過去のフリーダムニュース


英雄祭、開催
 港町ラターニャで、半年に一度の英雄祭が開かれた。今回も恒例の出店やモンスター狩
りなどのイベントが行われ、街はファーランド各地からやってきた人で大いに賑わった。
 また、街の中心にある英雄像の指輪を恋人にプレゼントしようとする若者が現れるとい
うハプニングもあった。この騒動の盛り上がりを見た英雄祭実行委員長のサティアス氏は、
「次回はこの若者の指輪争奪戦を公式イベントにしたいのぅ」とコメントしている。
 今回の英雄祭にやってきた観光客は延べ一万人に上るとみられ、あらためてファーラン
ドを救った英雄への関心の高さを実感させた。

ラターニャで地震が発生(第2話)
 ラターニャで地震が発生した。震源地はラターニャ南方の喧騒の草原と推定されており、
地震の大きさは5.2ベヒモスであった。この地震による各地の揺れは次の通り。
  ラターニャ   3ノーム
  クローネ    2ノーム
  ファルヴァノア 1ノーム
  ミストリーフ  1ノーム
 なお、この地震によるクラーケンの活性化は観測されていないことから、津波の心配は
ないという。
 ラターニャ近郊では、ここ数百年地震が起こっていないことから、この地震は何かの前
触れではないかと心配する声もある。地震の大きさを判定したクローネのウィノーナ女王
も「この地震には大地の精霊の力を感じなかった」とコメントしており、今後の動向が気
になるところだ。

ラターニャに各国代表が集まる(第4話)
 先日、ラターニャの領主の館にフリーダム各国の代表者が集まり、国際会議が開かれた。
確認されているだけでも、魔法都市クローネからはウィノーナ女王、陽炎騎士団のビアン
カ団長、魔術師ギルドのフィジナマスターが、軍事国家ファルヴァノアからは内務大臣の
ナンティー・コッター卿が、それぞれ会議に参加した。また、その他の連合加盟国やフリ
ーダム連合盟主国からも代表が参加したという。
 この会議の開催目的について、発起人のラターニャ魔術師ギルド・ギルドマスターのサ
ティアス氏は「みんなで焼肉パーティーをやりたかったのじゃ」とコメントしているが、
専門家は先日ラターニャの南方で起こった地震となんらかの関係があるのではないかとみ
ている。
クローネ騎士団が大幅増員(第5話)
 魔法都市クローネのナティル宰相は、現在の陽炎騎士団(団員約30名)に加えて、いく
つかの騎士団を新たに創設すると発表した。
 これは、ラターニャの国際会議に出席するウィノーナ女王の護衛で陽炎騎士団が国を離
れているため、治安維持に支障が出たためと思われる。
 新たな騎士団が創設されると、クローネは数千人規模の騎士団を持つことになる。クロ
ーネはこれまで最小規模の軍隊による自衛のみを行ってきただけに、今回の騎士団増員は
国内の一部のエルフ・ドルイドを中心とする武装反対派や周辺諸国からの反発をまねくの
ではないかと懸念されている。

"自由の誓い"発動(第6話)
 ラターニャで会議を行っていた連合主要国首脳は、ラターニャ領主の館で行われた記者
会見で、「"自由の誓い"を発動させることで合意した」と発表した。
 会議に参加したフリーダム王国のアンドレイ王子は「今はまだ詳細な発表はできません
が、ファーランドをかつてない危機が襲っています。我々自由都市国家連合加盟各国は
"自由の誓い"を発動し、この危機に力をあわせて立ち向かっていく所存であります。」
と発言。起こりつつある未曾有の事態に対する警告を発した。
 この"自由の誓い"発動宣言と同時に、連合各国は"自由の門"の使用準備を開始した
とも発表。100年前の戦乱以来の"門"の使用になりそうだ。
 また、記者会見の後、ファルヴァノア王国騎士団・クローネ陽炎騎士団・フリーダム王
国親衛騎士団の連合騎士団が、ファルヴァノア領内の静寂の丘の古城に向かった。この軍
事行動は、"自由の誓い"発動と何らかの関係があるとみられている。
 なお、先日のクローネにおける騎士団の新設は、この"自由の誓い"発動を見越しての
行動であったようである。

コラム〜自由の誓い〜
 "自由の誓い"とは、500年前にファーランドを救った英雄が提唱した制度である。
 フリーダム加盟各国で交わされた盟約であり、戦争や一国では対処できないような大事
件が起こったときに、加盟国が力をあわせて事態に対処するよう取り決めている。元々、
魔獣が多く生息する竜の山脈近辺の国々が魔獣の襲来に対抗できるようにと、英雄が考え
出したものである。
 この誓いが発動しているときに限り、"自由の門"を使用することができる。この門は、
英雄が作った、フリーダム各国にある"ゲート"の魔法装置である。このゲートの存在に
より、自由の誓い発動時には、騎士団は簡単に各国を行き来することができる。 ただし、
戦争などに悪用できないように、ゲートの出口側の国が受け入れを許可しないと使うこと
はできない。

フリーダム城に侵入者(第8話)
 先日未明、フリーダム王国王城に数人組の賊が侵入し、宝物庫の財宝を奪って逃走した。 現在、フリーダム国王の勅命で特別追撃隊が編成され、賊の行方を追っている。また、自 由都市国家連合各国に対しても、犯人逮捕への協力要請がなされた。  犯人はフリーダム王城の警備兵数十人を殺害した上、宝物庫に収められていた財宝十数 点を強奪。その後、数百人の警備兵の追撃をかわし城外へ逃走した。奪われた宝物の中に は国宝級の宝物も含まれており、被害額は数百万ガメルにのぼると推定されている。  フリーダム王国のアンドレイ王子は、「賊はまだそう遠くには逃亡していないはず。フ リーダム王国の威信にかけて、かならず捕らえて財宝を取り戻します。」とコメントし、 国をあげて事件解決に取り組むことを宣言した。

神聖王国で新年会開催(第9話)
 神聖王国王都スターフォールで新年会が催された。これは神聖王国女王ネティシャ・グ ランティア陛下が、国内の経済の活性化と諸外国との国交を深めるために企画されたもの で、もち突き大会や蛸揚げ大会など大陸の一部の地方に伝わるという伝統行事を模した様 様なイベントが開催された。  女王陛下が体調を崩され予定が3日ほど遅れたものの、フリーダム連合南方諸国(ファ ルヴァノア・クローネ・ラターニャ)それぞれの代表との会談も無事に行われ、正式な国 交回復宣言がなされた。これにより、神聖王国とフリーダム南方諸国との経済的な繋がり はより一層強いものになるであろう。

グラーフにて古代の植物研究施設発見(第10話)
 黄昏の街グラーフの未発掘の遺跡から、古代の植物研究施設が冒険者によって発見され た。  この施設は、驚くべきことに現在も機能を失っておらず、かつて栽培・研究されていた 植物がそのまま生息していたという。これらの植物の中には、スリープ草などの自然界に は生息しない貴重な植物もあるため、魔術師ギルドによる詳細な調査が待たれるところだ。  グラーフ遺跡を管理するクローネ魔術師ギルドは、この研究施設を植物園として管理す る方針でおり、近々管理部署が立ち上げられるという。植物園には様々な薬草や野菜、果 物、香辛料なども栽培されているので、魔術師ギルドによる有効活用が期待されている。  研究施設を発見した冒険者の一人にインタビューを試みたが、「拙者は訳あって追われ る身ゆえ、会談はお断りさせていただくでござる。さらばでござるっ!」と拒否されてし まった。

ラターニャで金属製品が品不足に(第11話)
 港町ラターニャの武器防具屋や金物屋の店頭から、鉄製品がなくなるという異常事態が 発生している。  ラターニャの金属製品を一手に製造している鍛冶ギルドによると、ギルドが鉄鉱石を仕 入れているドワーフの集落から、鉄が送られてこなくなったという。鉄の仕入れがストッ プして約一ヶ月、ギルドの鉄鉱石の在庫も底をついたため、鉄製品が作れないという事態 になったらしい。  鉄製品は、ラターニャのさまざまな産業でも広く用いられている重要な資源である。そ の供給がストップしたということで、ラターニャ産業界に対する深刻な打撃が懸念されて いる。  なお、鍛冶ギルドの発表によると、鍛冶ギルドが募った冒険者の活躍によって鉄鉱石の 仕入れに再開のめどは立ったという。だが、本格的な供給再開まではまだ時間がかかると 見られており、あと一ヶ月は金属製品の品不足状態は続きそうだ。

神聖王国とブラガリア、一触即発の関係に(第12話)
 大陸の中央部に位置する大国・神聖王国と、大陸南部の新興国家・ブラガリアとの関係 が悪化している。  発端は、神聖王国神聖騎士団の副団長ゴート氏がブラガリア軍に拘束されたことであっ た。ブラガリア側は、法をおかしたゴート氏をブラガリアの法で裁くために拘束したと発 表しているが、神聖王国のファリス神殿長ブラッティン氏はこれをブラガリアの宣戦布告 であると批判し、両国の関係は険悪になっていた。  そこに先日、両国国境付近で小部隊同士の衝突がおきた模様であり、現在、まさに一触 即発の状態となっている。  神聖王国側は「国境近辺を哨戒中に、ブラガリアのゲリラ部隊に奇襲を受けた」と主張 している。それに対し帝国は「神聖王国の強襲部隊がブラガリアの民の村を焼き討ちした」 と批判しており、話し合いによる平和的な解決は難しいと思われる。  両国が戦争に突入すれば、ファーランド中を巻き込んだ大きな戦乱になる可能性もある ため、今後の動向が注目されている。

帝国調査隊、派遣へ(第13話)
 さる筋からの情報によると、自由都市国家連合フリーダム首脳部は、フリーダム北方に 位置する「帝国」と呼ばれる国家の本格的な調査に乗り出すことを決定したらしい。  帝国の実状は、実はよく分かっていない。膨大な歴史書の蔵書で知られるクローネ中央 図書館にさえ、帝国に関する資料はほとんど存在しないのだ。分かっているのは、ここ数 百年の間まったく交流がなかったということくらいだ。  帝国とフリーダムを隔てる山脈は、とても険しい上に常に悪天候に見舞われているため、 山越えで帝国に行くことはプロの登山家でさえ不可能だといわれている。また、海路も、 帝国の海域に近づいた船はバラバラになって沈むという言い伝えがあり、屈強な船乗り達 でも帝国には近づきたがらないという。  このような状況で調査に向かった調査隊の安否が気遣われる。

調査隊帰還(第14話)
 帝国の調査に向かっていた調査隊(隊長・アンドレイ氏)が、フリーダムに無事に帰還 した。  アンドレイ氏がフリーダム王城で行った記者会見、およびクローネ魔術師ギルドが公表 した調査レポートにより、我々記者団に帝国の驚くべき文化が明らかにされた。以下は発 表の抜粋である。  帝国は、我がフリーダムや神聖王国、ブラガリアなどの国とは、まったく異なる文化体 系をもっている。彼らは「蒸気機関」という機械を様々な用途に用いて、高水準な生活を 送っている。暖炉を焚かなくても室内は暖かく、夜になると街中に煌々と明かりがつき、 大量生産される布は職人が織ったものよりも繊細で、羊皮紙よりも薄い紙に一行一句も間 違うことなく書写をおこなえる。そして、馬車は引く馬がいなくても動くという!  また、「火薬」というものを使った「銃」という兵器があるという。この兵器は、目に もとまらぬ早さで矢を撃ち出す弓のような武器らしい。この「火薬」というものを使って 火球の魔法のような攻撃もできるという。  このように、独自の文化をもつ帝国であるが、魔法技術は一切伝えられていないらしい。 帝国人は魔法使いをみると、怯えて恐怖したり、武器を持って攻撃的になったりと、過剰 な反応を示すことが確認されている。これは、帝国成立過程での歴史的な要因が原因になっ ているようだ。  調査隊が無事に帰還し、帝国の内情が明らかにされた今、次に取るべき行動は帝国との 正式な外交交渉だ。話し合いにより両国間の国交を樹立できれば、両国のさらなる発展が 見込めるだろう。未確認ではあるが、すでに帝国から代表者が派遣され、お互いの文化交 流が行われているとの情報もある。フリーダム各国の今後の対応が注目される。

神聖王国・王家の墓、盗掘される(第15話)
 ある情報筋から入手した情報によると、ファーランド中央部に位置する神聖王国にて、 王家の墓の盗掘事件が発生したようだ。盗掘された墓の規模や、盗まれた埋葬品の詳細な どは不明。現場にはネティシャ・グランティア神聖王国女王も居合わせたという情報もあ る。  賊と遭遇した辺境警備の騎士の証言によると、犯人の一味は、騎士風の男に従えられた 数体の魔物たちだったという。  先日フリーダム城に侵入した盗賊も、同様に騎士風の男に従えられた魔物たちだったこ とから、フリーダム当局は同一犯の可能性が高いとして、神聖王国に調査協力を要請して いる。  なお、この事件に関して、神聖王国政府は急遽、特別記者会見をひらいて公式発表をお こなっている。  この記者会見で近衛騎士団長のジークフリード氏は、「王家の墓に賊が入ったなどと騒 がれているが、そのような事実は一切ない。」と、事件自体を完全に否定。「黒いドラグ ーンが侵入したり、ガイアの部下が封印されていた魔剣を持ち去ったりはしていない。ブ ラガリアの黒竜帝も来なかったし、ましてや、いくら女王陛下を人質にされたからといっ て、この私が賊をおめおめ取り逃がしたなどということは、断じてない!」と力説し、隣 にいた女の子にハリセンで叩かれていた。

グラーフに薬草温泉がオープン(第16話)
 古代都市の遺跡として知られていた"黄昏の街"グラーフに、このたび温泉施設がオー プンした。  グラーフを管理する魔法都市クローネの観光課によると、この施設は修繕した古代の給 湯設備を使用して温水を得ると共に、グラーフ薬草園で取れる薬効のある植物のエキスを 入れることにより、万病に効く温泉になっているという。  クローネ観光課の試算では、グラーフ温泉に年間10万人の来客を見込んでおり、ミス トリーフと並ぶフリーダム第二の"観光都市"として、注目を集めそうだ。

マジック武具強奪事件の犯人逮捕(第17話)
 最近フリーダムの各地で頻発していた、旅人や商人が魔法の武器防具を強奪されるとい う事件の容疑者がラターニャにて逮捕された。  襲われていたのは、魔法の武具を身に着けた旅の冒険者や、魔法の武具を所持している 商人らであり、フリーダム全土や神聖王国領で、あわせて10数件の被害届が出されてい た。被害総額は数十万ガメルだと推定されている。  この強盗事件の調査に乗り出した魔法都市クローネ魔術師ギルドよって、ラターニャ在 住の貿易商人・オニール容疑者(34)が走査線に浮上。オニール容疑者の自宅を家宅捜 索したところ、盗難品と見られるマジックアイテムが発見されたため、逮捕となった。ラ ターニャ警備隊の取調べに対して、同容疑者は容疑を認めているという。  また、同容疑者は、強盗の実行犯として5人組の冒険者を雇って強奪をくり返させてい たと供述しており、ラターニャ当局はその5人組を強盗殺人容疑で全国指名手配し、行方 を追っている。  事件の動機については、同容疑者は「ある軍事国家から大口の注文を受けたので、盗品 を売れば大儲けできると思った」と供述しており、当局は同容疑者の過去の取引について も余罪がないかどうか調査を進めている。  なお、オニール容疑者の経営していた武器商店は、この事件によって商業免許を剥奪さ れ、閉鎖が確実となった。このため、同商店と頻繁に取引のあったファルヴァノア王国は、 新たな仕入れ先の選定作業に入っている。同王国のディオン王子は「新しい御用商人とし ては、最近急成長している大陸系の貿易商・ドラざえもん商店が良いかもしれませんね。」 とコメントしている。

[社会面]
ファルヴァノア王都に謎の魔物出現(第18話)
 自由都市国家連合の一国、軍事国家ファルヴァノアにて、正体不明の魔物による襲撃事 件が発生した。  事件が起こったのは城塞都市ファルヴァノアの北方、静寂の丘の近くにある小さな農村。 住民の話によると、突然氷でできた巨人が現れ、暴れ出したという。この事件によって村 人の数人が負傷したが、駆けつけた旅の医師らによる手当てによって、死者は出ずにすん だ模様だ。  また、その数日後には城塞都市ファルヴァノアにも氷の巨人が出現。巨人はディオン王 子率いる王都警備隊によって退治されたが、民間人にも多数の負傷者が出ている。  事件の直前に、事件現場で黒い皮鎧に身を包んだ不審な男が目撃されていることから、 ファルヴァノア騎士団は男が事件に関係しているのではないかとみて、男の行方を追って いる。

[政治面]
ファルヴァノア外務大臣にリュオン王子が就任(第18話)
 軍事国家ファルヴァノアは、同日付けでファルヴァノアの外務大臣職に、レオン国王の 弟君であるリュオン王子が就任したと発表した。リュオン王子は現在魔法都市クローネに 留学中であるため、実際の執務につくのは帰国後になるとみられているが、緊急の課題で ある帝国対策については留学先のクローネから指示を出すことになるようだ。  リュオン王子はその穏健な性格から、これまでの「軍事国家」としてのファルヴァノア にはない平和的な外交路線を打ち出すのではないかと目されており、国民の多くも新たな 外務大臣に期待を寄せている。  このリュオン王子の就任により、ファルヴァノアはレオン国王を二人の双子の弟、リュ オン外務大臣とディオン将軍とが補佐する形となったことになる。軍部を統括する強硬派 のディオン将軍と外交を統括する穏健派のリュオン外務大臣。この両輪を御する役目のレ オン国王の手腕も注目を集めている。

[芸能面]
ファルヴァノア国王レオン氏(29)・深夜の密会!!
相手は深窓の令嬢!?(第18話)
 当フリーダムニュース芸能部は、軍事国家として名を馳せている、かのファルヴァノア 王国の現国王・レオン氏が女性と密会している現場をスクープした!以下が、深夜の密会 の一部始終を追跡した記者のレポートである。  某月某日 夕刻 城塞都市ファルヴァノアの中央通り噴水広場   赤茶色のカツラに黒いサングラス、吟遊詩人風の服装という変装をしたレオン国王らし き人物を目撃する。噴水の前で誰かと待ち合わせをしている様子だ。スクープの臭いを感 じた私は、このまま張り込むことにする。  同日 数分後 噴水広場近くの高級レストラン  レオン氏と見られる人物は、やってきた金髪の美女とともに、近くの高級レストランに 入っていった。私もレストランに潜入することにする。費用は取材費として落とすことに しよう。  レストランの奥の方のテーブルに着いたレオン氏は、向かいに座った金髪の美女と楽し そうに談笑している。私も近くのテーブルに着き、二人の様子を観察してみることにした。 美女は高級そうなドレスを身にまとっており、上品な化粧と相まって、まさに上流階級の 令嬢といった雰囲気だ。腰まで伸ばした美しい金髪と、耳元で控えめに光るイヤリングが 女性の美しさを引き立てている。ファルヴァノア王国の社交界でも、まさにトップクラス の美しさであろう。対するレオン氏も、服装こそ場違いであるが、その奥にある気品と精 悍さとは隠しきれていない。さすがはファルヴァノアの若獅子といわれた男だ。誰が見て も非の打ち所のない、お似合いのカップルである。  同日 日没後 王都郊外の公園  レストランで食事を終えた二人は、しばらく大通りを散歩して店を見て回ったりしてい たが、やがて王都郊外の公園へとやってきた。もう日もとっぷりと暮れ、あたりは闇に沈 もうとしている。   レオン氏と美女は、そのまま二人で公園へと入っていった。よし、それでは私も……  そこへ突然、横道から柄の悪い男達が数人現れた。体に傷があったり刺青をしていたり と、どう見てもまっとうな商売をしている人間には見えない。彼らはそのまま、公園の入 り口で誰かの合図でも待つようにじっとたたずんでいる。  どうしよう、レオン氏を追って公園に入るには、この男達の横を通っていかなければな りません。……記者としてのプライドと自分の身のかわいさを秤にかけた私は、迷わずき びすを返し、公園を後にすることにした。自慢じゃないけど、昔からケンカに勝った試し はないのである。  しかし、振り返った私の目の前に現れたのは、これまた謎の黒装束の一団。  あ、あの、私は怪しいものでは……  以上が、レポーターが残した手帳に書かれていた一部始終である。なお、翌日公園前で ボコボコになっているのが発見されたレポーターは、いまだファルヴァノア治療院のベッ ドの上である。  当フリーダムニュースは、今後もこの謎の多い深窓の令嬢について調査を続行する方針 だ。

深夜の大立ち回り!(第19話)
 英雄皇国ブラガリアの首都バハムーティアの港において、先日シーフギルドのメンバー と謎の一団の交戦が行われた。本来ならば新聞に載るほどの事件ではないのだが、ギルド のメンバーが腕利きでありながら犯人を捕らえきれなかったことから、犯人グループは相 当危険な一団だと考えられる。  事件当時、現場に居合わせたとある紳士の証言によると、「ええ、彼らも強かったです が、謎の一団の方が一枚上手の紳士振りを発揮したようで、残念ながら捕らえきれなかっ たようです。え、私ですか?私はただの紳士ですよ。」とのことである。なお紳士はこの インタビューの後、我々が見惚れるような紳士オーラを発しながら、人ごみに消えていっ た。

[地方欄(帝国版)]
帝都中心部広域爆発事件に関する公式コメント(第20話)
 先日の帝都中心部における広域爆発事件に関して、帝国軍による発表があった。  帝国軍スポークスマンによると、帝国軍は同日、反帝国組織(レジスタンス)の帝都支 部に対して強制査察を敢行した。その結果、銃器等の違法所持が判明したため、組織の責 任者リーベル容疑者(68)に事情聴取を行おうとしたところ、同容疑者はあらかじめ設置 していたとみられる自爆装置を起動。レジスタンス本部の建物ごと、付近一帯が吹き飛ん だという。  この自爆事件で、レジスタンス帝都支部司令官リーベル容疑者の死亡が確認されたほか、 レジスタンス兵に32名の死者が出たという。ほかに強制査察をおこなった帝国軍にも、 死者11名、重軽傷者28名という被害が出ている。なお、付近の住民はあらかじめ軍によっ て避難させられていたため、民間人への被害はなかった。  また、レジスタンスはこの自爆と同時に、帝国軍第三研究所を強襲。同研究所を徹底的 に破壊したのち、帝国各地に逃亡した模様だ。レジスタンスの一部は山脈を越えて国外に 逃亡したとみられ、当局が行方をおっている。  帝都の自爆事件に合わせて襲撃がおこなわれたことから、一連の事件はレジスタンスに よる計画的犯行であるとみられており、今後類似の事件がおきないよう警戒が強められて いる。  今回のレジスタンス強制査察には、帝国軍が極秘裏に研究している特殊能力者の部隊が 投入されたという未確認情報もあり、関係者の注目を集めている。

[地方欄(異世界版)]
フリーダム連合軍、結成(第21話)
 昨日の暗黒王国不死騎兵団によるクローネ陥落、ラターニャ侵攻以来、暗黒王国軍に押 される一方だったフリーダム諸国であるが、ついに反撃の狼煙を上げるときがきた。  軍事国家ファルヴァノアの王子で、賢者との誉れ高いリュオン王子がファルヴァノア全 軍を率いて王都フリーダムを攻撃。激しい戦闘のすえ、暗黒王国に寝返ったアンドレイ王 子を討ち取った。  これにより、アンドレイ王子に操られていたフリーダム国王も正気に戻り、フリーダム 王国軍はファルヴァノア軍と協力して暗黒王国に立ち向かうこととなったのである。  さらに、暗黒王国魔神歩兵師団によって故郷を追われたドワーフ族の戦士たちもファル ヴァノア・フリーダム連合軍に合流。そのまま不死騎兵団の攻撃を受ける港街ラターニャ へと援軍に駆けつけ、これを解放した。  ラターニャ・クローネの軍も合流したフリーダム連合軍の次の目標は、占領されている 魔法都市クローネの解放である。連合軍は引き続きリュオン王子を総司令官とし、新たに ラターニャの聖者ララナス氏を戦列に加え、一気に攻勢にでる模様である。 [参考]各国主要人物一覧



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