TRPGプレイングレポート


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ペルソナTRPG(仮)”真夏の昼の雪女” 2003.08.30

 というわけで女神異聞録ペルソナのTRPG化計画がようやく発動しました。当初、Zero_Systemで作成していたのですが、本家メガテンシリーズと同じく非常にデータ量が多過ぎ〜〜〜なものになってしまいました。これだけで一揆に・・・いや一気にプレイアビリティが下がってしまうため、急遽驀進中のUroborosシリーズに白羽の矢が立ったのでした。
 基本的には女神異聞録ペルソナの雰囲気をできるだけ簡単に表現することを目標に作ったのですが・・・悪魔との交渉ルールとベルベットルームでのペルソナ召喚のルールだけでルール総量の約半分を占める始末。それを除けばメガテン系列とは思えないルールの量と表現力になっているは・・・ずです。


●キャラクター紹介

庫刀 具道(ことう そねみち)/23歳/男/大学生
 ペルソナ:アラハバキ(古神/業魂、鬼神/国津神)、属性=神聖:重力

 エジプト人の血の混じる大学生。考古学に興味を持ち発掘調査時の事故でペルソナ能力に目覚める。キャラは”フツヌシの古刀”(性能値4)を所持している。降魔しているペルソナ『アラハバキ』は遮光器土偶の姿をしており、剣を出現させた物理攻撃を得意とする。また、このペルソナは物理攻撃無効/魔法攻撃に弱いという特徴を持っている。


草壁 慎一郎(くさかべ しんいちろう)/17歳/男/高校生
 ペルソナ:ケルベロス(魔獣)、属性=神聖:呪殺

 聖エルミン学園の2年生。面倒見のいいナイスガイである。降魔しているペルソナ『ケルベロス』はメガテンシリーズを代表する魔獣である。能力そのものはペルソナ2のケルベロスに準拠している(データ上は初期ペルソナとゲームのケルベロスの中間ぐらいの性能を持っている)。


趙 麗花(ちょう れいふぁ)/16歳/女/高校生
 ペルソナ:西王母[しーわんむー](地母神)、属性=物理:衝撃

 聖エルミン学園の1年生。その名前のとおり中国人である。降魔しているペルソナ『西王母』は、攻撃魔法と相手に状態異常を起こす魔法に優れる(データ上は初期ペルソナとゲームのセイオウボの中間ぐらいの性能を持っている)。



●本編

 夏休みも終わりのある日曜日。PC達は御影町にほんの1週間ほど前にオープンしたばかりのデパートに来ていた。開店記念セールの最終日ということもあり、デパートは人でごったがえしていた。

 具道は発掘品の展示紹介にブースを出している。彼はその見張りの交代が来ると中央の吹き抜けのところに休憩しに言った。そこには偶然、慎一郎と麗花もいた。ペルソナ能力の発現がきっかけで出会った3人だったが、しばらくは事件もおこらなかったため、久しぶりの再開だった。

 事件はそんな3人が世間話をしている時に起こった。突然、激しい揺れに襲われたかと思うと、一斉に電気が消えた。そしてしばらくして異様な寒気で目を覚ました。見ると周囲のあちこちが氷に覆われている。他の客や店員も氷に覆われて彫像と化しているのだった。周囲で氷に覆われていないのは彼らだけのようだった。具道、慎一郎、麗花の3人だけだった。

慎一郎「異界化・・・か?」

 慎一郎は自分がペルソナ能力に覚醒した事件を思い出すようにつぶやいた。自分達が無事なのはペルソナの防御能力のおかげらしい。周囲は電気が点いていないのだが、凍結している部分がどこかの光りを反射しているのか光っており、周囲を見通す明るさには問題はなかった。しかし、気温は低く、夏服の彼らには肌寒い。とりあえず出口まで行った。通常、このようなデパートの入り口は前面ガラス張りである。しかし3人が見たのはその向こうが真っ暗になっている、氷に覆われた入り口だった。隣にある花屋の花は凍り付いているのではなく、氷に覆われていた。試しに慎一郎はペルソナに壁に向かって火炎魔法を使わせてみるが、周囲を覆う氷は全く変化が無かった。
 途方にくれて呆然とする彼らに、ふと声が聞こえてきた。

???「ホー、今日はどれにしようかホー、・・・(ゴソゴソ)よし、これにするホー」

ぎゅぎゅぎゅと雪を踏むような足音が聞こえる。

???「おねーさん、これくれるかホー・・・あ、いつものコンビニのおねーさんと違うホー。おねーさん、なんで凍ってるんだホー!?」

 3人が柱を回り込むと、レジに歩く雪だるまのような悪魔”ジャックフロスト”がいた。・・・3人の目は思わず点になった。
 ジャックフロストは3人に気づくと一瞬びっくりするが、「なんだ人間か。脅かすなホー」とため息をつく。

 警戒を露にする具道。慎一郎と麗花は戸惑いながらもジャックフロストと会話を始めた。彼はヒューイと名乗った。

ヒューイ「お菓子を買いにコンビニに入ったはずなのに、ここはどこだホー?」

 ヒューイと話あってみる彼らだが、お互いにどうしようもない事態に陥っているのが確認できただけだった。ヒューイは「とりあえず何かないか探してみるホー」と歩き出す。慎一郎と麗花はとりあえずヒューイについていくことにした。歩き回ってみるものの、ヒューイは陳列棚のお菓子の方が気になるらしく、まじめに探索しているとは思えない。
 一方、具道は吹き抜けのエスカレーターの途中に陣取り、周囲の警戒を始めた。ふと見ると、遠くの方が妙に薄暗く見える。それは上下のフロアをを見てもそうだった。少しでも離れるとすぐに薄暗くなっている。具道は改めてここが普通の場所ではないことを再認識した。

 慎一郎、麗花、ヒューイの3人が探索を始めて少ししたころ、具道は物音を聞きつけたので2階へ上がった。

???「シャ〜、ハラヘッタ〜、クワセロ〜」

 突然、そんなしわがれ声が聞こえた。次の瞬間、陳列棚の間を誰かが転がって移動する影が見えた。

???「ちぃ、こんなとところに餓鬼が出るのかよ!」

 それは男の声だった。自分達以外にも無事な人間がいるのかと思い、声の方へ近づく。すると陳列棚の間を3体の奇妙な生き物が走っていくのが見えた。人型をしてはいるが身長は人間の半分ぐらい。あばただらけの痩躯に、牙がならんだ不潔な口。そしてその口からは涎がしたたっていた。3体いた餓鬼のうちの1体は、具道を見つけると進路を彼の方に変えた。

スチャ、チキチキ、ブゥ〜ン、カシャ。「まかせるぜ、ケルベロス!」 ズギュゥン!!

 陳列棚の向こうからそんな音と声が聞こえた。いったい何がおきているのか確認したかったが、目の前には餓鬼が迫ってきていた。

具道「行け!!」

 具道はペルソナを出現させた。具道の頭上にアラハバキが出現、その短い腕が振るわれると、どこからともなく出現した剣が餓鬼を切り裂いた。餓鬼は多少怯んだものの、再び飛び掛ってきた。具道のペルソナ”アラハバキ”の物理防御能力を持ってすれば、餓鬼の噛み付きなどわけもないのだが、その汚い口が迫ってくるかと思うと、嫌悪感が先にたって必死に回避してしまうのだった。
 2階で戦闘が始まった音を聞きつけて、慎一郎、麗花、ヒューイの3人は吹き抜けのエスカレーターを駆け上がった。見ると具道がペルソナを出現させて餓鬼と戦っている。近くの陳列棚の向こうでは、まだ戦っている物音がしていたが、とりあえず目の前の餓鬼をなんとかしなければならない。慎一郎がケルベロスを出現させて飛び掛らせるが、相手の体格が小さかったせいか、回避されてしまう。麗花も西王母を出現させて魔法攻撃を試みるが、命中したように見えてほとんど利いていなかった。どうやら魔法に対しては強い餓鬼の手が緑色の燐光を放ったかと思うと、それに触られた具道は思わず膝をついた。全身から大量に生命力を抜き取られる。慎一郎は具道の前に回りこんで餓鬼と相対した。餓鬼とケルベロスがお互いの攻撃を回避したところで、麗花の西王母が放った魔法攻撃がクリーンヒットし、餓鬼は風化するように分解して消えた。
 ふと見ると、餓鬼が倒れたらしいあたりに薬瓶のようなものが落ちていた。麗花は何かの役に立つかと思い、それを拾っていった。

 餓鬼を倒すと、陳列棚の間からライオンを二周り大きくしたような魔獣”ケルベロス”が現れた。その後にジーパンにジャケット姿の男が一人。その男は手にしていた銃のようなものをたたむと脇の下のホルスターに収納した。

男「おや、他に人間がいたのか。あんたらは無事のようだな。」

 しかし、まともに会話する間もなく、別の会話がいきなりはじまった。慎一郎のペルソナがいきなり出現し、目の前にいるケルベロスと会話を始める。

ペルソナ「ヌゥ、オレサマ、兄弟ヒサシブリ」
ケルベロス「ヌゥ、オレサマモ、兄弟ヒサシブリ。オマエ、イツカラペルソナカ?」
ペルソナ「縁アッテ最近、コヤツヲ守護スルコトニナッタ。オマエ、イツカラ人間ニ使ワレテイルノカ?」
ケルベロス「モウ2年ニナルカ。扱イノ荒イ主ナレバ。」
ペルソナ「ソレハサテオキ、コヤツニ力ヲ貸シテクレヌカ?」
ケルベロス「ヌゥ、スデニ力ヲ貸シテイル人間ガイル。残念ダガ力ニハナレナイ。」
ペルソナ「ソウカ、デハサラバ。」

 ペルソナ・ケルベロスは慎一郎の中に戻った。

男「噂には聞いていたが、あんたらペルソナ使いだな?」

 4人は簡単に自己紹介し、状況を確認しあう。男は「神楽 晃司(かぐら こうじ)」と名乗った。GUMPを使うデビルサマナーである。彼は首から下げた護符を見せ、自分は別のミッションの途中でランダムにテレポートさせられており、慎一郎たちに同行することはできないという。晃司がいくつかアドバイスすると、彼の護符が明滅を始めた。

晃司「悪いな。こっちは時間切れのようだ。あんたらが無事に脱出できるように祈っているよ。」

 彼とケルベロスの姿が透明になっていき、やがて消えた。

−+−

※ここでヒューイの姿が消えているのだが、それに気づくのは後になってからであった。

−+−

 気をとりなおした彼らは、ようやくデパートの探索を始めた。まずは怪しそうな地階へ言ってみる。エレベーターは凍りついているため、階段を行くしかない。しかし、地階への階段は完全に氷で埋まっていた。しかたなく上のフロアを順に調べていく。内心、先ほどの餓鬼のようなものが他にも出現しないか警戒していたのだが、今のところは出くわさなかった。
 5階の従業員の区画に入ったところで、周囲の冷気が少し和らいでいることに気づいた。従業員の休憩室などを探索していると、不自然なところに青い扉があった。麗花にはその扉が即座にベルベットルームの扉だと気がついた。彼らは自分達がペルソナ能力に覚醒した際に一度、訪れたことがあった。扉に近づくとかすかにピアノの音がする。その扉は壁についているのだが、どうみてもその壁の向こうは廊下であり、物理的に部屋が存在するスペースはないのだった。具道はその非常識さにぐったりしながらもベルベットルームの扉を開けた。

イゴール「ようこそ、ベルベットルームへ。」

 ベルベットルームの空気は清浄だった。寒さもほとんど感じない。3人はイゴールと会話した。イゴールは「残念ながら、あなた方が出られるのは入ってこられた扉だけです。」と言い放つ。イゴールに地階への階段の話をすると、「氷に詳しい悪魔に聞けば、何か打開策があるかもしれませんな」とのアドバイス。ここでPCたちはヒューイの姿がないことに気がついた。


 とりあえず現状打破のためにはヒューイ君の探さなければならないようだった。3人は他に悪魔が出現しないかどうか、警戒しながらフロアを上から順に捜索していった。3階まで来たところで、エスカレーターを猛烈な勢いでヒューイが上がってきた。

ヒューイ「ホー、助かったホー。」

 具道がふとヒューイのあがってきたエスカレーターを見下ろすと、そこには真っ黒で目だけが緑色に光っている人影がいた。一同に緊張がはしる。しかし、その人影は追ってくることなく、2階のフロアへと消えた。


 ヒューイをともなって3人は地階へ通じる階段の前に来た。前に来た時に一部の氷が少し違うことがわかっていた。ヒューイにそれを指摘すると、ポンと手を打ってこう言った。

ヒューイ「ホー、この部分はボクらの街の壁と同じホー。これなら通りぬけられるホー」

 ヒューイがごにょごにょとつぶやいてその氷に触ると、水に入るかのようにめりこんでいった。

ヒューイ「地下はなんか明るいホー。電気が来てるみたいだホー。一人ずつならいっしょに通り抜けられるホー」

 選択の余地はなかった。3人は一人ずつ、ヒューイに手を引かれて氷を通り抜けた。


 地下1階。電気がついているというので外に通じていると期待があったが、それを裏切るかのように、地下1階は他のフロアよりも寒かった。そしてその現況であるかのように巨大な冷蔵庫の入り口は開いており、しかもその周囲は分厚い氷に覆われていた。どうやら問題の場所に来たらしい。しかし、緊張しどのような行動をとるべきか考えている3人をよそに、ヒューイは中に入って行こうとする。3人は止めようとしたが、中に入った瞬間にヒューイの姿は消えた。


 開いたままの扉から噴出す冷気。その寒さは通常では考えられないほどだった。ペルソナの魔法防御能力がなければ、数分と持たないだろう。3人は意を決して中に入った。


 巨大な冷蔵庫の中央には、髪の長い女性らしき人物が俯いて座り込んでいた。そしてその上には白い女性のような人影が浮かんでいた。3人は直感的にこれが元凶であると理解した。

白い人影「・・・デテイケ!!」

 切り裂くような冷たい拒絶。その雰囲気から、どうやらその白い人影は、座り込んでいる女性のペルソナだと思われた。しかし、座り込んでいる女性は動かない。とうていそのペルソナをコントロールできているようには見えなかった。慎一郎は、その女性の膝の上に小さな氷の玉がいくつかあるのに気づいた。

慎一郎「・・・(涙?)」

 突然、その白い人影が奇声を発すると、3人が同時に増殖する氷の柱に襲われた。具道と麗花はペルソナで反撃を開始した。二人の魔法攻撃は相手にほとんどダメージを与えれないのに対し、相手の攻撃は熾烈で、かろうじて防ぎ切っているというのが現実だった。一方、慎一郎はその女性に意識を取り戻させようと危険を承知で接近し、説得を試みた。途中、具道の魔法攻撃がクリーンヒットし、大ダメージを負わせた。その衝撃で座り込んでいる女性が頭を上げた。慎一郎は何度攻撃されようとも反撃せず、ひたすら彼女の意識をはっきりさせようと説得を続ける。その甲斐あってか、じょじょに彼女の目に光が戻ってくるものの、まだペルソナの制御権の方が強いようだった。
 白い人影は再び全周囲に無数の氷の嵐を発生させた。ここで具道は防御しきれずに大ダメージを負ってしまう。麗花も果敢に攻撃するのの、なかなか相手の魔法防御を貫けないでいた。

慎一郎「そんなつらい思いをしているのは君だけじゃないんだ。どんな事があっても、これらかは俺が守ってやる!!」

 座り込んでいた女性がピクリと反応した。慎一郎の説得でペルソナの動きが一瞬鈍ったところに、具道の魔法攻撃が炸裂した。白い人影は絶叫を上げて霧散する。それと同時に下の女性も糸が切れた人形のように慎一郎の胸に倒れこんだ。

 周囲の氷が見る間に消えていく。具道は手加減できなかった自分を心の中で呪っていた。ちゃんと助けられたかもしれなかったというのに。

慎一郎「・・・まだ終わったわけじゃない。・・・冥府の番犬たるケルベロス、今こそお前の力を貸せ!!」

 慎一郎の頭上にペルソナ・ケルベロスが出現する。ケルベロスが静かに吼えると、倒れている女性が暖かい光につつまれて息を吹き返した。




●GM独白

 はい、あいかわらず脚色して書いてますので、実際のプレイとは若干違うところもあるのですが、まあそれはご容赦ください。

 ちょっとシナリオのネタとセッション後の展開を書いておきましょう。問題の彼女はエルミン学園の生徒でした。夏休みの終わり、彼女は彼氏にふられてしまい、自殺しようとデパートの大型冷凍室に入り込みました。ここなら静かに死ねると思ったからです。しかし、彼女の奥底に眠る意識はペルソナとなって出現し、周囲を氷に閉ざしてしまいます。
 んでもってシナリオ後の話ですが、慎一郎君が面倒を見てあげることになりました。彼の説得は非常に熱の篭ったものだった(だから彼女の心の氷も解けた?!)んですが、やはりその内容ときたら口説きスレスレ(核爆)。


 ちなみに、餓鬼との戦闘後に麗花が拾ったのは”ディスポイズン”です。ルール上、戦闘終了時の場札が絵札だったら、その悪魔の所持アイテムが拾えるようにしてあるのですが、図らずともそうなってしまいました。なお、なんで餓鬼がディスポイズンなんか持っているのかは、攻略本を見てください(苦笑)。今回は使う機会はありませんでしたが、今後どこかで必要になる場合があるでしょう。

 メガテンというとケルベロスですが、今回はいきなりペルソナトークを用意してみました。ちなみに誰かがジャックランタンやジャックフロストをペルソナとして降魔していると、ヒューイ君とペルソナトークになったわけです。


 肝心のルールの方ですが、手ごたえばっちりでした。実際にはもっとバランス調整しないといけない部分があるんですが、それを差し引いてもルールとして上手く機能しているようでした。今回はPCのペルソナは各自1体だけでした。合体魔法もプレイ直前に考えてもらったのですが、今回は使わずじまい。次にプレイするときは、ペルソナチェンジと合体魔法をPCに使ってもらえるようなシナリオにしたいですな。



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