その反応源に急いだ。そこにはオーヴァード同士の凄まじい戦いが繰り広げられていた。自らの活性反応でその戦いに割って入るべく、明は腕を鉤爪に変形させて怒鳴った。
 桃萌の意識は、邪魔が入ったのではなく敵がもう一人現れたと認識した。レネゲイド・ウィルスの活性化は限界に近くなっており、彼女は本能的に逃走を選択した。しかし、武は逃がす気はなかった。レネゲイド・チェッカーは桃萌がソラリス・シンドロームの発症者であることを感知していたが、同時に侵蝕率がレッドゾーンに達していることも知らせていた。武には例の条件に該当するかぎり、確保する必要があった。
 幽は占いを終えたあと、のんびりと帰宅の途についていた。彼も明と同じく途中で活性反応を感知したので、その方向へ向かってみた。そこには剣呑な雰囲気のクラスメイト3名。その雰囲気と各自のポジションから割って入ったのだが、その瞬間に桃萌が脱兎のごとく逃げ出した。こじれた状態を元に戻すのを諦めた武は、桃萌を追うのをやめた


●決着、あるいは虐殺と発症

 ふと見ると商店街を、先ほど占ってあげた女生徒があるいているのを、幽は見つけた。彼女は本屋に寄ると、店先の雑誌を立ち読みし始めた。ところが、それを付け狙うかのように見ている男がいた。男は後頭部の髪の一部が触手になっており、それがその女生徒の足元まで伸びていた。幽は自分の血から自分そっくりの血の従者を作り、その触手を踏みにいかせた。従者は触手を正確に踏みつけ、男からは悲鳴が上がった。ところが次の瞬間、男は口から炎の弾丸を発射した。それは気付かないふりして本屋に入ろうとしていた幽の従者の背中に命中する。従者は炎の弾丸の勢いに耐え切れず、一瞬で消滅した。入り口とはいえ店内に飛び込んだ炎の弾丸は、店内のスプリンクラーを作動させてしまう。例の女生徒は、びっくりして走って逃げた。
 明はその男が炎を発射したことで、今回の火傷事件の犯人であるかもしれないと仮定付けた。

 何気に見ていると、触手男は女生徒の後をつけていくのに、幽は気付いた。明と武に状況を説明すると、二人とも様子をみるべく、幽とともに後をつけていくことにした。
 明はふと、商店街のわりに人がほとんどいないことに気が付いた。

「ワーディングか?! しかし、あの子は範囲内に入ってる・・・?」

 状況を理解した3人は行動を開始した。この先の展開はだれでも想像がつく。武は女生徒を確保。明は触手男と対峙。幽は翼を持った血の従者を作ると、自分を掴んで飛翔させた。幽は空中から明を援護するポジションにつく。

 触手男に詰問するため、進路を妨害するように回り込んだ明は、即座に戦闘に突入することになった。明は手を鉤爪に変形させ、その上に炎を纏わせる。強烈な一撃で、触手男を地面に叩き付けた。触手男は瞬時に傷を修復して立ち上がる。

 女生徒を守べく接近した武は、後方で発生した戦闘の衝動が周囲を満たすのを感じ取った。彼女に一声かけて引き止めた瞬間、彼女から活性反応を感じ取った。その女生徒は目つきが変貌し、武を睨み付ける。レネゲイド・チェッカーは、その女生徒がソラリス・シンドロームの純血種であることを知らせていたが、その侵蝕率は急激に上昇し、イエローゾーンを突破しつつあった。このままではジャーム化する可能性が高い。武は不慣れにも彼女を正気づかせるために説得を試みた。

 幽は明を援護するためにもう1体従者を作成し、それに射撃能力を付与する。明が地上で攻撃する一方、空中から従者を使って援護射撃を行う。触手男は従者の血弾攻撃を回避すると、幽に向かって炎の弾丸を発射した。幽は炎の弾丸の直撃を受けて意識が飛びそうになるが、レネゲイド・ウィルスが瞬時にダメージを修復し、幽の意識を保つ。

 武の周囲に突然、大量のネズミが集まってきた。ネズミ達はその女生徒に津波のようにまとわりつく。武はネズミを叩き落としつつ、その女生徒に呼びかけを続けた。

 触手男との戦いは終局を迎えようとしていた。従者の血弾攻撃で三度倒れた触手男は、立ちあがる瞬間、体格や顔つきが人間ならざるモノに変化しはじめたのだ。ジャーム化である。こうなった人間を元に戻す手段は知られていない。明は渾身の一撃でジャーム化した触手男を真っ二つに引き裂いた。

 触手男が倒れたとき、女生徒はネズミの群れに乗って逃走しようとしていた。武はネズミの群れから女生徒を引っ張りだすと、正気付かせるために怒鳴った。近くでおきていた戦闘が終了したせいか、彼女は正気に戻り、その場にへたりこんだ。


●退場、あるいは継続と続行

 次の日、桃萌は荷物とともに駅のホームにいた。幾度となく返してきた転校を、もう一度するだけだ。裏では大金が動いていることだろうが、自分には関係ない。彼女は今回の件を忘れるために電車に乗った。


 幽は自分の力が存分に使えたことに酔っていた。それ自体、レネゲイド・ウィルスの考えなのかもしれないが、幽にとって恰好のストレス解消になったことは確かだった。そして彼はいつもの日常へ戻っていく。


 明はシェリスに報告に行ったが、あの触手男が本当に火傷事件の犯人がどうか裏付けがとれていないことを指摘される。サラマンダー・シンドロームの発症者は他にいるかもしれない。彼の任務はまだ終わっていなかった。


 武はその女生徒を、UGNに所属する研究所へ連れていった。彼女は精密検査を受け、血液を徹底的に調査されたが、目的の反応は見出せなかった。しかし、発症したばかりの彼女はまだまだ不安定だ。武の任務に彼女の監視が加わった。



●GM独白

 ダブルクロス初GMですが・・・、今回は失敗です。序盤のPC間戦闘をうまく処理できなかったのと、シーンの展開が早すぎ&PC1名をほったらかしにしてしまったのが、その原因です。

 登場時の侵蝕率上昇+衝動判定による侵蝕率上昇が思った以上に上がり過ぎたため、あまりちんたらと展開してられないと判断。シナリオを急展開したおかげでかなり早くセッションが終わってしまいました。

 序盤のPC間戦闘が泥沼化したおかげで、PC全員を巻き込んだ形にはできませんでした。本当なら桃萌を中心に後半を展開すればよかったのですが、序盤のPC間戦闘でPC間の関係が悪化。完全にヒビが入った状態でそのまま進めても、PC同士の関係は空中分解していくのが目に見えたので、NPCを主軸に修正。その結果、小を殺して大を生かす展開になってしまいました。


 ダブルクロスのシナリオは、PCの設定がある程度見えてない状況では組むのが難しいようです。どんなPCが参加するのかわかっていれば、そのロイスを絡めたシナリオにしていけば上手くいくでしょう。
 参加PCがわからない場合、基本プロットだけ決めておき、PCの設定とロイスでシナリオに肉付けしていく方がいいようです。このあたりは構造解析で詳しく書くことにします。
 やってみた後で、このゲームのプレイヤーは2〜3人ぐらいが最適なんじゃないかと思いました。4人以上いるとシンドロームが重なってくるのと、各キャラの出番が激減するのと、キャラ間の関係構築にシナリオの時間をかなり割かれることが、そう思った理由です。



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