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 光が空中都市ベルクラントの外壁によって閉ざされたために、農業を生業とする村村は大きな被害を受けていた。リリス=エルロンの住むリーネ村も、その中に含まれている。

 リーネ村の外れ。村に点在する家々から少し離れた場所に、レンガ造りの壁の家があった。スタンの生家――エルロン邸である。

 家の中には、スタンの妹であるリリスが一人でベッドに横たわっていた。先刻までこの家に滞在していた兄は、もういない。――いや、彼女自身が、追い出したのだ。

 

 兄は言った。

 

 リオンは死んだ、と――

 

 妹は言った。

 

 一人にさせて、と――

 

 

 もう、何も聞きたくはなかった。

 頭の中が、まるでぐちゃぐちゃに掻き回されたかのように、何も考えられなくなった。

 

 死。

 

 幼い頃に体験したトラウマのせいだろうか。彼女は“死”に何よりも恐怖を感じていた。

 自分の死ではない。他人の――自分の知っている者の“死”。

 

「リオン君……っ!」

 

 口から零れ落ちるその名は、余韻を残す事もなく、ただ、静かに消えて行く。

 きつく目を閉じると、目蓋の裏にリオンの顔が浮んできた。もう手の届かない場所に行ってしまった彼の幻を見ながら、彼女はゆっくりと数ヶ月前の出来事を思い出す。

 

 

 

 

 最初は、なんて無愛想な子だろうと思った。

 だがそれよりも先に、この子の笑った顔が見たいと思った。

 

 だから自分は、彼を村中引き摺り回し、自分の好きな場所を見せて回った。

 

 

 そして――

 

 

 最後に見せたのは、兄だけにしか打ち明けた事のなかった秘密の場所だった。

 村を一望できるこの場所は、ちょうどこの時刻になると真っ赤な夕日が昇り、村や山々を赤く染め上げてくれる。その景色が、リリスは大好きだった。

 

 

「ねっ? きれいでしょ? 私、ここ好きなんだぁ〜……。お兄ちゃん以外、連れてきた事ないの」

 

 

 あぁ、きれいだな……。そう言って、リオンはわずかだが、笑みを零した。

 

 その笑顔が――たった一度だけ見せてくれたその笑顔を、彼女にはどうしても忘れる事ができなかった。

 

 

 

 

 ――そういえば、とリリスは兄の話を思い出す。

 

 彼の生死は誰も確認していない……と言うか確認の仕様がないのだ。

 

 それならば、彼は生きているのでは?

 

 もしかしたら、どこかでまだ生きている可能性も、ゼロではない。

 

 しかし、この広い世界を回るには、自分はあまりにも無力で無知だ。

 

 だったら、どうすればいい?

 

 世界を巡る力を持った者はどこに居る?

  

 

「お兄ちゃんっ!」

 

 

 外に出るなり、スタンの姿を発見したリリスは、そう叫んだ。

 

 兄は世界を救うため、世界を巡る。

 

 なら自分は、その手伝いをしながら、彼を――リオンを探そう。

 

 リオンに、会いたい。

 

 リオンに会って、もう一度、彼の笑顔が見たい。

 

 自分が、リオンの笑顔の元となりたい。

 自分がどうしても叶えたい願いのために、彼女は旅立つ。

 

 

 

 彼女のこの行動により、何がどうなるのかは誰にも分からない。

 

 

 だがもしかしたら、彼女は運命を変える事ができるのかもしれない。

 

 

 運命の歯車は、まだ、廻り続けている。

 

 

 

 to be CONTINUED……

 

 

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〜後書き兼裏話〜

 ナムコが誇るテイルズシリーズ第二弾・テイルズオブデスティニーより、リオン×リリスのカップリング第二弾!

 やはり里帰りネタ(ノイシュタットに立ち寄った時、一度リーネに帰ってリオンとリリスを会わせる事を、俺はこう呼んでいる)は使えるねぇ〜(笑) てーか、1時間で書けるとは思わなかった……。自分で、すごいとか思ったり(笑)

 設定としては、もしリリスが仲間になるなら――ってなもの。本編ではリリスは仲間にならない(裏技ではなるけど)んだよねぇ……。

 今回はリオン×リリスのリリス視点。よく考えたら、第一弾はリオン→リリス。第二弾はリオン←リリスになってるな……。まあ、総合するとリオン×リリスだからいいか(笑)

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