弁財天の宝物
☆琵琶
言わずと知れた弁財天のシンボル。インドの弁天様・サラスバティーは四本の腕を持ち、そのうちの二本の腕でヴィーナという弦楽器を持っている。(他の二本の腕には経典や数珠、蓮華などを持っていることが多い。) この姿が日本に伝わる時に似た楽器である琵琶を持つことになったようだ。もっとも琵琶の発祥の地も西域らしいので、どちらにしても外国の楽器であることに変わりはない。
元々サラスバティーの持つ楽器は川の流れる音をシンボライズしたものらしい。サラスバティーは大河の恵みを神格化した女神様であるので、水の流れる音を意味する楽器を手にしているというのはなかなか素敵な考えである。
その後、サラスバティーは言語の神であるヴァーチと合体して知恵と言葉の神になったわけだが、言葉も文字がない時代は空気を振動させて起こる声だけで伝えられた。川の流れも音であり、言葉も音、そして当然音楽も音だ。そして音は波動であるので、言い換えれば弁財天は「波動を操る」女神様と言える。世の中に良き波動を巻き起こし、世界を変えていく能力。弁財天の琵琶はその力のシンボルではないだろうか。
確かにヒトラーに世界征服はできなかったが、ビートルズの音楽は世界を支配した。知恵と才能が作り出す良き「波動」があれば、我々は世界を変えていくことも不可能ではないのだろう。
と、いうことで弁天様。我々『鋼鉄の同志』も世界征服をしたいんですが、力を貸していただけませんか? 「オホホホーッ、才能がない奴にはしょせんは無理なのよー。もっと才能を磨いていらっしゃーい」。そ、そうですか……
☆宇賀神
いや、別にマジックアイテムじゃなくてちゃんとした神様なんですが、「驚異の合体!あれがスーパー弁天『宇賀弁財天』だっ」以来、弁天様のアイテムになっているよーな気がする。よくヒーロー物で主人公の最強の敵だった奴が味方になった途端にあんまり目立たなくなる例があるが、何となくそんな感じが…(別に戦っていたわけではないが。)
弁天様を祭る寺院に行くと、琵琶を抱えた姿ではなく、八本の手を持つ『八臂弁財天』が祭られている。その八臂弁財天の髪の部分をよーく見ると小さな鳥居が立っていて、その奥に老人の顔をした小さな白蛇がいたりする。これが『宇賀神』なのである。
この宇賀神、稲の実りを司る精霊みたいなもので、古代には「ウケ」とか「ウカ」と呼ばれていたらしい。ちなみに伊勢神宮外宮に祭られる豊受大神や稲荷神社の宇迦之御魂命もこの系統から進化した神である。ところで神社や寺院に祭られることもなく、民間で信仰されてきた「はぐれウガ」とでもいうべき神霊がいた。これが宇賀神なのだ。
蛇の体をしている理由だが、インドでは白蛇を「ウガヤ」と呼んでいたことからこうなったらしい。また稲の生長には水が必要で、水の守護神として竜蛇神が考えられていたことが宇賀神に蛇体を取らせる理由になったとも思われる。
老人の顔を持つわけは、「お正月さん」とも呼ばれる歳神との関わりが考えられる。この歳神の実態は、現世に生きている子孫に幸福をもたらす祖先霊の集団らしい。祖先霊が一年に一度現れ子孫に幸をもたらす。その主なものはその年の稲の豊かな実りを保証することであった。つまり宇賀神には子孫に実りをもたらす祖先霊のイメージがあって、それで老人の顔を持つようになったらしい。
民間をさまよっていた宇賀神といまいち人気の出ない弁才天が出会ったのは鎌倉時代のことだったという。「お嬢さん、わしと合体すれば、あんたは最強の女神になれるのじゃ」という宇賀神の囁きの前に、弁才天はついに神に魂を売ることを決めたのだ。(ここら辺、作ってます。) そして宇賀神はこう叫んだ。「パイルダー、オン! チェーンジ、宇賀弁天!」と。ここに宇賀弁財天が出現した。弁財天のその後の活躍は周知の通りであるが、弁財天が有名になると宇賀神はその影に隠れてしまった。しかし、宇賀神は弁財天の頭で「これでいいのだ!」と思っているのかもしれない。最後に弁財天の功績を称えて賛歌を送ることにしよう。
「弁財天のうた」(歌・水木一郎)
(弁財天、ゴー!)
♪水辺に聳えるー、琵琶持つ女神ィー。スーパー女神、べんざいてーん。無限の富は僕らのためにー、宇賀の力とパイルダーオン! 飛ばせー賽銭、銭も洗えー、今だー出すんだー、琵琶弾きボンバー! ベンザイー、ベンザイー、ベンザーイーテーン!
(よくわからん終わり方だ……)