「ペルソナ―――!!!」
「おいでなさい・・・」
「いきな!」
戦闘終了。
「行くぜ!!」
「ペルソナ。」
「Come here!」
戦闘終了。
「行くよ。」
「ペルソナ。」
「あああああっ!!」
戦闘終了。
「・・・おい、南条。」
「何だ、サル。」
「サル言うな!!・・・何だか俺らさ、何もしてなくねぇ?」
「当然だ。AGIの高さによって順番はほぼ決まる。俺たちはあの3人に比べて低めな分、出番が少ないのだ。」
出番が少ないも何も、全く何もしてない。
「尤も、俺は貴様とは違って全くの役立たずという事はないがな。」
南条のメガネがきらりと光る。俺はサルとは違う、と明らかに目で告げている。
「お前だって同類じゃねえか!威張んな!!!」
騒ぐマークの顔面に、モップが擦り付けられた。
「貴様のその薄汚い顔もろとも、脳を洗浄してやろうか?」
「ぎゃあああぁぁぁああああっ!!!な、何しやがる南条!!汚ぇ〜〜〜それ、確か病院でゾンビが持ってたモップだろ!?」
「うむ、しかもその前はトイレにあったようだな。この柄の部分に「御影総合病院3階男子トイレ」と書いてある。」
「よりによってトイレかよ!!」
「うるさいぞ稲葉。」
マークの後頭部に深くメスが突き刺さる。勿論正面に居る南条の仕業ではない。南条は、その犯人の姿を見てブロマイドを出している。
「速水。交渉か?」
「ああ、よろしく。」
南条は更に株券やらも取り出し悪魔の前に出た。
戦闘で役立たないが、南条は交渉にはとにかく強い。幾ら足が遅くて攻撃に参加できなくても、やれる事はある。
「しかし、南条も稲葉も、ちょっと足遅すぎだよな。これじゃレベル差がついて面倒になるな。特に、交渉でもあまり役立たない稲葉は深刻だな。」
「テメェよりは交渉の成功率高いだろうが!!!!」
倒れて起き上がろうとするマークを祐貴は踏みつける。凄まじく力を込めてげしげし背中を踏み倒す。たまにごきっ、と鈍い音がするが、祐貴は気にしない。
「そうですわね。今はまだ良いかもしれませんが、レベル差が大きくなるとお荷物になってしまうかも・・・」
そんな祐貴の行動を止めもせずエリーは眉を顰める。
「これはちょっと考えないといけないかねぇ。」
泡吹いて倒れたままのマークを見ながら、ゆきのはため息を吐いた。
「おい、黛よぉ。」
「何だい?」
「これは一体何の遊びだ?」
マークが自分の腰に巻きつけられたものを指差す。
マークと南条の腰にそれぞれ縄が括り付けられていて、その端には各3個ずつのタイヤ。
「お約束通りだとしたら、これをつけたまま走る訓練とか、そういうものか?」
「ご名答。」
「しれっと答えるな!!!」
当然とばかりに答えるゆきのに、マークが怒鳴る。
「あんまり怒鳴るなよ稲葉。こういうのはお約束的なものの方が結局効果は高いんだぞ。」
「やっぱりテメェの提案か速水!!!」
何か変な事が起きた時は祐貴の仕業。これもまたお約束。
「うるさいぞ、稲葉。速水の思惑がどうであれ、俺たちが出遅れていると言う事実に変わりは無いのだぞ。」
南条は何故か平然としている。マークと同じく屈辱的な格好をさせられているというのに。
「南条・・・お前、やけに平気そうだな。良いのかお前、こんな間抜けな格好させられてんだぜ、俺たち!!」
が、南条はマークの言葉にも動じず、逆にマークを一喝する。
「馬鹿者が!!姿がどうであっても、己を鍛える事に対する不満などあってたまるものか!!!!」
チャリーン
「・・・ん?」
何かが落ちる音がして地面を見てみると、そこに転がっていたのは一枚の一円玉。そしてそれを南条は慌てて拾い上げ、何処と無く膨らみのあるズボンのポケットに突っ込む。
「南条・・・」
マークが半眼で南条を睨み、南条は目を逸らす。その態度にマークは切れる。
「南条テメェ、一円玉なんぞで買収されやがったか!!!一体何枚で買収されたんだ!?つーか一円玉ごときに買収されるんじゃねえよ!!!!」
思いっきり南条に掴みかかるが、一円玉を侮辱されたと思ったか南条は逆切れする。
「何だと貴様!!一円玉を馬鹿にするな!!」
「うるせえよ!!「1」って書いてあるから一円玉が好きなだけだろうがテメェは!!!」
「やかましい!「1番」になるのは山岡との約束なんだ!!!「1」を求めて何が悪い!!」
「はいはい、喧嘩はそれくらいにしとけよ。」
取っ組み合いになりかねなかった二人を止めたのは、祐貴のメスだった。両手にメスを持ち、それぞれ二人の首筋にぴったりと当てていた。 「さあ、早くしましょう。KeiとMarkの足が速くなれば、それだけ早く先に進めますわ。」
「いやさ、桐島・・・こんな事してる暇があったらさっさと園村の母親助けに行った方が良いんじゃ・・・?」
「No Problemですわ。私達が先に進まなければいつまで経っても大丈夫なものですわよ。」
それこそ禁句であるが、最早反論する気も起きなかった。
―――――3時間後
「ぜぇ・・・はぁ・・・」
「くっ、まだ・・・まだぁ・・・!!!」
息も絶え絶えに、それでも気迫と根性のみでひた走るマークと南条。 「Yuki、これ以上は・・・」
「そうだな。流石に無理しすぎても力がつくわけじゃないし・・・一旦休憩しようか。」
祐貴がそう言ったと同時に、二人はその場にへたり込む。
息を整えると、南条がちらりと括り付けられたタイヤを見る。
「速水・・・あのタイヤ、やけに重くないか?タイヤの正確な重さなど知らんが・・・」
疲れているんだろう、と自分で納得しかけたその時、祐貴の口からとんでもない一言が飛び出た。
「ああ、それ俺が改造した特訓用タイヤだから。重量は一つ50kgで、一定時間止まっていると大爆発を起こす。」
「そんな危険物を人につけるな――――!!!!!!」
話を聞いていたマークが泣きながら騒ぐ。が、祐貴は耳を塞いで呟く。
「ちなみに設定時間は10分。それが休み時間って事にしておいたんだ。ああ、俺って親切。」
「親切な人間は爆発物を人に括り付けねぇ―――――!!!!」
「プリンパ。」
魔法によって混乱させられたマークは、まだ体力も回復していないというのに立ち上がって踊りだした。
「ヘイヘ〜イ、イェア!!!」
「間抜けだなぁ、アイツ。」
酷い言い草である。
「ところで速水、一応聞いておくが・・・このタイヤは一定時間経つと爆発すると言うが、それを止めるスイッチか何かはあるのか?」
マークの無様な姿もきっぱり無視して南条が問う。彼なりに命の危機は感じているらしい。
「ああ、勿論あるけど・・・ていうかそれって電池で動いているから、電池が切れれば自動的に止まるよ。」
「ちなみに、電池の種類は?」
「光を動力として作動する近代的電池。」
「太陽電池かぁっ!!!!!」
日が沈むまでずっと走り続けろというのか、この悪魔は。が、現在は午後4時ほど。永久に続くようなものでもないだけまだマシだったか。
しかし次の祐貴の言葉は、その期待を見事に裏切った。
「しかもその太陽電池も俺が作った特別版。多大な労力と金をかけて作った自信作!!なんと太陽の光に飽き足らず、人口の光でも十分いける!!というわけで日暮れ後はサンモールかジョイ通で。」
「誰がやるか!!!!!」
結局南条とマークは延々日が沈むまで走り続け、それ以降は近くにあったマークの家にまで押しかけて一晩を過ごした。
次の日アラヤ神社で救出された園村の母は、傷よりも退屈と言う名の精神的苦痛に疲弊しきっていた。
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この話書いてて思った事。
ペルソナって時間の進み具合はどうなっているんだ?
・・・ゲーム全般に言える事ですが。
何だかもう、マークが突っ込み役&やられ役になっているような。哀れ。
あ、ちなみにこれ、病院から帰る途中、麻希の母親を助けるまでのところです。丁度この時思いついた話なので。
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