=============================================================================== − Ghost Writer [霊体化能力者] − Edit by Adeth Windark/2008 =============================================================================== =============================================================================== §第1話 予兆と片鱗  サングラスをはずすと、俺は視界を切り替えた。思ったとおりだ。扉の隙間からはどす黒い瘴気が噴出している。温度計は変化はないだろうが、人には数度ほども気温が下がったように感じられるはずだ。 「下がっててくれ。いらぬ被害を出したくない。できれば自分の部屋に引っ込んでいてもらおう。」 俺は執事にそういうと、返事も聞かずに扉に手をかけた。部屋の中は想像していたとおりの荒れ放題だった。破れたカーテンやシーツ、真っ二つになったぬいぐるみ、開いたまま落ちている本、砕けた椅子。一歩足を踏み入れると、俺を迎撃するかのように様々な物品が空中を飛び回り始めた。中には割れた陶器やガラス片、フォークやナイフが混じっており、物理的にも危険だ。壁際にあるベッドには少女が一人、膝を抱え込むように座っていた。目の周囲にはくまがあり、その瞳は淀んでいた。そしてその背後には夜の闇よりも暗い影があった。  俺はニヤリと笑い、踏み込んだつま先から外見を上書きしていった。擦り切れた黒い革靴を白いブーツへ、ズボンを輝くような純白へ、さりげない金のバックルとポケットには銀の鎖の懐中時計。手は白い手袋へ。青いシャツに白いスカーフをネクタイのように巻き、金の刺繍をあしらった白いコートを羽織る。寝癖のついたままの髪は光を帯びたような巻き毛のブロンドに。瞳も碧にする。左胸のポケットには一輪の白い薔薇を咲かせた。  着地したつま先の周囲から青々とした草が草原のように広がる。飛び交う品々と瘴気を押し返すように、部屋全体も上書きしていく。床に広がる草からは色とりどりの花が無数に咲きはじめる。ベッドに向かって花畑の絨毯が広がっていく。壁や天井が水の幕のようなもので覆われたかと思うと、明るい日差しの降り注ぐ草原の風景に変わる。少女の座っていたベッドは花畑の中にある白い岩に変わる。暖かい風が吹き、部屋を飛び交っていた品々はすべて花びらに姿を変えた。  俺は微笑みながら花畑の中を少女に向かって進む。こっちの上書きに対する抵抗を力任せに押し切り、最後に少女の寝巻きを純白のドレスに変えた。優雅に会釈し、胸の白い薔薇を差し出す。 「姫、お迎えにあがりました。」 淀んだ池の水のようになっていた少女の瞳に、ぼんやりと光が戻ってきた。少女が口を開いて何か言おうとした瞬間、上書きできなかった黒い影から、鉤爪のついた黒い腕が伸びてきて、白い薔薇を切り裂いた。少女の影そのものが形を変えて立ち上がる。輪郭が不安定な人のような形となり、次の瞬間、尖った腕を振りかざして襲いかかってきた。俺は残っていた薔薇の茎を一振りの剣に書き換えると、それで鉤爪を受け止めた。鉤爪と剣がギリギリと火花を散らす。俺は円を描くように剣を回転させると、受け止めている鉤爪を右に受け流し、返す刀で反対の腕を斬り飛ばした。 「プギャァァァァァァ!」 その”影”は絶叫しながらあとずさった。俺が剣を突きつけて踏み込むと、影は霧のようになって少女にまとわりつき、目と口に吸い込まれるように少女の中へ入っていった。少女はそのまま横に倒れこんだ。 「やれやれ。」 俺は部屋と自分への上書きを解除し、元に戻した。周囲は一瞬で荒れ放題の薄暗い部屋に戻る。ベッドに近づいて、影の切り落とした腕と同じ少女の左腕の袖をめくった。怪我一つない綺麗な腕だった。視界を切り替えて観察しても、霊的外傷は無い。脈を取り、呼吸を確かめて少女が落ち着いていることを確認すると、ちゃんとベッドに寝かせ、シーツをかけた。 「ダメージ無しか。ということは・・・」 俺はペンライトを出し、周囲を捜索しようとしてふと気が付いた。少女の瞼の下では、眼球が激しく動いている。 「情報不足で飛び込むのは危険なんだが・・・さっきのが彼女の一部でないとしたら・・・急ぐしかないか。」 意識を集中し、自分を霊気の膜で包み込む。周囲がぼんやりと半透明になった時点で、少女の意識の中心を確認する。俺は少女の額に手を当てると、彼女の夢に飛び込んだ。 −◆− 雪が降っていた。俺は羽毛のようにふわりと雪の上に着地した。どんよりと灰色の曇り空。周囲一面に雪が積もっているが、等間隔に盛り上がっている。ためしに1つの盛り上がりを掘ってみると、中からは墓石が出てきた。表面はざらざらで、何か彫ってあったようだが、読み取れない。ここはどうやら墓地のようだ。盛り上がっている部分は全て墓石で、等間隔にならんでおり、それが水平線まで続いているように見える。 「やれやれ。ダイブしていきなりこれか。もし寄生されてるんだとしたら、もっと奥だな。しかし、どうやって進んだものか・・・」 ふと気配を感じ、倒れこむように状態を反らすと、目の前を黒い塊が通過した。その塊は雪の中に音もなく突き刺さった。飛んできたのは墓石だった。それを投げたのは例の影だった。そいつが掘り返すように雪を薙ぐと、黒い墓石が弾丸のように飛んでくる。俺は転がってそれを回避し、間合いを取って立ち上がった。その影は片腕だったが、さっきよりは一回り大きくなっているように見える。影は周囲の墓石を次々に飛ばしてくる。懸命に回避するが、雪に足を取られて1発が左肩に命中した。ゴキリと鈍い音がし、激痛が走って目が霞むが、今は無視する。 「やってくれるぜ!」 俺は近くの墓石を蹴って飛び上がった。周囲の風景につられてつい普通に動いてしまったが、ここは夢の中だ。重力なんて関係ない。円を描くように影の周囲上空を旋回すると、俺は霊気を練り上げて全身に満たし、筋力を強化する。そして影に向かって急降下する。影は墓石を放ってくるが、俺は別の墓石を足場にして三角飛びを行い、方向転換の勢いをそのまま載せた回し蹴りをお見舞いした。 「ポギャァァァァァァ!」 影が雪を跳ね飛ばしながら吹き飛ぶ。かなりいい一発が入ったはずだったが、倒すまでには至ってないようだ。影は立ち上がると霧散して消えた。  地面に着地すると、上着を苦労して脱いで肩を調べた。肩が外れている上に墓石が命中した部分は骨折している。俺は意識を集中し、掌に軟膏のようなものを作り出した。まずそれを骨折した部分に浸透させ、霊気で砕けた部分を接合していく。このやり方は非常にデリケートで、途中で少しでも動くと接合がズレてしまう。接合が終わると俺はびっしょりと汗をかいていた。次に同じように間接に浸透させてクッションにすると、腕をねじって肩をはめ込んだ。  肩を治すだけのことで俺はかなり消耗していた。2回も撃退されたから、あの影は彼女の意識の乗っ取りにかかる可能性ある。俺の推測が当たっていれば、あの影は彼女の意識中枢を探し出し、それを食らうだろう。結果として宿主である少女は死ぬだろうが、今まで受けたダメージは全て回復するに違いない。しかし、周囲に心を閉ざしている彼女は、容易に意識中枢まで行かせてくれないだろう。まずは奥へ進むための扉を探す必要がある。俺は肩の疼きを無視しながらスコップを作り出し、1つ1つ墓石の雪をどけて調べていった。墓石はどれも似たようなもので、特に差が無かった。しかし、ここが墓場になっているには理由があるはずだった。そしてその理由が奥へ進む鍵のヒントになる。無数ともいえる墓石の雪をどけ続けると、1つだけ文字が読めるものがあった。 「・・・トーマス・フェルナンデス、2004年没・・・」 俺は気になってその隣の墓の雪をどけてみた。そこには”アンナ・フェルナンデス、2008年没”とあった。その2つを中心に周囲の墓を調べたが、どれも読めるものはなかった。どうやらこの2つがこの墓地の中心のようだ。 「・・・フェルナンデス・・・。この娘の姓と違うな。」 俺は調査不足を少しだけ後悔しながら、得ている情報を整理した。依頼主の執事の話だと、彼女の両親は他界しており、今の家の親とは血がつながっていないという。じゃあ、この墓石は彼女の本来の両親のものか。俺が思案している間にも雪は振り続いており、墓石は再び雪に覆われつつあった。  この墓石2つが奥への扉になるだろう。しかし、この手の過去への記憶につながる扉、特に死別という悲しい記憶は、封じられているのが普通だ。俺は少し考え、思いつくままに行動してみることにした。まず百合の花を二輪作りだし、それぞれの墓に備えた。リリーナ。それが彼女の名前だ。だったら親からはリリィと呼ばれていたことだろう。リリィは百合のことだ。親が娘に花の名前をつけたのなら、それは親、特に母親が好きだった花だろう。彼女が墓参りに来るのなら、当然、故人の好きだった花を持ってくるはずだ。花を添えた後、言う言葉は限られてくる。俺は言葉を捜し、いくつかつぶやいてみた。 「・・・いつもいっしょにいるから・・・」 その言葉をつぶやいたとき、墓石がごとりと動いた。2つが連結し、両開き扉のように下へ開く。俺はその中へ飛び込んだ。 −◆− 雨が降っていた。しかも、雷雨だ。コートの裾から滝のように水が滴り落ちる。雷の閃光が視界をちらつかせる。ここはうっそうと生い茂った森だった。方向はまったくわからず、どこまでも森だけが続いているように見える。実際の光景でないとしても、雷に豪雨、どこまでも続く森は、進む者の心を萎えさせる。少し進んでみたが、森はどこまでも続いている様だった。 「惑わせるのが目的か、それとも・・・」 この場所のイメージは彼女の記憶が元になっているはずだ。さっきの墓場が両親が死んだ後だというのなら、この場のイメージは両親のどちらかが死んだ日の天気を表しているのかもしれない。どこまでいっても森だという風景は、親の死に際に他取り付けか無かったという意味だろうか。 「ちんたらしているのは生に合わなくてね。」 この森が昔の彼女の家へ続く途中の風景だとすれば、どこかに屋敷があるはずだ。普通に行ったら迷うだけだろう。俺は自分の霊的知覚力を最大まで拡張することにした。体はそのままで、地図を上から眺めるごとく、視界だけが巨人になったかのように遠くまで見渡すことができるようになる。ほどなくして森に囲まれた屋敷を発見した。しかしその周囲に道はなく、森が進入を拒んでいるように見える。 「歩いて行けないなら飛んでいくまで。」 俺はコートを脱いでそれに霊気を込めた。十分に集中した後、コートを上書きして巨大な烏を作り出す。烏といっても足が3本ある”八咫烏”(やたがらす)だ。俺は烏に飛び乗ると、行く手を阻む森を飛び越えた。烏を屋敷の門の前に着地させると、解除してコートに戻す。屋敷の門は少し開いていた。俺は躊躇せず門をくぐった。 −◆− 木の葉が振っていた。周囲は落ち葉の積もった秋の風景で、空はどんより曇っている。目の前には屋敷があり、その玄関の扉はこじ開けられたように壊れていた。 「ぃゃー!」 悲鳴が聞こえた。バキバキと何かを壊す音も。俺は屋敷に飛び込んだ。俺の霊的嗅覚があの瘴気の臭いを嗅ぎ付ける。その臭いを追って2階へ駆け上がった。あの影が扉の隙間から腕を差し込んでいる。中にはバリケードがされていて、かろうじて入れないようにしているようだった。しかし、少しずつ扉は押し開かれている。俺は手に霊気を集中させて剣を作りながら、廊下を走った。 「うりゃぁ!」 相手が腕をはさまれているのをいいことに、バットを振る要領で横薙ぎに剣を叩きつける。影は扉を引きちぎりながら、廊下の突き当たりのガラス扉を突き破って飛び出した。扉の無くなった部屋の入り口には、テーブルや椅子でバリケードが作られていた。そしてその中に小さな女の子がいた。 「・・・おぢさん、だれ?」 「(ムッ)おぢさんじゃない、”お兄さん”だ。」 「・・・おにーさん、だれ?」 「そうだな、”通りすがりの正義の味方”ってところだ。」 俺は影が突き破っていったガラス扉のところまで来た。影は立ち上がり、奇声を発しながら今までの2倍ほどの大きさに膨れあがった。そして肩や背中とおぼしきところから、何本も腕が生える。生えた腕の中には包丁のようなものを持っているのもあった。 「さっきの借りを返させてもらうぜ! 真霊気鎧法!!」 全身から練りあげた霊気を噴出させると、それは全身に巻きついて瞬時に硬化し、烏を思わせる黒い鎧と化した。 「さて、全力で行かせてもらうぜ!」 俺は影の攻撃をジャンプして回避すると、上から投網を作り出して放った。影が網にからまれてもがいているところに急降下し、すれ違いざまに腕を1本切り落とす。影が立ち直る前に脚力を強化し、瞬時に背後へ回りこんで生えている腕を次々に切り落としていった。途中、何本もの腕がナイフや鉤爪などで攻撃してくるが、鎧ではじき返し、逆にその腕を叩き斬る。最初からあった鉤爪の手で投網が破壊されると、影はようやく正面に向き直った。俺は限界まで霊気を練り上げて全身に満たし、筋力を強化した。黒い鎧の隙間から青白い光が漏れる。反射的に襲い掛かってきた影の鉤爪の下をくぐり、カウンター気味に胴を薙ぐ。一瞬の沈黙の後、ガラスが砕け散るような音を響かせて影は粉々になった。  ふと見上げると女の子が見下ろしていた。俺は剣と鎧を解除すると、女の子に手を振った。 「じゃあな。」 俺は屋敷を後にした。 −◆− 「もー、なによー、この窓ー。何年掃除してないわけ?」 数日後、俺の前にはエプロンドレスを来たブロンドの美少女がおり、人の部屋を埃まみれにしていた。彼女ははたきを振り回してそこらじゅうの埃を落とそうとしているらしいが、咳き込んだり、場所の汚さに文句をいいながらウロウロしているだけにしか見えない。 「お前、何しにきたわけ?」 「見てわかんないの? 掃除よ、掃除!」 俺は掃除なんて面倒なものは最低限しかやらないようにしている。そんな俺から見ても、彼女の掃除の要領は悪すぎる。 「で、なんでここの掃除をしようと思ったわけ?」 「あなたも知ってるでしょ。ここって”幽霊屋敷”っていわれてるのよ。それってこんなに汚いからでしょ。ちゃんと掃除ぐらいしなさいよ。」 「面倒くさい。」 「そう言うと思った。だから私が掃除してあげるってわけ。感謝しなさいよ。」 「・・・お前、掃除したことあるの?」 「・・・ないわよ。」 「・・・」 「・・・次の部屋に行くわ。」 彼女は扉を出て屋敷の左翼の廊下へ出た。そして1つ目の扉を開けた直後に悲鳴をあげた。 「きゃー! きゃー!」 悲鳴と埃を撒き散らして彼女が戻ってきた。彼女の足には半透明の腕がつかみかかっていた。その肩から先は無い。要するに腕だけってことだ。彼女は涙目になって足を振り回し、はたきで半透明の腕をポカポカ殴っている。 「この! この! この! 離れなさいよ!」 見てのとおりその腕は霊体だ。確か彼女の入った部屋は箱詰めのバラバラ死体があったという噂がある。俺が探偵事務所にしているこの古い洋館は、自殺や変死といった怪事件の温床だという噂があり、周囲からは”怨霊屋敷”と呼ばれている。この洋館を手に入れたときに確認したが、その噂の大半は事実だった。この洋館は霊的に地獄の蓋の上にあるようなもので、悪意ある霊的存在を招きやすいところに建っているのだった。  ぶんぶんと空を切るはたきの音が、途中からべしべしという叩く音に変わった。見ると彼女のはたきが微かに燐光を放っている。半透明の腕は、中ほどで叩き折られ、彼女の足から離れた。 「・・・マジかよ。」 俺が呆れていると、彼女は鼻をつまみながらその腕をゴミ箱に放りこんだ。 「・・・あのさ」 「なによ!?」 彼女は顔を真っ赤にし、涙をぬぐいもせず、怒ったように返事した。 「それ、ゴミに出すのか?」 「あたりまえでしょ。文句ある!?」 「・・・やれやれ。」 −第1話、終− -------------------------------------------------------------------------------- 第1話、解説  情報不足だと思うので、補完する意味でちょっと書いておきます。 ・『俺』  矢口のこと。第1話は彼の視点を中心に書かれています。 ・今回の事件  依頼主は執事。リリーナがポルターガイスト現象を起こし、それを避けるためにマーシャが海外逃亡したので、それを機会に矢口へ解決を依頼してます。 ・矢口探偵事務所の裏話  矢口は名刺を作ってません。かわりにHPで霊的な相談サイトを開設しており、そこで霊能探偵と銘うって探偵業をアピールしています。矢口のHPはアングラで呪いのサイトと呼ばれており、スパムや荒しを行うと怨霊に報復されるという噂があるため、書き込みは1ヶ月に1回あるかないかぐらいです。調査を依頼したい場合は事務所に直接来てもらうことにしています。報酬は要相談。 ・『視界を切り替える』  、≪霊覚≫の特技を意識して使うということです。切り替えを意識してコントロールしていないと、霊的存在が現実世界にオーバーラップされるため、危険なことが多いです。 ・『壁際にあるベッドには少女が一人』  ベッドの上にいる少女はリリーナです。 ・ポルターガイスト現象  リリーナが起こすポルターガイスト現象は、クラフター『射出[Firearm]』の射出武器として処理します。飛び回っているのは演出ということで。ポルターガイスト現象を防御に使う場合は、クラフター『武器/防具[Armament]』の鎧、もしくは盾を使います。 ・『外見を上書きしていった。』  霊体化能力は英語で"Ghost Write"なので、上書きや書き換えるという表現を使っています。 ・貴公子とお花畑  外見と服装の変更はクラフター『偽装[Disguise]』でやってます。この場合、リリーナの精神にインパクトを与えるためにやっているので、よく知らない他人に化けているだけです。白い薔薇はクラフター『道具[Tool]』で、地面の花畑はクラフター『結界[ClosedSpace]』、リリーナのドレスはクラフター『道具[Tool]』で変更してます。  薔薇の茎を剣に変えるのは、クラフター『武器/防具[Armament]』の近接武器。剣を回転させて攻撃を流すのは、フェンシングでよくある相手の剣を回転させてはじく動きと同じです。 ・『ダメージ無しか。ということは・・・』  この影がリリーナによって作り出された分身なら、ダメージが彼女の体に現れるはずという演出です。スタンドが傷つくと本体が傷つくというのと同じ理屈です。ここでは彼女にダメージが無いので、あの影はリリーナではないと考えています。 ・『少女の瞼の下では、眼球が激しく動いている。』  普通なら夢を見ている状態を指しますが、影がリリーナに入っていった後なので、何か起きつつあるという予兆です。 ・『意識を集中し、自分を霊気の膜で包み込む。』  クラフター『霊体化[Spiritualize]』を使っています。リリーナは寝ている状態なので、ドリームダイブするには霊体になっている必要があります。 ・雪が降り積もる無限に広がる墓場  リリーナの心界に入った際のエントランスの風景です。 ・『重力なんて関係ない。』  心界はその風景が一般的な風景であれば、重力があるのと同じように行動できますが、実際に重力があるわけではないので、空中にいてもかまいません。 ・『1発が左肩に命中した。』  ルール的には【要領】にダメージを入れて腕が使えなくなるという演出です。 ・『筋力を強化する。』  クラフター『肉体強化[BoostedStrength]』を使っています。その直後の三角飛びからの回し蹴りはただの攻撃の演出です。 ・肩の治療  描写はやたらと細かくやってますが、ルール的にはクラフター『心霊治療[PsychicHealing]』でダメージを回復しているだけです。 ・スコップ  いきなりスコップを作って雪を掘ってますが、シナリオでは手で掘っていたら倍以上の時間がかかったものとして最後の戦いを不利にしてもいいでしょう。スコップはクラフター『道具[Tool]』で作ってます。 ・両親の墓  奥に進むためのゲートは『両親の墓』。このゲートは封印型なので開けるには鍵が必要です。ここでは百合の花と台詞が鍵です。シナリオで使う場合、台詞のパターンをいくつか決めておき、その中のどれか1つに近いセリフをいわれたらOKというように柔軟にしておくといいでしょう。百合の花はクラフター『道具[Tool]』で作ってます。 なお、この話は2010年という設定です。 ・雷雨の森  森を飛び越える際に烏を作ったのはクラフター『乗物/騎獣[Ride]』。夢の中なので重力に関係なく飛ぶことができますが、移動速度はクラフター『乗物/騎獣[Ride]』で作り出したものの方が早いでしょう。コートを変換するのは演出です。 ・小さな女の子がいた。  館の中でバリケードを作って影の進入を食い止めていた女の子はリリーナですが、実際よりも幼く、5〜6歳です。 ・『手に霊気を集中させて剣を作りながら』  この部分では両手剣を作ってます。 ・『”通りすがりの正義の味方”』  変身しますんで。はい。 ・『真霊気鎧法!!』(しんれいきがいほう)  「臨気凱装!!」すいません、やってみたかったんです。クラフター『武器/防具[Armament]』の鎧を使っています。セッション上でやりたい人は他の変身セリフでもOK(^^; ・『俺は限界まで霊気を練り上げて全身に満たし、筋力を強化した。黒い鎧の隙間から青白い光が漏れる。』  増強を行ってクラフター『肉体強化[BoostedStrength]』を使ってます。青白い光が漏れるのは演出。必殺技です。”正義の味方”ですから。 ・『俺は屋敷を後にした。』  後はもちろん、心界から脱出してます。念のため。 ・『エプロンドレスを来たブロンドの美少女』  実際のリリーナです。影の精神的抑圧から開放されたので、活発な本来の性格に戻ってます。ツンデレです。13歳なので、幼くもないし大人びてもいない感じです。思春期真っ只中の微妙なお年頃。 ・『半透明の腕がつかみかかっていた。』  普通の人は霊体に足をつかまれたりしません。はい。 ・『彼女のはたきが微かに燐光を放っている。』  クラフター『打撃強化[BoostedImpact]』を使ってます。はい。 ・『その腕をゴミ箱に放りこんだ。』  普通の人は霊体の腕をつかんだりできません。はい。 −第1話、解説、終− ===============================================================================