TRPGプレイングレポート


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ダブルクロス”空から来るもの” 2001.12.22

●登場人物紹介(PC)

“シャノワール”朱月 鏡(あかつき きょう)/17/女
 シンドローム:ノイマン・ノイマン
 ワークス:UGチルドレン
 カヴァー:高校生

 極めて男性的な言動のキャラ。突拍子もない行動で物語りの確信に近づきつつ、肝心の部分では日和見するという行動がメイン。決して弱いキャラではないはずだが、メイン武器は策略と口八丁であるらしい。


瀬野 優夜(せの ゆうや)/17/男
 シンドローム:キュマイラ・キュマイラ
 ワークス:不良学生
 カヴァー:不良学生

 三度の飯より喧嘩好き。売られた喧嘩は即座に買い、売ってなければ売りに行く。血の気の多すぎる撲殺不良である。年齢の離れた妹を溺愛しているらしい。


“Burning Blood(灼けつく血潮)”甲斐 貴裕(かい たかひろ)/16/男
 シンドローム:サラマンダー・ブラム=ストーカー
 ワークス:UGチルドレン
 カヴァー:高校生

 今回のPCの中で唯一といっていいほどの良心回路。熱血キャラのはずだが、周囲が強烈なキャラばかりなので、イマイチ目立たない。


大門 斉(おおもん さい)/15/男
 シンドローム:エグザイル・エグザイル
 ワークス:宗教家
 カヴァー:学生

 新興宗教の長の息子。世間とは相成れない奇抜な思考を持ち、周囲には信者をはべらせている。すでにSAN値は0らしい。<ゲームが違う(^^;


柳川 修一(やなぎがわ しゅういち)
 シンドローム:キュマイラ・ハヌマーン
 ワークス:高校生
 カヴァー:高校生

 普段は物静かで落ち着いた雰囲気なのだが、エフェクトを使用しはじめると性格が一変し、冷静かつ残虐となる。部分的に記憶喪失。昔の事件でUGNとのつながりがある。



●本編(修一の視点による超脚色ダイジェスト版)


夢。

夢を見ている。

記憶に残らない悪夢。

アドレナリンが駆け巡り、高揚と陶酔、憎悪と吐き気が同時に襲い掛かる。

暗闇、砕け散る鈍い音、喚起、悲鳴、そして血飛沫。


 目が覚めるとそこは人気の無い教室だった。どうやら6時限目の途中から放課後になるまで寝てしまったらしい。ふと見ると右手は筆箱を握り潰していた。中のシャーペンは全滅。芯も粉々で、無事なのは消しゴムだけというありさまだった。いつものように手には怪我はない。
 立ちが上がると全く気配が無かったにもかかわらず、私服の少女が後ろにいた。自分と同世代の少女。間違っても知り合いではない。

何かが降ってくるの。

何が?

みんなが望んだから。

何を?

あなたは自分の望んだことをしているの?

君はしていないのか?

望むままにやればいいのよ。

もう時間だから行くよ。


 これは会話ではない。ぼんやりとした夢の中のようなやりとり。部活動で騒がしいはずの校庭も、今は誰もいないかのように静かだった。
 いつものように部活を終え、学校から出たところで、彼女の名前を聞くのを忘れていたことに気が付いた。

−+−

 全身の細胞がチリチリと歓喜の悲鳴を上げる。振り向いて見上げた空はガラスのように割れていた。何かがそこから覗き込むような気配がする。そしてその割れ目から何かが落ちた。場所は・・・学校だ。

−+−

 引き寄せられるかのように5人は学校に集まった。いや、1人だけは最初から学校にいた。

朱月の前で女子生徒が飛び降り自殺をする。
カケラを拾った男子生徒が狂喜の笑い声を上げて立ち去る。
瀬野は喧嘩相手を求めてさ迷う。
甲斐は何かを来ているはずだから何かしなければと動き回るが、手がかりは無い。
そして大門は信者達をはべらしつつ、その人並み外れた思考で敏感に何が起きているのかを感じ取っていた。

 何が起きているのか突き止めようと、とりあえず5人で相談。二手に分かれて情報収集に走る。しかし、手がかりは次々にと切れ、打つ手無しの状態で解散となった。

−+−

 月曜日。修一は授業を無視して屋上にいた。何か起きているのは間違いないが、それがなんだかわからない。何か起きているときに限って感じ取れる、その大気がチリチリする感覚を掴むために、学校で一番高いところに来た。単にサボっているだけの瀬野が近くで昼寝しているのだが、全く気にはならなかった。

 気が付くと眠っていたらしい。ふと、土曜日に見た彼女が後ろに立っていた。今度も完全に気配がない。

何が起きてるんだ?

カケラが落ちてきたの。

カケラ?

そう、”真理のカケラ”。でもそれは名前のとおりのものなんかじゃない。

何がしたいんだ?

あなたが考えてることと同じよ。

俺の考え?

そう。

・・・俺の考えていることと同じだっていうのか?

そうよ。

・・・だとしたら、・・・お前は唯の虚像だ。

・・・。

お前が俺と同じことを考えているわけがない。だとしたら、お前のその言い方は鏡に映った自分に問い掛けるようなものだ。

・・・。

 事件を追うのは諦めて教室へ戻った。今の会話程度では寝ていた瀬野は起きなかったらしい。

 2時限目。教室へ帰るとみなジャージに着替えていた。月曜日のこの時間は体育ではなかったはずだが。甲斐はその中で、一人雰囲気が違っていた。

「見てみろよ。さっきは数学だったんだぜ。」

 甲斐が時間割を指差して言う。その時間割に合うのは土曜日だけだ。何かがおかしい。今日は月曜日のはずだが、他の連中は土曜日のつもりらしい。俺は少数派の方だった。罠にはまったような焦燥感を抱きつつ、俺はジャージに着替えた。

−+−

 今日の体育は持久走らしい。走っている途中で、チリチリとざわめき立つ感覚があった。教師の制止を無視し、俺は校舎裏へ走る。校舎裏では、腕を怪物のように変形させた瀬野が、挑発的な態度の男子生徒と交戦状態に入っていた。瀬野の攻撃を、その男子生徒は移動することなく”体に穴を空けて”避けている。

「加勢がいるか?」俺は両手足を変形させながら問う。 「こいつは俺の得物だ。手を出すな!!」
 威勢がいいのはいいが、状況は瀬野の方が劣勢だった。しかし、瀬野から感じられるチリチリした感覚が一際強くなったかと思った時、瀬野の強烈な一撃がその男子生徒を粉々にした。

「それほどまでに強いとは。ちょっと予想外だったね。」

 2階の窓から声がした。どうやらようやく真打登場らしい。そこにいた男子生徒にはちょっとだけ見覚えがあった。土曜日に怪しげな高笑いをしていた奴だった。俺は腕から衝撃波を放つが、窓に当たる前にかき消されてしまう。奴は「放課後の屋上で合おう」と言い残して姿を消した。

−+−

 放課後、屋上には言い争う2人の女子生徒がいた。1人は転生して覚醒したといい、もう1人はわからないという。2人の女子生徒はたもとを分かち、屋上から校舎へ入っていこうとするが、2人とも砂と化して消えてしまう。

 フェンスの向こう側にいきなり女子生徒が現れた。それは朱月の前で飛び降り自殺した女子生徒だった。彼女は止める間もなく飛び降りてしまうが、地面に付く前に砂と化した。何かがおかしい。まるで溝の割れたレコードが何度も同じフレーズを繰り返しているかのようだ。次に先ほど飛び降りた女子生徒が、屋上に上がってきた。彼女は取り付かれたようにフェンスへ向かう。
 そして屋上の端にふらりとあの男子生徒が現れた。こいつの名前は星狩というらしい。大門は星狩に「自分はあなたの考え方に共感できる」などといった狂気じみた会話をするものの、星狩の「真理に到達するために」の御託を並べられ、やはり相成れないようだと決別する。

「僕が真理に到達するためには、君達は邪魔のようだ。消えてもらうよ。」

 屋上にいるのは奴以外に俺、朱月、瀬野、甲斐、大門の5人。朱月は戦う気はないのか、ちゃっかりと後方に下がっている。甲斐は緊張した表情であるものの、星狩を攻撃するつもりのようだった。大門は何やら輪郭が歪みつつある。狂気を秘めたその表情は、星狩を攻撃するつもりのようだった。ふと朱月が瀬野にアレが落ちてくる地点に先回りしろと指示を出した。瀬野が屋上から出て行く。どうやら状況が分かっていないのは俺だけらしい。しかし、この時間がループしたような世界の原因は、目の前にあるらしい。俺はそいつを叩きのめせればそれでいい。

 星狩の輪郭が歪み、1人の男子生徒と2人の女子生徒が細胞分裂をするかのように現れた。さながら戦闘員を呼び出したボスの怪人といったところか。俺の出番が回ってきたようだ。俺は指をポキポキならしながら前へ出た。

「俺が相手だ。3人まとめてかかってこい!!!」

 他の連中があっけにとられているのをとりあえず無視する。変形した両方の拳がブゥンと唸りを上げる。水面を砕くような抵抗を空気に感じながら、3人に向けて高速で拳を振るった。それは音速をはるかに超えて衝撃波となり、3人に襲い掛かる。二人が吹き飛ばされ、一人だけがそれに耐え抜いた。ちょっと照準が甘いらしい。

「一撃で二人も倒すとはね。」

 屋上は人知を超えた怪物同士の戦場となった。

 決着は主戦場とは別のところでつくことになった。”真理のカケラ”の落下地点付近で待ち構えていた瀬野の所に、それを拾う前の星狩が現れた。まだ力を身につけていないそいつに向かって、手加減無用の全力攻撃が繰り出される。
 この歪んだ世界は、星狩が”真理のカケラ”とやらを拾ったことが始まりらしい。屋上で飛び降り自殺する女子生徒が巻き戻った時間の中で死ぬことで、完全に力を手にいれるらしい。それを見抜いた朱月は、力を付ける前の星狩がカケラを拾う前に、瀬野に手に入れろと指示をだしたのだった。瀬野が先にカケラを手に入れ、無力な星狩を粉砕することで幕を下ろした。真理のカケラとやらは、瀬野が砕いていた。


●プレイヤー独白

 中盤、私の頭が半分以上寝ていたため、展開を思いっきり脚色しております(まあ、脚色しているのはいつものことですが)。話もうろ覚えなため、実際の展開とはかなり異なるでしょうが、軽く読み流してください。キャラ視点ベースなので他のキャラが何やってたかよくわかんないですね。

 今回のネタはクトゥルフ系らしいですが、哲学ちっくな心理会話合戦したり、電波な行動をとったりと、いつもからは考えられないようなキャラ行動。プレイヤー人数が多かったため、あまり出番がなかったんですが、とりあえずキャラ的に言いたいセリフが言えたのでOKとしましょう。

 ダブルクロスはGMが管理しないといけない(=無視できない)パラメータが多いので、そこの管理が大変ですな。特にシーンの切り替わりと侵蝕率上昇ロールを忘れると、ダブルクロスとしてはちょっと「?」なことになってしまいます。これは経験点にも関わってくる問題なので、軽く見ることはできません。簡単に書くと、シナリオ以外には以下のようなものの管理が必要です。

1)シーンの切り替わりと侵蝕率上昇ロール
 侵蝕率の上昇は、a)プレイヤーに焦燥感を煽る、b)PCの破滅の危険性を暗示する、c)経験点の取得、の3つの意味があります。シーンを適時に切換えて侵蝕率の上昇を促さないと、最終的にプレイヤーが得られる経験点が少なくなってしまいます。
 それとは別に、シーンを切替えることによって展開にめりはりが付くということが言えます。シーンが進むということは、確実に何か起きるということのはずですから。逆にGMはそこを考えてセッションを運営しないといけません。


2)PCの侵蝕率の把握
 これはあと何シーンでクライマックスに持っていく必要があるのかという指針になります。かといっても常にキャラシートを見せてチェックすることはできないので、感覚でどの程度の侵蝕率になっているのかを意識しておきましょう。具体的な数値が知りたければ、休憩中にさりげなく聞いておくという手もあります。これを忘れるとクライマックスが早すぎ(=経験点が少ない)たり遅すぎ(=PCはジャーム化して戻ってこれなくなる)たりすることになります。


3)NPCの侵蝕率の把握
 これはNPCがリザレクトを発動できるかどうかという基準だけ気にしていればいいでしょう。ルールに厳密にするならば、発動下限値の低下、振るダイスが増える、エフェクトのレベル上昇もあるので、管理する意義はあります。プレイヤーに緊張感を持たせるためには、逆に必須とも言えます。


4)PCのロイス
 ロイスはダブルクロスのルールの肝(きも)といっても過言ではありません。ロイスはPCにとっての命綱であり、GMにとってはシナリオソースとNPC操作のよいネタになります(それ以上の要素もありますがここでは割愛)。
 PCにとって自分のロイスに何か起きるということは、自分の身に何か起きているのに匹敵する意味が(少なくともダブルクロスでは)あります。同じNPCでも見ず知らずのキャラよりは、ロイスで設定されているNPCの方が確実にPCを誘導できます。なのでシナリオはロイスを絡めたものにするといいでしょう。裏技的な作り方ですが、「PCのロイスにそっくりで、まるでそのロイスであるかのように振る舞う”別人”」をNPCとして登場させれば、PCの設定を壊すことなくロイスに干渉することができます(例えそのロイスが死んでしまっても、実は別人だったと説明が付けば、タイタスにはならないし、PCの設定をぶち壊すことにもならないからです)。




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