Combat Arts
[Zero_System 2nd Edition]
Edit by Adeth Windark/2005

§0:コンセプト
 このルールは以下のようなコンセプトで作成されている。

§1:武術の取得制限
 《武術》を取得するには以下の制限がある。
 ※取得時の【能力】制限は、「武術を習得している者は最低限、人並以上に鍛えられているはずである」というところから来ている。
 ※「流派」は、現代社会(もしくは近未来)を舞台とするのなら、現実に名を知られているものにしておくのが無難である。「架空の流派」を選択する場合、その流派がどのようなことができるのか、事細かに設定しておく必要がある(GMと協力して設定を作るとよい)。
 ※独力で武術を編み出したという場合、後述の『流派の構築』を参照。


§2:武術の特典
 《武術》の特技を取得すると、以下のような特典が得られる。
 ※武術の技を使う場合、行動の直前かイニシアティブのロールを行う直前に、どの《技》、《奥義》、《秘奥義》を使用するのか、明確に宣言する必要がある。


§3:《技》と《奥義》の習得
 《武術》の特技を習得したキャラクターは、その基本を学んだことになる。実際にはそこから更に腕を磨くために、さまざまな技術を習得することが可能。このルールにおける《技》と《奥義》は、それぞれ下位技、上位技に相当する。《奥義》を習得するためには、対応する下位技である《技》を習得している必要がある。

 キャラクター作成時には、《奥義》を習得することはできない。キャラクター作成時には、《技》をそのキャラクターの【要領】と同じ数まで習得可能。流派によっては、習得できない《技》や《奥義》もある。その判断は流派の設定からGMが判断すること。

 《技》/《奥義》は、ルール上の判定に関わるカテゴリーだけを決めてあり、実際にはどの流派のどういう《技》/《奥義》であるかは決めていない。。流派の技やイメージによって、最も適切な《技》/《奥義》を選択し、名前を変更して使用すること。

 ※《技》/《奥義》は、一部を除いて組み合わせて使用することはできない。
 ※《技》/《奥義》の効果は、通常の《武術》の特典の効果に加算することがでる。

◆表:《技》一覧表(1つ習得に経験点が5点必要)
技名効果
1)速打(命中率強化技)命中判定に+1LM。
2)強打(打撃力強化技)打撃点算出の際に+1LM。
3)捌技(回避技)回避判定に+1LM。
4)払技(受け技)受け判定+1LM。
5)固技(間接技)1行動で掴み→間接技をかける。打撃点算出の際に+【要領】or【体力】DM。相手が逃げられなければ毎ラウンド打撃点算出を行う。
6)投技(投げ技)1行動で掴み→投げ技をかける。打撃点算出の際に+【要領】or【体力】DM。
7)返技(カウンター技)自分の行動を費やして防御判定の変わりに攻撃判定で対抗する。勝っても負けても、互いが受けを行ったものとして被害判定を行う。この技は1ラウンドに1回しか使えない。
8)飛翔撃(空中技)ジャンプして攻撃する。命中判定−1LM、打撃点算出の際に+【体力】DM。
9)居合(抜刀技)抜刀時のみ、イニシアティブ+1LM。イニシアティブ・ロール前に使用宣言が必要。
10)後の先(反応技)イニシアティブ+1LM。
11)連技(連続技)【要領】、【機敏】、【体力】のうち最も低いレベルと同じ回数だけ、通常の攻撃と受けの組み合わせで戦闘を行う。この技を習得していなければ、基本ルールの連続技のペナルティーを必ず受けることになる。

◆表:《奥義》一覧表(1つ習得に経験点が10点必要)
奥義名効果
1)疾打(速打の奥義)命中判定に+【要領】or【機敏】DM。
2)剛打(強打の奥義)打撃点算出の際に+【体力】DM
3)体捌(捌技の奥義)回避判定に+【機敏】DM。
4)矢払(払技の奥義)受け判定+【要領】DM。投擲武器、射出武器の攻撃をペナルティーなしで”受け”ることができる。
5)突返(返技の奥義)自分の行動を費やして防御判定の変わりに攻撃判定で対抗する。判定に勝てば、相手は回避を行っていたものとみなして、被害判定を行う。この《奥義》は1ラウンドに1回しか使えない。
6)抜刀術(居合の奥義)抜刀時のみ、イニシアティブ+1LM、命中判定+1LM。イニシアティブ・ロール前に使用宣言が必要。
7)先の先(後の先の奥義)イニシアティブ+【機敏】DM。
8)乱舞(連技の奥義)『連技』と同じルールを使用するが、その連続技の回数に+1できる(この回数の増加で疲労はしない)
9)連携(技の組合せ)組み合わせる《技》を2つ選択し、効果を組み合わせて発動する。その組み合わせ毎にこの《奥義》が必要。

 ※《連携》による組み合わせについて
  この奥義によって組み合わせができる《技》は、イメージ的に可能なものだけ。例えば、《速打》+《強打》、《速打》+《飛翔撃》というように攻撃に使用するもののみで組み合わせているようなものは可能だが、《捌技》+《払技》(回避+受け)といった矛盾する効果や、《固技》+《居合》(掴み+居合い抜き)といった一度には同時に行えないような組み合わせをすることはできない。

 《連携》を習得するためには、対応する《技》をあらかじめ習得している必要がある。例えば「《連携》/《速打》+《飛翔撃》」という《奥義》を習得したい場合、あらかじめ《速打》と《飛翔撃》の両方を習得しておく必要がある。

 《連携》では、同じ効果を持つ《技》を組み合わせることはできない。《速打》+《速打》や《強打》+《強打》といった組み合わせを選択することはできない。これはその《技》をイメージに合わせて名称変更して、一見組み合わせが可能のような場合でも同じ。


§4:《秘奥義》
 「秘奥義」とは、基本的に門外不出の技であり、その流派の正式な継承者にしか伝承されないものである。PCがこれらを習得するには、かなりの経験点を必要とし、習得するためにいくつものシナリオをこなす必要がある。その上で、師匠に《秘奥義》を伝授してもらわなければならない。
 PCの師匠や強力なNPCは、これらの《秘奥義》を習得していてよい。ルール的には《技》+《奥義》=《秘奥義》であり、数値的な結果を見れば超人的な行動を可能とするものばかりである。

◆表:《秘奥義》一覧表(1つ習得に経験点が20点必要)
秘奥義名効果
1)疾風打(速打の秘奥義)命中判定に+1LM&+【要領】or【機敏】DM。
2)金剛打(強打の秘奥義)打撃点算出の際に+1LM&+【体力】DM。
3)霞捌(捌技の秘奥義)回避判定に+1LM&+【機敏】DM。
4)返打(返技の秘奥義)防御判定の変わりに攻撃判定で対抗する。判定に勝てば、相手は回避を行っていたものとみなして被害判定を行う。この秘奥義は、受けの防御判定と同じ扱いとする。
5)狂乱舞(連技の秘奥義)『連技』と同じルールを使用するが、連続技の回数はその2倍とする(この回数の増加で疲労はしない)。
6)抜刀斬(居合の秘奥義)抜刀時のみ、イニシアティブ+1LM、命中判定+1LM、打撃点算出の際に+1LM。イニシアティブ・ロール前に使用宣言が必要。
7)連動(連携の秘奥義)《技》と《奥義》の中から2つ選択し、効果を組み合わせて発動する。その組み合わせ毎にこの秘奥義が必要。
 ※《秘奥義》は、他の《技》と《奥義》と組み合わせて使用することはできない。
 ※《秘奥義》の効果は、通常の《武術》の特典の効果に加算することができる。
 ※《連動》による組み合わせについて
  この秘奥義による組み合わせは《技》+《技》、《技》+《奥義》、《奥義》+《奥義》というパターンから選択することになる。《連携》と同じく矛盾したり同時にできない行動の組み合わせをすることはできない。
 もっとも一般的なのは《技》+《奥義》で、《速打》+《疾打》や《強打》+《剛打》といった、下位技と上位技を組み合わせたものがある。
 《連動》では《技》+《技》と《奥義》+《奥義》のように、同じ《技》同士、同じ《奥義》同士を組み合わせることが可能。例えば「《連動》/《速打》+《速打》」(命中判定に+2LM)とか、「《連動》/《剛打》+《剛打》」(打撃点算出の際に+【体力】×2DM)という組み合わせにすることができる。

 《連動》は《連携》の秘奥義なので、実際に習得するには選択した《技》と《奥義》を習得している必要がある他に、その選択した《技》を含んだ《連携》、もしくはその選択した《奥義》に対応する下位技を含んだ《連携》をすべて習得している必要がある。例えば「《連動》/《強打》+《突返》」を習得する場合、その前に《強打》を含んだ《連携》の奥義と《突返》の下位技である《返技》を含んだ《連携》の奥義の2つを習得している必要がある。
 「《連動》/《速打》+《速打》」のように同じ《技》、もしくは《奥義》同士を組み合わせた《連動》を習得したい場合は、その《技》(もしくはその《奥義》に対応する下位技)を含んだ《連携》の奥義を1つでも習得していればよい。


§5:流派の構築
 莫大な経験点が必要だが、PCは自分で独自の流派を構築することができる。以下の手順で構築された武術は、我流ではなく、完成された技術として、ルール上の《武術》と同じ扱いにすることができる。

★流派の構築手順
 1)その流派で扱う《技》・《奥義》・《秘奥義》を選択する。《奥義》・《秘奥義》はそれぞれ、対応する下位技・《奥義》を習得しなければならないので、その流派で扱うものを決めるときは、下位技を全て含んでいる必要がある。
 2 )選択した《技》・《奥義》・《秘奥義》の習得に必要な経験点を合計し、それを「流派作成点」とする。
 3)流派構築のために必要な年数=流派作成点÷10(端数切上)。この年数分修行を行うこと。
 4)流派作成点と同じ経験点を消費する。この時、その流派で扱う《技》・《奥義》・《秘奥義》を自動的に取得する(全ての《技》・《奥義》・《秘奥義》の習得=流派の確立とみなす)。

 ※望むなら、複数の人間で流派を構築してもよい。その場合、修行に必要な期間と必要経験点は、その人数で頭割りになる。ただし、流派構築後に習得できる《技》・《奥義》・《秘奥義》は、自分が消費した経験点に見合った量のものになってしまう。この時点で、予定していた全ての《技》・《奥義》・《秘奥義》が習得できていないのなら、習得できるように負担する経験点の量を調整すること。
 ※その流派で《連携》や《連動》を習得可能にする場合は、どの《連携》/《連動》なのか、はっきりと決めておくこと。流派作成時に《連携》/《連動》が設定されていなければ、流派の創始者も含めて《連携》/《連動》を追加で取得できないので、注意すること。

★流派作成の例:
 掌を使った強打とカウンターに重点を置いた流派”流水掌”(るすいしょう)を作成する。

流派名:流水掌(るすいしょう)
(説明)掌を使った強打とカウンターに重点を置いた武術。太極拳の流れを汲んだゆるやかに見える動きから、力強い打撃を繰り出すのが特徴。

《技》:6×5=30点
  強打(打撃力強化技)、捌技(回避技)、払技(受け技)、投技(投げ技)、返技(カウンター技)、後の先(反応技)

《奥義》:6×10=60点
  剛打(強打の奥義)、体捌(捌技の奥義)、矢払(払技の奥義)、突返(返技の奥義)、先の先(後の先の奥義)、連携(強打+返技)

《秘奥義》:5×20=100点
  金剛打(強打の秘奥義)、霞捌(捌技の秘奥義)、返打(返技の秘奥義)、連動1(返打+金剛打)、連動2(返打+投技)

流派作成点=30+60+100=190点
構築必要年数=190÷10=19年